2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

DX事業 人材事業 EC事業 金融事業 インキュベーション事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
DX事業 5,891 55.0 N/A N/A N/A
人材事業 1,028 9.6 N/A N/A N/A
EC事業 2,239 20.9 N/A N/A N/A
金融事業 1,216 11.4 N/A N/A N/A
インキュベーション事業 337 3.1 N/A N/A N/A

事業内容

3【事業の内容】

 当企業集団(当社及び当社の関係会社)は、DX事業、人材事業、EC事業、金融事業及びインキュベーション事業を行っております。

 当企業集団の事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次の通りであります。
 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

セグメント名称

主な事業の内容

主な会社

報告セグメント

DX事業

大手企業、地方自治体、政府、官公庁のDXの推進に向けた新規サービスの企画、システム開発及びSaaS/ASPサービスの提案、導入支援やコールセンター運営における諸課題をワンストップで解決するカスタマーサポートコンサルティングを提供しております。

㈱スカラコミュニケーションズ

㈱エッグ

㈱スカラサービス

㈱Retool

㈱レオコネクト

人材事業

体育会学生や女子学生に特化した新卒採用支援や人材紹介等の人材事業、学生向けキャリア教育事業を行っております。

㈱アスリートプランニング

㈱GeaREmake

EC事業

対戦型ゲームのトレーディングカードの買取と販売及び攻略情報サイトの機能を備えたリユースECサイト「遊々亭」を運営しております。

㈱スカラプレイス

金融事業

手厚い補償を特徴とするペットの少額短期保険「いぬとねこの保険」を提供しております。

日本ペット少額短期保険㈱

インキュベーション事業

M&Aや他企業とのアライアンス推進の他、政府、地方自治体、民間企業が連携した官民共創の新たなサービスの構築・推進、新規事業開発、事業投資や組合等を通じての投資、及び当該投資に関連するバリューアップ、エンゲージメントを行っております。

㈱スカラ

㈱ソーシャル・エックス

SCSV1号投資事業有限責任組合

 

 当連結会計年度において、「IT/AI/IoT/DX 事業」、「カスタマーサポート 事業」、「人材・教育事業」、「EC事業」、「保険事業」、「投資・インキュベーション事業」の6区分から、より事業活動の内容に沿う名称となる「DX事業」、「人材事業」、「EC事業」、「金融事業」、「インキュベーション事業」の5区分へ変更しております。

 

 当企業集団では、以下のサービスを中心に、主として企業と人のコミュニケーションを支援するサービスを提供しております。

セグメント

名  称

特    徴

DX事業

サイト内検索エンジン

『i-search』

企業のWebサイト内で、サイトを訪れたお客様が探している情報をキーワードを入力して検索するサービスです。検索結果に画像を表示することで見やすくなり、探しているページへ的確に誘導することができます。

FAQ(※)システム

『i-ask』

よくある質問と回答の情報を管理・表示するサービスで、サイトを訪れたお客様が自分で答えを見つけることができるサービスです。

WEBチャットシステム

『i-livechat』

企業のWebサイトを訪れたお客様と 1 対 1 のチャットが行えるサービスです。

WEBチャットボットシステム

『i-assist』

会話感覚で楽しみながら、お客様の求めている商品・サービスについてのWebページ情報やFAQを提供することができるサービスです。

自動音声応答システム

『SaaS型IVR』

商品注文、お問い合わせ等の受付電話で音声による自動応答を行うサービスです。

(※)FAQ:Frequently Asked Questions の略称で、「頻繁に尋ねられる質問」の意味

 

 

セグメント

名  称

特    徴

DX事業

デジタルギフトサービス

『i-gift』

デジタルギフト(商品に交換可能なID付き電子メッセージ)を、企業から個人に電子メール又はSMSで送信するサービスです。

関連リンク表示サービス

『i-linkplus』

Webサイト内の各コンテンツの中に、関連する記事ページ等へのリンクを自動表示するサービスです。自然言語処理技術を用いて、関連記事を高精度に抽出し、高速で表示することができます。

リンクチェックシステム

『i-linkcheck』

Webサイト内のリンク切れを自動で検出するサービスです。リンク切れの検出・修正が可能で、サイトのメンテナンスを容易に行うことができます。

商品サイト管理システム

『i-catalog』

Webサイト内の商品ページの作成・公開・更新を一元管理することができるサービスです。HTML等の知識が無くても簡単に商品紹介ページを作成・管理することができます。

キャンペーンサイト
構築サービス

PC・スマートフォン等、メディアを問わず素早くキャンペーンシステムを構築するサービスです。Webサイトから自動音声受付事務局まで一括してお任せいただくことができます。

ビジネス情報のチェック

ツール

『ニュース配信サービス』

法人向けのニュース配信や法人サイト向けのニュース掲示等、自然言語処理技術と検索技術を活用したニュース配信サービスです。ビジネス情報の収集・共有を効率的に行うことができます。

特許管理システム『PatentManager6』

国内外の特許出願に関する期限・履歴・費用等の管理業務をサポートする知財業務管理サービスです。柔軟なシステムにより、お客様ごとに知財業務のノウハウを継承した設計・管理をすることができます。

契約業務管理システム『GripManager』

契約書の申請から締結に至るまでのプロセスを管理する契約業務管理サービスです。現場担当者と法務部門とのやりとりを効率的に管理することができます。

認証サービス

『i-dentify』

電話着信、SMS、マイナンバーカードを活用した認証サービスです。ID、PW認証に加え、i-dentifyの二要素認証でセキュリティを強化し、なりすましや不正ログインを防止することができます。

AI自動音声応答システム

『AI-Tell』

AIによる音声認識と音声合成、自然言語処理を活用したAIオペレータが、お客様からの電話でのお問い合わせに音声で対応することができるサービスです。コールセンター業務のサポート機能として、人手不足の解消や対応時間の拡充等に活用することができます。

活動管理ツール

『Retool』

作業の可視化、定量化により組織の活動状況を把握し、生産性・効率の最適化につなげるクラウド型のサービスです。

SMS配信システム

事故受付・セミナー募集等に活用できるアンケートページの作成と、作成したアンケートをSMSで個別送信・一斉送信ができるシステムです。到達率の高いSMSを利用することで、お客様の声をより漏れなく効率的に収集することができます。

AI音声認識ソリューション『CC-Assist』

コールセンターにおいて、オペレータと通話者の会話を音声認識AIを用いてサポートするサービスです。リアルタイムテキスト化機能やi-askとの連携により、お客様対応の品質向上と平均通話時間・平均後処理時間の短縮が可能です。

マイクロサービスプラット

フォーム『GEAR-S』

様々なプロジェクトや事業におけるWebシステムに柔軟性の高い選択肢を与えるWebアプリケーションプラットフォームです。CMS・フォーム・FAQ等の各機能を組み合わせることでシンプルなサービスを素早く利用いただけます。

マイナンバーWeb API

サービス

マイナンバー情報とWebフォームをAPI連携することで、本人確認作業をオンラインで完結するサービスです。xID社が提供するアプリ「xID」と連携し、本人確認等にかかるコスト・時間を削減できます。

牛の総合診療サポートツール『U-メディカルサポート』

遠隔診療や電子カルテ、牛の行動データ連携等の機能を搭載し、獣医師・農家の業務効率化、生産性向上を実現する総合システムです。

 

 

セグメント

名  称

特    徴

DX事業

乳牛ゲノム検査結果データ活用システム『eGプラス』

牛群改良の効率化に役立つゲノム検査を手軽に受けられ、検査結果を活用できるシステムです。スマートフォンで検査結果を簡単に表示、検索することができます。

自治体向け施設予約システム『PORTAL X』

「xID」によるマイナンバーカードを活用し本人確認を行いオンラインで利用登録や予約を完結することができる予約システムです。受付や決済・鍵の受け渡し等の窓口業務が不要となり、業務の負担を軽減することができます。

フレイル早期発見システム

『ASTERⅡ』

保健事業と介護予防事業の一体的実施でも活用できるフレイル早期発見システムです。簡単にフレイル判定を実施でき、高齢者自身に気づきを与えるとともに、その評価データを分析、把握し、介護予防事業のDX化を進めることができます。

マイナンバーカードの公的個人認証サービスとしてxIDアプリを活用し、自治体公式LINEからフレイル対策(フレイル度チェック、予防プログラム提示等)に取り組めるオンラインサービスも可能です。

フレイル予防アプリ

フレイル専用アプリにより、24時間いつでもフレイルチェックができるだけでなく、判定結果に連動して、予防教室への申し込みができたり、予防教室の体験ができたりします。

予防教室は委託する民間企業によって実績入力がなされ、その実績に伴い請求・支払いができるPFS型のサービスです。

郵便物発送ソリューション

ふるさと納税業務等の郵便物の作成から発行までを代行するソリューションです。煩雑で手間がかかるふるさと納税の寄付金受領書の発行業務がワンクリックで完了できるようになり、担当者様の業務負担を大きく軽減することができます。

DX人材派遣サービス

当社グループのサービス開発/運用/保守のナレッジを活かし、お客様に寄り添うことのできるDX人材が、システム開発を支援します。

ビジネスの臨機応変な状況にあわせ、必要な技術力を提供するDX人材派遣サービスです。

カスタマーサポートコンサルティング

コールセンター運営及び各種BPO等、カスタマーサポートに関わるコンサルティングサービスをワンストップで提供しています。

人材事業

体育会学生採用メディア

『アスプラ』

体育会学生のための会員制就活情報サイトです。

女子学生特化採用メディア

『女子キャリ』

女子学生のための会員制就活情報サイトです。

学習塾運営事業
『学楽塾プレインズ』

中高生を対象とした学習塾の運営

EC事業

ECサイト運営

通信販売サイト

『カードショップ-遊々亭-』

対戦型ゲームのトレーディングカード売買を行うECサイトの運営をしています。

金融事業

ペットの少額短期保険

『いぬとねこの保険』

加入しやすい保険料かつワイド補償で、愛犬家・愛猫家も納得のペット向け少額短期保険を提供しています。

インキュベーション事業

官民共創サービス

『逆プロポ』

企業と自治体が社会課題を軸にマッチングし、両者が持つリソースを活かした官民共創型の取り組みを進めることができるプラットフォームです。

共創型M&Aアドバイザリー

これまで培った事業開発の経験、当社が当事者として蓄積させてきたM&A、投資の経験を活かしたアドバイザリーサービスです。

ファンクラブサービス

『Fanique』

NFTとファンクラブの機能を融合した新しい形態のサービスです。スポーツチームはメンバーシップNFTを発行でき、会員はチームの意思決定への参画が可能です。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。

 また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用し、双方で連結経営成績を開示しております。

 

 2023年6月期第4四半期に㈱コネクトエージェンシー及びジェイ・フェニックス・リサーチ㈱の両社を非継続事業に分類しておりましたが、全株式の譲渡が完了しております。

 また、2024年6月期第3四半期に連結子会社である㈱フォーハンズ、同第4四半期に㈱readytowork、㈱スポーツストーリーズ及び㈱ブロンコス20を非継続事業に分類しておりましたが、当連結会計年度に全株式の譲渡が完了しております。

 これにより、2023年6月期連結会計年度の売上収益、営業利益及び税引前利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて記載しております。

 セグメント関連につきましては、2024年6月期第4四半期において、教育事業が非継続事業へと移行したため、人材・教育事業から人材事業へと報告セグメント名称を変更しております。また、金融関連事業から金融事業へと報告セグメント名称を変更しておりますが、事業内容に変更はございません。

 

(1) 当期(2024年6月期)の経営成績

① IFRSに基づく経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化や雇用環境の改善が進み、景気は緩やかな回復傾向が続いております。しかしながら、地政学リスクによる資源価格の高騰や円安による物価上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 この状況下において、コスト削減や新たな働き方を創造するオペレーション効率化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の最先端技術を活用し、自社だけでなく共創パートナー企業や地域社会、国の成長を重要視するとともに、社会課題解決に関わる人々の自己成長に向けた取り組みが注目されております。

 このような事業環境のもと、当企業集団は、2023年8月の中期経営計画「2024-2026」にて掲げた、当企業集団の掲げるVISION「価値が溢れ出てくる社会」の実現を目指し、同計画にて掲げる目標達成に向けて取り組んでまいりました。また、重要基盤であるDX事業を中心としたグループ収益力を大幅に改善するために、2025年6月期以降に向けて、事業の選択と集中及びコスト削減による事業構造改革を進めてまいりました。

 

 当連結会計年度における売上収益は10,714百万円(前年比9.5%減)となりました。EC事業が引き続き好調に推移したものの、主にDX事業において開発案件の一時的減少、GoToトラベル事業や全国旅行支援事業の終了による影響等が生じたことによるものです。

 利益につきましては、営業損失は2,155百万円(前期は397百万円の営業利益)となりました。これは主に、DX事業での売上収益の減少による影響の他、事業構造改革に伴うオフィス縮小の解約金や、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損損失等の計上によるものです。

 税引前損失につきましては、2,166百万円(前期は374百万円の税引前利益)となり、法人所得税194百万円及び非継続事業からの当期損失516百万円を計上した結果、当期損失は2,877百万円(前期は213百万円の当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は2,887百万円(前期は218百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。

 

(国際会計基準(IFRS)ベース)                       (%表示は対前年同期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前利益

当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年6月期

10,714

△9.5

△2,155

-

△2,166

-

△2,877

-

△2,887

-

2023年6月期

11,838

-

397

-

374

-

△213

-

△218

-

 

 

② Non-GAAP指標に基づく経営成績

 Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。

 Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。

 なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。

 Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

 営業利益以下の各項目において投資事業有価証券にかかる損益を控除し、当期利益以下の各項目において非継続事業からの当期利益を控除調整しております。

 当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記のれん等の減損損失、解約違約金、事業構造改善費用等2,069百万円、当期利益において繰延税金資産の取崩しの計上98百万円を控除しております。

 

(Non-GAAPベース)                           (%表示は対前年同期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前利益

当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年6月期

10,714

△9.5

△203

-

△214

-

△274

-

△274

-

2023年6月期

11,838

-

359

-

337

-

205

-

194

-

 

 各セグメントの業績については以下の通りです。

 なお、売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。

 

(ⅰ) DX事業

 DX事業におきまして、㈱スカラコミュニケーションズでは、取引額の大きな一部業界における情勢変化や特定顧客の案件縮小の影響により、売上収益・利益は前年同期に対して減少しました。

 ㈱エッグでは、GoToトラベル事業や全国旅行支援事業の終了、当初計画からの進捗遅れ等の影響により前年同期に対して売上・利益は減少しました。一方で、デジタル田園都市国家構想交付金事業の納入は順調に進み、新規開発案件の獲得は堅調に推移しております。自治体公式LINEを活用した健康・介護予防のオンラインサービス開始等、他自治体への横展開に引き続き注力してまいります。

 以上の結果により、DX事業全体では既存サービス及び新規サービスの導入を加速しておりますが、今期の売上計上は一部に留まり、売上収益・利益は減少しました。

 なお、オペレーションのスリム化による生産性向上を図るため、事業構造改善費用として149百万円を計上した他、当初計画からの収益力向上の進捗遅れに伴う影響により、一時的な損失として、のれん及び固定資産の減損損失945百万円を計上しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

7,213

5,865

△1,347(△18.7%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

1,007

△564

△1,572(-)

本社費配賦後

350

△1,217

△1,567(-)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

1,007

529

△477(△47.4%)

本社費配賦後

350

△122

△472(-)

(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、のれん及び固定資産の減損損失、事業構造改善費用を控除しております。

 

(ⅱ) 人材事業

 採用支援サービス事業では、新卒採用意欲の高まりが2025年春入社においても継続しており、体育会学生や女子学生に特化した採用支援サービスを軸に優秀な学生と企業との様々なマッチング機会のニーズは引き続き高いレベルを維持しています。

 また、新規事業として中途転職支援事業及び学生向けキャリア教育事業を開始しており、既存事業で培った資産の有効活用により、早期業績拡大を図ってまいります。

 人材紹介・採用イベントともに成長を継続し、売上収益は前年同期に対して増加しましたが、新規事業開始に伴う体制整備等の先行投資の影響により、利益は前年同期に対して減少しました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

963

1,028

65(6.8%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

324

304

△19(△6.1%)

本社費配賦後

286

266

△19(△6.9%)

 

(ⅲ) EC事業

 EC事業では、SEOやデータフィード広告をはじめとしたデジタルマーケティング等、快適なUI/UXの追求を継続していることが功を奏し、売上収益は前年同期に対して増加しました。また、長年研究開発を続けてきたAI画像認識ソリューションについても物流拠点における発送業務の一部に導入を開始いたしました。今後は買取査定への応用も進める予定であり更なる生産性の向上に取り組んでまいります。

 利益は外部環境に恵まれ前期活況を呈し急成長した一部タイトルの影響と、継続して取り組んでいるシステムの改修・改善や最新のテクノロジーの導入検討を積極的に推進していることから前年同期に対して減少しました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

2,138

2,238

100(4.7%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

379

303

△76(△20.1%)

本社費配賦後

316

240

△76(△24.1%)

 

 

(ⅳ) 金融事業

 金融事業においては、利益率の高い新商品の販促活動により、保有契約件数は年間最高値を達成しましたが、新商品開発に伴う先行投資やウェブサイト・ランディングページの改修等のマーケティング施策を強化した費用が増加し、売上収益・利益は前年同期に対して減少しました。

 なお、当初計画からの収益力向上の進捗遅れに伴う影響により、一時的な損失として、のれん及び固定資産の減損損失613百万円を計上しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

1,245

1,216

△28(△2.3%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

△160

△782

△621(-)

本社費配賦後

△196

△818

△621(-)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

△160

△169

△8(-)

本社費配賦後

△196

△205

△8(-)

(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、のれん及び固定資産の減損損失を控除しております。

 

(ⅴ) インキュベーション事業

 ㈱ソーシャル・エックスでは「逆プロポ」各種サービスを通じて、官民共創による社会課題解決型の新規事業創出を支援しております。東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の協定事業者として実施している、財務リターンと社会的インパクトを両立する社会課題解決型スタートアップの創出・支援をめざす「官民共創型アクセラレーションプログラム(ソーシャルXアクセラレーション)」では、1期目の入賞企業が自治体との実証実験へと進み、2期目のファイナリストが決定しました。また、内閣府沖縄総合事務局、群馬県庁でも同様のプログラムがスタートし、同プログラムへの金融機関等からの関心も高まっています。そのような流れの中、北國銀行の投資子会社であるQRインベストメントとインパクトファンド組成に向けた検討が始まり、山口ファイナンシャルグループの100%出資子会社であるYMFG ZONEプラニングと「地域活性化に係る連携協力に関する協定書」を締結する等の動きも出ています。

 「逆プロポ」では、博報堂、Mellow、BABY JOB、ENELL、コンカー等、スタートアップから大企業まで幅広い募集が行われ、テレビ番組等メディアにも取り上げられました。また、昨年8月に開発した官民共創人材育成プログラムは、これまでに40社85自治体3省庁合計400名に向けて展開し、その後、東京都による連携促進型オープンイノベーションプラットフォーム事業にも取り入れられる等、今後も各方面への展開が決まっております。愛知県豊田市からは一年間の出向職員を受け入れ、東京都港区には、企業連携推進アドバイザーとしてディレクターを派遣する等、政府はじめ各所からの注目が集まる中、共創エコノミーの構築に向け、新たな挑戦を続けております。

 また㈱スカラは、これまで培ってきた事業開発やM&Aの経験とグループにおけるDXのノウハウを掛け合わせて情報通信業等の上場企業に対し、共創型のM&AアドバイザリーとしてM&Aの実行支援サービスを実施しております。これまでの経験を生かした売り手候補への直接的なアプローチにより、高い返信率で潜在層を掘り起こしております。

 上記の新規事業の積極的な取り組みにより収益規模は徐々に拡大しておりますが、M&A関連等のサービス開発の費用が先行し、利益は前年同期に対して減少しました。

 なお、一部の事業における将来収益力の見直しに伴い、一時的な損失として、固定資産の減損損失61百万円を計上しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

269

294

25(9.4%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

△197

△182

15(-)

本社費配賦後

△203

△188

15(-)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

△235

△190

44(-)

本社費配賦後

△241

△196

44(-)

(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、固定資産の減損損失及び事業構造改善費用を控除しております。

 

(2) 当期の財政状態の分析

(資産)

 資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5,616百万円減少し、12,699百万円となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物の減少923百万円、使用権資産の減少1,456百万円、のれんの減少1,012百万円、無形資産の減少1,049百万円及び繰延税金資産の減少325百万円等によるものです。

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,096百万円減少し、8,130百万円となりました。その主な要因は、非流動負債の社債及び借入金の減少342百万円、繰延税金負債の減少255百万円、リース負債の減少272百万円及び長期リース負債の減少1,223百万円等によるものです。

(資本)

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ3,519百万円減少し、4,569百万円となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期損失2,887百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少645百万円等によるものであります。

 

(3) 当期のキャッシュ・フローの概況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ923百万円減少し、6,817百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、251百万円の流入(前期比349百万円の流入減少)となりました。この主な要因は、税引前損失2,166百万円、非継続事業からの税引前損失489百万円(前期は374百万円の税引前利益、522百万円の非継続事業からの税引前損失)、減損損失1,961百万円(前期比1,561百万円の流入増加)、減価償却費及び償却費711百万円(前期比80百万円の流入減少)、法人所得税の還付額31百万円(前期は法人所得税の支払額324百万円)等が生じたことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、161百万円の流入(前期は214百万円の流出)となりました。この主な要因は、投資事業有価証券の売却による収入255百万円(前期比97百万円の流入増加)、敷金及び保証金の回収による収入48百万円(前期比47百万円の流入増加)、無形資産の取得による支出△70百万円(前期比32百万円の流出減少)、投資有価証券の取得による支出△33百万円(前期比59百万円の流出減少)等が生じたことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,348百万円の流出(前期比902百万円の流出減少)となりました。この主な要因は、借入金の返済等による資金の流出△28百万円(前期比888百万円の流出減少。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」の合計)、リース負債の返済による支出△493百万円(前期比58百万円の流出減少)及び配当金の支払額△647百万円(前期比15百万円の流出増加)等が生じたことによるものであります。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ) 生産実績

 当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(ⅱ) 受注実績

 当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(ⅲ) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

DX事業

5,865,868

81.3

人材事業

1,028,301

106.8

EC事業

2,238,629

104.7

金融事業

1,216,357

97.7

インキュベーション事業

294,351

109.4

その他

71,040

728.8

合計

10,714,549

90.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.本表には非継続事業の実績は含んでおりません。

 

(5) 重要性がある会計方針及び当該見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当企業集団は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の通りであります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当企業集団は、手元資金及び事業により創出されるフリーキャッシュ・フローによることを基本としておりますが、事業活動に必要な資金を安定的に調達するのに加え、成長領域への投資において追加的に資金が必要な場合に備え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。

資金需要の主なものは、運転資金、成長領域への投資資金、借入金の返済、法人税及び配当金の支払等であり、資金調達については、多様な資金調達手段から調達時の状況に応じて最適な手段を選択し、安定的な資金の確保、資本コストの最適化に努めております。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

セグメント情報

6.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

 当企業集団の報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち、サービス特性の類似性ごとに分離された財務情報が入手可能なものであり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 非継続事業に分類した、㈱コネクトエージェンシー及び㈱readytowork(DX事業)、㈱スカラワークス、㈱フォーハンズ、㈱スポーツストーリーズ及び㈱ブロンコス20(旧人材・教育事業)、ジェイ・フェニックス・リサーチ㈱(インキュベーション事業)は、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度のDX事業、人材事業及びインキュベーション事業のセグメント情報から控除しております。

 

・「DX事業」は、IT/AI/IoTを用いたDXを推進し、新規事業、新規サービスの創出や、既存事業を再定義し、再成長を加速するというテーマの中で、国内外のDXを推進するために各業界、関連技術に精通したパートナーとの協業を積極的に進めております。また、顧客ニーズに柔軟かつスピーディーに対応し、IT(Web、電話、FAX、SMS関連技術)/AI/IoT技術を活用したSaaS/ASPサービスを提供しております。

・「人材事業」は、体育会系人材を中心とした新卒・中途採用支援を行っております。

・「EC事業」は、対戦型ゲームのトレーディングカードゲーム(TCG)の買取と販売及び攻略サイトの機能を備えたリユースECサイト「遊々亭」を運営しております。

・「金融事業」は、ケガ・病気で動物病院にて通院・入院・手術等の診療を受けた場合に、かかった医療費を限度額や一定割合の範囲内で補償するペット保険「いぬとねこの保険」の運営をしております。

・「インキュベーション事業」は、M&Aや他企業とのアライアンスの他、全国自治体と連携した民間企業と新規事業開発、移住支援等のプロジェクトに関する地方創生関連サービス、事業投資や組合等を通じての投資、当該投資に関連するバリューアップ及びエンゲージメントを行っております。

 

(2) 報告セグメントの変更

 当社は、2023年8月14日の中期経営計画の公表に伴い、第1四半期連結会計期間より、サービス特性の類似性を考慮して、従来の「カスタマーサポート事業」を「DX事業」に含めて表示しております。また、報告セグメントごとの経営成績をより適切に反映するため、従来の投資・インキュベーション事業に配分しておりました提出会社の間接部門における収益及び費用を調整額として表示する方法に変更しております。

 これにより、報告セグメントを「IT/AI/IoT/DX事業」、「カスタマーサポート事業」、「人材・教育事業」、「EC事業」、「保険事業」、「投資・インキュベーション事業」の6区分から、より事業活動の内容に沿う名称となる「DX事業」、「人材・教育事業」、「EC事業」、「金融関連事業」、「インキュベーション事業」の5区分へ変更しております。

 また、第4四半期連結会計期間において、教育事業が非継続事業へと移行したため、人材・教育事業から人材事業へと報告セグメント名称を変更しております。金融関連事業につきましても金融事業へと報告セグメント名称を変更しておりますが、事業内容に変更はございません。

 なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

 

(3) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失

前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結損益計算書

計上額(注)2

 

DX事業

人材事業

EC事業

金融事業

インキュベーション事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

7,213,208

963,062

2,138,189

1,245,036

269,098

11,828,595

9,747

11,838,343

セグメント間の内部売上収益又は

振替高

54,751

900

-

-

21,141

76,793

△76,793

-

7,267,960

963,962

2,138,189

1,245,036

290,240

11,905,388

△67,045

11,838,343

セグメント

利益又は損失

350,032

286,672

316,232

△196,626

△203,642

552,669

△155,449

397,219

金融収益

-

-

-

-

-

-

-

28,114

金融費用

-

-

-

-

-

-

-

△50,493

税引前利益

(△損失)

-

-

-

-

-

-

-

374,840

(注)1. セグメント利益の調整額△155,449千円には、セグメント間内部取引消去及び各報告セグメントに配賦していない全社費用が含まれております。

2. セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3. 全社費用については、合理的な基準に基づき各報告セグメントへ配賦しております。

4. 事業セグメント間の振替価格は、第三者との取引に準じた独立当事者間取引条件に基づいて行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額(注)1

連結損益計算書

計上額(注)2

 

DX事業

人材事業

EC事業

金融事業

インキュベーション事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

5,865,868

1,028,301

2,238,629

1,216,357

294,351

10,643,509

71,040

10,714,549

セグメント間の内部売上収益又は

振替高

25,464

-

-

-

42,951

68,416

△68,416

5,891,333

1,028,301

2,238,629

1,216,357

337,303

10,711,925

2,623

10,714,549

セグメント

利益又は損失

△1,217,194

266,812

240,123

△818,615

△188,273

△1,717,148

△437,872

△2,155,020

金融収益

-

-

-

-

-

-

-

28,380

金融費用

-

-

-

-

-

-

-

△40,030

税引前利益

(△損失)

-

-

-

-

-

-

-

△2,166,670

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減損損失

945,109

-

-

613,235

61,353

1,619,697

57,180

1,676,878

(注)1. セグメント利益の調整額△437,872千円には、セグメント間内部取引消去及び各報告セグメントに配賦していない全社費用が含まれております。

2. セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3. 全社費用については、合理的な基準に基づき各報告セグメントへ配賦しております。

4. 事業セグメント間の振替価格は、第三者との取引に準じた独立当事者間取引条件に基づいて行っております。

5.減損損失については、注記「12.有形固定資産」及び注記「13.のれん及び無形資産」に記載しております。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

 製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

(4) 地域に関する情報

① 売上収益

 本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大半を占めるため、記載を省略しております。

② 非流動資産

 本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大半を占めるため、記載を省略しております。

 

(5) 主要な顧客に関する情報

 外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しております。