2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

BESS事業 EVCS事業 電力事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
BESS事業 17,102 88.6 3,870 111.2 22.6
EVCS事業 1,149 6.0 -424 -12.2 -36.9
電力事業 1,054 5.5 35 1.0 3.3

 

3 【事業の内容】

パワーエックスは蓄電型発電所(注1)を製作する会社です。

当社グループは、「永遠に、エネルギーに困らない地球」をビジョンに、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに掲げ、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage System。蓄電池と電力制御を組み合わせて、状況に応じて電力を充放電する仕組み)の開発、製造、販売から、系統用蓄電所の企画、運用までを一貫して提供しております。

2025年2月に日本政府が閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度に総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されています(注2)。また、2025年1月には米国が国連に対してパリ協定からの離脱を通告するなど、エネルギーを巡る問題は世界規模で不確実性が高まっていますが、エネルギー自給率の向上や温室効果ガス削減等課題を解決するためには、再生可能エネルギーの主力電源化が鍵であり、その需要は急速に高まっております。蓄電池は、太陽光や風力などで発電された電力を余剰時に蓄え、不足時に放出することで、発生をコントロールしにくい再エネ由来の電力を需要に応じて柔軟に供給することを可能とする、化石燃料依存の脱却を実現する次世代の代替手段であり、その発展には高度なエネルギー制御とセキュリティ対策によって支えられた高品質且つ低コストでアクセスのしやすいハードウェアの普及が必要不可欠です。

当社グループは、脱炭素化社会の実現に貢献するため、岡山県玉野市に建設した自社工場「Power Base」及び提携工場で生産する蓄電池製品を利用したソリューションを提供しており、BESS事業、EVCS事業、電力事業の3つの事業から構成されております。

(注1) 2022年5月の電気事業法改正以降、出力10MW以上で電力系統に直接接続する蓄電システムは「発電所」として扱われています。当社ではこうした系統用蓄電システムを「蓄電型発電所」と称しています。

(注2) 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画の概要(2025年2月)」

 


 

 

(Made in Japanの蓄電池製造基盤)

当社グループは、岡山県玉野市の自社工場「Power Base」及び提携工場において、定置用蓄電システムや蓄電池型急速EV充電システム等、様々な用途に応じた蓄電池製品の製造を行っております。

近年は、ウクライナ紛争の長期化や、米中間における輸出入の禁止措置など、地政学上のリスクが高まる中で、日本でも2025年6月に施行された経済安全保障推進法において重要物資の安定的供給や、基幹インフラ役務の安定的提供の確保に関する制度が定められるなど、経済安全保障におけるエネルギー確保の重要性が認識されております。当社グループは製品の設計、製造、ソフトウエア開発、メンテナンスのすべてを日本で行うことで、日本のエネルギー安全保障に貢献するというコミットメントを表した「Made in Japan宣言」を行い、以下3点をお約束します。

① 日本国内で設計、組み立てられた製品

製品開発・生産拠点は、100%日本国内。岡山県玉野市に所在する自社工場及び提携工場にて高品質で信頼性のある蓄電池製品を組立て。

② 自社開発ソフトウエアによるセキュリティの確保

国内のインフラを外部から守るために開発された自社ソフトウエア。電力の送配電等の基幹システムへのサイバー攻撃リスクを最小化し、国内電力の安定供給を支える。

③ 万全なサポート体制

当社グループの製品は、自社システムで24時間監視可能。技術サポートの専門チームが製品導入後の運営やトラブル対応など、あらゆるサポートをオンサイトで提供。

当社グループは、多額の設備投資が必要な電池セル及び電池モジュール(電力を蓄える最小単位であるセルを、用途に合わせて複数組み合わせて電圧や容量を向上させたものがモジュール)の製造を自社では行わず、その時点で最も高品質でコスト競争力の高い電池セル及び電池モジュールを購入するビジネスモデルを採用しております。これにより、電池セル及び電池モジュールの製造設備への投資や開発コストの負担を軽減し、低価格の製品提供が可能となっております。また、定置用蓄電池、急速EV充電器等の様々な蓄電池製品に使用する電池セル及び電池モジュールは共通のものを調達し、それらを用いて製品を量産することで低価格化を図るとともに、今後拡大する蓄電池需要に対応することができます。

また、当社グループでは、電池セルとして、三元系リチウムイオン電池に比べて異常時に熱暴走しにくいリン酸鉄リチウムイオン電池を使用しており、それに加え、自社開発のバッテリー安全保護システム(BMS:Battery Management System)により、過電圧、過放電、過電流、高温/低温、電気回路のショートなどのあらゆるトラブルから電池を保護します。リン酸鉄リチウムイオン電池は、コバルト系や三元系のリチウムイオン電池と比べてエネルギー密度は低いものの、ニッケル、マンガン、コバルト等の希少性の高い鉱物資源を使用しているため原価が高騰しているコバルト系や三元系のリチウムイオン電池よりも比較的安価であります。リン酸鉄リチウムイオン電池の定置用蓄電池への使用は広く普及しつつあり、今後一層のコストカットも期待できます。

 

2025年12月31日時点における生産能力は以下のとおりです。

工場

所在地

対象製品

年間生産能力

Power Base

岡山県玉野市

PowerX Hypercharger

PowerX Cube

480台

(171MWh)

提携工場

岡山県玉野市

PowerX Mega Power

400台

(1,096MWh)

 

 

 

当社グループが提供する蓄電池製品の主なラインナップは以下のとおりであります。

 


 

(BESS事業)

当事業は、主に大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」、中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」の販売及びメンテナンスを行っております。「PowerX Mega Power」は、2.7MWhの大容量となっており、発電所等における電力の発生から消費に至る一連の電力供給システムに接続する電力系統用、自社拠点に設置して利用する産業・商業用のどちらにも利用可能で、再生可能エネルギーの有効な活用を可能とします。「PowerX Cube」は、産業用及び商業用に設計された中型の定置用蓄電池で「PowerX Mega Power」よりも設置面積が小さく、様々な用途に展開できます。また、当社のBESS事業では、バッテリー貯蔵システム(ESS)、パワーコンディショナー(PCS)、変圧器(TR)、パワー管理システム(PMS)、エネルギー管理システム(EMS)、アグリゲーション・コーディネーター(AC/RA)などの、周辺インフラからエネルギーソリューションを含めた製商品及びサービスをラインナップしております。

BESS事業における主要顧客は、発電事業者や都市開発業者、不動産業者、自動車関連メーカーや機器メーカー及び物流事業者など、幅広い業種にわたっております。また、当社グループが販売した蓄電池製品は、系統接続による電力の売買や、自家消費用の電力コストの削減、収益物件としての運用など、顧客のニーズに応じた用途に供されております。そのため、当社グループでは製品の購入のみを希望されるお客様から、機器購入後の運用まで一貫して任せたいというお客様まで、あらゆるニーズへのきめ細かい価値提供を可能とするべく、製品販売のみではなく、蓄電池の運用管理に必要なソフトウエアの開発・提供や、販売後の保守メンテナンスを含めて当社が対応する体制を構築しております。

また、電力系統に接続して電力の充放電を行う蓄電施設である系統用蓄電所向けの製品販売に当たっては、日本のエネルギー需給や系統への接続可否の調査を踏まえた導入サポートを行っているほか、自社開発の蓄電池運用システム「Power OS」を用いて遠隔監視による常時保守・保全を行っており、不具合発生時も適時に把握することが可能となっています。

 

産業・商業用では、工場、倉庫、ビルなどの脱炭素化を蓄電池が実現可能とします。太陽光発電システムに加えて蓄電池を導入することで、従来は廃棄していた余剰発電量を蓄電池に蓄えて夜間電力として最大限活用することや、昼夜の電力の価格差を利用して電気代を削減することが可能なほか、災害等により系統からの電力供給が途絶えた場合の非常用電源として、BCP(BCP: Business Continuity Plan)の観点からも活用が期待されます。

 

(EVCS事業)

当事業は、蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の顧客への販売、メンテナンス及び「PowerX Hypercharger」を利用したEVユーザー向け充電サービス「PowerX Charge Station」を展開しております。

EVCS事業では国内外のカーディーラーや自動車用品販売業者、運送業者などを主要顧客として製品を販売するほか、EVユーザーである個人及び法人に対して充電サービスを提供する「PowerX Charge Station」の自社拠点の運営、及びFC拠点の運営受託を行っております。

当社が販売及び運営を行っている「PowerX Hypercharger」、「PowerX Charge Station」の特徴は以下のとおりです。

 

① 急速充電/高圧変電設備不要

当社グループが独自開発している「PowerX Hypercharger」は、最大出力240kWhによる短時間充電を可能とし、商業施設等の短時間の滞在を見込む場所での充電をサポートすることができます。また、変電機・パワーコンディショナー・充電器を兼ね備えたオールインワンの充電設備であり、高圧変電設備及び工事が不要です。一般商業用の低圧電力(200V)契約で利用できることから設置場所の制限が少なく、低コストでの設置が可能です。

 

② 再エネ充電可能

「PowerX Hypercharger」は、蓄電池内蔵型であるため、気候条件により発電が左右される太陽光発電等の電力を蓄電池に蓄えることが可能となり、「再エネ満タン」、すなわち100%再生可能エネルギーによるEV充電を実現できます。

自社で運営する「PowerX Charge Station」においては、EVユーザーの環境意識の度合いに合わせて純再エネ100%、純再エネ70%等、系統電力から電力を選んでEVを充電することが可能となっております。

 

③ 直感的なUI(User Interface)/ UX(User Experience)アプリ

EV充電ネットワークを利用できるアプリを自社開発いたしました。アプリは使いやすさを重視したシンプルな設計で、ユーザーは直感的な操作で予約、充電状況の確認、決済をアプリ上で完結することが可能となっております。

 

④ 検索&予約可能

日本における充電スポットの中には検索可能であるものの予約はできず現地に到着するまで使用状況がわからない、また時間制限がありフル充電が難しいという施設もありますが、当社の「PowerX Charge Station」は、自社開発アプリで充電スポットを検索・予約することでスムーズに充電でき、予約時間内であればフル充電も可能となっております。

 

(電力事業)

当事業は、蓄電池を使ったオフサイトPPA(電力の需要家が、需要場所外に発電設備を確保して再生可能エネルギーを調達するスキーム)である「アドバンスプラン(旧X-PPA)」をはじめとした蓄電池を利用した電力提供サービス及び蓄電所の開発、運営サービスを展開しております。

「アドバンスプラン」は、昼間の太陽光や風力等のベース電源に加えて、日中に太陽光によって発電された電力を蓄電池に蓄え、電力需要の高まる夕方以降の時間帯に「夜間太陽光」として、オフィスビルや商業施設等に供給する、新たな法人向け電力販売契約(PPA)を提供するものであります。

 

日本においては各地にメガソーラーが建設されるなど、太陽光発電の導入が進んでいる一方で、太陽光発電の発電量や価格は、季節や天気等の自然要因に大きく影響を受ける上、日没後は発電できないため、夜間使用される電気の多くはいまだ火力由来の電源に頼っている現状であります。さらには、太陽光パネルを設置するスペースが限られることや、再生可能エネルギーを証明する非化石証書(注)の価格が変動することにより予測が困難であること等、法人による再生可能エネルギーの活用には様々な課題があります。

「アドバンスプラン」では、当社グループが電力提供元として、発電元より再生可能エネルギーを購入し、オフィスビルや商業施設等に電力を供給しております。再生可能エネルギーが夜間も電力系統を通して供給されることで、法人顧客は再生可能エネルギーの高い活用率を実現することが可能となります。蓄電池製品の電力需給調整の特徴を最大限活用したこのスキームにより、顧客は自らが設定した再エネ比率での電力供給を経済的かつ安定的に受けることができ、かつ、非化石価値を取得するための手間や価格変動リスクを低減できます。当社はこの「アドバンスプラン」を多くの顧客に利用いただくことで、再生可能エネルギーの有効活用と更なる普及に貢献できるものと考えております。

(注) 非化石証書とは、再生可能エネルギー等の非化石エネルギーで発電された電力の、環境価値部分を証書化したものであります。化石燃料等による発電とは異なり、太陽光発電や風力発電による再生可能エネルギーは、物理的な電気の価値に加え環境価値を持っております。これを切り分け、環境価値のみを取引できるようにしたのが非化石証書であり、非化石エネルギーの利用を促進し環境保全に貢献することを目的としております。

 

 蓄電所の開発、運営サービスは、当社がディベロッパーとして新しい蓄電所の企画・開発を行い、当該蓄電所のアセットオーナーに当社蓄電池製品を販売、商業運転開始後に蓄電所の充放電を最適化し、蓄電所オーナーに固定収入を保証するトーリングモデル、電力市場における運用を中心としたマーチャントモデル、これらの中間にあたるハイブリッドモデルを提供し、在庫リスクを抑えた安定的な収益確保を目指しています。

 


 

(海上送電事業)

海上送電事業は、連結子会社である株式会社海上パワーグリッドが担っており、電力を海上輸送する電気運搬船を利用した電力運搬事業の事業化を進めております。再生可能エネルギーを調達し、電気を海上輸送、系統を通して顧客に電気を届ける事業であり、大規模な敷設工事が必要となる海底ケーブルによる送電と比較すると、環境や自然にも著しく優しく、災害にも強い、これまでにない送電方法となります。エネルギーといえば、燃料を船で運搬する方法が一般的でありますが、電気を電気のまま運ぶ新しい方法で、日本の抱える自然エネルギーや系統の問題を抜本的に解決するものであります。

 

当社グループが開発する電気運搬船「Power Ark」及び「Power Barge」は、船に搭載される蓄電池に電力を溜めて、電力を目的地まで運ぶことで、陸上の電力系統でカバーできない経路を補完することや、日本の海域にある洋上風力発電所でつくられた電力の送電、電力の需要場所から離れた場所で生まれた再生可能エネルギーの輸送を可能とします。

 


 

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国との相互関税の引下げの合意等の好材料は見られたものの、米国の政策動向、ウクライナや中東地域における地政学リスクの影響等により、先行きは不透明な状況で推移しました。日本経済においては、雇用・所得環境の改善もあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

このような事業環境の中、2025年2月に政府が発表した第7次エネルギー基本計画では、2040年には発電電力量の4-5割程度を再エネとする指針が示され、令和7年度補正予算でも系統用蓄電池への支援が継続されるなど、系統用蓄電システムの導入促進も本格化する動きが継続して見られております。こうした状況に対して当社では、コスト競争力のある蓄電システムの国内生産及び販売活動を基盤としながら、エネルギーインフラとして長期・安定的な稼働を実現するソフトウエアなど複数の製品、サービスを展開しております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高19,306百万円(前期比213.4%増加)、営業損失677百万円(前期は4,942百万円の営業損失)、経常損失1,796百万円(前期は5,702百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失1,646百万円(前期は8,013百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、当社グループの連結業績は、顧客が利用する蓄電池製品の購入に関する補助金制度の受給要件充足の都合上、下半期に売上高と利益が多く計上されるため、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(BESS事業)

BESS(Battery Energy Storage System)事業では、系統用蓄電池や再エネ併設蓄電池、産業・商業用蓄電池などの用途で利用可能な大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型定置用蓄電システム「PowerX cube」の製造販売を行っております。BESS事業を取り巻く事業環境としては、今後、我が国における再エネの主力電源化や電力の安定供給に向けて、余剰となる自然エネルギーの有効活用や、自然エネルギーの変動を電力需要に合わせて調整する調整力の確保が急務となっております。こうした状況を背景に、電力系統に直接連系する大型の定置用蓄電システムのニーズはますます高まっており、2026年出荷予定分を中心に受注は順調に積み上がっております。

このような環境下、当連結会計年度のBESS事業は主に「PowerX Mega Power」の納品が順調に推移したことから、売上高は17,102百万円(前期比312.8%増)、セグメント利益は3,870百万円(前期比352.6%増)となりました。

 

(EVCS事業)

EVCS(EV Charge Station)事業では、B2B顧客向けの蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の製造販売や、B2C顧客向けの「PowerX Hypercharger」を活用した急速EV充電サービスを提供しており、急速充電ニーズの高い輸入車メーカーや商用車(バス・タクシー等)を中心に「PowerX Hypercharger」を設置しています。また、系統への双方向の接続が可能な「PowerX Hypercharger Pro」の販売開始により、自治体・商業施設等におけるエネルギーマネジメント需要や防災需要に応えられる商品展開を図っていきます。一方で、昨今のEVの普及状況を踏まえて顧客が投資時期を来期以降に先送りする傾向も認められております。

このような環境下、当連結会計年度のEVCS事業は「PowerX Hypercharger」の納品が前期から減少したものの、蓄電池製品全体の生産量増加に伴い共通部材の仕入価格が低下し製造原価が抑制されたことから、売上高は1,149百万円(前期比29.4%減)、セグメント損失は424百万円(前期は498百万円のセグメント損失)となりました。

 

(電力事業)

電力事業では、夜間太陽光や風力など、再生可能エネルギー由来の電力を中心に、顧客ニーズに合わせた最適な組み合わせによる電力販売を提案・提供しております。幅広い事業者に対して蓄電システムメーカーならではの電力プランの提案を行い電力供給を行っております。また、蓄電所事業を運営する事業者への「PowerX Mega Power」など蓄電システムの販売、及び系統用蓄電所等の電力運用サービスの提供も行っております。

 

このような環境下、当連結会計年度の電力事業は電力販売、製品販売がいずれも順調に推移したことから、売上高は1,054百万円(前期比170.6%増)、セグメント利益は35百万円(前期は55百万円のセグメント損失)となりました。

 

財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は26,236百万円となり、前連結会計年度末に比べて15,405百万円増加しました。これは主に、製品販売契約締結に係る前受金の受領及び新規上場に伴う株式の発行などによる現金及び預金の増加6,209百万円、増収による売掛金及び契約資産の増加3,720百万円、受注に対応した商品及び製品の増加1,147百万円、生産量拡大に伴う原材料及び貯蔵品の増加1,218百万円、原材料などの調達に際してサプライヤーへ支払う前払金の増加984百万円によるものであります。

当連結会計年度末における負債は19,587百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,427百万円増加しました。これは主に、契約負債(主に製品の販売に関する前受金)の増加8,035百万円、増収に伴う商品仕入に対応した買掛金の増加618百万円、業容拡大に対応する運転資金としての短期借入金の増加1,307百万円によるものであります。

当連結会計年度末における純資産は、6,648百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,978百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失1,646百万円の計上、東京証券取引所グロース市場への新規上場に伴う株式の発行及び第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,177百万円増加したことによるものであります。

なお、2025年8月8日開催の臨時株主総会の決議に基づき、資本金7,645百万円、資本準備金9,049百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振替え、当該その他資本剰余金16,694百万円を繰越利益剰余金に振替え欠損填補を行っておりますが、これによる純資産合計の変動はございません。

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して6,209百万円増加7,454百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,369百万円の収入となりました(前期は6,971百万円の支出)。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上2,278百万円、契約負債の増加8,065百万円、売上債権及び契約資産の増加3,720百万円、及び棚卸資産の増加2,381百万円によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは1,466百万円の支出となりました(前期は1,458百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,275百万円、国庫補助金の受取額90百万円、及び無形固定資産の取得による支出32百万円によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは6,306百万円の収入となりました(前期は8,670百万円の収入)。これは主に、株式発行による収入6,355百万円、短期借入金の純増額1,307百万円、長期借入金の返済による支出750百万円、及び資金調達費用の支払による支出707百万円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。

製品群

生産高

(百万円)

前期比

(%)

定置用蓄電池

9,529

301.9

EV急速充電器

807

41.8

合計

10,336

203.1

 

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております

2.当連結会計年度において、生産実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に「PowerX Mega Power」2025年出荷分を中心に生産が順調に進捗したことによるものであります。

 

b 受注実績

当連結会計年度における受注実績(正式受注額)を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。

製品群

受注高

(百万円)

前期比

(%)

受注残高

(百万円)

前期比

(%)

定置用蓄電池

48,502

496.8

36,893

622.7

EV急速充電器

979

77.2

128

65.7

合計

49,481

448.5

37,022

604.9

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。なお、受注高は上記期間において顧客からの正式受注に基づいて売買契約が締結された拘束力のある注文金額であり、受注残高は上記期間の末日において受注済みでありかつ売上未計上の注文金額であります。

2.当連結会計年度において、受注実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に大型の系統用蓄電池製品に係る補助金採択案件の獲得、およびプロジェクトの大型化によるものであります

3.上記受注残高の売上計上予定時期は以下のとおりです。

製品群

第6期

連結会計年度

(自 2026年 1月 1日

  至 2026年12月31日)

第7期

連結会計年度

(自 2027年 1月 1日

  至 2027年12月31日)

第8期

連結会計年度

(自 2028年 1月 1日

  至 2028年12月31日)

第9期

連結会計年度

(自 2029年 1月 1日

  至 2029年12月31日)以降

合計

定置用蓄電池

28,785

3,852

2,732

1,523

36,893

EV急速充電器

128

-

-

-

128

合計

28,913

3,852

2,732

1,523

37,022

 

 

c 販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品群ごとに示すと、次のとおりであります。

製品群

販売高

(百万円)

前期比

(%)

定置用蓄電池

17,539

417.6

EV急速充電器

1,090

62.7

その他

677

304.3

合計

19,306

313.4

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.当連結会計年度において、販売実績が著しく増加いたしました。これはBESS事業におきまして、主に「PowerX Mega Power」の納品が順調に推移したことによるものであります。

3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

エネルギーパワー株式会社

-

-

2,641

13.7

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と異なる可能性がありますのでご留意ください。

 

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況の分析

経営成績の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。

b.財政状態の状況の分析

財政状態の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの主な資金需要は、岡山県玉野市にある自社工場「Power Base」における製造ライン及び製造管理システムへの投資、製品生産に用いる原材料等の購入、及び人件費等の諸経費の支払いであります。資金調達については現在、金融機関からの借入れ、または新株発行等によっております。資金調達の基本的な方針として、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入により調達し、設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、固定資産の減損、繰延税金資産、引当金等に関する会計上の見積り及び判断について、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、継続して評価を行っており、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。会計上の見積りは、その性質上、入手しうる情報や判断に基づいて行うため、実際の結果は異なる場合があります。重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、主な経営指標として、売上高、受注残高、EBITDA、ROA、ROE、及び温室効果ガス(GHG)削減貢献量を重視しております。各指標の推移は以下のとおりであります。

 

第4期連結会計年度

(自 2024年1月1日 

  至 2024年12月31日)

第5期連結会計年度

(自 2025年1月1日 

  至 2025年12月31日)

前期比増減(%)

売上高(百万円)

6,161

19,306

213.4

受注残高(百万円)

6,120

37,022

504.9

EBITDA(百万円)

△4,450

△137

-

ROA(%)

△82.9

△8.9

-

ROE(%)

△242.7

△43.0

-

温室効果ガス(GHG)
削減貢献量(t)

3,632

9,435

159.8

 

(注) 当社は、当連結会計年度より、収益性および現金創出能力をより適切に把握するため、EBITDAの算定方法を「営業利益+減価償却費」から「営業利益+減価償却費+株式報酬費用」に変更しております。これに伴い、前連結会計年度の数値についても、当該変更後の算定方法に基づき再計算した数値を記載し、比較分析を行っております。なお、当該変更による影響額は、前連結会計年度で166百万円、当連結会計年度で80百万円であります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)
【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、執行役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価のために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、事業部を基礎としたセグメントから構成されており、「BESS事業」、「EVCS事業」、「電力事業」の3つを報告セグメントとしております。

「BESS事業」は大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」及び中型定置用蓄電システム「PowerX Cube」の製造販売、稼働試験業務及びメンテナンス、「EVCS事業」は蓄電池型急速EV充電システム「PowerX Hypercharger」の製造販売、メンテナンス及び充電サービス、「電力事業」は事業者への電力提供サービス及び「PowerX Mega Power」などの蓄電池製品の販売を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表計上額

(注)2

BESS事業

EVCS事業

電力事業

売上高

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

4,139

1,617

187

5,944

-

5,944

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

4

10

201

216

-

216

顧客との契約から生じる収益

4,143

1,628

389

6,161

-

6,161

外部顧客への売上高

4,143

1,628

389

6,161

-

6,161

4,143

1,628

389

6,161

-

6,161

セグメント利益又は損失(△)

855

△498

△55

301

△5,244

△4,942

セグメント資産

3,733

960

359

5,053

5,776

10,830

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

3

9

0

13

312

325

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

172

283

0

456

619

1,075

 

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益又はセグメント損失(△)の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用となります。全社費用の主なものは、当社の本社管理部門に係る費用であります。

(2) セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産となります。全社資産の主なものは、製造部門及び管理部門に係る資産であります。全社資産のうち製造部門に係る費用については合理的な方法に基づいて各報告セグメントに配分しておりますが、資産については合理的な配分が困難なため、共用資産として調整額に含めております。

(3) 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費となります。

2.セグメント利益又はセグメント損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結財務諸表計上額

(注)2

BESS事業

EVCS事業

電力事業

売上高

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

17,083

1,145

461

18,691

18,691

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

18

4

592

615

615

顧客との契約から生じる収益

17,102

1,149

1,054

19,306

19,306

外部顧客への売上高

17,102

1,149

1,054

19,306

19,306

17,102

1,149

1,054

19,306

19,306

セグメント利益又は損失(△)

3,870

△424

35

3,481

△4,158

△677

セグメント資産

11,298

1,696

362

13,356

12,879

26,236

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

18

35

0

54

404

458

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

0

734

734

636

1,370

 

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益又はセグメント損失(△)の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用となります。全社費用の主なものは、当社の本社管理部門に係る費用であります。

(2) セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産となります。全社資産の主なものは、製造部門及び管理部門に係る資産であります。全社資産のうち製造部門に係る費用については合理的な方法に基づいて各報告セグメントに配分しておりますが、資産については合理的な配分が困難なため、共用資産として調整額に含めております。

(3) 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費となります。

2.セグメント利益又はセグメント損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

エネルギーパワー株式会社

2,641

BESS事業

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社・消去

合計

BESS事業

EVCS事業

電力事業

減損損失

189

189

2,021

2,211

 

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社・消去

合計

BESS事業

EVCS事業

電力事業

減損損失

175

175

70

246

 

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。