2026年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 7,841 100.0 743 100.0 9.5

 

3 【事業の内容】

当社は、1917年(大正6年)に売薬の製造販売を目的として創立して以降、医薬品をはじめとした様々な事業に取り組んでまいりました。その結果現在は、医薬品・健康食品・化学品の3つの事業を軸に、長年培ってきた化学技術を活かし、製品・サービスを提供しています。※健康食品事業につきましては、2026年5月期をもって事業より撤退いたしました。

 

報告セグメント

製品カテゴリ

主要製商品・サービス

医薬品事業

医薬品合成・精製等

高カリウム血症改善薬用原薬、抗凝固薬用原薬

原薬の精製、異物除去

輸入原薬

抗てんかん薬用原薬、抗ヘルペスウイルス薬用原薬

その他

ラジオアイソトープ

健康食品事業

※2026年5月 事業撤退

健康食品

スティックゼリー、Tパウチゼリー

化学品事業

イオン交換樹脂・分離膜

ムロマック®、レバチット®、デュオライト™

RO膜(逆浸透膜)、UF膜(限外濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)

水処理装置

純水製造装置、分離・精製装置

受託加工

アミノ酸精製、AdBlue®製造

接着剤等機能材料の混合、分散、リパック

その他

水処理部材、機能性接着剤

 

 

(1) 医薬品事業

原薬(医薬品の有効成分)の販売・製造を主に行っております。

中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内の製薬会社や医薬品商社の求める原薬を調達するほか、自社での原薬合成、原薬の異物除去や精製などの加工を行い販売しています。自社内で日本薬局方に基づいた試験・分析ができる体制も持っており、原薬の輸入・製造・加工・分析・試験と、原薬のトータルサービスを提供しています。

当社は、原薬商社としての機能と原薬メーカーとしての機能をあわせ持ちます。商社としての経験から原薬製造のための原料や中間体を海外メーカーから直接調達でき、メーカーとしての経験から自社試験による時間短縮・コスト削減、開拓した調達先の品質向上指導などにより付加価値を高めることができます。

 

① 医薬品合成・精製等

本社工場に医薬品合成工場を有し、原薬の製造を行っております。また、海外から輸入した原薬の精製や異物除去などの加工や医薬品と同等の環境で製造を必要とする化成品(医薬品の添加剤など)の製造も行っております。

 

② 輸入原薬

中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内製薬会社の求める原薬を調達し販売しております。

 

③ その他

医薬品や農薬の研究等に使用されるラジオアイソトープ(注)の輸入販売や保管サービスを行っております。

(注)放射性同位元素。放射線を出す性質のある元素であり、化合物の追跡や分析に使用される。

 

(2) 健康食品事業

事業開始当初より、主にスティックゼリータイプの健康食品の企画・製造を行っておりましたが、2026年5月期末をもって事業撤退を完了いたしました。

 

(3) 化学品事業

液体処理関連製品の販売・加工を主に行っており、主力製品はイオン交換樹脂及び分離膜です。

イオン交換樹脂や分離膜は、純水(不純物を含まない水)の製造をはじめ、液体の精製、濃縮、脱色、金属回収など様々な用途に活用されています。

当社は、国内外のメーカーから様々な性能のイオン交換樹脂や分離膜を仕入販売するほか、用途に合わせて洗浄や加工などを行い、主に国内の化学メーカーや機械メーカー、商社などへ販売しています。

また、イオン交換樹脂や分離膜の再生処理も行っています。

当社は、純水製造以外の用途の液体処理案件への対応を得意としています。自社内の分析・開発部門で、イオン交換樹脂や使用する液体の分析・試験ができ、長年培ってきたノウハウがあります。さらに様々なメーカーからの商品調達に加え、自社で保有する設備を使用して加工をすることで、顧客の求める処理に最適な製品の選定や使用方法の提案を行うことに努めています。

 

① イオン交換樹脂・分離膜

イオン交換樹脂はイオン交換(物質中のイオンと溶液中のイオンを入れ替える)機能を持つ合成樹脂であり、純水の製造や排水中の重金属除去など様々な分野に使用されています。ランクセス社製のレバチット®やデュポン社製のデュオライト™をはじめとした様々なメーカーのイオン交換樹脂に加え、顧客の要求に合わせ、当社で加工をしたイオン交換樹脂の販売を行っております。国内でも数少ないイオン交換樹脂の再生・乾燥・粉砕等の加工設備を保有しており、顧客のニーズにあった処理を行うことができます。

分離膜は細孔の空いた膜で、用途に合わせた孔径の膜を使用し濾過や濃縮などを行うことができます。各種メーカーの分離膜を販売するほか、分離膜の再生・洗浄も行っております。

 

② 水処理装置

イオン交換樹脂や分離膜を組み込んだ水処理装置の設計・製造を行っております。

 

③ 受託加工

当社の製造設備を使用し、顧客から預かった溶液の精製処理のほか、ディーゼル車の排気ガスを浄化するAdBlue®の製造を行っております。また、機能性接着剤(導電性、速乾性、紫外線硬化などの機能を持った接着剤)などの混合及び分散(粉体の粒径が揃い、流体や他の成分中へ均一に混ざること)、使用する分量で小分けするなどのリパック加工も行っております。

 

④ その他

水処理に使用される消耗品や試験用の部材の販売を行っております。また、工業用アロンアルフア®をはじめとした機能性接着剤の販売、主に電子産業向けに帯電防止フィルム(静電気の蓄積を防ぐフィルム)やクリーンルームで使用する消耗品などの販売も行っております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響が続く中で個人消費は弱含みとなったものの、企業収益や設備投資は底堅く推移し、AI関連や半導体分野を中心とした投資需要にも支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。企業の景況感は総じて堅調ながらも、先行きには慎重姿勢がうかがわれました。一方、世界経済においては、地政学的リスクの高まりや海外経済の減速懸念を背景に、不透明な状況で推移しました。

このような状況の下、当社は厳正な品質管理の実施や原材料・商品の安定調達を基本として、新製品の開発や新分野への進出及び生産効率の改善に努めてまいりました。

その結果、当事業年度における経営成績は、売上高7,840,931千円と前年同期と比べ1,187,902千円17.9%増)の増収、営業利益742,930千円と前年同期と比べ310,741千円71.9%増)の増益、経常利益707,436千円と前年同期と比べ277,342千円64.5%増)の増益、当期純利益は163,027千円と前年同期に比べ78,250千円32.4%減)の減益となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

① 医薬品事業

当期第2四半期より継続する既存製品の需要拡大を背景に、輸入原薬の売上が大幅に伸長したことにより事業全体の売上が前年同期と比べて大幅に増加しました。また、自社製造原薬も第2四半期に上市した新製品の売上好調に加えて、既存製品の売上も好調に推移しました。

一方、合成事業において、一部受託品目の売上見通しの見直しに伴い事業計画を再評価した結果、同事業に係る固定資産について減損損失398,585千円を特別損失として計上いたしました。

その結果、医薬品事業における売上高は3,985,757千円と前年同期と比べ767,894千円23.9%増)の増収、営業利益は633,809千円と前年同期と比べ160,240千円33.8%増)の増益となりました。

 

 

② 健康食品事業

通期を通じてOEMゼリーの受注が堅調に推移した結果、売上は前年同期比で増加しました。原価率については、工場稼働率が高水準で推移したことから、前年同期に比べて改善しました。なお、本事業については、当期末にて予定通り事業撤退を完了しております。

その結果、健康食品事業における売上高は1,185,946千円と前年同期と比べ142,686千円13.7%増)の増収、営業利益は17,790千円前年同期98,556千円の営業損失)となりました。

 

③ 化学品事業

半導体向け市場の活性化や、電力業界向け市場への進出が順調に推移した結果、通期を通じてイオン交換樹脂の製商品売上が好調に推移しました。また、自社製造装置の納品に加え、AIデータセンター関連需要を背景とした機能性接着剤の売上増加も寄与し、事業全体での売上は前期比で増加しました。

その結果、化学品事業における売上高は2,669,227千円と前年同期と比べ277,321千円11.6%増)の増収、営業利益は91,331千円と前年同期と比べ34,154千円59.7%増)の増益となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて1,088,115千円増加し、6,352,689千円となりました。

① 流動資産

現金及び預金888,990千円増加電子記録債権665,267千円増加前渡金96,957千円減少仕掛品92,119千円減少原材料及び貯蔵品77,090千円減少したことなどから、前事業年度末に比べて1,323,595千円増加し、4,932,118千円となりました。

 

② 固定資産

医薬品合成事業の減損により建物(純額)175,936千円減少し、機械及び装置(純額)106,827千円減少し、工具、器具及び備品(純額)41,927千円減少しました。また、投資有価証券129,312千円増加したことなどから、全体として前事業年度末に比べて235,480千円減少し、1,420,570千円となりました。

 

③ 流動負債

1年内返済予定の長期借入金496,772千円増加買掛金297,977千円増加賞与引当金106,874千円増加したことなどから、前事業年度末に比べて1,001,772千円増加し、2,457,106千円となりました。

 

④ 固定負債

長期借入金38,070千円減少したことなどから、前事業年度末に比べて38,438千円減少し、1,319,020千円となりました。

 

⑤ 純資産

その他有価証券評価差額金86,880千円増加繰越利益剰余金22,782千円増加したことなどから、前事業年度末に比べて124,780千円増加し、2,576,562千円となりました。

その結果、自己資本比率は40.6%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は1,917,059千円となり、前事業年度末に比べ888,990千円増加しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、808,089千円の収入(前年同期は215,961千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益328,076千円減損損失398,585千円、仕入債務の増加額351,050千円、棚卸資産の減少額172,447千円、その他の資産の減少額122,774千円によるキャッシュの増加、売上債権の増加額689,131千円などによるキャッシュの減少によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、237,791千円の支出(前年同期は370,504千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出229,960千円などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、317,776千円の収入(前年同期は123,200千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,050,000千円長期借入金の返済による支出591,298千円、配当金の支払いによる支出139,981千円などによるものです。

 

(4) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

医薬品事業

865,404

99.3

健康食品事業

780,290

88.4

化学品事業

1,147,932

116.6

合計

2,793,627

102.0

 

(注) 金額は、製造費用によっております。

 

(5) 受注実績

当社は一部受注実績の記載になじまない商材があるため、当該記載を省略しております。

 

(6) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

医薬品事業

3,985,757

123.9

健康食品事業

1,185,946

113.7

化学品事業

2,669,227

111.6

合計

7,840,931

117.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

第79期事業年度

(自 2024年6月1日

 至 2025年5月31日

第80期事業年度

(自 2025年6月1日 

 至 2026年5月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

不二化学薬品株式会社

758,855

11.4

キョーリンリメディオ株式会社

877,205

11.2

 

    2.総販売実績に対する割合が10%未満の記載を省略しております。

 

(7) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

当事業年度における経営成績の状況の概要は「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります

 

・売上高

当事業年度における売上高は、7,840,931千円と前年同期と比べ1,187,902千円の増収17.9%増)となりました。医薬品事業では、既存商品の販売好調により輸入原薬が大幅に伸張し、事業全体の売上が増加しました。健康食品事業では、事業撤退の影響による売上減少を想定していたものの、販売先の需要増加により売上が増加しました。化学品事業では、半導体向け市場の活性化や電力業界向け市場への進出を背景に、イオン交換樹脂の仕入品及び受託製造品の売上が好調に推移しました。3事業とも売上を伸ばした結果、全社として前年同期を上回りました。

 

・売上総利益

当事業年度における売上総利益は、2,357,590千円と前年同期と比べ397,273千円の増益20.3%増)となりました。健康食品事業において売上が増加し工場稼働率が最高水準で推移した結果、売上総利益率が改善しました。また、化学品事業においてイオン交換樹脂の高付加価値品の販売が伸張したことにより売上総利益率が改善しました。

 

・営業利益

当事業年度における営業利益は、742,930千円と前年同期と比べ310,741千円の増益71.9%増)となりました。各事業での販売体制、開発体制の強化により販売費及び一般管理費合計は1,614,659千円と前年同期と比べ86,531千円の増加5.7%増)となりました。

 

・経常利益

当事業年度における経常利益は、707,436千円と前年同期と比べ277,342千円の増益64.5%増)となりました。借入金の増加や借入金利の上昇による支払利息の増加などにより営業外費用が増加しました。

 

・当期純利益

当事業年度における当期純利益は、163,027千円と前年同期と比べ78,250千円の減益32.4%減)となりました。当事業年度は、医薬品合成事業において減損損失を計上したため、当期純利益は大きく減少しました。

 

経営成績等の状況を踏まえた、経営方針及び課題への取り組みについては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析・検討内容については、「(2) 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。これらの短期及び長期的な必要資金は自己資金や金融機関からの借入金を中心とし、金融商品等での運用や投機的な取引を行わないことを基本としています。金融機関からの借入金については、取引金融機関との間で運転資金として借入枠総額1,300,000千円のコミットメントライン契約(対2行)及び借入枠総額500,000千円の当座貸越契約(対3行)を締結し、安定的な資金調達の体制を構築しております。

 

資金の流動性については、事業計画、投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行うことにより維持していきます。なお、通常時は、月商の1.5倍以上を目安に現預金の残高を確保することとしております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の課題について

経営者の問題意識と今後の課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑦ 経営方針、経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的指標等については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中期経営計画」に記載しております。