2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,068名(単体) 4,154名(連結)
  • 平均年齢
    41.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.8年(単体)
  • 平均年収
    8,628,296円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

1,599

米州

871

欧州

729

アジア

955

合計

4,154

 

(注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。

 

(2)提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,068

41.8

17.8

8,628,296

 

(注)1. 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

1,068

 

 

(3)労働組合の状況

提出会社の従業員が組織する労働組合の状況

1. 名称        高砂香料工業労働組合

2. 組合員数    531人

3. 労使関係    安定しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

有期労働者

18.0

85

83.8

84.4

69.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する考え方

当社グループは、Vision 2040「人にやさしく、環境にやさしく」に則り、多様な価値観を尊重し、自然との共生を目指しております。そのためにサステナビリティは重要な要素と考えており、グループ全体で戦略的にサステナビリティへの取組みを推進し、公正かつ透明な企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

(2)ガバナンス

取締役会では主に重要な経営課題や戦略についての議論および意思決定が行われており、サステナビリティに関する課題も議題に含まれます。また、当社グループにおけるサステナビリティの方針として、マテリアリティの特定を行っており、取締役会での議論および承認するプロセスとなっています。2018年にはコーポレートとして取り組むべき課題の速やかな解決を推進するため、コーポレート本部を設置いたしました。サステナビリティ諸課題の対応も同本部のミッションの一つとなっており、定期的にサステナビリティ推進会議を開催しております。同会議では、マテリアリティについての評価や議論を行い、その結果は取締役かつ執行役員であるコーポレート本部長より取締役会および経営会議に報告されます。サステナビリティ推進会議にはEHS、人事、品質保証、研究開発、生産・調達・物流の5つの機能を主としたチーム編成のサステナビリティ推進チームが参加しており、各機能は拠点横断的なグローバルな協力体制を構築しております。また、同会議において議論された内容のうち、経営上重要と判断された事項については、取締役会および経営会議に報告され、適切な意思決定および対応がなされています。

① 気候変動

当社グループは、気候変動に対する取組みをマテリアリティの最重要事項に位置づけており、方針や施策について定期的に取締役会で議論しています。なお、エネルギーや温室効果ガスに関する具体的な諸課題については、グローバルEHS委員会で掘り下げた議論・対策の検討を行っています。

 

(3)戦略

当社グループは、サステナビリティにおける重要項目であるマテリアリティを取締役会にて定めています。以下はマテリアリティとそれぞれの戦略になり、中長期計画Sustainability2030にて実行計画を策定しています。

 

 

マテリアリティ項目

詳細

 

香り

香りによるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)・ウェルビーイングへの貢献

 

 

 

 

人にやさしく

従業員のエンゲージメント向上(従業員の成長支援、健康経営の推進など)、ダイバーシティ&インクルージョン、人権の尊重

 

環境にやさしく

気候変動の緩和と適応、環境負荷の低減、生物多様性保全への取組み

 

 

 

 

安全第一

法令遵守、リスクアセスメント、化学物質管理

 

サプライチェーンマネジメント

原材料調達のレジリエンス追求、責任ある調達の推進、安全・安心・安定かつ高効率な人と環境にやさしい生産活動の推進、持続可能な物流の推進

 

ガバナンス

法令遵守、公正かつ透明な経営、リスク管理、中長期的な企業価値の向上

 

デジタル化の推進

セキュリティ強化、基幹系・周辺システムのグローバル統合、AI・製造の自動化・IoT、ペーパーレス化

 

技術革新

オープンイノベーション、バイオものつくり、フロー/触媒、人工知能、レセプターアッセイ

 

安全・安心な品質

法令遵守と適切な品質保証、トレーサビリティ、品質管理

 

 

 

① 気候変動

当社グループは、気候変動に伴うさまざまなリスク・機会を事業戦略上の重要な観点のひとつと認識しており、国際的な枠組みであるパリ協定に沿った事業活動を推進すべく、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った気候変動戦略を策定いたしました。また、気候変動イニシアチブに賛同し、気候変動に取り組む企業ネットワークにも参加しております。

 

 

② 人的資本

当社グループは、世界各地に拠点を有し、多様な人材が活躍するグローバルな企業グループであり、人材の多様性は、事業を行う上で最も重要と考える価値の一つであります。人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針として、グループで共通のダイバーシティ・インクルージョンポリシーを策定し、社内への浸透を進めております。本ポリシーに則り、差別や偏見の排除に努めるとともに、女性、外国籍の方、障がいのある方など、多様な人材の雇用と活躍の推進に取り組んでおります。

 

(4)リスク管理

当社グループは、環境や社会だけでなく、事業の持続可能性も大切にしております。取締役社長を委員長とし、各本部長によって構成されるリスク管理委員会では、事業継続を阻害する潜在的なリスクを特定し、その予防策を策定・検討しております。特定されたリスクは取締役会で報告され、損失/危険につながるリスクを総合的に評価・判断できるよう、マネジメント体系を強化し継続的な審議、影響の回避や軽減を図る対策を立案しております。

① 気候変動

当社グループは、安定した事業活動を継続するために、重要な事業リスクを定期的に洗い出し、影響の回避や軽減を図る対策に努めています。取締役会が損失・危険につながるリスクを総合的に評価・判断できるよう、リスク管理委員会を設置しており、報告された状況や調査結果を元に事業に伴う経営インパクトの分析・評価と対応策の審議・立案を行っています。

 

(5)指標及び目標

当社グループは、2030年までのサステナビリティの目標・中長期計画として、Sustainability2030を策定しています。以下は戦略とそれぞれの目標になります。

 

重要項目

戦略

目標

 

 

Phase2(2024~2026)

気候変動

気候変動の適応

Phaseごとにシナリオ分析の見直しを実施

気候変動の緩和

得意先要請に従った1.5℃基準に合致した目標設定の検討

環境負荷低減

再生可能エネルギーの調達

2030年までに全電力使用量の30%を再エネ由来電力に切り替え

使用電力における再生可能電力の比率向上 

購入電力の再生可能エネルギー比率向上(自家消費型太陽光発電を含む)

温室効果ガスの削減

SBT(温室効果ガス排出量総量として対2019年度比で2030年までに27.5%削減)の達成

化石由来燃料使用量の削減による排出量の削減

CFCおよびHCFCを冷媒とする冷凍機等の計画的な更新

エネルギー使用量の生産量原単位の削減

水使用量の削減

水使用(取水)量について毎年1%の削減(2030年度までに対2020年度比で10%の削減)

水資源の効果的かつ効率的な利用の推進

水取水量の削減

廃棄物の削減

不適合および未稼働による廃棄の削減

化学物質管理

国内高砂香料グループ(工場)が管理すべき化学物質の適切な管理

大気汚染対策

法令基準値の遵守

排水管理/漏洩対策

海外サイトの敷地外流出防止に関する調査と検証

 

 

重要項目

戦略

目標

 

 

Phase2(2024~2026)

 

土壌・地下水汚染対策

法令による管理の継続

敷地内漏洩対策の実施

廃棄物管理

廃棄物排出量について毎年0.5%の削減(2030年度までに対2020年度比で5%の削減)

廃棄物最終処分率について2030年度までに総発生量の0.5%以下へ削減

産業廃棄物埋立量の削減

産業廃棄物有効利用の推進

廃棄物データの第三者検証の実施

臭気管理

臭気管理の継続

労働安全衛生

コンプライアンス

EHSコンプライアンスの順守

各サイトの法規管理システムによる管理

リスクアセスメント

リスクアセスメントの推進による安全衛生管理水準の向上

インシデント対応・原因究明及び対策

事故調査、原因究明スキル向上による類似事故・災害の再発防止

緊急時対応

「酸欠等作業場所における救出対応に関する最低基準」に基づく対応の推進

火災に対する緊急事態対応の向上

化学物質管理

国内高砂香料グループ(工場)が管理すべき化学物質の適切な管理

機械安全

ロックアウト/タグアウト運用ルールの徹底

火災対策

静電気安全指針の充実と運用管理

静電気安全指針の周知・教育による適切な運用

EHS教育・訓練

安全管理部部員を含むEHS関連業務従事者の教育プログラム計画の策定および実施

作業環境管理

法的要求事項に基づく、有害物質の従業員へのばく露状況を把握するための作業環境測定の継続

作業環境測定結果に基づく、作業環境の改善

作業管理

法令及び良事例に基づく労働者の適切な作業の管理実施と継続的な作業環境の改善

ワークライフバランスの向上推進

メンタル疾患を原因とする体調不調者を減少させる

地域コミュニティ

地域コミュニティへの参画

グローバル人事会議にて推進

インセンティブ制度の検討

教育活動

グリーンケミストリー

環境負荷軽減を意識した技術・製品の開発

「化学量論反応から触媒反応」切り替えの推進

生産性向上に寄与する触媒・反応開発の推進

省エネルギーや廃棄物削減に貢献するプロセスの開発

連続フロー製造技術の適用範囲の拡大

再生可能原料を活用した環境に優しい香料素材の開発

未利用資源を活用した高付加価値素材の開発

バイオエコノミーを意識した研究開発

バイオ技術の拡充と香料素材開発への応用

バイオ製品の製造強化にむけた取組み

 

 

重要項目

戦略

目標

 

 

Phase2(2024~2026)

責任ある調達

「責任ある調達ポリシー」の運用

新たなサプライヤーから承諾取得

2026年末までに、優先度の高い原料サプライヤー100%の遵守状況確認

2026年末までに、優先度の高い原料サプライヤーの中の“ハイリスク”サプライヤーすべての監査

2026年末までに2020年比でSedex会員3倍(全サプライヤーの45%)にする

原材料「調達情報」管理

領域拡大

グローバルSAPシステムへの移行準備

環境に配慮した調達活動

最適化した購買方法の実施

環境に配慮した容器の導入検討

ECM (Engineering Chain Management)強化(TACMI: Takasago global procurement Arts & Crafts Mutual Interaction)

ECMによるリニューアブル原料の登録推進

TaSuKI の推進

(Takasago global procurement Sustainability Key Initiatives)

2026年末までに優先度の高い原料55%を川上統合する

全社的な責任ある調達活動の推進

サプライヤー行動規範の改定

関係部署への展開

サプライヤー企業への遵守確認

人権

第3者機関の知見を活用した人権・労働環境の定期的見直し・改善スキームの構築

主要拠点におけるSMETA監査の継続及び監査結果による改善オンライントレーニングの継続・見直し

担当者のセミナー参加

人権デューデリジェンスの継続的実施

人権デューデリジェンスの継続的実施

重点拠点の更なるアセスメント

透明性

開示情報の充実

必要に応じてイニシアチブへ参加・コミット

GRI準拠項目の拡大

開示媒体の充実

必要に応じて開示

LCA(AI製品)の検討・実施

AI品目のLCA実施と外部認証対応

Sustainability ID Score(FR製品)の検討・導入

スコアリングメソドロジーの改訂やシステム改修の対応

 

 

 

 

① 気候変動

当社グループは、気候変動に関する目標として、温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を下記のとおり設定し、その削減に取り組んでいます。この目標は2021年5月にScience Based Targets initiative (SBTi)からの承認を得ているものです。GHG排出に関しては、2021年5月に取得したSBTi基準に則った目標を下記のとおり設定しております。

・2030年度までに2019年度比でグループ全体のScope1とScope2の合計を27.5%削減する。

・2030年度までに2019年度比でグループ全体のScope3を13.5%削減する。

Scope1とScope2については、エネルギーの効率的利用、再生可能エネルギーの導入、プロセスイノベーション等を通じて、GHG排出量削減を推進しております。Scope3については、バリューチェーン全体でグリーン化を達成するため、サプライヤーとのエンゲージメントや物流の効率化を推進しております。また、気候変動への適応によるビジネスの機会として、グリーンケミストリー、バイオケミストリーにも注力しつつ、イノベーションによる新製品を開発してまいります。

 

② 人的資本

当社グループは、グループで共通のダイバーシティ・インクルージョンポリシーに基づき、人材の多様性の確保を含む人材育成に取り組み、中核人材の登用においても、ジェンダー・国際性・職歴・年齢等の多様性が確保できるよう努めております。

当社は、仕事と家庭、育児との両立のための制度の充実を図るとともに、女性活躍推進法に基づいて策定した行動計画に従い、女性管理職の育成・意識改革を目的とした研修等を実施しております。管理職に占める女性割合を2025年3月末までに16%以上とするという数値目標を設定しておりましたが、現在18%となっており、目標を達成しております。今後も比率の向上と女性の更なる活躍を推進してまいります。また、グローバルに活躍できる人材育成の一環として、外国籍人材の採用にも積極的に取り組んでおります。現在の外国人管理職は数名程度となっておりますが、今後さらに増加していく見込みです。また、障がいのある方の採用活動を積極的に行うとともに、能力や適性を最大限に発揮し活躍できる環境と、定着を図る雇用制度を進めています。現在の雇用率は1.8%であり、法定雇用率である2.5%の達成に向けて、引き続き取り組んでまいります。その他にも事業の広がりへの対応のため、多様な経験・技能等を有する人材の中途採用に取り組んでおります。過去5年間における中途採用者に占める管理職比率は25%となっておりますが、今後も積極的な登用を進めてまいります。

当社グループは、新入社員から経営層までの職位に応じた研修を実施、それぞれの階層に必要な教育制度を充実させることで、人材の成長を支援し、人的資本の価値最大化を図っております。また、従業員自らの積極的な自己啓発、能力開発への支援を目的として、英語を中心とした語学をはじめ、マネジメントやビジネススキル、資格取得や個人のライフスタイルに関わる内容など、それぞれの興味や必要に応じた通信教育講座を設けております。さらに、仕事と生活の調和を保ちながら充実して働けるよう、育児支援や介護支援など社内環境の整備にも積極的に取り組んでいます。

(注)管理職に占める女性割合及び障がいのある方の雇用率については各国の法規制や慣習の違いを考慮し、連結グループ全体として統一的な数値目標は設定しておりません。そのため、記載されている数値目標は提出会社のものであります。