事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
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利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 2,714 | 100.0 | 187 | 100.0 | 6.9 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、化粧品及び医薬部外品の製造販売を主な事業としております。
なお、当社は訪問販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
訪問販売化粧品事業
当社では、全国にある242社(令和6年3月末現在)の販売会社と販売契約を結んでおります。当社は、主に化粧品及び医薬部外品、美容補助商品、化粧雑貨品等の開発、製造及び販売を行うとともに、訪問販売を行う販売組織に対する販売支援活動を行っております。当社と販売会社との間には、資本関係及び人的関係はありませんが、企業理念と製品により強く結びついており、非常に強固な信頼関係で結ばれております。販売会社には、営業所、BM(ビューティマネージャー=販売員)、IM(アイビーメイツ=会員)が所属しております。当社は、販売会社に対して販売インセンティブとして、「販社リファンド」及び「経営指導料」等のキャッシュバックを行うことにより、販売組織のモチベーションを高め、売上達成への目標を共有化しております。
なお、顧客への販売は販売会社の役割となっているため、当社の出荷先は原則として販売会社となっており、当社の売上高は販売会社等へ出荷した金額であります。
[製品の概要]
① スキンケア
当社の主力製品カテゴリーのスキンケアは、主に基幹スキンケアシリーズと、美容液を主とするスペシャルケアなどにより構成されています。
基幹スキンケアは、主力シリーズとして「アイビー プレステージ」、「アイビーコスモス Ⅱ」、「ラ ベーシック」、「リ ホワイト」(全品医薬部外品)など化粧水、乳液・クリームなどから構成されるシリーズ、「アイビーアトラクティ」(全品医薬部外品)などクレンジング、洗顔料から構成されるシリーズがあります。ボディケア製品には、ボディシャンプー、浴用化粧料、ボディ用保湿液から構成される「ガーランド」シリーズ、日やけ止め、全身用化粧水から構成される「シールドサン」シリーズがあります。オプションケアとしてパック、リップトリートメントなどがあります。なお、基幹スキンケアの出荷数量・金額は新製品・強化製品と比べて比較的安定しております。
一方、美容液を主とするスペシャルケアは、「レッドパワー セラム」、「ホワイトパワー セラム」(医薬部外品)などがあります。これらの製品群は強化製品として位置付けております。そのため、スペシャルケアは新製品発売や販売組織の流通在庫の影響を受けやすく、季節により売上高の変動が大きいという特徴があります。
② メークアップ
「チュリエ」シリーズを販売しております。同シリーズはファンデーション、リップカラー、アイカラー、アイライナーなどで構成されており、年度ごとに新色を発売しております。当社は特にファンデーションなどのベースメークに強いという特徴があります。
③ ヘアケア
「ヘアプライマリー」シリーズはシャンプー、コンディショナー、トリートメントから構成されており、「薬用スカルプケア ステムシグナル」(医薬部外品)などの育毛剤や、ヘアクリーム、ヘアカラーなどがあります。
④ その他化粧品
男性用化粧品「メンズワン」や、ハンドクリームなどがあります。
⑤ 美容補助商品
家庭用複合美容器「アイビー ビューティ パートナー」、連続式電解水生成器「キレイオン」をはじめ、機能性表示食品、栄養機能食品を含む健康食品などがあります。
⑥ 化粧雑貨品等
「化粧雑貨品等」は、化粧用具のほか、「アイビーニュース」(有償分)などがあります。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次の通りであります。
(注)BM : Beauty Manager (ビューティマネージャー)
IM : IVY Mates (アイビーメイツ)
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、令和5年5月には、新型コロナウイルス感染症の感染症分類が2類から5類に引き下げになり、経済社会活動の正常化が促進されました。一方、株高や円安が進展し、物価高への懸念が高まりました。
海外情勢等による金融資本市場の変動、物価上昇、供給面での制約等、まだまだ厳しい状況が続いているものの、インバウンド需要の好調もあり、景況感は回復に向かいました。
新型コロナウイルス感染症流行の影響が薄れた当化粧品業界は、徐々に回復の兆しをみせており、令和5年の年間化粧品販売金額は前年比3%増(出典:経産省生産動態統計)の推移となりました。
訪問販売化粧品市場では、チャネルを横断した展開が拡大・加速し、企業間競争は激しさを増しております。人を介したサービスを機軸にする訪問販売業界では、生活様式の変化に伴う販売活動の変化や離客などにより市場は縮小傾向となっております。また、中・高年齢層を中心とした需要へとシフトが進むなか、若年層の新規顧客・販売員の獲得、インターネットを用いた情報収集によって気軽に購入するという消費者ニーズの変化に対応することも重要な成長課題となっております。
このような状況のもとで、当社は企業理念「愛と美と豊かさの実践と追求」に基づき、コア事業である訪問販売領域の販売組織満足を獲得するとともに、すべてのステークホルダーの満足度向上を目指し、企業活動に邁進してまいりました。
当事業年度におきましては、令和5年5月より「Good-Bye コロナ禍運動~脱マスク!笑顔!の愛用者づくり~」に取り組み、上半期においては、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」シリーズ(全品医薬部外品)が好調に推移しました。一方、下半期においては、メーク製品「チュリエ 新色プレミアム」を新発売し、顧客拡大、並びに顧客満足向上に努めてまいりました。
経営基盤強化につきましては、「安定利益基盤の再構築」、「財務基盤強化のための資金調達」、「有効戦略の選択と集中」、「最小在庫コントロールによる在庫適正化推進」、「コーポレートガバナンス体制の強化」等の重要課題を「取締役会」、「経営会議」において主導し実行してまいりました。
実務面においても新規基剤の開発及び製品開発の推進、製造原価の継続的低減活動、需要予測と原材料調達計画の精度向上、ISO品質マネジメントシステムの運用推進、経費予実管理の徹底及び固定費の圧縮、インボイス制度への対応、コンプライアンスの継続強化等に取り組んでまいりました。
売上面におきましては、上半期については、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」シリーズが好調に推移したものの、下半期については需要回復には向かわず、逆に上記「アイビーアトラクティ」シリーズ以外の強化製品・レギュラー製品については、予測した出荷数に至らず苦戦いたしました。特に主力製品の「レッドパワー セラム」および「ホワイトパワー セラム」(医薬部外品)が低調に推移しました。「レッドパワー セラム」は、目標30,000セットに対し、16,473セットの出荷にとどまりました。また、第4四半期に強化製品としていた「ホワイトパワー セラム」については、目標20,000セットに対し、13,754セットの出荷となりました。一方、レギュラー製品についても第4四半期は低調に推移しました。第3四半期累計期間までは、前年同累計期間比増収で推移していましたので、第4四半期における強化製品「ホワイトパワー セラム」の売上不振、レギュラー製品の売上不振が通期売上高に影響しました。売上高不振の要因については、現在調査・分析中ですが、人から人に伝えることを主軸とした訪問販売においては、販売組織の高齢化が進んでいることも要因の一つと考えております。
販売組織の研修動員、新規顧客の獲得、販売員の増員については、期初は低迷しておりましたが、次第に回復に向かいました。
一方、利益面におきましては、棚卸資産の評価損が増加したことにより、売上原価率は前事業年度比1.3ポイント増の29.5%となりました。また、売上高が前事業年度比7.8%減となった影響が大きく、売上総利益は前事業年度比9.4%減となりました。販売費及び一般管理費につきましては、経費使用方針に基づく予算管理を徹底した結果、前事業年度比19.0%減となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,713,742千円(前事業年度2,942,229千円、7.8%減)、営業利益は187,068千円(前事業年度営業損失18,067千円)、経常利益は187,541千円(前事業年度経常損失21,565千円)、また税金費用等を27,229千円計上したことにより、当期純利益は160,311千円(前事業年度純損失384,612千円)となりました。
部門別の販売実績につきましては、次のとおりであります。
[化粧品部門]
イ. スキンケア
令和5年6月に、新製品の洗顔シリーズ「アイビーアトラクティ」シリーズ(全品医薬部外品)、「リップリペアクリーム」、「ホワイトスティック C」を発売し、顧客満足向上に努めました。スキンケア全体の売上高は1,979,210千円(前事業年度比3.3%減)となりました。
ロ. メークアップ
令和6年2月に、「チュリエ 新色プレミアム」を発売し、顧客満足向上に努めました。メークアップ全体の売上高は228,566千円(同1.3%減)となりました。
ハ. ヘアケア
新製品の発売はなく、ヘアケア全体の売上高は119,321千円(同56.4%減)となりました。
ニ. その他化粧品
新製品の発売はなく、その他化粧品全体の売上高は21,558千円(同11.9%減)となりました。
以上、化粧品部門の売上高は2,348,656千円(同8.9%減)となりました。
[美容補助商品]
新製品の発売はなく、美容補助商品全体の売上高は337,510千円(同0.6%減)となりました。
[化粧雑貨品等]
新製品の発売はなく、売上高は27,574千円(同7.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は2,019,024千円(前事業年度末は2,306,646千円)となり、前事業年度
末に比べ287,621千円減少しました。これは主に、現金及び預金が38,938千円、売掛金が180,359千円、商品及び製品が6,985千円、原材料及び貯蔵品が81,434千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,549,690千円(同1,547,429千円)となり、前事業年度末に比べ
2,261千円増加しました。これは主に、差入保証金が47,315千円減少、減価償却費を45,702千円計上したものの、前払年金費用が60,076千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は937,721千円(同1,158,328千円)となり、前事業年度末に比べ
220,607千円減少しました。これは主に、返金負債が61,889千円増加したものの、買掛金が23,782千円、短期借入金が88,363千円、一年内償還予定の社債が30,000千円、一年内返済予定の長期借入金が77,780千円、未払費用が82,676千円、1年内返済予定の株主、役員又は従業員からの長期借入金が60,000千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は389,077千円(同713,613千円)となり、前事業年度末に比べ324,535
千円減少しました。これは主に、定時返済などで社債が36,000千円、長期借入金が126,644千円、株主、役員又は従業員からの長期借入金が175,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は2,241,916千円(同1,982,133千円)となり、前事業年度末に比べ259,783
千円増加しました。これは主に、新株予約権の行使により自己株式が179,361千円減少したこと、当期純利益を160,311千円計上したことによるものです。この結果、自己資本比率は、62.6%(同51.2%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益、売上債権の減少、棚卸資産の減少等があるものの、長期借入金の返済による支出、短期借入金の純減、未払費用の減少等により、前事業年度末に比べ38,938千円減少し、当事業年度末には208,732千円となりました。
また当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は453,061千円(前年同期比174,470千円増)となりました。
これは主に未払費用の減少額82,403千円、前払年金費用の増加額60,076千円等があるものの、税引前当期純利益187,541千円、売上債権の減少額162,744千円、棚卸資産の減少額85,765千円、返金負債の増加額61,889千円、未払消費税等の増加額45,770千円、減価償却費45,702千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は7,303千円(前年同期は29,303千円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出35,445千円、無形固定資産の取得による支出8,920千円等があるものの、差入保証金の回収による収入47,557千円、貸付金の回収による収入4,353千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は499,310千円(前年同期比368,305千円増)となりました。
これは主に新株予約権行使に伴う自己株式の処分による収入60,000千円、株式の発行による収入36,000千円があるものの、長期借入金の返済による支出439,424千円、短期借入金の純減額88,363千円、社債の償還による支出66,000千円等があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、生産実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別
|
当事業年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%)
|
金額(千円) |
||
スキンケア |
2,129,832 |
127.1 |
メークアップ |
195,145 |
97.5 |
ヘアケア |
164,317 |
55.0 |
その他 |
29,495 |
171.7 |
合計 |
2,518,791 |
115.0 |
(注) 金額は、販売価格で表示しております。
b.商品仕入実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、商品仕入実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別
|
当事業年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%)
|
金額(千円) |
||
美容補助商品 |
171,280 |
93.6 |
化粧雑貨品等 |
19,675 |
87.4 |
合計 |
190,955 |
92.9 |
(注) 金額は、仕入価格で表示しております。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、販売実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別
|
当事業年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
金額(千円) |
|||
|
スキンケア |
1,979,210 |
96.7 |
メークアップ |
228,566 |
98.7 |
|
ヘアケア |
119,321 |
43.6 |
|
その他 |
21,558 |
88.1 |
|
化粧品合計 |
2,348,656 |
91.1 |
|
美容補助商品 |
337,510 |
99.4 |
|
化粧雑貨品等 |
27,574 |
107.3 |
|
合計 |
2,713,742 |
92.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。
a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について
当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有化しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。また、通常掛率を適用しないエイド品の場合には、製品ごとに下代価格を定めており、エイド品の売上比率が高い場合には、上代売上金額に対する下代売上金額は高くなる傾向かあります。さらに、会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額「販社リファンド」を引いて算出いたします。
当事業年度における上代売上高は、当初100億円を目指しておりましたが、結果は77億円(前期は81億円)と大幅な目標未達という結果でした。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。
b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について
経営重要指標(KPI)として、棚卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。
棚卸資産回転期間については、12.2ケ月(前期13.3ケ月)となりました。これは当事業年度において棚卸資産を85,765千円削減したことによるものです。引き続き、正常な水準(目標6.0ケ月)に戻せるように取り組んでまいります。
自己資本比率につきましては、62.6%(前期51.2%)となりました。これは、主に当期純利益を160,311千円計上したこと、新株予約権の行使が96,000千円あったこと、また総資産を285,359千円圧縮したことによるものです。
引き続き、正常な水準(目標60.0%)を維持出来るように取り組んでまいります。
売上高経常利益率につきましても、6.9%(前期は△0.7%)となりました。これは、経常利益を187,541千円計上したことによるものです。今後については、引き続きKPIの数値を正常な水準(目標15.0%)に戻せるように取り組んでまいります。
c.研修動員数
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当事業年度におきましても、新型コロナウイルス感染症の流行により、前事業年度同様、多くの研修が中止・延期を余儀なくされました。
理念研修としての「SA研修」の新規動員は940名(前期は1,027名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員1,831名(前期3,196名)と低迷しました。今後については、動員数の回復を図ってまいります。また、コロナ禍の3年間開催の出来なかったAS(アーチストセミナー)も再開しており、営業所増設に力を入れてまいります。
d.流通在庫
当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態が重要であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当事業年度におきましては、令和6年3月末時点で、令和5年3月末よりも流通在庫は減少していると推定しております。各種データからも一部過剰な販売会社や製品はあるものの、流通在庫はほぼ適正水準に収れんしております。一方、販売組織の実売状況は、当社からの仕入(当社売上)を上回って推移しており、売上回復に向けた一定水準の顧客は維持していると考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の判断しているキャッシュ・フローの状況につきまして、補足いたします。
a.キャッシュ・フロー分析
当事業年度において、営業キャッシュ・フローが453百万円のプラスに転じました。財務キャッシュ・フローはマイナスでしたが、当事業年度末の現預金残高は208百万円(前事業年度末比38百万円減)となりました。今後については、売上高を上げるとともに、仕入及び経費支出を抑え、手元流動資金を積み増す方針でございます。当社といたしましては、引き続き財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。
b.資本の財源について
当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益準備金等によって構成されております。当事業年度におきましては、新株予約権の行使が96百万円行われ、当期純利益を160百万円計上したことにより、当事業年度末の純資産は2,241百万円となりました。配当政策については、将来のビジネス環境の変動にもそなえるため、内部留保を優先し、今後については、収益の状況を勘案しながら、早期の復配を目指し、利益還元を行う方針です。
c.資金の流動性について
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に必要な現預金を運転資金として保持できるように努めてまいります。また、当事業年度末においてまだ在庫が多い状態と認識しており、売上を上げるとともに、仕入及び経費支出を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。
また、令和4年2月に発行した新株予約権につきましては、当事業年度において96,000千円行使されましたが、その行使は株価の動きに左右されるため、引き続き業績を上げるように努めてまいります。
なお、平成30年12月に発行したA種優先株式1,000百万円については、当社の財務数値が健全化されるまでは、取得条項を行使しない予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。財務諸表の作成にあたり、当社は期末日における資産及び負債、当事業年度における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社は過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。なお、見積りにあたっては、保守主義の原則にそって判断をするようにしております。
イ.売上割戻し(販社リファンド等)
当社の取引先である販売会社とは、独自の販売システムに基づく販売契約を締結しております。販売システムにおいて、「販売会社が販売会社を産んで育てる」という育成の仕組みを具現化しております。子販社を産んだ親販社に対しまして、親販社自身の仕入実績に係る当社への入金金額に対し、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。
「販社リファンド」は、支払対象の販社の仕入が大きい時に多く、支払対象の販社の仕入が小さい時には少なくなるため、月次及び年度による金額は大きく変動いたします。また、当該キャッシュバックの予定金額については、売上割戻として売上高より控除しておりますが、入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ロ.経営指導料
当社は、子販社を産んだ親販社に対しまして、子販社等の仕入実績に対する入金金額に対し、「経営指導料」として、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。当該キャッシュバックの予定金額については、売上割戻として売上高より控除しておりますが、子販社等の入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ハ.棚卸資産評価損
当社は、製品及び原料・資材の廃棄を極小になるように、生産調整会議等で仕入・生産のコントロールを行っております。ただし、売上予測に基づく見込み生産のため、実際の販売数と生産数の相違が出る可能性があります。製商品の消費期限を規程で定めており、四半期毎に洗い替えを行い、期限切れの原料や製品については、評価損を原価計上しております。また、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、生産見込みあるいは出荷見込みがないと判断した数量の原料・資材及び製品の原価相当額を、当事業年度に評価損として、原価に見積り計上しております。評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
棚卸資産の計上額は、在庫原価から「評価損」を(収益性の低下に伴う簿価切下)差し引いた金額です。また翌事業年度以降の数年間における出荷予測数と棚卸資産の品質期限とを照らし合わせて、出荷見込みの低い棚卸資産の金額を「評価損」として算出しており、「評価損」の金額は売上原価に含まれております。
当社の取引先である販売会社については、全販売会社から決算報告書を入手しており、販売会社の在庫状況についても、各種データやヒアリングにより確認しております。製品ごとの出荷予測数値は、過去数年の出荷数と上記流通在庫の状況を考慮し、今後も販売会社の売上高が過去のトレンドで推移すると仮定し、算出しております。
当社は、現状の在庫評価基準に基づく「評価損」を差し引いた棚卸資産計上額が適正であると考えておりますが、化粧品市場におけるマーケットの変化や経済情勢の変化等により、棚卸資産の「評価損」と将来における廃棄金額が相違する可能性があります。
ニ.退職給付引当金
当社は、退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用しております。そのため、運用資産の運用成果が財務諸表に反映する経費処理をしております。運用資産の運用成績は日々変動するため、退職給付引当金は実際の退職給付費用とは相違する可能性があります。
ホ.貸倒引当金
当社の取引先である販売会社は財務基盤が脆弱なところも少なからず存在します。貸倒引当金については、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、各取引先の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。当社は全販売会社に決算書の提出を求めており、各販売会社の決算数字及び研修動員などの活動状況及び各販売会社からの入金実績や経営状況のヒアリングを通じて与信ランクを作成しており、そのデータに基づき算出しております。
当社は、現状の貸倒引当金計上額で、当社が認識しうる信用リスクから発生する可能性のある損失を適切に見積もっていると考えておりますが、貸倒引当金の見積りは基本的に過去のデータにより計算しているため、将来見込等の要素も加えているものの急激な経済金融情勢の変化等により、実際の貸倒損失が引当金計上額と相違する可能性があります。
ヘ.繰延税金資産
当社は、課税所得の計算上の資産・負債と、貸借対照表上の資産・負債の計上額との一時差異に関して、法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。
財務諸表に計上した金額の算出方法については、繰延税金資産の回収可能性を、将来の企業の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等に基づいて判断することとしております。
当事業年度においては、直近数年間の当社の経営計画と実績の乖離が大きいことから、将来における課税所得見通しを保守的に見積っており、繰延税金資産を計上しておりません。
(なお、上記課税所得見通しについては、保守的に算出しており、当社の売上利益計画とは異なります。)