2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(7つの重要課題(マテリアリティ)と事業等のリスクについて)

当社は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 ② 戦略」に記載のとおり、当社の存在意義と社会的要請から、当社にとって重要性の高い7つの重要課題(マテリアリティ)を特定しております。この7つの重要課題に対するリスクを検討し、課題解決に向けた取り組みを進めております。

 

7つの重要課題(マテリアリティ) 

主要なリスク

① ビジネスモデルの徹底

美容室及び代理店の業績低下

② 安心・安全、高品質な製品づくり

製品の開発技術力の低下

法規制の新設又は改正

知的財産権の侵害

原材料の調達難や在庫不足

製造拠点の不足や製品供給力の低下

製品の品質の低下

③ 人的資本の充実

人材の確保及び育成の不足

「コタビジョン」の共有度合いの低下

コンプライアンス意識の低下

④ 投資家との対話

コミュニケーション不足

「コタビジョン」の共有度合いの低下

⑤ 非正規販売対策

製品ブランド価値の低下

製品に対する信用及びレピュテーションの低下

美容室の業績低下

⑥ コーポレート・ガバナンスの充実

役員又は従業員による不正又は不祥事の発生

⑦ 地球環境の保全

環境に関する法規制の強化等

 

 

① ビジネスモデルの徹底

当社は、「美容業界(美容室経営)の近代化」を目指すため、当社独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を展開しております。しかしながら、何らかの要因により、ビジネスモデルを徹底・展開できない事態が生じた場合には、美容室の業績低下、代理店の業績低下が想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 安心・安全、高品質な製品づくり

当社は、美容室向けの頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業を行っております。高付加価値な製品づくりにおいては、業界動向や競争環境の変化、顧客のニーズをつかむとともに、製品の開発技術力を高めていく必要があります。また、製品の安心・安全な供給には、品質管理の徹底のみならず、安定的な原材料の調達や在庫の確保、製造拠点等の検討が必要となります。こうした開発技術力の向上や課題解決のため、当社の研究開発は、製品開発、基礎研究、薬事、知的財産の構成で運営しております。しかしながら、これらの課題に対応ができず、メーカーとしての安心・安全、高品質な製品づくりの体制に大きな支障が出る事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 人的資本の充実

当社では、新卒採用及び経験者採用等により必要な人材の確保を図るとともに、当社が目指す未来である「コタビジョン」に基づき、長期的な視点で人材育成に取り組んでおります。また、教育専門部署を設置しており、従業員一人一人の能力を高め最大限引き出していくために、「コタビジョン」を深く理解し共有するための社内研修等を実施し、優秀な人材の確保及び育成に努めております。しかしながら、採用環境の変化等により求める人材を確保できない事態又は何らかの要因により「コタビジョン」の共有を深められず、優秀な人材の確保及び育成を図れない事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 投資家との対話

当社では、当社が目指す未来である「コタビジョン」を通じて、ステークホルダーの皆様とコタという会社を共有できれば、コタはもっと強く、もっと「いい会社」になれると考えております。持続的な成長と企業価値の向上を図る上で、ステークホルダーの皆様との良好・円滑な信頼関係を構築し、投資家との責任ある対話を行い、コミュニケーションの充実に努めております。しかしながら、何らかの要因により、投資家との間で誤解が生じ、十分なコミュニケーションが図れない事態が生じた場合には、当社に対する信用の低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 非正規販売対策

当社製品(シャンプー、トリートメント、整髪料等)は美容室専売品であり、美容室において施術時に使用されるとともに、美容室でのカウンセリングを通じた対面による店舗販売(店販)を原則とする製品でありますが、インターネットや小売店等で販売されている事例が見受けられます。これを当社では、正規の販売ルート・販売方法ではない「非正規販売」と位置づけ、非正規販売対策委員会及び担当部署を設置し、非正規販売の監視及び調査のほか、法令違反の疑いがある非正規販売については行政機関に相談する等、非正規販売を完全に否定するための毅然とした対応・措置を講じております。しかしながら、何らかの要因により当社の製品がインターネットや小売店等で大量に販売される事態が生じた場合には、当社製品のブランド力や信用の低下、美容室の業績低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ コーポレート・ガバナンスの充実

当社は、「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を定め、当社が目指す未来である「コタビジョン」をステークホルダーの皆様と共有し、最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目的としております。また、「コタビジョン」に基づいたコーポレート・ガバナンスを充実させることで経営の健全性及び透明性を確保し、ステークホルダーの皆様からの期待と信頼に係る責任を十分に果たしながら、永続・発展できる企業を目指しております。しかしながら、何らかの要因により「コタビジョン」の共有を深められない事態が生じた場合には、役員又は従業員による不正や不祥事の発生等、予期せぬ事態が生じる可能性が高まり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 地球環境の保全

当社では、「髪が美しくなれば美意識も磨かれていく。そうすれば、人や自然に対しても美しい心で接することができ、環境を気遣う意識へとつながる」と考え、創業精神である「美容業界(美容室経営)の近代化」の実現のため、ステークホルダーの皆様とともに持続的な成長に向け、全社を挙げて地球環境負荷の低減及び環境保護に努めております。しかしながら、急速に地球環境に関する法規制が強化され又は新たに整備される等した場合、もしくは当社の対応が遅れた場合には、当社の事業活動への制限又は信用の低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

その他、上記以外にも事業活動を継続していく上で、経済情勢の変化や天災、紛争、疫病の発生及び蔓延、消費者嗜好の変化、情報セキュリティ等、様々なリスクが考えられます。

当社では、こうしたリスクを回避又は影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおりますが、想定を上回る事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する長期・安定的な株主還元を重要な経営課題の一つと考えております。将来の事業展開への備えと財務体質の強化のために必要な内部留保に配慮しつつ、継続的・安定的な配当を実施することを目指すとともに、株主価値の向上を図ること等を目的とした株式分割、自己株式の取得等については、市場環境や資本効率等を総合的に勘案したうえで実施することを基本方針としております。

この方針に基づき、内部留保資金の使途につきましては、今後の事業規模の拡大や研究開発・工場設備への投資、財務基盤の強化、安定的な配当を継続するための原資等として備え、必要に応じて活用したいと考えております。

また、剰余金の配当につきましては、配当性向30%を目途として、継続的・安定的に実施できるよう努めております。

当事業年度の期末配当につきましては、2024年5月8日に発表いたしました1株当たり普通配当20円としております。この結果、当事業年度の配当性向は42.7%、純資産配当率は5.0%となります。

なお、当社は取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2025年6月20日

定時株主総会

554,989

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