事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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機能性コーティング | 14,931 | 20.7 | 520 | - | 3.5 |
製紙・環境 | 21,120 | 29.2 | 1,339 | - | 6.3 |
粘接着・バイオマス | 25,135 | 34.8 | -4,048 | - | -16.1 |
ファイン・エレクトロニクス | 10,955 | 15.2 | -393 | - | -3.6 |
その他 | 121 | 0.2 | 38 | - | 31.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、荒川化学工業株式会社(当社)および連結子会社15社で構成されており、機能性コーティング事業、製紙・環境事業、粘接着・バイオマス事業、ファイン・エレクトロニクス事業およびその他事業をおこなっております。当社および当社の関係会社の事業における当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
機能性コーティング事業については、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂(顔料分散性を良好にし、印刷適性と印刷効果などインキの性能を向上させる樹脂)、塗料用樹脂(塗料の耐熱性、速乾性、光沢など、用途に応じた特性を向上させる樹脂)等が主力製品であります。
製紙・環境事業については、紙力増強剤(紙の強度を向上させる薬品)、サイズ剤(紙に耐水性や印刷適性を与え、インキがにじむのを防ぐ薬品)、新規水系ポリマー等が主力製品であります。
粘接着・バイオマス事業については、水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂(粘着・接着剤の粘着力や接着強度並びに耐熱性を向上させる樹脂)、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤等が主力製品であります。
ファイン・エレクトロニクス事業については、精密部品洗浄剤および洗浄装置、低誘電ポリイミド樹脂、ファインケミカル製品、電子材料用配合製品、精密研磨剤等が主力製品であります。
その他事業は、連結子会社のカクタマサービス㈱がおこなっている損害保険、不動産管理等であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、一部の地域を除き持ち直しているものの、地政学リスクの高まりや、原油・エネルギー価格の高止まり、各国の金融政策に伴う影響、中国経済の先行き懸念などが景気の下振れリスクとなり、依然として先行き不透明な状況が継続しております。また、国内経済においても、景気は緩やかに回復し、自動車などの生産は持ち直しの動きがみられます。しかしながら、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞など海外景気の下振れや為替変動、物価上昇などのリスクの影響が懸念されます。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、2021年度よりスタートしました第5次中期5ヵ年経営実行計画の方針(KIZUNA経営の推進とKIZUNA指標の達成)に沿った重点施策を進め、コア技術・素材を中核とした事業ポートフォリオ改革や新事業の創出などによる持続可能な地球環境と社会を実現するための取り組みに注力しております。業績面では、スマートフォンの出荷台数が回復傾向にあるなど、電子部品の需要環境は底を脱したものの、主力製品の販売が低調に推移し、収益に大きく影響しましたが、引き続き高付加価値製品の拡販、収益改善策に取り組んでまいります。また、2023年5月下旬から連続運転を開始した千葉アルコン製造株式会社の減価償却費負担が大きく影響しておりますが、水素化石油樹脂の中長期的な成長市場の需要に応えるべく、水島工場と合わせた2拠点供給体制によるグローバル販売戦略の再構築を進め、安定供給と高付加価値用途へのシフトによる収益性の向上を図ってまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は722億22百万円(前年同期比9.1%減)、営業損失は26億17百万円(前年同期は営業損失29億7百万円)、経常損失は24億12百万円(前年同期は経常損失26億87百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は10億42百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失49億41百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は80百万円(前年同期比57.9%減)、セグメント利益は38百万円(同7.3%減)となりました。
機能性コーティング事業
電機・精密機器関連業界は、中国における景気減速の影響や市況の低迷などにより、電子部品などの需要が引き続き低調に推移しましたが、下期に入り市況が回復しつつあります。このような環境のもと、当事業におきましては、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂は、スマートフォンやディスプレイ関連分野での在庫調整が一巡し、需要回復の兆しが見られました。また、印刷インキ用樹脂は出版分野の市場縮小が加速しており、売上高は減少しました。
その結果、売上高は149億31百万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は5億20百万円(同55.2%増)となりました。
製紙・環境事業
製紙業界は、eコマース(電子商取引)市場の世界的な成長にともない堅調に推移していた段ボール原紙など板紙の国内需要が低調に推移しています。このような環境のもと、当事業におきましては、国内では原材料価格・エネルギーコストの高止まりや需要低迷の影響を受けましたが、海外での板紙向け紙力増強剤が堅調に推移し、収益性が改善しました。
その結果、売上高は211億20百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は13億39百万円(同330.9%増)となりました。
粘接着・バイオマス事業
粘着・接着剤業界は、世界的には紙おむつ向け接着剤の需要が堅調に推移しました。自動車関連分野では一部で生産停止の影響があったものの、生産・販売が回復傾向にあります。このような環境のもと、当事業におきましては、ロジンや石化原料の価格の高止まりに加えて、販売が低調に推移しました。
その結果、売上高は251億35百万円(前年同期比16.2%減)、千葉アルコン製造株式会社におきまして当期の減価償却費負担に見合った生産量には至らない状況にあることから、セグメント損失は40億48百万円(前年同期はセグメント損失38億71百万円)となりました。
ファイン・エレクトロニクス事業
電子工業業界は、中国で景気の停滞感が強まり、電子部品などの需要が低調に推移したものの、スマートフォン、PC、HDDなどにおきましては回復傾向にあります。このような環境のもと、当事業におきましては、一部では緩やかな回復が見られましたが、ファインケミカル製品や精密研磨剤、精密部品洗浄剤などが低調に推移しました。
その結果、売上高は109億55百万円(前年同期比12.8%減)、セグメント損失は3億93百万円(前年同期はセグメント利益3億49百万円)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ63億83百万円増加し、1,254億18百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が22億21百万円、投資有価証券が33億63百万円、退職給付に係る資産が21億92百万円増加したことによります。
負債は、短期借入金が11億32百万円減少しましたが、長期借入金が84億68百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ59億74百万円増加し、685億円となりました。
純資産は、利益剰余金が減少したものの、その他有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4億9百万円増加し、569億18百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億21百万円減少し、91億64百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億57百万円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純損失(14億18百万円)、売上債権の増加(22億81百万円)などにより資金が減少した一方、減価償却費(58億8百万円)、棚卸資産の減少(13億86百万円)などにより資金が増加した結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、71億40百万円の減少となりました。これは、投資有価証券の売却による収入(6億55百万円)などにより資金が増加した一方、固定資産の取得による支出(68億57百万円)などにより資金が減少した結果であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、54億84百万円の増加となりました。これは、配当金の支払額(9億52百万円)などにより資金が減少した一方、借入金の純増加(69億68百万円)などにより資金が増加した結果であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。
b 受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は722億22百万円、営業損失は26億17百万円、経常損失は24億12百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は10億42百万円となりました。業績につきましては、スマートフォンの出荷台数が回復傾向にあるなど、電子部品の需要環境が底を脱した中、高付加価値製品の拡販、収益改善策に取り組みましたが、主力製品の販売が低調に推移して、収益に大きく影響しました。
2024年度も緩やかな回復傾向が続くと思われますが、地政学リスクの高まりや、原油・エネルギー価格のさらなる上昇、各国の金融政策に伴う影響、中国経済の先行き懸念など、先行きは見通しがたい状況です。当社グループにおきましては、千葉アルコン製造株式会社の減価償却費が当面の収益性を押し下げる要因となりますが、光硬化型樹脂やHDD用精密研磨剤などの新プラントを完成させ、将来的な需要増加に対応できる体制を整えており、半導体関連市場などで使用される先端材料用のファインケミカル製品のプラントも建設中であります。また、拠点やプラントの統廃合を含む既存事業の新陳代謝の加速と収益力の回復にも引き続き努めてまいります。
なお、第5次中期5カ年経営実行計画(2021年度~2025年度)は、新型コロナウイルス感染症がもたらした需要構造の変化や半導体の需給変動による電子部品の需要環境変化に加え、原材料価格やエネルギーコストの大幅な上昇など、当初の策定時と比較して当社を取り巻く環境が大きく変化しており、見直しを実施しました。見直し後の第5次中計を着実に実行して、成果の最大化を図ってまいります。
水素化石油樹脂は、ウクライナ情勢に起因した欧州におけるエネルギー環境の変化により、荒川ヨーロッパ社での製造を終了しました。千葉アルコン製造株式会社においては、当初の予定から2年遅れとなりましたが、安定稼働を見据えて、水島工場と合わせた2拠点供給体制によるグローバル販売戦略の再構築をおこないながら、収益性の改善に取り組んでまいります。
また、荒川ケミカルベトナム社における紙力増強剤製造設備につきましては、2022年3月に稼働を開始しており、ASEANでのさらなる拡販を目指し、プラント増設を検討してまいります。
さらには、松資源のさらなる機能追及や、微細藻類等の新たな「バイオマス」由来の素材をベースにした用途開発により、「ライフサイエンス」(医療、農業、コスメ)等への事業領域の拡大を図ってまいります。
見直しを実施した第5次中計の最終2025年度における連結業績目標およびセグメント別目標は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
*EBITDA:償却前営業利益=営業利益+減価償却費+のれん償却額
(単位:百万円)
(参考)千葉アルコン製造㈱の減価償却費(実績および予想)
資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。
また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。
なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「BBB+」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社および子会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討をおこなう対象となっているものであります。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
当社グループは、天産品のロジンと石油化学製品を主要原材料とした独自の技術を通して、デジタルデバイス関連用途、印刷インキ・塗料用途、製紙用途、環境関連用途、粘着・接着剤用途、バイオマス材料用途、半導体・電子部品関連用途等への製造販売を、機能性コーティング事業部門、製紙・環境事業部門、粘接着・バイオマス事業部門、ファイン・エレクトロニクス事業部門にておこなっております。
したがって、当社グループの構成単位は「機能性コーティング事業」「製紙・環境事業」「粘接着・バイオマス事業」および「ファイン・エレクトロニクス事業」の4つを報告セグメントとしております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益および振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、損害保険、不動産管理等を含んでおります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、損害保険、不動産管理等を含んでおります。
4 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
(注) 1 全社費用の配賦差額は、主に報告セグメントに予定配賦した一般管理費の差額であります。
2 コーポレート研究開発費用は、中長期での成長の源泉となる、報告セグメントに配賦しない新規研究開発費用であります。
3 営業外損益は、主に報告セグメントに計上されている営業外損益項目であります。
(注) 全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない親会社での余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)および管理部門に係る資産であります。
(注) 有形固定資産および無形固定資産の増加額の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない親会社での管理部門に係るものであります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。