事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 2,901 | 100.0 | -85 | 100.0 | -2.9 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、デジタルプラットフォーム事業の単一セグメントとして、「Salesforce」(※1)と「ServiceNow」(※2)を柱としたクラウド先端技術を用いた導入支援や自社サービスの展開を行っております。当社グループの事業領域であるクラウドビジネス分野は、近年テレワークの導入を推進し、自社のデジタライゼーションゼーションを実現し、デジタルビジネスの販路拡大にかけて真のDX(※3)実現への投資意欲は今後益々拡大する傾向にあります。
デジタルプラットフォーム事業は、大きく分けてコンサルティングサービス、プラットフォームサービスという2つのサービスを提供しております。
コンサルティングサービスとして、当社グループでは「Salesforce」の導入・運用コンサルティングを手掛ける「Salesforce Consulting」、「Anaplan」(※4)の導入・運用コンサルティングを手掛ける「Anaplan Consulting」に加え、「その他のコンサルティング」として、M&Aにより吸収合併したFTL株式会社のWebサービス、連結子会社となるアオラナウ株式会社における、「ServiceNow」導入のコンサルティング、開発、構築、運用保守までのワンストップサービスが新たな収益の基盤として仲間入りをいたしました。
プラットフォームサービスとして、リカーリングビジネス(※5)を中心に、「Salesforce」の運用支援・サポートを手掛ける「カスタマーサクセス」、「AGAVE」等の自社製品をSaaS(※6)として販売をする「DX」、Salesforce, Inc.認定のSales Cloud(※7)/Service Cloud(※8)管理者・開発者、そしてそのサービスを利用するユーザーに向けた豊富なトレーニングメニュー等を提供する「エデュケーション」を主なサービスとして展開しております。
2024年3月期における各サービスの売上構成比は、コンサルティングサービス66%、プラットフォームサービス34%の比率となっています。さらにコンサルティングサービスのうち、Salesforce Consulting87%、Anaplan Consulting8%、その他コンサルティング5%、プラットフォームサービスのうち、カスタマーサクセス75%、DX14%、エデュケーション11%となっております。
(1)事業のセグメントと主なグループ会社
(2) セグメントの内容
(コンサルティングサービス)
コンサルティングサービスは、デジタルコンサルティングサービスとして、デジタル技術を活用したビジネス設計、クラウドによるシステム開発を行っております。クラウド活用による攻めのIT投資領域に特化したコンサルティング、システム開発サービスを提供しています。
具体的には、主にSalesforce Consulting、Anaplan Consulting、及びその他コンサルティングとして、ServiceNowやWebシステム開発という3つのサービスを展開しております。
① Salesforce Consulting
当社グループは、クラウドソリューションの中で、「Salesforce」を中心に、顧客企業に対して導入支援、コンサルティング及び開発・連携を行っております。
まず、導入支援につきましては、「Salesforce」のクラウド特性を活かし、顧客企業ごとに最適な導入プロジェクトを実施しております。Sales Cloud、Service Cloud等の標準機能をノンカスタマイズで利用できるサービスから、独自のアプリケーション開発、システム連携を伴う大規模開発まで、顧客企業のニーズに合わせたサービスを提供しております。また、顧客企業が独力で導入する場合の支援メニューも用意しております。
次にコンサルティングですが、顧客企業に「Salesforce」を有効に活用していただくために、現状課題解決やビジネス環境にマッチした様々な要望を考慮した上で、要件定義からプラットフォーム選定までの最適なソリューションを提供しております。
最後に開発・連携です。顧客企業の中には、Sales CloudやService CloudのようなSalesforceアプリケーションをメインで使うものの、既成のアプリケーションだけではニーズを満たせない場合も想定されます。その場合に、当社グループは、顧客企業のビジネスにあった独自のアプリケーションを開発するメニューを提案することができます。Salesforceのアプリケーション開発プラットフォーム(※9)には、Lightning Platform(※10) とHeroku(※11)という2つのPaaS(※12)があり、それを利用することにより、一から独自の言語を覚え、アプリケーションを開発する場合と比べ、比較的容易に独自のアプリケーションを開発することができます。
② Anaplan Consulting
企業が財務上の優先度に基づいて業務を実行するための、ビジネス全体を見渡す可視性を提供するクラウドソリューション「Anaplan」を導入するサービスを提供しています。これは、当社グループがこれまで培ってきた構築ノウハウを提供することに加え、今までの導入経験を基に整備し、業務に必要な機能をあらかじめ整備したテンプレートをベースに顧客企業に合わせたカスタマイズを行い提供するパターンオーダーの導入サービスです。全ての企業に共通して存在する階層構造や管理項目、また、どのような業種にも必要な基幹業務、これらの共通項に対応したテンプレートを枠組みにシステムを構築することで、作業自体のスピードアップを実現すると同時に、仕様設計段階での抜けや漏れが原因の手戻りを減らし、導入プロジェクトを通じて効率化し、テンプレートを使用しない場合に比べて時間、コスト、手間を削減することができます。
③ その他コンサルティング
・Webサービス
システム・Webサイト開発、コンサルティング、プロジェクトマネジメントサービスを提供しています。Webアプリケーション開発、インフラ構築を得意とし、AWSなどのクラウドインフラを活用した効率的な開発を提供します。E2Eテストやユニットテストを導入し、プロジェクト後半での予期しないバグを防止し、安定したサービス提供を実現しています。また大規模データ・大規模トラフィックを扱うシステムの設計・構築も提供しており、大手ECサイトやガソリンスタンド向けサービス構築などの実績もあります。
・ServiceNowコンサルティング
アオラナウ株式会社においては、企業のITサービスマネジメントクラウドソリューション「ServiceNow」を導入するサービスを提供しています。企業活動における様々な業務・サービスを単一プラットフォーム上に統合し、業務の標準化・可視化・自動化をコンセプトにヒト、モノ、カネ、情報を一元管理に導きます。コンサルティングにおいては、お客様のビジネス目標に合わせたServiceNow導入計画とプロセス最適化を行い市場優位性の確立やその実現までご提案し、導入支援においては、DX推進に直結する柔軟かつ迅速なServiceNow環境の構築をサポートします。開発・連携においては、特定の業務要件に応じたカスタムアプリケーション開発を通じて、業務効率と生産性の向上を実現に導きます。また、導入や構築に留まらず、運用・定着化支援まで伴走でサポートし、導入後の新たな課題等をお客様とともに解決に導くことで、真のDXを実現することができます。
コンサルティングサービスは、近年のデジタル化ニーズの高まりに伴い、顧客数の増加・案件規模の拡大に伴う顧客当たり単価の上昇等、堅調に推移しております。
また、安定した収益基盤確立のため、大企業とのリレーション及び継続率を重要視しており、コンサルティングサービス売上における大企業である顧客の売上割合は約59%(2024年3月実績)、大企業の契約継続率は約81%を保持しております。
※大企業は、年商1,000億円以上の企業を表しております。
※大企業の契約継続率は、2023年3月末時点のコンサルティングサービスの大企業顧客のうち、2024年3月末時点において取引が継続した件数の割合を示しております。
(プラットフォームサービス)
プラットフォームサービスは、カスタマーサクセス、DX、エデュケーションの3つのサービスからなります。当社人材によるデジタル化ツールの運用実務支援を行い(カスタマーサクセス)、顧客のデジタル人材を育成し(エデュケーション)、デジタルツールの提供を行うこと(DX)で、高付加価値で顧客満足度の高いサービスを提供しております。
① カスタマーサクセス
Salesforceプラットフォームや「Anaplan」等、当社グループ取扱いのクラウド製品に関する導入・運用・保守・定着化を支援するサービスとなります。10年以上の実績を持ち、多数の顧客企業にサービスを提供しております。保守だけでなく、業務課題解決に注力したサービスで高い顧客満足度を得ています。提供範囲としては、リモートサービスにより、日本全国をカバーしております。
サービスメニューとして、ノーコード(※13)開発・運用代行・ヘルプデスク・定着化支援・内製化支援・カスタマイズがあります。「Salesforce」を有効活用するためには、Sales CloudやService Cloud等のクラウドアプリケーションの知識はもちろんのこと、業務にも精通しておく必要があります。サービスとして、Salesforce管理者の資格を持ち、最適な運用パターンや最新機能のノウハウを理解している当社グループの社員が、顧客企業においてサービスメニューにある業務を行っております。顧客企業のニーズは、会社に常駐して手厚いサービス提供を希望する場合や、疑問点等に答えるだけの必要最小限のサービス提供を希望する場合等様々です。当社グループはそのあらゆるニーズに対応できるよう以下の4種類の形態でサービスを提供しています。
・Remote Service
顧客企業の内製化をオンラインで支援するサービスとなります。収益形態はチケット制となっており、1チケットにつき1時間以内で、タスクの問い合わせ、「Salesforce」の設定の作業代行等、顧客の要望に応じて様々なサービスの提供を行います。チケットが不足した場合には、追加でご購入頂くことが可能です。
・Onsite Service
派遣契約により、専任のSalesforce管理者が顧客企業に常駐して運用を代行するサービスとなります。顧客社内で支援を行うため、顧客企業の業務に寄り添った、きめ細かく手厚いサポートを行うことができる点が特徴です。
・Hybrid Service
専任のチーム制により顧客企業の支援を行います。顧客企業からの指揮命令を受ける派遣契約ではなく、準委任契約で提供しているため、顧客に対して戦略的なコンサルティングサービスが提供できる点が特徴です。また、提供は月50時間以内としており、「Onsite Service」までの手厚いサポートは不要だが、積極的なDX化を図りたいという企業にニーズがあると考えております。
「Remote Service」「Hybrid Service」での対応は、生成AIを活用しながら、サービスの質の向上につなげております。
・ConsulTech
当社グループが提供する「ConsulTech」サービスは、クライアント企業のマーケティングから営業、カスタマーサクセスに至るまでのビジネスプロセスを深く理解し、業務効率を向上させることにより、ビジネスオーナーが求める成果の最大化を伴走支援します。データに基づいた意思決定を可能にするプラットフォーム構築支援だけでなく、マーケティングの戦略立案と実行支援に至るまで包括しています。専門知識が豊富なチームにより、人材育成をはじめ、顧客の開拓からアポイント獲得の向上まで、一貫してサポートします。サービスの特徴として、TheModel型を熟知した担当者によるサポートにより、組織内の商流プロセスを横断して効率化させます。また、専属のPM(※14)を配置し、お客様と密にコミュニケーションを図りながら理想のビジネスモデルを提案いたします。ご支援においては、生成AIの技術を活用し、お客様ごとに導入された多様なシステムの実態把握から最適なシステムのご提案もし、現状にとらわれない組織改革型のサービスであります。
② DX
当社グループが展開するSaaSは、自社開発した海外駐在員管理特化型クラウドサービス「AGAVE」等を展開しています。
・AGAVE
当社グループは、海外駐在員向けの管理に特化した「AGAVE」というクラウドサービスを提供しています。海外駐在員へのサポート業務を行う人事部門のために、海外駐在員の赴任前、赴任中、帰任時の煩雑な業務を一元管理できるプラットフォームです。煩雑な業務とは例えば、人事部門側で実施するタスク管理に加え、赴任中の社員の経費申請・各種ワークフロー等であり、そのような海外駐在員サポートに関わる様々な業務を一元管理し、業務の見える化、効率化を実現できます。
機能としましては、マイプロファイル、経費申請/承認、各種申請/承認、お知らせ配信、ドキュメント、プロジェクト管理、給与データ管理があります。
2024年3月末現在、93企業グループ8,660ユーザーの方に利用いただいており、ID数としては9,360に達しました。
③ エデュケーション
当社グループは、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud(※15)等、株式会社セールスフォース・ジャパン認定の管理者/開発者に向けた豊富なトレーニングメニューを提供しています。「Salesforce」を活用して導入効果を高めるために、「Salesforceに関する確かな知識とスキルを短時間で身につけたい」「スキルを持つ人材を育てたい」と考えている顧客企業のために、Salesforce認定トレーナーが現場に役立つ情報を凝縮してお伝えします。サービスの提供をする上で講師が必要になりますが、当社グループの講師陣は、株式会社セールスフォース・ジャパンから賞を受賞する等優秀な講師であり、顧客企業だけでなく、当社の社員教育もあわせて実施しており、当社社員のスキル向上にも貢献しております。
2017年より始めたこのサービスは、2024年3月末現在で累計8,202名の方に受講いただいており、提供しているベンダー認定のトレーニングコースは、Salesforce21コース、MuleSoft(※16)2コースとなっており、このうち、MuleSoftのトレーニングメニューの提供は、2024年3月期より開始いたしました。
提供中のトレーニングコース
(3)当社グループのビジネスモデル
当社グループは、「コンサルティングサービス」と「プラットフォームサービス」の2つのサービスラインを有しており、これら2つのサービスラインによる包括的な顧客支援により、クライアントの企業価値向上を目指しております。コンサルティングサービスにおいては、高い技術を有したチームにより、お客様ごとのニーズや課題に即したビジネスコンサルから、システム導入時の構想設計、開発設計、導入支援から保守運用まで、ワンストップのサービスを提供しています。また、プラットフォームサービスにおいては、開発規模の比較的小規模な案件を中心に、バラエティ豊かなサービス形態からお客様の状況に応じた最適なプランを選んでいただくことが可能になっています。また、生成AIによるデータ連携を駆使した活用支援、新たなサービスとして、マネージドサービスといったシステム導入と専門部隊による業務改革や経営改革までご支援が可能となっています。
エデュケーションにおいては、Salesforce資格取得に向けた豊富な研修プログラムやMulesoftといったベンター認定のトレーニングに留まらず、当社グループオリジナルのトレーニング、お客様に応じたカスタマイズ研修をご用意しております。
DXにおいては、海外駐在員を抱える大手グローバル企業における海外駐在員の人事管理や給与計算に特化したSaaSを販売しており、多種多様な諸外国に合わせた海外駐在員の人事管理や給与計算までをクラウドサービスにより一元管理を実現いたしました。
当社グループは、顧客企業のDX化を取り巻く課題に対し、以下の3つの価値を提供することで顧客の成功を実現します。
① プロジェクトを成功に導く実現力
顧客企業のDX化においては、プロジェクトの内容、コスト、納期といった観点から、一般的に必ずしも想定どおりのプロジェクトが実現しない可能性があります。顧客のDX化の実現においては、開発領域だけではなく、構想段階における「顧客のビジネス課題に対する解決力」を提供することが重要だと考えており、これまで培った実績や当社グループ人材により、目の前の課題解決のみでなく、数年後のビジネスを見据えた戦略的なコンサルティングサービスを提供しております。また、アジャイル開発手法(※17)を用いることで、スピード感をもって顧客企業のDX化を実現しております。加えて、請負開発ゼロという指針の元に、プライム&準委任契約を軸とした技術力を活かした高付加価値なサービス提供に特化しています。
② End to Endのサービス展開
企業のDX化に向けた、「構想」「要件定義」「構築」「保守・運用」「定着化」の一連の領域においては、サービスの提供元企業が複数にまたがることにより、情報等の分断が生まれやすい中、当社グループはコンサルティングサービス、カスタマーサクセスサービスによるワンストップで高品質なサービスを提供することにより、他社との差別化を図っています。
③ ブラックボックス化・属人化を回避
一般的にDX化プロジェクトにおいては、システムの開発を行う企業に知見が偏る傾向にあり、顧客からは情報が見えづらいため、顧客から見た際のプロジェクトの根幹がブラックボックス化してしまう可能性があります。また、担当者が変わる度に、過去の仕様や経緯が分からなくなるといった課題が存在します。
当社グループは、顧客企業とのやり取りをデータとして可視化し、情報の蓄積を図っています。また、生成AIの活用も推進し、蓄積に留まらず、有用なデータ活用や効率性を高めています。
当社グループの強みを活かして高付加価値なサービスを提供することで、下表のとおり売上高や売上総利益等は堅調に推移しております。
当社グループ売上総利益・営業利益等の四半期推移
(注)1.DX控除後営業利益、DX調整後営業利益率は、当社グループの営業利益からプラットフォームサービスのDX事業の営業損失を控除したもの。
2.当社グループは、2024年3月期の第3四半期連結会計期間より連結財務諸表を作成しているため、2023年3月期、2024年3月期の第1四半期会計期間及び第2四半期会計期間は個別経営成績の数値を記載しております。
当社グループにおける2024年5月6日現在のSalesforce認定資格者数及びServiceNow認定資格者数(累計)は以下のとおり述べ899名となっており、内訳として、サークレイス株式会社延べ880名、アオラナウ株式会社延べ19名となっております。なお、サークレイス社は前者、アオラナウ株式会社は後者の認定資格のみに限定して記載をしております。
(1)サークレイス株式会社
(2)アオラナウ株式会社
注記
(※1)Salesforce
米国に本社を構えるSalesforce, Inc.が提供する、企業と顧客をつなぐCRM(顧客管理)ソリューション。マーケティング、営業、コマース、サービス等全ての部署で、顧客一人ひとりの情報を一元的に共有できる統合CRM(顧客管理)プラットフォームです。
(※2)ServiceNow
米国に本社を構えるServiceNowのクラウドベースのプラットフォームで、ITサービス管理(ITSM)を効率化することを目的としています。このプラットフォームは自動化、オペレーション管理、ビジネスプロセスの統合を提供し、企業のデジタル変革を支援します。さらに、IT、カスタマーサービス、セキュリティオペレーション、HR管理など、多岐にわたる業務プロセスに対応しています。
(※3)DX
「Digital Transformation」の略で、経済産業省によると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(出典:経済産業省/デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン)と定義しています。
(※4)Anaplan
米国に本社を構えるAnaplan社がサブスクリプションで提供する、クラウドベースの事業計画ソフトウェアです。財務、サプライチェーン、販売実績から人事に至るまでの分野で意思決定の目的で利用できます。
(※5)リカーリングビジネス
継続収益(リカーリングレベニュー)を得ることを目的としたビジネスモデルのことを指します。
(※6)SaaS
Software as a Serviceの略で、クラウドで提供させるソフトウェアのことです。
(※7)Sales Cloud
Salesforce内にある、営業部門を支援するための機能を備えたクラウド型のSFA(営業支援)/CRM(顧客支援)です。顧客管理、商談情報、契約管理等の様々な機能が利用できます。
(※8)Service Cloud
Salesforce内にある、コールセンターや顧客サポートをするカスタマーサービスを支援するための機能を備えたクラウド型のCRM(顧客支援)です。問い合わせ管理、Web・電子メールからの問い合わせ受付等の様々な機能が利用できます。
(※9)「Salesforce」のアプリケーション開発プラットフォーム
「Salesforce」のアプリケーションを開発するために作業する環境のことを指します。
(※10)Lightning Platform
Salesforce, Inc.が提供するビジネスアプリケーションを開発するためのクラウドプラットフォームのことです。
(※11)Heroku
RubyやPython等広く普及しているプログラミング言語を使って自由度の高いアプリケーションを開発・実行できるクラウドプラットフォームのことです。
(※12)PaaS
Platform as a Serviceの略で、クラウド上で利用できるアプリケーション開発・実行環境のことです。
(※13)ノーコード
コーティングをしない、つまりコードを書かずにアプリケーション開発をすることです。
(※14)PM
プロジェクトマネージャーとは、システム開発のプロジェクトが成功するよう、プロジェクト全体を管理する職種です。プロジェクトチームの責任者のポジションであり、企画から計画立案、人材や資材の確保、工程管理など、幅広い業務を担当します。また、プロジェクトの進行管理、問題発生時の対応、クライアントとの交渉、開発部署への対応も行います。プロジェクト完了後の事後処理も担当範疇です。例えば、プロジェクトを管理するうえで発生した課題・問題、その解決や評価をまとめた報告書を作成することも、プロジェクトマネージャーの重要な仕事のひとつとなります。
(※15)Marketing Cloud
Salesforce内にある、リアルタイムの顧客データを活用し、メール、SNS、Web、Line等、マルチチャネル・デバイスで最適なコミュニケーションを実現するマーケティングプラットフォームです。
(※16)MuleSoft
あらゆるデータ、システム、AIモデルを安全に接続。レガシーシステムも含めて、あらゆる環境で稼働するタスクやプロセスを自動化します。開発者やビジネスユーザーは、マウス操作やコード、AIによる自然言語プロンプトを通じて効率的に構築を進めることができます。
(※17)アジャイル開発手法
現在主流になっているシステムやソフトウェアの開発の手法のひとつであり、要件定義、設計、開発、テストといった開発工程を機能単位の小さなサイクルで繰り返す手法のことです。
(※18)Marketing Cloud Account Engagement
2023年8月24日より、旧Pardotから製品名称が変更されました。
(事業系統図)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,205,155千円となりました。主な内訳は、現金及び預金807,961千円、売掛金326,387千円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は338,247千円となりました。主な内訳は、建物附属設備49,012千円、のれん133,510千円、敷金及び保証金65,356千円、繰延税金資産55,639千円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は586,286千円となりました。主な内訳は、買掛金32,325千円、1年内返済予定の長期借入金61,230千円、未払金58,429千円、未払費用71,375千円、未払法人税等49,632千円、未払消費税等60,284千円、契約負債88,000千円、賞与引当金127,901千円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は165,690千円となりました。主な内訳は、転換社債型新株予約権付社債148,660千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は791,426千円となりました。主な内訳は、資本金395,593千円、資本剰余金444,228千円、利益剰余金△57,834千円であります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和を受け、全体として緩やかな回復基調が続いています。円安や金融政策の影響による物価高騰が続き、景気の先行きは依然として不透明な状況ですが、国内企業によるデジタルトランスフォーメーション(以降、DX)への投資意欲は、継続して底堅い状況にあります。
当社の属する国内パブリッククラウドサービス市場においては、従来型ITからクラウドへの移行(クラウドマイグレーション)は順調な推移を見せながらも、DXにおいては、データドリブン型(データ駆動型)ビジネスに非常に高い関心が寄せられ、クラウドマイグレーション(リプレイスメント/効率化)を進めた企業の多くは、ITクラウドをどのように経営に直結させるかという点に経営上の課題を見出し、デジタル活用人材の育成や企業文化や組織の改革を見据えながらも、真のDXの追究に高い関心を寄せています。
国内のクラウド市場の成長の可能性については、2027年度までの年間成長率を17.9%と予測しており、2027年度の市場規模は2022年度比約2.3倍の13兆2,571億円になるとIDCは予測しています。
クラウドサービスの中でも、当社の主力分野としている米国Salesforce.comは2024年3月1日に2024年通期業績を発表、売上高は前年度比9.4%増の349億ドル、営業利益が同387%増の50億ドル、税引前利益が50億ドル、純利益が同1888%増の41億ドルとしています。
上記のような市場の中、当社グループは、将来的に海外IT人材100名を擁立すべく、2023年6月にベトナムに子会社 Circlace HT Co., Ltd.を設立いたしました。また、新たなIT分野の拡充を目的とし、FTL株式会社をM&Aにより完全子会社化し、2024年3月期において吸収合併を果たしました。さらに、2023年8月には、パソナグループとの共同出資によりアオラナウ株式会社を設立し、その後Tquila Limited、ServiceNow Ventures Holdings, Inc.も経営参画し、ビジネス基盤を着実に拡大いたしました。
当社グループの当連結会計年度における売上高は、2,900百万円となり、前年比14.8%増と前年を上回る結果となりました。
一方で、中長期の戦略的なビジネス基盤拡大にかけての子会社等の設立による投資費用の増加、人的資本投資にかかる継続的な社員募集費や業務委託費等、販売費及び一般管理費が増加したこともあり、営業損失は85百万円、経常損失は51百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は39百万円となりました。
(イ)コンサルティングサービス
2024年3月期におけるコンサルティングサービスの売上高は、前年比25.5%増という結果になりました。Salesforceを主力としたSalesforce Consultingが21.8%増と大幅な伸びを示しました。この要因として、当期の事業戦略の柱となった、Account Managementによる重要顧客との顧客接点の強化、福岡営業所のサービスエリア拡大やビジネスパッケージの見直し、M&Aにより吸収合併したFTL株式会社のWebサービスの受注が伸びたことによります。
Anaplan Consultingは7.2%減ではありましたが、サービス範囲拡大による戦略的なデリバリー体制のシフトによるものであり、中長期の成長において、今後の売上拡大が見込まれます。
アオラナウ株式会社のServiceNowのコンサルティングサービスにおいては、設立後ではあるものの堅調に売上が推移いたしました。
(ロ)プラットフォームサービス
当会計年度におけるプラットフォームサービスの売上高は、前年比1.7%減の微減となりました。
DXが40.4%増となる一方、カスタマーサクセスが6.4%減、エデュケーションが5.9%減という結果になりました。
カスタマーサクセスにおいての要因として、売上高は減少したものの、ChatGPT技術を活用してノウハウのデジタル化による効率化を実現し、人とAIによる、より高品質なサービスを提供できる仕組みを整えるとともに、カスタマーサクセスからコンサルティングサービスへの戦略的なキャリアローテーションを実施し、幅広いサービス技術をコンサルタントが修得する機会を設けました。その結果、一人当たりの売上高が向上いたしました。
DXにおいては、「AGAVE」の売上が好調に推移しました。その要因として、これまで「AGAVE」を導入されていた既存のお客様から、兼ねてよりご要望の多かった、「海外給与計算」の新機能を新たに装備したことによるものであり、既存顧客の満足度向上のみならず、新規顧客獲得にも貢献しております。エデュケーションにおいては、微減ではありますが、安定的な売上高をあげており、当社社員の教育にも貢献することができております。
なお、当社グループは、「デジタルプラットフォーム事業」の単一セグメントであるため、提供サービス別の概況は単一セグメントにおける内容を記載しております。
※当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しております。対前年増減率は、2023年3月期の個別経営成績と2024年3月期の連結経営成績を比較しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、807,961千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、105,349千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失50,782千円があった一方で、賞与引当金の増加127,901千円、未払金及び未払費用の増加43,234千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、102,164千円の支出となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入117,408千円があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出189,906千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、126,061千円の収入となりました。これは主に、新株予約権付社債の発行による収入148,660千円があった一方で、長期借入金の返済による支出51,810千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績及び受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループはデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(注)1.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度において、コンサルティングサービスの売上高は1,924,647千円、プラットフォームサービスの売上高は976,148千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度において、売上原価は1,450,005千円となりました。当連結会計年度の前半において、前事業年度に発生した一部システム開発プロジェクトにおける納期遅延への対応の影響が残り、稼働率の低下が見られたが、後半に入り稼働率が改善されました。
この結果、売上総利益は1,450,790千円となりました。
(営業損失)
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は1,536,111千円となりました。中長期の戦略的なビジネス基盤拡大にかけての子会社等の設立による投資費用の発生、人的資本投資にかかる継続的な社員募集費や業務委託費等の発生がありました。
この結果、営業損失は85,321千円となりました。
(経常損失)
当連結会計年度において、営業外収益が35,459千円、営業外費用が1,317千円発生しました。子会社の吸収合併に伴って、保険の解約を行い、返戻金の受け取りがありました。
この結果、経常損失は51,178千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度において、特別利益が396千円発生し、法人税等合計は16,597千円となり、当期純損失は67,380千円となりました。
非支配株主に帰属する当期純損失28,214千円となった結果、親会社株主に帰属する当期純損失は39,166千円となりました。
財政状態とキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況及び③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループにおける主な資金需要は、人件費等の運転資金及び設備投資資金であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、運転資金は自己資金を基本としつつ、投資資金は自己資金並びに金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で優先順位を検討して実施することを基本としております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上総利益率、コンサルティングサービスにおける顧客企業の中での大企業売上比率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループの事業セグメントは、デジタルプラットフォーム事業のみの単一セグメントであり、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当社グループは、デジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。