2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

コンクリート関連事業 建築設備機器関連事業 不動産関連事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
コンクリート関連事業 2,023 59.5 69 31.2 3.4
建築設備機器関連事業 1,263 37.1 114 51.3 9.0
不動産関連事業 116 3.4 39 17.5 33.4

事業内容

3 【事業の内容】

 当社は、コンクリート二次製品の製造・販売、及びこれらに関連するゴムジョイント等の商品の販売、並びに環境を中心とした製商品の民間企業への販売と、空調設備を中心とする建築設備関連機器の販売・施工・メンテナンス、賃貸用マンション等の賃貸を行っております。

 当社の事業内容及び当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 なお、セグメントと同一の区分であります。

 

区    分

主 要 製 ・ 商 品 等

コンクリート関連事業

道路関連製品、バイコンパイプ、バイコンマンホール、

ゴムジョイント、環境関連製品等

建築設備機器関連事業

空調設備を中心とする建築設備関連機器の販売・施工、

メンテナンス

不動産関連事業

自社所有の不動産賃貸

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

 

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済情勢は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるといった状況となっております。

このような状況のなかで、当社では当事業年度においては「Beyond innovation 革新のその先へ」という原点に立ち返った社内スローガンを経営方針として掲げ、事業を推進してまいりました。

当事業年度においては、全国的な原材料や物流費の高騰により、官公庁が発注する工事については、予算は減っていないものの資材を含む工事費が拡大され、予定していた工事の規模は見直され縮小となることが見受けられました。

このような環境の中、コンクリート関連事業におきましては、マンホール・ピアス・ヒュームセプター等が業績を牽引し、道路製品を中心に引き合いは徐々に増加していきました。

コンクリート関連事業の製商品に関しましては、少ないセメント量で高強度製品が製造できる「バイコン製法」で製造を行っており、他製法に比べてCO2排出量を削減できることから、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献しております。そのなかでも、当社主力製品である「ライン導水ブロックシリーズ」の独自性・優位性について引き続き高い評価を受けております。

当社無電柱化製品におきましては、無電柱化の推進に関して施策の総合的、計画的かつ迅速な推進を図るため、国土交通省が「無電柱化推進計画」を策定し、未だ多くの課題が残っているものの、無電柱化の推進に向けた着実な取組が行われており、「S.D.BOX」等の採用も増加しております。

環境対策製品におきましては、NEXCO設計要領に準拠した油水分離ます「ヒュームセプター」が、環境対策・ノンポイント汚染対策として高速道路、国道、都道府県道等の交通量の多い道路や工場、商業施設等に幅広く採用されており、省スペースでの施工が可能な点、施工が簡易的である点、油の再流出が無い点等のメリットから、採用実績は2015年~2020年の5年間で約5倍に増え、2025年3月期には総販売台数が1,400基に達し、非常に高い評価を戴いております。

また、G20サミットや締約国会議においても取り上げられております「マイクロプラスチック対策」や「温室効果ガス削減」、「気候変動対策」といった問題に対する具体的ソリューションとして、現在、「ヒュームセプターMP2フィルター」「ソーラー縁石システム」「レインガーデンシステム」といった環境関連製品の開発にも着手しております。

これらの製商品におきましては、当社製品のPR活動強化のため、6月に「EE東北24」、9月に「ハイウェイテクノフェア2024」、11月に「脱炭素経営EXPO」に出展致しました。6月から11月初旬までは、全国各地で実際の製品を見て頂きPRを行う製品デモキャンペーンを実施致しました。官公庁を始め、設計・施工会社、専門商社等の皆様から非常に高い評価を戴いております。

建築設備機器関連事業におきましては、公共工事への入札だけではなく、民間工事への積極的な営業活動を進めてまいりました。

また、省エネルギー課題に対して、民間事業者の資金とノウハウを活用し、照明や空調等の設備を改修することで削減された光熱水費によって、工事費や維持管理費を賄うESCO事業についても、継続的に情報収集や営業活動を行っております。

不動産関連事業におきましては、経営資源の有効活用を目的として、遊休不動産の積極的な課題解決に取り組んでまいりました。

また、営業活動以外でも、サステナビリティ及びCSR活動の一環として、寄付型自動販売機による寄付支援、また、国土交通省主催の「ボランティア・サポート・プログラム」等にも参加し、営業活動や技術開発だけでなく、環境問題を意識したSDGsへの活動についても積極的に取り組んでまいりました。

その結果、当事業年度の売上高は34億2百万円(前事業年度比8.6%増)、営業利益は2億1百万円(同85.0%増)、経常利益は1億98百万円(同96.2%増)、当期純利益は3億49百万円(同243.7%増)となりました。

 

当事業年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。

①コンクリート関連事業

コンクリート関連事業の売上高は20億23百万円(前事業年度比8.4%増)、セグメント利益は69百万円(同177.9%増)となりました。

資材、人件費、物流費の高騰により、公共工事の案件規模は縮小傾向にあり、コンクリート二次製品業界全体の出荷量も減少しておりますが、縁石一体型側溝「ライン導水ブロックシリーズ」、環境対策製品「ヒュームセプター」を中心に安定した売上を確保しております。他のバイコンマンホール、バイコン台付管も好調に推移したことにあわせて、舗装止め「スナップエッジ」、滑り止めシート「ロジングリップ」の商品も好調であり、同事業の売上高、セグメント利益ともに前年同期を上回る結果となりました。

②建築設備機器関連事業

建築設備機器関連事業の売上高は12億62百万円(前事業年度比9.8%増)、セグメント利益は1億14百万円(同91.0%増)となりました。

中・大型の公共事業案件を中心に堅調に受注したこと、また、民間工事へ積極的な営業を展開し、受注拡大につながったことなどにより、同事業の売上高、セグメント利益ともに前年同期を上回る結果となりました。

③不動産関連事業

不動産関連事業の売上高は1億16百万円(前事業年度比0.6%増)、セグメント利益は38百万円(同3.1%減)となりました。

売上高、セグメント利益ともにほぼ当初の計画通りに推移致しました。

 

セグメント情報の詳細は(セグメント情報等)をご覧ください。

 

当事業年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当事業年度末の流動資産は25億35百万円となり、前事業年度末に比べ2億97百万円減少しました。

完成工事未収入金の減少2億35百万円、現金及び預金の増加1億56百万円、商品及び製品の減少98百万円、受取手形の減少55百万円、電子記録債権の減少28百万円、未収還付法人税等の減少などによるその他流動資産の減少26百万円が主な理由であります。

当事業年度末の固定資産は33億24百万円となり、前事業年度末に比べ66百万円増加しました。

繰延税金資産の増加73百万円、有形固定資産の減少39百万円、保険積立金の増加などによる投資その他の資産その他の増加15百万円、投資有価証券の増加11百万円、無形固定資産の増加6百万円が主な理由であります。

この結果、総資産は58億59百万円となり、前事業年度末に比べ2億31百万円減少しました。

(負債)

当事業年度末の流動負債は15億18百万円となり、前事業年度末に比べ4億74百万円減少しました。

短期借入金の減少3億50百万円、工事未払金の減少1億79百万円、電子記録債務の減少1億41百万円が主な理由であります。

当事業年度末の固定負債は6億44百万円となり、前事業年度末に比べ68百万円減少しました。

長期借入金の減少56百万円、資産除去債務の減少20百万円、役員退職慰労引当金の増加17百万円が主な理由であります。

この結果、負債合計は21億63百万円となり、前事業年度末に比べ5億43百万円減少しました。

(純資産)

当事業年度末の純資産は36億96百万円となり、前事業年度末に比べ3億11百万円増加しました。

繰越利益剰余金の増加3億4百万円、その他有価証券評価差額金の増加10百万円が主な理由であります。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ1億56百万円増加し、8億30百万円となりました。

 

当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減理由は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、5億24百万円(前年同期1億53百万円の資金使用)となりました。

収入の主な内訳は、税引前当期純利益3億87百万円、売上債権の減少3億15百万円、棚卸資産の減少1億10百万円、減価償却費82百万円、未払消費税等の増加52百万円、賞与引当金の増加29百万円、その他流動資産の減少17百万円、役員退職慰労引当金の増加17百万円、支出の主な内訳は、仕入債務の減少3億10百万円、固定資産売却益1億67百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、96百万円(前年同期1億27百万円の資金使用)となりました。

収入の内訳は、有形固定資産の売却による収入1億86百万円、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出60百万円、保険積立金の積立による支出13百万円、無形固定資産の取得による支出13百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、4億65百万円(前年同期84百万円の資金獲得)となりました。

支出の内訳は、短期借入金の減少額3億50百万円、長期借入金の返済による支出60百万円、配当金の支払額による支出47百万円、リース債務の返済による支出7百万円であります。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

コンクリート関連事業

929,260

77.8

建築設備機器関連事業

1,067,320

112.4

不動産関連事業

合計

1,996,580

93.1

(注)金額は販売価格により記載しております。

 

② 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

コンクリート関連事業

建築設備機器関連事業

845,007

69.6

236,329

51.6

不動産関連事業

合計

845,007

69.6

236,329

51.6

(注)金額は販売価格により記載しております。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

コンクリート関連事業

2,023,167

108.4

建築設備機器関連事業

1,262,937

109.8

不動産関連事業

116,444

100.6

合計

3,402,549

108.6

(注)金額は販売価格により記載しております。

 

当社の売上高は、季節変動があり、事業年度の上半期と下半期との間に著しい相違があります。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針が、当社の判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。

イ 貸倒引当金

 貸倒引当金については、債権の貸倒れによる損失に備えるために、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権は個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、取引先の財務状況が悪化し、その回収可能性が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

ロ 棚卸資産

 棚卸資産については、市場状況及び生産経過年数に基づく収益性の低下の見積り額について、棚卸資産評価損の計上を行っております。実際の市場状況等が当社の見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

ハ 繰延税金資産

 当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

ニ 固定資産の減損処理

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。この回収可能価額の算定には、将来キャッシュ・フローを直近の実績や事業計画等の意思決定に基づいて合理的に見積りを行うほか、不動産等の時価のある資産については必要に応じ鑑定等の外部評価に基づく適正な価額を用い、帳簿価額の回収可否について判定を行っております。また当社は管理会計上、コンクリート関連事業、建築設備機器関連事業、不動産関連事業の各収益不動産物件を単位として資産をグルーピングし、損益状況の把握を行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

ホ 工事売上高の計上及び工事原価総額の見積り

 当社は、工事売上高の計上について、一定の期間にわたり充足される履行義務は、金額的重要性が乏しい工事契約を除き、履行義務の充足に係る進捗率を見積り、当該進捗率に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法として発生原価に基づくインプット法、すなわち、工事原価総額に対する発生した工事原価の割合により計算しております。

 工事原価総額は、契約ごとの実行予算として見積ります。実行予算の策定にあたっては、個々の工事における作業内容及び工数を見積りますが、これには工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者による一定の仮定と判断を伴います。また、その後の工事期間において、顧客との合意による作業内容の変更や想定外の事象の発生により、工期の延長や追加的な工数が生じることがあります。この場合、工事契約の変更等に関する情報を収集し、追加的に生じる作業内容及びそれに対応する工数の見積りを再度実施することにより実行予算を適時・適切に見直すことが必要となります。これらの見積りには一定の不確実性が伴うため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当事業年度の経営成績の分析

 当事業年度の売上高は34億2百万円(前事業年度比8.6%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は2億1百万円(同85.0%増)、経常利益は1億98百万円(同96.2%増)、当期純利益は3億49百万円(同243.7%増)となりました。

 当事業年度の業績等の概況は「(1)財政状態及び経営成績の状況」にセグメント別に記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ 主要な資金需要及び財源

 当社の主要な資金需要は、製品製造及び建築設備工事のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用ならびに設備新設、改修等に係る投資であります。

 これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。

ロ 資金の流動性

 当社の当事業年度末における現金及び現金同等物は、8億30百万円であり、流動比率も166.9%であることから財務の健全性は保たれており、次期の設備投資においても自己資金で賄う予定であります。

 なお、当社は、当事業年度末においても、自己資本比率は63.1%と依然として高く、財務体質は極めて健全であります。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、主に成長性、収益性の指標として売上高及び営業利益を重視しております。また、株主資本の効率的活用による株主利益重視の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要経営指標とする基本方針を堅持しております。

 当事業年度の売上高は34億2百万円となり、当初計画である33億円を上回る結果となりました。営業利益は2億1百万円となり、当初計画である1億30百万円を上回る結果となりました。

 当事業年度の業績等の概況は「(1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 当事業年度末におけるROEは9.9%となっております。ROEにつきましては具体的な数値目標は定めておりませんが、今後は、必要な成長投資を強化し、収益を確保することや資本効率を高めること等によりROEの向上に努めてまいります。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況に関する分析

キャッシュ・フローの状況に関する分析は、「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。

 

 

第72期

2021年3月期

第73期

2022年3月期

第74期

2023年3月期

第75期

2024年3月期

第76期

2025年3月期

自己資本比率

54.2

56.9

56.3

55.6

63.1

時価ベースの自己資本比率

59.4

37.4

31.1

27.7

31.4

キャッシュ・フロー対有利子

負債比率

735.3

327.2

187.9

インタレスト・カバレッジ・

レシオ

36.8

73.5

62.2

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ 株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

※ キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。

有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の支払利息を利用しております。