リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、これらの事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当社製品の需要動向に伴う経営成績への影響について
当社グループで製造・販売している各種鋼管及びメッキ鋼板製品は、店舗・工場・倉庫などの中低層建造物の建築資材、自動車等輸送機器向け、ビニールハウス向け農芸用資材、公共施設・各種工場やプラントにおける電線管、配管用の資材及び道路標識や街灯の支柱などが主たる用途です。したがって、中低層の建築投資、輸送用機器の生産量、企業の設備投資及び公共投資、及び当社製品ユーザーの生産動向等によって、連結経営成績は影響を受ける可能性があります。
(2)原材料市況の変動等について
当社グループが取扱っている各種鋼管は、熱延コイルを主要原材料としておりますが、熱延コイルの市況は世界の鉄鋼原料及び鉄鋼製品の需給動向等によって変動いたします。当社グループでは、国内外の高炉メーカーを原材料の仕入先として安定した価格での購入と適正な販売価格体系構築に努めておりますが、原材料の価格が上昇し、販売価格への転嫁が十分に図れない場合等には、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
(3)製品クレームによるリスク
当社グループでは、各種の規格、品質管理基準に従って製品を生産し、需要家のニーズに応えるべく品質の維持向上に万全を期しておりますが、全ての製品に欠陥が無いとは限らず、製造物賠償責任等に伴う費用が発生する可能性があります。
(4)固定資産の価値下落について
当社グループが保有している固定資産について収益性が低下し投資の回収が見込めなくなった場合、固定資産の減損損失が発生し連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)有価証券並びに投資有価証券等の価値変動
当社グループの有価証券及び投資有価証券は、総資産の約2~3割を占めており、主な内容は、当社の関係会社株式、主要な取引先の株式及び債券となっております。当社グループでは、時価のある有価証券については、期末日時点での時価が取得原価に対して30%以上下落した場合、減損処理を実施しております。
このため、株式市場の低迷等、当社グループが保有する有価証券並びに投資有価証券の時価が大きく変動した場合、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
(6)技術変化への対応について
当社グループは鋼管製造において成熟された技術力を有し、高品質・多品種・小ロットといった顧客の需要に応える生産体制を整えており、同業他社に対して優位性を確保しておりますが、鋼管製造において技術革新が起きた場合、当社の優位性が失われ連結経営成績に影響を受ける可能性があります。
(7)自然災害・パンデミック・事故等のリスク
当社グループでは、国内外において需要地生産体制をとり、生産拠点を需要地に設けることで自然災害やパンデミックに対するリスクを分散しております。また、工場等の安全対策として安全教育部による従業員教育を徹底して実施しておりますが、地震や風水害等の大規模災害、パンデミックの発生や事故等により当社グループの工場操業に支障が出た場合、連結経営成績に影響を受ける可能性があります。
(8)地政学リスク、カントリーリスク
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。
(9)事業活動にかかる環境規制
当社グループは太陽光発電設備の導入や環境対応塗料の採用を進め、環境負荷の低減に取り組んでまいりましたが、二酸化炭素の排出量削減などを義務付ける新たな環境規制が導入された場合には、当社グループの事業活動に制約を受けたり、規制に適合する設備更新などに多額の費用が発生し連結経営成績に影響が出る可能性があります。
(10)法規制について
当社グループはグローバルに事業を展開し、各国における法令並びに条例を遵守しておりますが、貿易摩擦等で関税の引き上げや、輸出入に関する規制が強化されることにより事業活動に支障が生じた場合、連結経営成績に影響を与えるリスクがあります。
(11)人的資源の確保について
当社グループは国内の労働力人口の減少への対応や海外で活躍できる人材の育成と現地人材のレベルアップのため、女性の採用や海外研修に積極的に取り組んでおります。また、再雇用制度による技術継承や設備更新による省力化を進めております。これらの施策が計画通りに進まず優秀な人材を確保できなかったり、技術継承が行えなかった場合、当社グループの継続的発展に影響を与えるリスクがあります。
(12)情報セキュリティ
当社は情報セキュリティポリシーを策定し情報管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により顧客・取引先等の機密情報、従業員の個人情報や営業秘密が漏えいした場合、当社グループの社会的評価や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
(1) 利益配当の基本方針
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置付け、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでおり、財務の健全性を維持しつつ、連結経営による企業価値の一層の向上に努めるとしており、具体的には「連結決算における親会社株主に帰属する当期純利益をベースに総合的に判断する。」を配当方針としております。
また、当社では期末配当の基準日を毎年3月31日とし、中間配当の基準日を毎年9月30日とするとともに、必要に応じ基準日を定めて剰余金の配当を可能としております。さらに、株主の皆様の変わらぬご支援に感謝の意を込めまして、株主優待制度も実施しております。
一方、自主独立の鋼管専業メーカーとして当社グループが発展成長を続けるためには、事業拡大を目的とした戦略的な投資と生産性の向上および効率化による競争力の強化が不可欠であります。そのために当社グループでは、常に生産設備の見直し、更新・拡充を行っており、競争力確保を目的とした投資も積極的かつ計画的に実施しております。こうした戦略的事業展開に備えるための内部留保もまた永続的な株主価値向上のうえから極めて重要だと考えております。
(2) 当期の配当決定に当たっての考え方
(1)に記載しております方針に基づき、配当金を決定しております。
なお、基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。
(注) 当社は会社法第459条の規定に基づき取締役会の決議により剰余金の配当等を行うことができる旨を定めております。
(3) 内部留保資金の使途
内部留保資金は利益配当の基本方針にも述べておりますとおり、生産設備の更新・拡充への資金需要に備える所存です。また、業界を取り巻く厳しい経営環境のなかで、独立系の鋼管専業メーカーとして当社が比較的安定した業績を挙げて来られましたのも、内部留保資金の厚みに負うところが大きいと考えています。
いずれも将来の利益に貢献し、経営業績の安定に寄与し、ひいては株主各位への安定的な配当に寄与するものと考えております。
(4) 次期の配当方針について
当社は、「連結決算における親会社株主に帰属する当期純利益をベースに総合的に判断する。」を配当方針としております。