2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    416名(単体) 459名(連結)
  • 平均年齢
    40.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.0年(単体)
  • 平均年収
    4,966,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ニッケル事業

445

ガス事業

14

その他

合計

459

 

(注) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

416

40.9

18.0

4,966

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ニッケル事業

416

その他

合計

416

 

(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループは、主に大平洋金属八戸労働組合を組織し、上部団体として日本基幹産業労働組合連合会に加盟、なお、現在その他の労働組合を含めて円満なる労使関係を維持しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

2024年3月31日現在

当事業年度

補足説明

管理職に
占める
女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業
取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期労働者

0.0

27.3

85.7

83.9

120.0

 正規雇用労働者の賃金の差異の主な理由は、全労働者の95%を男性労働者が占めており、その半数以上が特殊な勤務体系の交替勤務者であることから、法定勤務時間を超えた場合に支給される割増賃金等が発生する勤務が女性労働者より多いため。なお、全労働者のうち女性労働者は5%、勤務体系は常昼勤務。

 パート・有期労働者の賃金の差異の主な理由は、全対象者は定年退職日以降の嘱託労働者であり、このうち、女性労働者は相対的に賃金の高い役職者であったことに伴い、準管理職扱いとして雇用しているため。

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティ基本方針

当社グループは、『人の力を活かし、地球の資源をより有用なるものとして提供し、人類社会の幸福に貢献する』という経営理念の下、長期ビジョン「持続可能な循環型社会を共創する総合素材カンパニー」を掲げ、事業環境の変化に対応可能な経営基盤の確立及びSDGsへの貢献及びカーボンニュートラル実現等を当社における重要課題と位置づけ、持続可能な企業への成長と企業価値の向上を図り、サステナブルな社会・環境の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは気候変動対応、サステナブルな社会の実現を重要な経営課題と位置づけております。そこでサステナビリティ推進会議を設け、マテリアリティに関する中長期的な取り組みや方向性の議論の他、ESG課題への対応、CSRの推進及びカーボンニュートラルへの取り組み等について、全社横断的に具体的施策をもって推進することを目的に四半期に一度開催しております。

サステナビリティ推進会議は、社長を議長、経営の執行責任者を構成員とし、実施内容は取締役会に報告し、適切な指示・監督を受ける体制としております。

 

      推進体制図

 


 

(2) 戦略

当社グループでは、気候変動の対応では、2050年度のカーボンニュートラル達成に向け、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で46%以上削減、2050年度には実質ゼロを目指します。2022年度では、気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)の低減へ賛同し、気候関連リスクのシナリオ分析を行い当社ホームページや統合報告書へ掲載いたしました。地域及び資源国へは、その発展への貢献活動を通じて共生の促進を図り、また、人的資本に関する取り組みについては、安全操業やダイバーシティ等のテーマに注力し、取り組んでおります。これらのサステナビリティ重要課題に関する中長期的な取り組みや方向性、ESG課題への対応、CSRの推進及びカーボンニュートラルへの取り組み等について、サステナビリティ推進会議において検討、推進しております。

シナリオ分析は、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を参照し、1.5℃シナリオと4℃シナリオを検討しました。シナリオ分析を行った結果、各リスクと機会への対応について、当社戦略はレジリエンスを有していることが確認できました。また、当連結会計年度においては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)開示内容の更新、シナリオ分析の更新、Scope3の開示を行いました。

 

シナリオ分析 (GHG排出量はCО換算)

前提条件:

・2030年断面でのリスクと機会としています。・気候変動影響による財務影響金額を想定しています。

リスク・機会の種類

リスク・機会の概要

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

大平洋金属としての対応

財務影響度

可能性

財務影響度

可能性

リスク

移行

政策及び規制

炭素税の導入により事業活動(製造、輸送)におけるエネルギーコストが上昇する

・プロセス電化

・再エネ利用移行

・原料乾燥・煆焼工程にマイクロ波装置を装填することにより、熱源としての石炭や化石燃料を削減

・再エネ買電による電力利用に段階的に移行させる

気候変動に伴う需給バランスの変化による化石燃料価格の上昇や、天候不順などによる不安定な供給、再生可能エネルギー賦課金の増加により、各種原材料の調達のリスクやコストが上昇する

市場と技術の移行

顧客から脱炭素要求が高まるが、自社の脱炭素の対応が不十分であれば、製品力が低下する(市場シェアの低下など)

・LCCO2評価

・脱炭素による製造に移行し、LCCO2評価して顧客要求に応えていく

EVシフトを背景としたNi需要拡大に伴う価格上昇により、ステンレス原料が他の安価な金属に切り替わる

・新規事業の創出

・長期的には新規事業の創出も視野に、事業ポートフォリオの再構築を進める

市場からの評判

サプライチェーンにおいて、ESG対応が進んだ企業への選好が起こり、企業価値の棄損や、追加対応のコストが発生する

・脱炭素へのコミットメント

・イニシアチブへの対応

・サステナビリティ課題への取り組みにコミットし、推進状況を積極的に情報開示していく(TCFD開示、CDP対応等)

気候変動情報の開示要求に対して対応を怠ることにより、資本市場における価値の低下(株価下落など)が発生する

物理

急性

生産拠点やサプライチェーンが物理的な被害を受け、操業や物流機能の停止等により、利益の損失や追加コストが発生する

・原料調達先の多角化によるリスク分散

・リサイクル資源を含めた原料調達先の多角化により、調達リスクを分散化させていく

慢性

資源調達先での雨季の長期化による原料の含水率上昇など、性状変化により、製造時の追加コストが発生する

機会

資源の効率性

天然資源に比べGHG排出負荷が少なく製造効率が良いリサイクル金属資源の(金属資源の代替)利用が拡大する

・資源循環の体制構築

・リサイクル資源の回収・受入を拡大させていくことで、新たな資源循環の体制を構築していく

エネルギー源

製造プロセスの技術革新により化石燃料使用量を大幅に削減でき、エネルギーコストを削減できる。それに伴いGHG排出量が削減され、カーボンプライシングによる影響を改善できる

・プロセス電化

・再エネ利用移行

・原料乾燥・煆焼工程にマイクロ波装置を装填することにより、熱源としての石炭や化石燃料を削減

・再エネ買電による電力利用に段階的に移行させる

製品とサービス

製造プロセスの技術革新により、顧客に対しGHGのサプライチェーン排出量削減に貢献でき、製品力が向上する

・営業力の強化と新規顧客拡大

・低炭素化製品の提供による顧客関係性の向上

・海外メーカーなど新規取引先の開拓

レジリエンス

ESG課題への積極的な取り組みを全社的ガバナンス強化へと移行させることで、対応の柔軟性とスピードが高まる。投資家をはじめとするステークホルダーからの支持、協力の獲得、企業価値の向上や事業基盤の強化、さらなる事業拡大につながる

・ガバナンス強化

・ESG課題対応の計画と実行と管理

 

1.5℃シナリオ:平均気温上昇を1.5℃に抑える努力を継続した状況。
4℃シナリオ:対策は取らず、成り行きに任せた状況。

 

当社グループにおける人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略については、「人の力を活かし、地球の資源をより有用なるものとして提供し、人類社会の幸福に貢献する」という経営理念を実現するため、多様な人材が活躍できる職場環境や教育体制の整備を進めています。

多様性の確保に向けた人材教育では、ダイバーシティ実現に向け、自己啓発を目的として研修等を行い、浮かび上がる課題の解消に向けて積極的に取り組むことにより意識改革と風土の醸成に努め、生産性とワークライフバランスの向上のための取り組みを継続していきます。また、2022年度に60歳を迎える従業員より65歳に定年年齢を引き上げており、健康に配慮しつつ、変わらぬパフォーマンスを発揮できる体制づくりに取り組んでまいります。

ダイバーシティについては、管理職に必要とされる女性を含んだ多様な人材の育成と活躍推進を実践できる力を身につけることを目的にダイバーシティの考え方、ダイバーシティマネジメントについて学び、ストレスの少ない職場づくりや従業員のモチベーション向上に向けた研修を行っております。

女性活躍推進を含む多様性の確保に向けた人材教育、環境整備等については、出産・育児及び介護等を支援するなど、仕事と家庭を両立させるための働きやすい環境づくりに常に努めていくとともに、女性社員を対象としたキャリア形成を支援するための研修、または、男性社員を対象とした研修等を実施し意識改革を図り、女性の活躍を推進するための作業環境と施設環境の両面から環境改善に取り組みます。その一環として、女性の活躍が期待される社会環境において、個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指して、自分の価値を活かし、どのような働き方をして組織に貢献し続けるか、自分らしく幸せに生きるか、主体的に考える研修を行っております。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、気候変動に係るリスクも含む全社的リスク管理に関し、リスクマネジメント委員会を設けております。リスクマネジメント委員会は、社長指名の取締役が委員長となり、執行役員及び部・室長を委員とし四半期に一度開催し、定常的なリスク管理(リスクの把握、評価、監視等)を行っております。リスクに対する対応策は、リスクの発生頻度や影響度から優先順位付けをした上で、優先対応リスク低減活動に取り組み、その進捗管理を行っております。「気候変動関連のリスクと機会」は、年1回リスクマネジメント委員会で見直し、活動状況を年1回以上取締役会に報告し、適切な指示・監督を受けております。また、サステナビリティに関する重要課題として、従業員及び関係者の安全・衛生管理の推進や、多様性の確保に向けた環境整備と人的資本投資の拡充、地域社会発展への貢献、ステークホルダーとの建設的な対話の推進等に取り組んでおります。

 

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、2022年5月に発表した「PAMCO-2024」において、2050年度のカーボンニュートラル達成に向け、明確な目標とカーボンフリーエネルギーの活用、新技術の導入等の方策を以って取り組みます。

 

GHG排出量(CO換算換算)の実績と目標

・Scope1・2排出量(単体)


(注) 1 2022年度の大幅な削減は、事業環境の急変により、戦略的に生産量を抑制したためです。

 

・Scope3排出量(単体)

環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.5)」に基づき、Scope3排出量の算定を行いました。2022年度Scope3排出量の合計は260千t-CO2となり、カテゴリー別では、カテゴリー1:購入した製品・サービス(16%)、カテゴリー3:Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動(34%)、カテゴリー4:輸送、配送(上流)(45%)、カテゴリー13:リース資産(下流)(4%)で全体の約99%を占めました。

サプライチェーン排出量[千t-CO2]

排出量比(%)(注) 3

カテゴリー

2022年度

C1 購入した製品・サービス

41

16

C3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

89

34

C4 輸送、配送(上流)

116

45

C13 リース資産(下流)

10

4

上記カテゴリー以外(C2,C5~C9,C12の計)

4

1

Scope3合計 (注) 2

260

100

 

(注) 2 C10,C11,C14,C15は対象外 

    3 排出量比は四捨五入表示

また、当社グループでは、前述「(2)戦略」において記載した人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略について、体制整備の段階であり、指標を用いた目標及び実績は現在設定しておりません。環境整備次第、指標化できるよう進めて参ります。