事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,352 | 100.0 | 469 | 100.0 | 34.7 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は経営理念「今と未来を見える化し 次世代の安心を創造する」に基づき、ライフリズムナビSleepSensor等各種センサーから得られた睡眠と生活習慣に関するビッグデータ(注1)に最新の解析技術を適用し、特徴量(注2)を可視化(Visualization)、AIを始めとした様々なソフトウェアを開発しております。開発した各種AIをお客さまが使いやすいソリューションに実装し、価値化(Value-ization)することで社会課題解決型のサービスとして提供しております。
現在の主たる事業といたしましては超高齢社会の進展に伴い現実的な課題が山積する介護業界を中心に、DX(注3)の推進による業務効率化とケアの質向上を両立する「ライフリズムナビ+Dr.」、ライフリズムナビ+Dr.で培ったノウハウを在宅介護領域に最適化し事業パートナーを通じて展開するサービス「ライフリズムナビ+HOME」がございます。これらのライフリズムナビ事業は、当社が事業を通して蓄積してまいりました高密度かつ長期間の睡眠データ、バイタルデータ(注4)をベースに医学的知見を加えた独自の解析技術、創業時から得意とするセンサフュージョン技術(注5)を組み合わせ、SaaS型(注6)見守りサービスとして提供しております。
また当社はもう一つの事業ポートフォリオとして受託研究開発事業を設定しており、ライフリズムナビ事業を通じて永続的に蓄積し続けているビッグデータ、ビッグデータの可視化(Visualization)×価値化(Value-ization)技術、そこから生み出される疲労回復度予測AIや認知症予測AIのような健康状態の推移を予測するAIを中核に、介護や医療業界に限らずハウスメーカーやデベロッパーなど住宅関連事業者や衣類・寝具メーカーといった様々な共創パートナーとの連携を実現し、事業領域を限定しない価値創造型の事業として展開しております。
なお当社の事業セグメントといたしましては、ライフリズムナビ事業の単一セグメントとなっております。
事業の全体像
ライフリズムナビ事業
当社の特徴としてお客様から取得するビッグデータを起点としたソフトウェアサービスを提供する事業者でありながら、睡眠やバイタルデータを取得しサービスの中核を担うライフリズムナビSleepSensorを内製化した、メーカーポジションであることが挙げられます。一般的にハードウェアの要素技術開発から量産化までの工程は複雑であり、技術的なノウハウが求められる他、製造体制を確立するまでには相当な投資が必要とされます。そのためデータサイエンス領域ではソフトウェアのみ手掛ける企業が多い中、当社ならではのソフトとハードの両方を一貫して開発するスタイルはSleepSensorの計測精度や安定性を高めつつ、スピーディーに実装可能となる競争優位性の高い要素と考えております。当社ではこの開発モデルを様々な業種や事業領域に適用可能で共創の根幹を支えるコアコンピタンスとして設定しております。
ソフトウェアとハードウェアの一貫開発イメージ
(注)1.総務省の定義では「ビッグデータは、典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指す。」とされておりますが、当社では累計ご利用者数が1万人を超える対象者の、睡眠や活動、温湿度などの時間的に連続したデータをビッグデータとして取り扱っております。なお、開け閉めセンサーや人感センサーなど、その他のセンサー情報も合わせてトータルで
ビッグデータとして捉えております。
2.特徴量とは、データを変換し、活用可能な意味のある結果として抽出するまでの、過程における値のことです。ビッグデータから効率良く結果を出力するためには有用な特徴量を見出すことが重要であり、解析者のノウハウや技術が必要な領域です。
3.DX(ディーエックス)とは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変える(Transformする)ことです。当社においては介護現場にシステムを導入するだけでなく、日常業務に無くてはならないものとして業務フローに落とし込み、オペレーションそのものを変革させるサービスを提供しております。
4.当社では心拍数、呼吸数、体動データを基本的なバイタルデータとして取り扱っております。
5.当社では空間情報を取得するセンサーや生体情報を取得するセンサーを組み合わせ、得られた各種データを自動的に分析および合成することで、リアルタイムに判断結果を出力する技術としております。
6.SaaS(サース) とは、Software as a Serviceの略称で、「インターネット経由でアプリケーション機能を提供するサービスの形態」を指します。最も一般的な SaaS の形態は、SaaS 提供者が提供するウェブアプリケーションを利用者がウェブブラウザを通じて利用する形態であります。サービス利用の観点ではSaaSに対する形態としてオンプレミスが存在し、これは自社内でサーバーを運用・管理し、システムを利用するものです。
ライフリズムナビ事業の概要
<国内動向について>
国内の超高齢社会の進展に伴い現時点で65歳以上の高齢者人口割合は約30%近くに達しており、今後総人口は減少傾向であるものの高齢者の割合は2050年以降も当面同水準(注1)と見込まれております。国や自治体の施策により健康寿命延伸の取り組みも進められておりますが、要介護人口は増大する見込みです。
一方、介護を担う介護職員数は2026年には約25万人不足するとされており、2040年時点では約57万人まで不足分が拡大する(注2)とされています。これらの事実から、従来の「人の手による介護」モデルは限界に来ており、最新のロボット技術、ICT技術を駆使して介護を担う現場の負担軽減や介護施設の事業運営効率化等のサポートが必須となりつつあります。
なお、この傾向は介護施設にとどまらず、地域包括ケアシステムの推進とともに拡大していく在宅介護領域においても同様です。しかしながら国内の介護業界には感情側面での「人の手による介護」といったこだわりが存在し、また業界としてICTリテラシー水準が決して高くないという実態もあり、DXが進展しにくいという根深い課題も存在しているのが実情であります。
国内の人口動態
介護の担い手に関する将来予測
(注)1.内閣府「令和6年版高齢社会白書」第1章 高齢化の状況より
2.厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について 別紙1」
<ライフリズムナビ+Dr.の概要>
ライフリズムナビ+Dr.は各種センサーを活用した高齢者施設向けSaaS型見守りシステムとして提供しております。センサーはスタッフの介護や介助を阻害せず、また介護ベッドの寝心地を損なわない薄型形状のライフリズムナビSleepSensorを始めとして、人感センサー、ドアのあけしめセンサー及び温湿度センサー等の基本的な組み合わせのほか、ご利用者様(各施設事業者様)のニーズに合わせてエアコンの遠隔コントローラ、顔認証カメラ、ナース
コールの代替機能を持つ呼び出しボタンや見守りコール、体温計・血圧計・血中酸素濃度計などの各種バイタル計測器等も任意に選択可能です。これにより、個室が主体の有料老人ホームや多床室が主体の特別養護老人ホームなど、お客様ごとに最適な組み合わせをご利用可能な形態を取っております。
ライフリズムナビ+Dr.システム全体像
ライフリズムナビ+Dr.センサー機器一覧
|
|
|
|
左:有料老人ホーム(個室) 右:特別養護老人ホーム(多床室)
センサー組み合わせ例
各種センサーから取得された睡眠データ、バイタルデータ、環境データ等のビッグデータはクラウド上に蓄積され、当社独自の解析技術により即時処理が施され、その結果をリアルタイムで介護施設のスタッフルームのパソコンや、各スタッフが保有するスマートフォン、タブレットに表示します。これにより施設のスタッフは日勤帯、夜勤帯を問わず各居室の様子を把握することができ、不要な訪室による状態確認業務を削減、業務効率化を実現しております。さらにライフリズムナビ+Dr.は国内大手6社の介護記録システムとAPI(注1)連携を実現しており、睡眠データ、各種バイタルデータ、室内環境データ等が自動で記録されます。これまで施設スタッフが日々時間を掛けて手入力をしていた作業を自動化することで、さらなる業務効率化に寄与します。
(注)1.API(エーピーアイ)とは、Application Programming Interfaceの略で、プログラムの機能をその他のプログラムでも利用できるようにするための規約のことを指します。API連携を行うことで他のサービスとの連携が実現し、サービスを拡張することができます。
|
|
ライフリズムナビ+Dr.一覧画面イメージ
またライフリズムナビ+Dr.は様々なアラートを設定可能で、例えばトイレ介助が必要な入居者の方に対しベッド上の体動を継続して検知した場合に通知する「体動アラート」を活用することで、入居者がお一人で離床しトイレに向かおうとする行動の予兆段階でスタッフが把握、訪室し適切な介助を行うことが可能です。これにより施設で発生頻度が高いとされる転倒事故の削減に繋がっております。同様に「体動アラート」を認知症の入居者などオムツを装着している方に適用しますと、排泄後の気持ち悪さからベッド上でオムツを脱ごうとするいわゆる「オムツ外し」を事前に察知することができ、この段階で介助を行うことで寝具の汚染やその交換作業などを回避することも可能です。このような事後の対応を大きく減らすことで業務効率化が実現でき、スタッフにも余裕が生まれ、本来行うべきだった介護に注力することが可能となります。これは施設運営上の大きなメリットであるだけなく、施設スタッフの身体的、心理的負担も軽減し離職率の低減にも繋がっていきます。ライフリズムナビ+Dr.にはこのようなアラート設定が多数用意されており、カスタマーサクセス部による各種アラートの最適な運用に関するサポートも加わることで、多くのお客様にご活用いただいております。
左:睡眠中 中:在床(覚醒中) 右:体動アラート
標準アイコンとアラートアイコンの例
<従来課題を解決した、ライフリズムナビSleepSensor>
ライフリズムナビ+Dr.で使われるセンサーの中で、マットレスの下に設置し睡眠やバイタルデータを取得するライフリズムナビSleepSensorには、当社が開発した技術が活用されています。ライフリズムナビ+Dr.ではこれまでも生体判別のため200種類以上のスクリーニングフィルターを内包したクラウドAI(注1)を運用しておりましたが、2022年3月にリリースした自社開発のライフリズムナビSleepSensorから新たにセンサー上にエッジAI(注2)を搭載いたしました。クラウド上とハード上、二つのAIが連携し相互に自己学習を繰り返すデュアルAI(注3)化を進め、継続的に使用することでセンサーが計測対象者に適合し計測精度を高めていく自己成長型の睡眠センサーとして適用しております。さらに、SleepSensorマット部(特許出願中)にも特徴があり、従来はトレードオフの関係であった検知範囲の拡大と精度の高い睡眠データ・バイタルデータ取得の両立も実現しております。
ライフリズムナビSleepSensor
連携する二つのAI
尚、これらの技術を適用したライフリズムナビ+Dr.では、センサーを活用した見守りシステムにありがちな「誤反応・誤発報・通知遅延」を大幅に低減するとともに、これまで介護現場のニーズが高いものの適用が困難であったエアーマットとの組み合わせ利用が可能になるなど、顧客視点でより使いやすいサービスとなっております。
見守り用ベッドセンサーにありがちな課題
(注)1.クラウドAIとは、クラウド内で動作するAIであり、200種類以上のスクリーニングフィルターを持ち、正確なセンシングを可能にしております。またエッジ側から送信された新たなパターンデータを学習し、新規のフィルタとして構築するとともに、新フィルタをエッジ側にフィードバックする機能も有しております。
2.エッジAIとは、クラウドAIに対して端末側で処理を行うAIを指し、ライフリズムナビ事業ではライフリズムナビSleepSensorのゲートウェイ(LRNゲートウェイ)内に組み込んだAIを指しております。エッジAIは使用頻度の高い厳選されたフィルタを搭載しており、取得したデータについて例えば人かノイズかを判定し、さらにオートチューニングにより人にフィット&ギャップする機能を保有しております。また新たなパターンを検出した場合は、当該データパターンを解析するためクラウドAIに転送する機能も担っております。
3.デュアルAIとは、エッジAIで検出した新たなデータパターンをクラウドに転送し、クラウドAIで新たなフィルタを生成する機能と、当該フィルタを随時エッジAIにフィードバックすることで常に最新の判定が可能となるような、相互学習を繰り返す機能を持つ自己成長型のAIについて呼称しております。
<ライフリズムナビ+Dr.の導入効果>
当社のライフリズムナビ+Dr.は介護施設現場の負担軽減に直接的に寄与するサービスであります。
ライフリズムナビ+Dr.導入による効果
生産性の向上による介護人材の需給ギャップを補填
上の図はライフリズムナビ+Dr.を導入した施設において、導入前後における就業状況の変化です。ライフリズムナビ+Dr.導入後は業務効率化により残業時間を大きく削減できております。これはライフリズムナビ+Dr.の効果に加え、介護業界のお客様、現場のニーズに寄り添った当社独自のビジネスモデルによる効果も関連していると考えております。ライフリズムナビ事業では介護現場で就業経験を持つ人材が多数所属する当社のカスタマーサクセス部による、ライフリズムナビ+Dr.導入前からのサポート、導入後の継続的な活用に至るまでの伴走しております。ハードウェア、ソフトウェア、施設内ネットワーク、そして日常の使い方のコツまで、現場のお困りごとに寄り添い続けるといった柔軟なサポート体制を構築しており、ICTやデジタル技術に苦手意識を持つ介護現場のお客様からも使いやすい、無くてはならないツールになった等の声が寄せられております。その結果として2024年10月末時点でライフリズムナビ+Dr.の累計利用者数が3万人を超えました。年次のChurn Rate(注1)も0.003%(2024年10月期)を維持しており、ほぼ解約の無いサービスとして受け入れられております。
(注)1.Churn rate(チャーンレート)とは、解約率のことを言います。当社では収益を基準に算出するレベニューチャーンレートを採用しており、(月次の解約分の月額費総額÷月初時点における月額費収入合計)×100で算出しております。
<ライフリズムナビ+HOMEの概要>
ライフリズムナビ+HOMEは、当社の事業パートナーである東京ガス株式会社がサービサーとして2021年2月から展開する一般のご家庭用の見守りサービスです。ニーズが顕在化しつつある「離れて暮らす親の日常を心配する子世帯向けサービス」としてスタートしており、東京ガス株式会社がエネルギー事業者として約140年に渡って日々の暮らしに寄り添う中で積み重ねてきたマーケティング技術と、生活者のお困りごとに対するソリューション提供の実績に、当社のライフリズムナビ+Dr.で培った技術、ノウハウを提供し共創することで子世帯の本音に寄り添った新たな価値軸での見守りサービスとして提供されております。また最近では国が推進する地域包括ケアシステムの方針を鑑み、在宅介護領域でのサポートサービスとして、マーケティングを継続しております。当社は東京ガス株式会社にセンサー機器を販売するほか、月額利用料等による収益を得ております。
ライフリズムナビが支える地域包括ケアシステムのイメージ
<受託研究開発>
当社の睡眠/生活習慣データベース、睡眠データ解析技術並びにハードウェア/ソフトウェアの自社開発技術は、介護業界だけでなく、他の事業領域にも適用可能な当社のアセットと捉えております。実際に異業種の企業からお声がけを継続的に頂いており、複数の事業者と具体的な検討を深めているところであります。尚、パートナーと共創することによって得られた知見、技術、さらにサービスを通じて永続的に蓄積される睡眠/生活習慣ビッグデータは常に当社にフィードバックされ、さらなる付加価値として改良と発展を続けます。
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、3,486,375千円となり、前事業年度末と比較して419,546千円増加(前期比13.7%増)となりました。流動資産は、前事業年度末と比較して145,607千円増加し、3,064,320千円となりました。主な増減として、現金及び預金が81,831千円増加、売上増加に伴い売掛金が50,748千円増加したためであります。また、固定資産は、前事業年度末と比較して273,939千円増加し、422,055千円となりました。主な増減として、土地の取得による増加が248,344千円、ソフトウエア仮勘定が37,651千円増加したためであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、213,679千円となり、前事業年度末と比較して30,334千円増加(前期比16.5%増)となりました。主な増減として、事業の拡大に伴って未払法人税等が19,819千円増加したこと及び、仕入増加により買掛金が15,000千円増加したためであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、3,272,696千円となり、前事業年度末と比較して389,212千円増加(前期比13.5%増)となりました。これは主に、当期純利益の増加により繰越利益剰余金が334,485千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、企業収益は過去最高を更新し、好調さを維持しております。また、歴史的な人手不足感の高まりの中、完全失業率が低位で推移し、労働需要は引き締まった状態が続いております。その一方で、名目賃金や所得の伸びが物価上昇に追いつかない中で、個人消費が力強さを欠いており、さらに急速に円安が進む中で、消費者マインドを委縮させる要因となっており、経済の回復力は弱い状況にあります。
当社の事業を取り巻く環境としては、2024年4月に実施された介護保険制度及び介護報酬改定にて、介護ロボット補助金の継続と一定の拡張、生産性向上推進体制加算の新設がなされました。この制度面での後押しを受けて、介護業界におけるDX化の関心が高まりつつあり、当社への問い合わせも増加しております。
このような状況の中、当社では、日本各地で開催される介護DX関連の展示会等に積極的に出展し、認知度の向上や顧客との接点強化に努めております。また、直販以外のチャネル拡大のため、地域販社との代理店契約の締結や、代理店の育成を進めております。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,351,522千円(前年同期比265,280千円増、24.4%増)、営業利益469,152千円(前年同期比83,966千円増、21.8%増)、経常利益469,531千円(前年同期比97,031千円増、26.0%増)、当期純利益334,485千円(前年同期比61,364千円増、22.5%増)となりました。
また、当社はライフリズムナビ事業の単一セグメントであるため、売上高はすべて同事業より獲得しております。当社は単一セグメント事業であるためセグメント情報は記載しておりませんが、個別事業ごとの売上高は以下の通りとなります。
・ ライフリズムナビ事業
ライフリズムナビ事業は、センサー機器の販売と月額利用料(リカーリング収益)からなります。新規のお客さまの獲得と、その後の既存のお客さまのその他のグループ施設への水平展開の増加によるセンサー機器の拡販に加え、低いChurn Rateを維持した月額利用料の継続を見込んでおります。これらの結果、ライフリズムナビ事業の売上高は1,200,388千円(前年同期比221,202千円増、22.6%増)、内ストックの売上高は174,298千円(前年同期比57,648千円増、49.4%増)となりました。
・ 受託研究開発事業
受託研究開発事業につきましては、ビッグデータ解析技術に基づいた社会課題解決のための研究開発や一部既存のホームコントロール案件の受託を行っておりますが、ライフリズムナビ+HOMEの受託開発案件が増加したことから、売上高は151,134千円(前年同期比44,079千円増、41.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ81,831千円増加し、2,626,337千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、320,480千円の収入(前年同期は309,300千円の収入)となりました。増加の主な内訳は、税引前当期純利益469,531千円、減価償却費17,297千円であり、減少の主な内訳は、法人税等の支払額111,565千円、売上債権の増加額53,918千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、293,377千円の支出(前年同期は64,307千円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出253,636千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、54,727千円の収入(前年同期は1,595,116千円の収入)となりました。これは、ストック・オプションの権利行使に伴う株式の発行による収入54,841千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。なお、当社はライフリズムナビ事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
事業の名称 |
当事業年度 (自2023年11月1日 至2024年10月31日) |
前年同期比(%) |
ライフリズムナビ事業(千円) |
529,937 |
110.9 |
合計(千円) |
529,937 |
110.9 |
(注)上記の生産実績を示す金額は総製造費用によっております。
b.受注実績
当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はライフリズムナビ事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
事業の名称 |
当事業年度 (自2023年11月1日 至2024年10月31日) |
前年同期比(%) |
ライフリズムナビ事業(千円) |
1,351,522 |
124.4 |
合計(千円) |
1,351,522 |
124.4 |
(注)1.ライフリズムナビ事業の販売実績が著しく変動しております。内容については新規顧客の獲得と、その後の既存顧客グループが経営する他施設への展開が増加したこと等によるものです。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自2022年11月1日 至2023年10月31日) |
当事業年度 (自2023年11月1日 至2024年10月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
SFIリーシング株式会社(注) |
258,850 |
23.8 |
- |
- |
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション |
175,045 |
16.1 |
355,231 |
26.3 |
東京ガス株式会社 |
152,923 |
14.1 |
188,634 |
14.0 |
(注)当事業年度のSFIリーシング株式会社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社はライフリズムナビ事業の単一セグメントであるため、売上高1,351,522千円(前年同期比24.4%増)はすべて同事業より獲得し、売上高の増加要因は新規顧客並びに既存顧客からの追加導入の増加によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度において売上原価は443,470千円(前年同期比22.1%増)となり、売上原価は売上高の増加に伴い増加し、売上原価率は32.8%となりました。その結果、売上総利益は908,052千円(前年同期比25.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は438,900千円(前年同期比29.9%増)となりました。主要な費目は役員報酬82,329千円、給料手当113,052千円、支払報酬料28,257千円であり、事業拡大のための体制整備に係る費用が主な増加要因となっております。その結果、営業利益は469,152千円(前年同期比21.8%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は受取利息等があり385千円となりました。その結果、経常利益は469,531千円(前年同期比26.0%増)となりました。
(特別損益、税引前当期純利益)
当事業年度において特別利益、特別損失は発生していないため、税引前当期純利益は経常利益と同額の469,531千円(前年同期比26.0%増)となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を合わせた税金費用は135,046千円(前年同期比35.9%増)となり、当期純利益は334,485千円(前年同期比22.5%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、ライフリズムナビ事業における開発費用等の売上原価及び人件費等の営業費用であります。
当社は、運転資金につきましては内部資金により充当しております。今後、資金需要の必要性に応じて、外部も含めた資金調達等柔軟に対応する方針としております。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりライフリズムナビ+Dr.に関する導入床数、年間リカーリング収益、Churn Rateとしております。過年度における当社の各指標の進捗は以下の通りです。これは、現時点において予定どおりの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。なお現時点では売上の大部分を占めるライフリズムナビ+Dr.を対象に確認しております。
|
2022年10月期 |
2023年10月期 |
2024年10月期 |
導入床数(累計床数) |
5,101 |
9,006 |
13,670 |
年間リカーリング収益(千円) |
59,427 |
116,650 |
174,298 |
Churn Rate(%) |
0.02 |
0.02 |
0.003 |
f.経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。