2026年6月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 国内景気の動向及び飲酒人口減少 (発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)

当社の主力ブランド「あらごしシリーズ」は、国内販売が中心となっております。海外市場の拡大を図っておりますが、国内の景気の変動や、日本の人口の減少以外にも、特に高齢者のアルコール離脱、若年層のアルコール離れによる飲酒人口の減少により、想定以上にアルコール消費量が減少した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 消費者の嗜好の変化について (発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、果実をふんだんに使用した「あらごしシリーズ」をはじめとする日本酒リキュールを販売アイテムの中心としております。当社の扱うアルコール飲料を含む食料品は、消費者の嗜好の変化による影響を受けやすく、消費者の嗜好の変化も早い分野であると考えております。当社は、アルコール飲料を中心としながら、ノンアルコール飲料も含めて、消費者の需要を捉えた商品を開発すべく研究開発を行っておりますが、仮に、当社が消費者の需要動向にあった商品開発が行えなかった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 気候変動と原料の調達 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

主力ブランドの「あらごしシリーズ」や、日本酒は、国内・海外の産地より厳選し、原料を調達しております。調達に関しては、産地・生産者と、品質、供給量について密に情報交換を実施し、安定的な原料の確保を念頭に実施しております。加えて、調達先の拡大など、中長期の計画に対応できるよう、安定確保のための活動に取り組んでおります。

しかし、予期せぬ天候不順、病虫害による不作、災害などにより、必要調達量が大幅に確保できなかった場合、また、これに連動した大幅な原料価格の高騰が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 主力包材の調達 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の商品は、液体であるという商品特性上、包材として容器が不可欠となっております。中でも、瓶は主要な容器となっておりますが、日本国内においては、瓶の製造メーカーは限られており、特に、大容量の瓶は生産キャパシティに限界があります。当社は、事業計画と連動した調達に向けて、供給元との連携強化に努めており、さらには国内外含めた調達先の拡大等を推進いたしますが、何らかの理由により当社が必要とする瓶等の供給が受けられず、主力包材の供給が滞ることが続いた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害・感染症の流行等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、奈良県葛城市に本社機能を有する工場を構えております。当社では、大規模地震等の自然災害、伝染病等の流行等に伴う事業活動の停止に備え、工場設備の耐震補強や適切な市場在庫の確保、早期復旧体制の整備を進めております。また、出荷拠点を外部に備え、機能の分散化にも努めておりますが、想定を超えた災害・新興感染症の流行等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 海外市場に対するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社は、中華圏や北米市場をはじめ、欧州・オセアニア等を含む20以上の国及び地域へ輸出を展開しており、販売構成比における海外市場の比率は年々高まってきております。当社では特定国への依存度を低減させるため、新規販路の開拓や輸出国・地域の多角化を進めております。

 しかしながら、海外市場への展開にあたっては、テロ・戦争・感染症の流行等による社会的混乱、米国の通商政策を含む国際貿易摩擦の発生、主要輸出国における景気減速、並びに予期し得ない法律・規制・税制の変更や関税の引き上げ等のリスクが存在いたします。さらに、特定の国や地域における政治的判断等に起因する輸入規制・不買運動等が生じた場合、当社の事業活動や製品輸出が制限される可能性があります。

 

 これら不可抗力による事象や特定の国・地域における環境変化が顕在化した場合には、当社の海外事業の拡大計画に遅延が生じ、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報セキュリティ (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、販売、管理などの業務運営や、通信販売等により、多数のお客様の個人情報を取得し、情報システム上で管理しております。適切な情報管理、セキュリティ対策は実施しておりますが、停電、災害、コンピュータウイルス、不正アクセス、機器のトラブルなど予測の範囲を超える事態により、情報の消失・流出などの問題が発生した場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保・育成 (発生可能性:中、発生時期:短期~中期、影響度:中)

当社が今後事業拡大を図る上では、人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。これは、パート・アルバイト等の多様な働き方とともに、外国人労働者、再雇用を含めた高齢者雇用等の活用が必要であると認識しております。

今後、人口減少による労働力不足により人材獲得競争が激化し、景気回復、消費者物価指数の上昇などによる賃上げ圧力の増大などに起因した労働コストの大幅な上昇により、人材の確保や社内人材の育成が困難になった場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(9) 生産体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の生産体制は、一部の委託製品を除き、日本酒・リキュール等すべての酒類製品を1拠点で製造しております。

当社工場内におきましては、突発かつ長期的に生産設備が停止することがないよう、定期的な設備点検等を実施しております。しかしながら、天災等による予期せぬ生産設備の稼働に対する影響を排除できるものではなく、不測の事態が発生した場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(10)在庫リスク (発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:小)

当社は、販売予測に基づく適切な在庫管理を行うことにより、過剰在庫の発生及び品切れによる販売機会の逸失がないよう努めておりますが、販売予測を誤った場合には過剰在庫又は在庫不足となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)業績の季節偏重について (発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:小)

当社の販売するアルコール飲料は、忘年会シーズンや年始を控えた12月がハイシーズンとなっております。当社は、通年にわたって楽しんでいただける商品を開発するなど、業績の季節変動の影響を軽減すべく事業を推進しておりますが、営業又は製造上の理由でハイシーズンの需要を十分に獲得できなかった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)競合について (発生可能性:中、発生時期:中長期、影響度:小)

国内には多数の酒造業者があり、活発な競争環境にあるため、当社は常に競合リスクに晒されております。この点、当社は、創業約130年と後発事業者でもあることから、酒造業界での生き残りのため、日本酒イコール清酒のイメージにとらわれず、日本酒蔵としては先駆的に梅酒(リキュール)の製造販売に進出するなど、大手メーカー等とは異なるブランドの確立に向けて様々な挑戦を行ってまいりました。そのことが奏功し、現在では業界内で一定の地位を確保できているものと考えております。また、酒造には製造免許等による規制があり、過去と比較すると緩和されているものの、新規参入は必ずしも容易ではありません。

今後、想定外の未知の革新的な競合企業の登場により、当社ブランドの相対的な地位が変化し、存在感が低下するなどの事態が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当社としましては、市場の動向を適切に把握し、引き続き「新しい酒文化の創造」に向けて十分な努力を継続することにより競合リスクに対応できるものと考えております。

 

 

(13)食品の安全性・衛生管理及び製造物責任 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、食品の安全性・衛生管理を重要課題と認識しております。取り組みとしましては、梅乃宿商品安全方針を制定し、継続的に製品の品質管理・衛生管理体制の向上に努めるほか、衛生管理のフレームワークを導入する目的で、2023年6月に大阪版食の安全安心認証制度の認証を取得しております。しかしながら、異物混入や健康被害を与える可能性のある製品、表示不良製品の流通等重大な品質問題が発生した場合、処理・解決のための多額のコスト負担の発生や、当社の品質への対外的な評価の毀損に伴う受注の減少、製造物責任賠償等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(14)法的規制 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、酒税法上の製造免許をうけて酒類製造を行っております。この製造免許の品目範囲(清酒、リキュール、焼酎乙類、甘味果実酒、雑酒、スピリッツ、その他醸造酒)において使用できる原料、アルコール度数などを適切に管理し製造するとともに、酒税も適切に納付しております。当社は、酒税関係法令を遵守する社内管理体制の整備に努めており、免許の停止・取り消しになる事由は発生しておりません。しかしながら、酒税法第12条で規定される偽りその他不正行為などの酒類製造免許の取消し事由に抵触し、免許の停止・取り消しとなった場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、酒税法の改正によって税率が改正された場合、基本的には販売価格に反映して対応する方針ですが、販売価格の改定が当社商品の需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、税率の改正に伴い、販売価格の改定が円滑に実施できなかった場合、当社の利益率が悪化するなど、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

酒税法の製造免許のほか、当社は、下表のとおり、食品衛生法上の営業許可をうけております。衛生的な環境での生産に細心の注意を図るため、大阪版食の安全安心認証制度の認定を受けるなどし、社内管理体制の整備・強化に努めており、これまで免許の停止・取り消しになる事由は発生しておりません。しかしながら、食品衛生法に規定される事項に違反し、違反事実から当社の営業の継続が不適当であると判断された場合や危害発生の状態が継続していると判断された場合等、食品衛生法第60条に基づき営業許可の停止・取り消しとなった場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

許認可等の名称

営業許可

許可番号

第8211173号

有効期限

2029年9月30日

営業所の名称

梅乃宿酒造株式会社

営業の種類

酒類製造業

 

 

許認可等の名称

営業許可

許可番号

第8227271号

有効期限

2028年9月30日

営業所の名称

梅乃宿酒造株式会社 直営店

営業の種類

飲食店営業

 

 

許認可等の名称

営業許可

許可番号

第8240610号

有効期限

2032年9月30日

営業所の名称

梅乃宿酒造株式会社

営業の種類

清涼飲料水製造業

 

 

 

当社は、酒税法、食品衛生法のほか、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、中小受託取引適正化法等幅広い法令等の規制をうけており、それらに従い法令遵守の管理体制のもと、事業活動を行っております。現時点で法令違反による処罰・処分を受けておりませんが、今後何らかの理由により法令違反が発生し、処罰・処分等の制裁を受けた場合には、当社に対する社会的信用が毀損して受注活動に影響が及ぶ等、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15)飲酒に対する社会的規制について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、酒文化は人々に楽しさをもたらすものであると考え、新しい酒文化を創造していくことをパーパスとして掲げております。その一方で、アルコールには過度の摂取に伴う健康面、社会面での悪影響が従来から指摘されております。

こうしたアルコール関連の問題について、WHO(世界保健機関)は2010年に「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」を採択し、わが国でも2014年に「アルコール健康障害対策基本法」が施行され、2024年には厚生労働省より「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表されるなど、アルコール関連問題について、取り組みが行われているところです。

当社としても、不適切なアルコールの摂取については問題であるものと認識しており、酒類の製造・販売事業者として、社会的な責任を果たすべく、広告宣伝・マーケティング等の活動を適切に行う努力を行いながら、社会動向を注視し、情勢の変化に対応していく方針であります。

当社としては、現時点では、飲用アルコールに関して直ちに規制が強化される深刻な事態に陥ることは想定しておりませんが、長期的にみて、何らかの事情による社会的機運の高まり等により、酒類の製造、販売、飲酒等に関する規制が強化される可能性は考えられます。当該規制が、酒類の販売活動ないしは需要そのものに影響を及ぼすものである場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)訴訟に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:不明)

現在、当社の業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があり、その内容及び結果によっては、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)風評リスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、インターネットを通じ商品の販売を行うとともに、SNS等により広告・宣伝を実施しております。現在のところ、消費者による当社商品の購買に著しく影響を及ぼす評価はありませんが、今後、作為的なものを含めた当社及び当社商品等の評判を下落させる風評があった場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(18)当社株式の流動性について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場いたしました。今後は、当社大株主からの売出し、株式報酬制度の活用等を用いた流通株式数の増加など、これらを組み合わせて流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、上場維持基準に抵触し、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)大株主について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社の代表取締役社長である吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)は、資産管理会社であるグッドフィールド・ビーチサイド株式会社の持分も含めて、本書提出日現在で発行済株式総数の42.6%を所有しております。

同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(20)ファンド株主について (発生可能性:中、発生時期:短期~中期、影響度:中)

 当社は、日本成長投資アライアンス株式会社からの事業支援を受ける目的で、同社が組成するファンドより純投資を目的とした出資を受けており、2026年6月期末現在においては、当社発行済株式の16.0%を同社の組成するファンドが保有しております。

 また、本書提出日現在において、同社より社外取締役である中坪武之の派遣を受けております。

 同社の組成するファンドは、本書提出日以降の一定時点において当社株式を売却することが想定されますが、その処分方法や時期によっては、当社株式の需給バランス及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。 

 当社が株主の株式売却方針を管理することはできず、また、当該リスクが顕在化した場合の影響等を合理的に予測することは困難ですが、当社はファンド株主と適切な意見交換を行い、健全な関係を維持しつつ一般株主の利益に配慮した保有・処分の方針となるよう努めてまいります。

 

(21)配当政策について (発生可能性:低、発生時期:中長期、影響度:小)

当社は、株主への還元を重要な経営課題と認識しております。一方で、当社は現在、成長過程にあることから、一定の内部留保を将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながるとも考えております。

この点、当社は、成長投資のための内部留保を充実させ、財務健全性を維持しながらも、資本効率を一定以上に保つことを目安として留保と分配のバランスを取りながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを検討していく方針です。

しかしながら、当社の事業が計画とおりに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主への還元を重要な経営課題と認識しております。一方で、一定の内部留保を将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元をより大きくすることにつながるとも考えております。

この点、当社は、将来的な事業展開に備え、経営基盤の強化を図りつつ業績向上に努めることを資本政策の基本的な方針としております。利益配分については、更なる成長に必要な投資財源を内部留保で確保しつつ、経営基盤の強化と株主還元の両立を図っていくことを想定しております。配当につきましては、当期純利益や財政状態、投資計画を含む中長期的な業績見通し及びキャッシュ・フロー等を総合的に勘案し、継続的かつ安定的な還元を行う方針としております。具体的な株主還元数値につきましては、配当性向40%、自己株式取得10%程度を目安とし、これらを合わせた総還元性向50%を目標としております。

当事業年度の配当につきましては、中間配当は実施せず、2026年8月10日付公表のとおり1株当たり21円44銭とすることを、同日開催の取締役会において決議しております。

また、配当につきましては、毎年6月30日を基準日とした年1回の期末配当のほか、毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関については、会社法第459条の規定に基づき取締役会としております。

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2026年8月10日

取締役会決議

129

21.44