事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,809 | 100.0 | 619 | 100.0 | 34.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、人間ドック・健診予約システム等の提供を通じて、顧客のマーケティング活動と業務効率化に資するヘルスケアDX実装カンパニーとして事業展開を行っており、当社のみで構成されております。
当社の事業は、予約をはじめとする経営基幹システムとWEBシステムの提供を通じて経営及び業務効率改善に資する各種DX推進を支援しております。事業セグメントとしては「ヘルステック事業」の単一としておりますが、提供サービス内容に応じて、①受診者と人間ドック・健診を提供する医療施設をつなぐ人間ドック・健診の予約プラットフォームである「MRSO.jp」の運営を中心としたヘルスケアプラットフォーム(※1 「Health Care Plat Form」(以下、「HCPF」))サービス、②医療施設や地方自治体、法人に対して「予約」のデジタル化(※2)を基軸とした業務効率化に資する各種クラウドサービスを提供するDX(※3)サービス、③大規模接種等サービスにて構成され、主にパブリッククラウド(※4)によるSaaS(Software as a Service(※5))形態として提供しております。
直近2事業年度におけるサービス提供区分上の売上構成は以下のとおりです。
各サービス提供区分における主なサービスは以下のとおりです。
(1) HCPFサービス
本サービスは、予防医療の啓蒙・健康寿命延伸に資する情報のオープン化や受診者ファーストとなるサービスの提供により、「わたしに合わせた人間ドック予約」をコンセプトに、予防医療をより身近なものにすることを目指しております。
人間ドック・健診の予約メディア「MRSO.jp」は、2023年12月末日現在において国公立病院、大手グループ病院からクリニックまで、1,366の医療施設が提供する人間ドック・健診プランを掲載しており、受診者は、地域・路線、検査項目、受診希望日、金額、気になる病気や症状等から自身のニーズにマッチした提供施設及び提供プランを比較・検討することが可能です。また「MRSO.jp」が保有する医療施設ネットワーク及び医療施設の人間ドック・健診データを活用し、生命保険会社や会員保有企業等の提携先に対して、人間ドック・健診の予約機能を提供し、提携先各社が提供している商品価値の向上を支援しております。
~「MRSO.jp」~
「MRSO.jp」では、受診者ファーストを基本原則として、下記取組みを実施しております。
他方で、本サービスを利用頂く医療施設に対しては、人間ドック・健診の予約メディアとして掲載医療施設数国内No.1(※6)であり、「MRSO.jp」への掲載により、受診者獲得のためのマーケティング機能として活用頂くことで、新規受診者層の拡大や閑散期における受診者の獲得等、医療施設の経営効率化の実現に寄与しております。
「MRSO.jp」の収益形態は、受診者が「MRSO.jp」を通じて医療施設が提供する人間ドック・健診プランを予約後、医療施設で実際に受診した場合に、医療施設から受診金額に対して「MRSO.jp」のサービス利用料を収受する成果報酬型モデルであります。
また、「MRSO.jp」のサイト上にて医療施設の予約促進を可能とする広告掲載サービスを行っております。こちらは掲載医療施設への広告提供枠に応じて、月額定額の広告掲載料を収受する定額報酬型モデルであります。
その他、当社では予防医療の啓蒙を目指し、「人間ドックのミカタ」を運営しております。医師監修の上、人間ドックの見方と選び方をわかりやすくする情報発信を行っております。
当社では、医療施設に対して、「MRSO.jp」の利用を通じたマーケティング機能と、「MRS」(以下の(2)①医療施設向けDXサービスに記載)を通じた人間ドック・健診予約に関する業務効率化機能の2つのサービスを同時に提供することにより、医療施設の経営改善の促進を図るビジネスモデルを構築しております。
このため、当社では、医療施設と受診者をつなぎ、身近に予防医療を接して頂くことを通じて健康寿命の延伸に貢献できるサービスとして、「MRSO.jp」と「MRS」を利用して人間ドック・健診を予約された金額の合計(以下、「予約取扱高」)と、その母集団形成の基礎となる「MRSO.jp」掲載医療施設数の成長性を重視しております。これらの当社設立以来の推移は以下のとおりです。
(2) DXサービス
本サービスは、当社の設立以来提供している医療施設向け人間ドック・健診WEB予約システム(「MRS」)の開発運営により培った経験やノウハウを活用し、医療施設の他、主に地方自治体等の行政機関が実施する各種健康診断や、予防接種等の予約管理等に利用可能なWEB予約システムを提供しております。
また、当社の主領域となるヘルスケア領域に限定せず、ユーザーニーズに沿った各種業務効率化に資するDXサービスの展開を図り、サービス対象領域の拡大を図っております。
本サービスの概要は以下のとおりです。
① 医療施設向けDXサービス
本サービスは、医療施設のホームページに設置される人間ドック・健診WEB予約システムの提供であり、「MRSO.jp」を利用する医療施設に対しては、基本的に本サービスの提供も行われております。
医療施設における人間ドック・健診の予約は、外来受付や電話による口頭での手配が多いのが実情ですが、本サービスの導入により、医療施設では、電話等による予約受付業務を軽減しながらスムーズなWEB予約受付や顧客管理を可能とすることで業務効率の向上に資するとともに、24時間予約受付の実現による人間ドック・健診の受診機会向上に寄与しております。また、受診者に対してもWEB予約を通じて医療施設の提供する人間ドック・健診プランに関する情報を直接提供することにより、受診に関する利便性が高まります。
本システムの基本機能及び特長は以下のとおりです。
本サービスの収益形態は、受診者が本サービスを通じて予約後、実際に受診した場合に医療施設から受診金額に応じてサービス利用料を収受する成果報酬型モデルとなっております。
上記の基本機能に加えて、受診者からの異なる導線からの予約(電話予約とWEB予約)を統合管理するとともに、予約プランに応じて利用される各医療機器の時間枠についても管理可能な機能を有し、予約業務の省力化と医療機器の稼働率向上を可能にするクラウド型健診予約管理サービス「MRSO-Plus」を中心に、別途各種オプションサービス(MRSO-MAIL、MRSO-CRM、MRSO健診結果、MRSO-API等)を提供しております。
これらのオプションサービスを組み合わせることで、医療施設での予約から受診、健診管理までの人間ドック・健診の一連の業務プロセスをDXにより提供できるサービス体制となっております。
各種オプションサービスの収益形態は、各サービス利用料を月額定額報酬として収受する定額報酬型モデルとなっております。
② 法人向けDXサービス
本サービスは、企業に所属する従業員が定期健診や人間ドックを受診するにあたり、企業の事務担当者等の業務負担軽減、WEB予約による従業員の利便性向上に資するMRSO法人健診サービスの提供を行っております。
社内のイントラネットやホームページ、メールやSNS等にて健診等の案内を行い、従業員はWEB予約を通じて健診等の受診予約を完結できると共に、企業の管理者は、システム上の管理画面を通じて健診等受診状況の把握確認、未受診者への受診勧奨を行うことが可能となります。
このほか、健康保険組合/産業保健センター・事業主向けに保健事業運営の業務効率化と健診受診率向上を可能とする健診業務支援サービス「Health Plus」を提供しております。
これらのサービスの収益形態は、管理対象人数等に応じたサービス利用料を月額報酬として収受する定額報酬型モデルとなっております。
③ 行政向けDXサービス
本サービスは、地方自治体において地域住民等との間で活用される各種予約申込の受付管理業務を中心にデジタル化を推進し、職員等の業務負荷軽減のみならず、地域住民の利便性向上、行政サービスに対する満足度向上を実現させるものとして、各種システムの提供を行っております。
当社が提供する住民健診WEB予約システム(「MRSO住民健診」)は、従来の電話予約中心の業務プロセスをWEB予約中心へ移行していくためのソリューションとして市町村に活用されています。特定健康診査等実施計画の作成主体となる市町村は、特定健診・特定保健指導の受診率向上に努める政策を推進する中、「MRSO住民健診」を利用することで、地域住民がスマートフォンやPCからの24時間予約が可能となることを通じて利便性が向上し、職員の予約管理業務に係る業務負荷軽減が実現されております。
また、2020年1月の国内での新型コロナウイルス感染者確認以降、国を挙げて感染予防のためのワクチン確保と官民協力によるワクチン接種体制が整備される中、MRSの開発運用等で培った知見と実績に基づき、2021年1月より新型コロナウイルス等のワクチン接種に関するWEB予約サービス(「MRSOワクチン」)を提供しております。
「MRSOワクチン」は、国の接種方針に合わせた迅速なシステム開発体制を構築し、利用者の利便性向上に資する拡張性を実現するとともに、システムの堅牢性をベースとした安定稼働の実績により、多くの市町村で利用されております。また、「MRSOワクチン」は、国のワクチン接種記録システム(VRS)とシステム連携が可能であり、予約受付から接種当日の受付、接種後の接種記録表示まで、ワクチン接種に関する一連のプロセス全てに対応をしております。これらにより、地域住民の利便性向上と利用主体となる職員等の業務効率化に貢献しております。
「MRSOワクチン」は当初新型コロナウイルスワクチン接種向けのWEB予約システムとして開始しましたが、2022年10月よりインフルエンザ予防接種との同時接種が可能となったことに伴い、2022年12月期より、一部の市町村では同予防接種の予約サービスにも利用される等、用途範囲が拡大しております。なお、当社が提供する「MRSOワクチン」は、ワクチン接種WEB予約システムに関する導入契約数で市場シェアNo.1(※7)となっております。
当社は、上記のサービス提供を通じて、多くの地方自治体からの要望等に基づき、ヘルスケア領域に限定することなく行政実務全般に関するDXサービスの提供を開始しております。既存取引自治体を中心に、行政サービス全般の各種申請手続き(がん検診の申込や受診券発行、各種アンケートやイベント申込等)に利用できる「MRSOフォーム」や、各種窓口予約やイベント予約等の受付に活用することが可能な行政WEB予約サービス「MRSOご予約」といったサービスの提供を既に開始しており、今後の当社の収益基盤拡大に向けて推進していく予定です。
なお、行政向けDXサービスの提供にあたっては、市町村よりコールセンターや会場の運営管理業務も含めて一括して委託されることもあり、このような場合には大手旅行代理店等の販売パートナーと協業のうえ、当社は販売パートナーを通じて提供するWEB予約システムの運営管理のみを実施しております。
これらのサービスの収益形態は、利用規模に応じてサービス利用料を月額報酬として収受する、定額報酬型モデルとなっております。
(3) 大規模接種等サービス
本サービスは、国・都道府県・企業や大学等の職域を中心に、大規模接種及び職域接種にて利用されるワクチン接種WEB予約システムの提供を行っております。
2021年以降のワクチン接種においては、市町村での接種をベースとしながらも、多くの国民への早期ワクチン接種を実現するため、補完的かつ臨時的な対応として、多くの大規模接種等が実施されてきました。一方で、大規模接種等は、ワクチン接種が相当程度浸透したことやワクチン接種の緊急性の低下等に伴い国の接種体制も見直される中、多くの大規模接種等が2023年3月迄に終了しております。このように大規模接種等は、性質として定常的なサービスであるDXサービスとは異なるため独立区分としております。
上記の状況を踏まえて、当社では、2023年12月期以降の中期経営計画上は、大規模接種等サービスとして区分している売上については、既に受注を受けたもの以外は一切見込んでおりません。
大規模接種等サービスの売上高及び同サービスの利用契約締結数(以下、「契約アカウント数」)の推移は以下のとおりです。
(※用語解説等)
1 受診者や地域住民、医療施設、健康保険組合、企業、地方自治体をつなぎ、健康維持及び増進を図るために提供するサービス基盤と位置付けております。
2 通信やコンピュータを活用した情報技術の進化により様々なヒト・モノ・コトの情報のつながりにより、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを実現すること、プロセスの高度化を実現すること。
3 デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で情報技術を駆使し業務の質を高めること。
4 サービス提供事業者がクラウド上に構築した環境を、利用者が他の利用者と共同利用するタイプの利用形態のこと。
5 サービス提供事業者側で稼働しているソフトウエアを、インターネット等のネットワークを経由してユーザーが利用できるサービスのこと。
6 株式会社ドゥ・ハウスによる「掲載施設数」のデスクリサーチ及びヒアリング調査結果(調査対象:「個人向け人間ドック予約サイト検索上位3サイト」、調査期間:2022年11月~12月)
7 株式会社富士経済「2022年 医療連携・医療プラットフォーム関連市場の現状と将来展望」
<事業系統図>
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類へ移行したことに伴い、行動制限の無い社会経済活動へと回帰する中、インバウンド需要も回復し、国内景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、国際情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりや、世界的な金融引き締めを背景とした為替相場や原材料価格の変動による物価上昇の影響等もあり、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
このような経済環境の下、当社は、健康寿命の8年延伸を目指し『+8Y健康長寿社会の実現』をミッションに掲げ、人間ドック・健康診断(以下、「人間ドック・健診」)予約システムの提供等を通じて、受診者のインターネット予約と医療施設のDXを推進するヘルスケアDX実装カンパニーとして事業展開を行っております。
当社のセグメントは、ヘルステック事業の単一のみでありますが、サービス提供内容に応じて、「Health Care Platform(以下、「HCPF」という。)サービス」及び「DXサービス」、「大規模接種等サービス」に区分のうえ事業活動に取り組んでおります。
当社の当事業年度における経営成績は以下のとおりです。
HCPFサービスにおいては、主力サービスである人間ドック・健診予約メディア「MRSO.jp」を通じて、医療施設の予約獲得に向けたマーケティング支援を行うと共に、受診者に対して人間ドック・健診の受診促進に向けた各種情報提供等の多様なサービス提供を行っております。社会経済活動の正常化へと回帰する中、継続的な営業活動により「MRSO.jp」掲載医療施設数は順調に増加するとともに、医療施設のWEB予約枠拡大に努めました。また、受診者獲得のための積極的なWEBマーケティング活動を実施すると共に、業務提携先である生命保険会社等からの予約取扱高の増加もあり、「MRSO.jp」の予約取扱高は堅調に推移し、HCPFサービスは増収となりました。
DXサービスにおいては、医療施設や市町村を中心とする行政、法人に対して、主に業務効率化に資するWEB予約システムの提供を行っております。医療施設向け人間ドック・健診WEB予約システムである「MRS」は、利用施設数の増加等により予約取扱高が伸長しました。また、行政向けに提供している住民健診や新型コロナウイルスワクチン接種等に関する各種WEB予約システムについては、2023年4月からの新年度契約に向けた各種取り組みの結果、多くの市町村において継続利用されるとともに、追加のオプション利用契約や新規市町村との利用契約の獲得により、行政向け契約アカウント数は増加しました。これらの結果、DXサービスは増収となりました。
大規模接種等サービスにおいては、大規模接種及び職域接種会場で利用されるワクチン接種WEB予約システムの提供を行っております。新型コロナウイルス感染の収束等により接種体制が見直された結果、防衛省の自衛隊東京大規模接種会場を始めとした国や都道府県が設置した各大規模接種会場は2023年3月末で閉鎖されたこと等に伴い、大規模接種等サービスは減収となりました。
この結果、当事業年度における当社の売上高は1,809,413千円(前期比19.6%減)、営業利益は618,944千円(前期比37.8%減)、経常利益は601,641千円(前期比39.6%減)、当期純利益は387,550千円(前期比40.7%減)となりました。なお、ヘルステック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,158,958千円となり、前事業年度末に比べ189,695千円増加しました。これは、HCPFサービスの取扱高増加に伴う売上高増加や自己株式の処分により現金及び預金が184,329千円増加、未収消費税等が17,964千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は94,230千円となり、前事業年度末に比べ17,203千円減少しました。これは、減価償却費計上によりソフトウエアが8,817千円減少、法定実効税率の変更等により繰延税金資産が14,847千円減少したものの、当社の新コーポレートロゴの制作による商標権が4,620千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は365,641千円となり、前事業年度末に比べ363,006千円減少しました。これは、買掛金が13,633千円減少、未払金が25,311千円減少、未払法人税等が208,984千円減少、未払消費税等が33,484千円減少、地方自治体向けサービス(住民健診WEB予約システムや新型コロナウイルス等のワクチン接種に関するWEB予約システム)による契約負債が51,083千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は7,366千円となり、前事業年度末に比べ7,992千円減少しました。これは、長期借入金が7,992千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,880,181千円となり、前事業年度末に比べ543,490千円増加しました。これは東京証券取引所グロース市場への上場に伴う自己株式の処分による資本剰余金の増加95,940千円に加え、当期純利益の計上により利益剰余金が387,550千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、184,329千円増加し、1,927,227千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は48,280千円(前事業年度は696,308千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上601,641千円、法人税等の支払額408,228千円、未払消費税等の減少額33,484千円、契約負債の減少額51,083千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は8,306千円(前事業年度は1,434千円の支出)となりました。これは主に、当社の新コーポレートロゴ制作にかかる商標権により無形固定資産の取得による支出4,950千円、敷金及び保証金の差入による支出3,086千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は144,356千円(前事業年度は367,992千円の支出)となりました。これは主に、2023年12月21日付での東京証券取引所グロース市場への上場に伴う自己株式の処分による収入155,940千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社事業は、受注生産形態をとらない事業であることから、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は、ヘルステック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 1.当事業年度において、大規模接種等サービスの販売実績は著しい減少となりました。これは、新型コロナウイルスのワクチン接種が相当程度浸透したことやワクチン接種の緊急性の低下等に伴い国の接種体制も見直される中、多くの大規模接種等が2023年3月迄に終了したことによるものであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.当事業年度の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。この財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりです。
b 経営成績の状況
(売上高)
当事業年度の売上高は前事業年度と比較して、442,011千円(前年同期比19.6%)減少し、1,809,413千円となりました。売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は106,594千円(前年同期比22.9%)減少し、358,552千円となりました。これは主に「MRSOワクチン」に係るサーバー費用が抑制されたこと等によるものであります。この結果、売上総利益は335,417千円(前年同期比18.8%)減少の1,450,860千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は41,034千円(前年同期比5.2%)増加し、831,916千円となりました。これは主に「MRSO.jp」を通じた人間ドック・健診の予約取扱高増加に伴いリスティング広告費の増加や営業活動の外部委託を実施したこと等によるものであります。この結果、営業利益は376,451千円(前年同期比37.8%)減少の618,944千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度は営業外収入として15千円、営業外費用として上場関連費用17,259千円を計上しました。この結果、経常利益は395,257千円(前年同期比39.6%)減少の601,641千円となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度は特別損益として計上はなく、法人税等が128,980千円(前年同期比37.6%)減少の214,091千円となりました。この結果、当期純利益は266,276千円(前年同期比40.7%)減少の387,550千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資金需要のうち主なものは、システム開発投資や広告宣伝投資等が中心となりますが、これらの資金に関する財源は、自己資金及び金融機関からの借入により対応しております。
なお、当事業年度末の現金及び現金同等物残高は1,927,227千円、有利子負債(借入金)残高は15,358千円となっており、資金流動性の改善が図られております。
今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金に加えて、株式上場時の調達資金を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営戦略と経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社は売上高と営業利益を重要な経営指標として設定するとともに、これらの目標達成実現のための重要なKPIとして、サービス形態等に応じて、①「MRSO.jp」及び「MRS」を通じた人間ドック・健診の「予約取扱高」、②「予約取扱高」の母集団形成の基礎となる「MRSO.jp」の「掲載医療施設数」、③地方自治体等に提供する各種DXサービス等を利用する「契約アカウント数」(大規模接種等サービスに属する契約アカウント数を除く)を設定しております。
当事業年度は、売上高及び営業利益は減少した一方で、各KPIついて堅調に伸長しております。