人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数63名(単体) 632名(連結)
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平均年齢39.0歳(単体)
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平均勤続年数6.0年(単体)
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平均年収7,772,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年6月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。
2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
なお、臨時従業員には、契約社員、嘱託契約の従業員、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除いております。
3.全社(共通)として記載されている従業員数及び臨時従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
2025年6月30日現在
(注) 1.平均年齢及び平均勤続年数は、当社から他社への出向者を含み、他社から当社への出向を除き算定しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおり、当社から他社への出向者を含み算定しております。
3.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
なお、臨時従業員には、契約社員、嘱託契約の従業員、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除いております。
4.当社は、純粋持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。
(3) 労働組合の状況
当社の連結子会社であります、日東化工株式会社においては労働組合が結成されております。当社及びその他の連結子会社においては、労働組合は結成されておりません。
なお、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。労働者の男女の賃金の差異のうち「パート・有期雇用労働者」の人員数について正規雇用労働者の所定労働時間を基に換算し算出しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 主要子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。労働者の男女の賃金の差異のうち「パート・有期雇用労働者」の人員数について正規雇用労働者の所定労働時間を基に換算し算出しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25条)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.人材戦略及びその指標と目標につきましては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) 当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針
企業理念(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針」に記載)は当社グループの価値観、信念、志です。一つの事象が発生した際に組織としてどのように感じ、捉え、解釈し、行動すべきかを明確にしています。この企業理念をベースとして組織風土と企業文化を形成し、事業活動を通じて各現場がそれぞれ自分の意思と力で変革、挑戦していく環境を作ることこそが、経営におけるもっとも重要なテーマと位置付けています。
当社グループにおけるサステナビリティとは、この企業理念を基盤として展開する事業活動そのものが経済的価値・環境的価値・社会的価値の創出に直結するという認識に立脚しています。すなわち、当社グループの事業を推進すること自体が循環型社会の実現や脱炭素化、社会の持続的発展につながり、同時に企業の競争力や収益基盤の強化を実現するものです。そして、企業理念を実現することこそが企業の使命であり、それを体現し続けることが当社グループにおける真のサステナビリティ経営であると考えています。
これは、持続可能な社会とエンビプロ・ホールディングスの持続的な成長を同時に実現するための揺るぎない信念であり、当社が実践するサステナビリティ経営そのものです。
企業理念の背景 -企業理念は最も大切にする価値観でありDNA-
2000年頃になると循環型社会や環境問題に関する意識の高まりから、リサイクルに対するニーズ、各種法令の整備など事業環境が大きく変化しはじめました。当社グループにおいても、成長するスピードは高まり、変化の度合いは大きく、人材は増加し、地域を越えて活躍しはじめました。同時に何か漠然とした不安を感じるようになりました。
会社が順調に発展しはじめているのにもかかわらず、これまでの長い間何かが足りないと探し続けていたものを再認識しました。木が成長し、幹は伸びますが、それを支える根を大きく張る必要があると。表面の変化に左右されない、確固たる思想、理念が確立されていない事によるものだと強く感じ、2004年、私たちは企業理念を制定しました。
創業者の人生観、理念や口癖、幹部社員の人生観、想いなど会社に内在している考え方を紡ぎだし、約1年間かけて明文化しました。どんなに私たちをとりまく環境が変化しても、決して揺らぐことなく、また今後2000年間でも通用するような永続性を持ち、全ての行動の規範となる企業理念、「最も大切にする考え方」はこうして作り上げられました。
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する方針・施策について推進すべく、当社の代表取締役社長をはじめ、常勤取締役をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置しています。当社グループと社会の持続的発展を同時に実現させるための戦略推進を目的とし、代表取締役の意思決定の補助機関として、戦略推進状況及び新規事業、M&Aなどを含めた将来的な方向性を、長期的な視野に立ち、フレキシブルかつ活発に毎月議論・検討を行っています。また、協議された事項については業務執行の意思決定機関である経営会議にて決議又は協議が行われ、その後の取締役会へ上申されます。取締役会の監督体制のもと、ガバナンスの維持とサステナビリティ経営の推進を図ります。これら当社のコーポレート・ガバナンスの状況は「第4 提出会社の状況4コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通りです。
② 戦略
当社グループは、循環型社会の実現に向けた事業活動そのものが社会的価値の創出と直結しており、持続可能な成長を実現するためには、社会・環境課題の中で特に重要なテーマ(マテリアリティ)を特定し、中長期的な経営戦略に組み込むことが不可欠であると考えています。
・マテリアリティ特定のプロセス
当社グループは、サステナビリティ経営を推進するにあたり、社会・環境課題の中から特に重要なテーマ(マテリアリティ)を特定しました。
まず 外部環境の分析 として、GX基本方針や資源循環高度化法などの政策動向、脱炭素・資源循環に関する社会的要請を把握しました。次に、これらを踏まえて 長期トレンドの整理 を行い、グリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を中心に、資源獲得競争の激化やデータ活用の進展など中期・短期の課題を抽出しました。このプロセスを経て、当社グループはマテリアリティを以下の3つに整理しました。
(a)サプライチェーンにおけるグリーンマテリアルの需要増加
(電炉増設に伴う鉄スクラップ需要の増加、電化による非鉄金属・レアメタル需要の増加、廃プラスチックの高度な資源循環促進)
(b)生産プロセスにおける省人化、事業活動におけるデータ活用の促進
(c)事業活動を推進する人材への投資
・戦略コンセプト
マテリアリティの特定から、当社グループの事業モデルにおいて2つの方向性に帰結します。一つは鉄スクラップや非鉄金属・レアメタル、廃プラスチックといったサプライチェーンを通じたモノづくり分野での循環経済実装に直結します。また他方では、地域の資源回収やごみ行政との連携といった地域・生活に密着した領域での循環経済実装につながります。
これらの考え方をふまえ、改めて「モノづくりを支えるCE」と「地域を支えるCE」の二つに分けて展開することで、産業界と地域社会の双方で循環経済をリードする戦略コンセプト「サーキュラーエコノミーをリードする」としました。
「モノづくりを支えるCE」では、使用済み製品の広域回収から保管の最適化、高度なリサイクル、環境データの活用などを通じ、製造業における循環型バリューチェーンの構築を実現します。
一方「地域を支えるCE」はいわば都市ごみのCEであり、資源回収サービスや住民への価値還元など地域密着型リサイクルの推進、焼却灰からの金銀滓回収による自治体とのパートナーシップを通じて、ごみ行政の効率化と資源循環高度化に貢献します。
③ リスク管理
当社グループでは、事業のリスクは内部統制委員会で評価・検討され、全社的なリスク管理プロセスとして統合されています。気候変動関連のリスクについてはサステナビリティ委員会で評価・検討を行っています。また、機会についても、関連部署が特定の上、具体的な施策を検討し、必要に応じて提言しています。サステナビリティ委員会は提言内容を評価し、対応策を推進していきます。リスク・機会いずれにおいても特に重要な事項は取締役会に報告又は上申されます。
④ 評価及び目標
当社グループは、特定したマテリアリティをもとに策定した戦略コンセプト「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」を実現するためには、自社独自の強みをさらに磨き上げることが不可欠であると認識しています。
目標としては、2030年に向けて「低炭素プロセスによる地上資源の再生素材メーカー」としての地位を確立することを掲げています。そのために、事業収益性と社会的インパクトの両立を指標化し、持続可能な社会の実現とエンビプロ・ホールディングスの持続的成長を同時に追求していきます。
(2) 人的資本に関する項目
良い組織風土の醸成と、強い企業文化を形成し、そこから戦略を実行するための卓越した組織能力を育てることは経営において最も重要なテーマの一つです。
そのための組織イメージは「創発的能力を備えた、自律した個人の規律ある集団」とし、自分の力で考え、自らの意志で進み、自らの規範で律する、そのような個の集団が連携することにより組織能力は最大化すると考えています。
① ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社グループは、良い組織風土を醸成し、強い企業文化を形成することが、持続的な企業価値向上の根幹であり、戦略を実行するための卓越した組織能力の源泉であると考えています。
組織風土とは、助け合い・認め合い・支え合う関係性を基盤とし、風通しが良く、主体的かつ挑戦的で協力的な環境を指します。これは日々の業務の中での信頼関係と心理的安全性によって育まれ、従業員が自ら考え、意思を持ち、自らの規範で行動する「創発的能力を備えた、自律した個人の規律ある集団」を生み出します。
一方、企業文化とは、組織内で働く人々が当たり前のように共有し、信じている価値観や信念であり、「らしさ」という個性・独自性・こだわり・DNAによって表されます。企業文化が強く根付いた組織は独自の存在となり、競争力の源泉となります。
当社グループは、このような組織風土と企業文化を相互に高め合いながら、人的資本経営の戦略を以下の取り組みによって推進しています。
・企業理念の浸透
良い組織風土と強い企業文化は、当社グループの持続的成長の原動力です。当社は、企業理念を全従業員に深く浸透させることを最重要テーマと位置づけ、「企業理念浸透への執念」をもって取り組んでいます。理念を日々意識し、自らの判断や行動の拠り所とすることで、組織の一体感と価値観の共有を実現します。
今期も毎日全従業員が朝礼(昼礼)において企業理念の唱和を継続的に実施しており、従業員一人ひとりが当社グループの存在意義を確認しながら、共通する価値観で行動する習慣づくりを推進しています。また、企業理念に対する理解を深めるため、定期的に説明会を開催し、今期は97名が参加しました。引き続き、理念に基づいた意思決定や行動を支える文化の定着を図っていきます。
注:「正社員数に対する受講割合」は、各年度末に在籍する正社員に対する企業理念説明会の受講済みの人数の割合を表示しております。
・事業推進人材
当社グループは、組織風土と企業文化の重要性を理解し、ビジョンに向かって課題を認識し、変化を推進できる実行力・エネルギー・覚悟を持つ人材を「事業推進人材(経営幹部)」と定義しています。これらの人材は、当社の永続的成長の基盤であり、2030年6月期までに100名の創出を目標としています。内部人材の育成と外部からの人材確保の両面から取り組んでいます。
今期は、内部育成と外部採用の両面で取り組む中、管理職・主任層へのアンケートと個別面談(106名)により、新たな挑戦の機会の不足や管理職登用に向けた準備・支援の不足といった課題が明らかになりました。これらの課題を踏まえ、次期は次世代経営層及びリーダー層の育成を目的とした研修を実施することで、将来の事業推進を担う人材の育成を強化していきます。
・目標管理とフィードバック
当社グループは、現在の業務を確実に遂行する「業務遂行能力」に加え、新たな価値を創出する「創造力」が組織能力の両輪であると考えています。新しい価値は日常業務の改善の延長線上にあり、日々のオペレーションを「狭く・深く・強く」掘り下げる「業務改善能力」が不可欠です。また、役割を明確に与え、成果や行動に対する適切なフィードバックを行うことで、社員が方向性を見失わずに成長できる環境を整えることを重視しています。
今期も引き続き、グループトップがビジョンを共有、続いて各社・各部署が課題認識、目標設定、アクションプランを発表する経営計画・実行計画発表会を実施しました。各部署では、目標達成に向けたアクションプランを記載した実行計画書を運用し、社長・役員・経営幹部が週次報告を通じて進捗確認と課題共有を行いました。さらに週次報告や発表会でのやり取りを通じ、上位者からのフィードバックと社員からの意見を双方向で交換することで、改善の方向性を明確化し、全社員が組織的な気づきや改善のヒントを得られる環境を醸成しました。
・教育研修
当社グループは、「最大の学びは誰かに教えること」という考えのもと、各事業・業務に必要な知識や技能を、内部人材が講師として伝える「エンビプロビジネススクール」を開催しています。教える経験を通じて得られる難しさや達成感が、自らの学びや成長姿勢を大きく高めると考えています。また一部の専門分野では外部講師を活用し、「自主性・創造性が成果の質を高める」という視点のもと、各現場が主体的に課題を改善する力としての「現場力」を強化しています。
今期は現在の業務を適切に効率的に遂行することを目的に、事業に関連する法令習得や生成AIを中心に内部人材による研修を行いました。また外部人材による研修では現場力を引き出す組織マネジメントの一環として「傾聴」を重視し、深い知見と豊富な実践経験を持つ講師による管理職研修をこれまでに8回実施しました。これらの研修を通じて、役割と責任を担える人材の育成を加速し、次世代経営層・リーダー層の基盤を築いていきます。
・報酬待遇の改善
当社グループは、物価上昇や生活コストの変化、賃金上昇の社会的動向を踏まえ、従業員の生活基盤を守りつつ意欲向上につなげるための待遇改善を重要施策と位置付けています。
今期は4月の定期昇給およびベースアップ(1万円)に加え、6月には追加ベースアップ(2万円)を実施しました。これにより、安定給部分を厚くし、生活設計のしやすさと雇用の安心感を向上させています。一方で、総人件費のバランスを保つため、賞与支給月数は前年より調整し、固定費増加に対して変動費を適切にコントロールしました。この取り組みにより、財務健全性を維持しつつ、従業員の生活基盤の安定とモチベーション向上を両立しています。今後も労働市場や経済環境の変化をふまえ、安定給と変動給の最適なバランスを追求しながら持続的な処遇改善を進めていきます。
・採用
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のためには、企業理念や組織文化に共感し、変化を推進できる人材の確保が不可欠であると考えています。採用活動は単なる人員補充ではなく、長期的な視点での人的資本投資と位置づけ、既存の組織風土との親和性、将来のリーダー候補としての成長のポテンシャルを重視しています。採用に当たっては、国内外の事業展開や多様な業務領域に対応できる人材を対象とし、経験者採用と新卒採用をバランスよく行っています。
今期、経験者採用では、専門的な知識・資格を有する人材に加え、マネジメント層として活躍が期待される人材の採用に注力しました。
新卒採用では、入社後の定着と早期戦力化を目的として、メンター制度やOJT、各種研修を組み合わせた育成体制を整備しています。特に学卒者の初任給については、新卒採用競争力の維持・強化を目的に、段階的な引き上げを実施しています。これにより、優秀な若手人材の獲得と早期定着を図るとともに、長期的なキャリア形成を後押ししています。
注:当社及び当社グループの主要な子会社のエコネコルの本社が所在する静岡地区の金額を表示
・コンプライアンス研修
当社グループは、全従業員が安心して働ける健全な職場環境を維持し、法令順守と高い倫理観に基づく行動を徹底するため、コンプライアンス研修を人的資本戦略の重要施策として位置付けています。心理的安全性の確保、組織風土の健全化、情報管理体制の強化を目的に、以下の取り組みを実施しています。
「ハラスメント・内部通報制度研修」
ハラスメントの未然防止と早期対応を図るため、全従業員を対象に定期研修を実施しています。
今期の研修では、世代間の価値観やコミュニケーションスタイルの違いにも着目し、相互理解を促進しています。あわせて内部通報制度の趣旨、通報の流れ、通報者保護の仕組みを周知し、安心して声を上げられる職場づくりを推進しています。
「内部情報管理研修」
情報漏洩やインサイダー取引リスクへの対応として、内部情報管理規程の整備、情報セキュリティ強化策を講じるとともに、全従業員を対象に研修を実施しています。関連法令や社内規程の理解促進、情報管理意識向上を図り、受講率は85%となりました。今後も受講率向上と理解定着を目指し、研修内容・方法の改善を継続します。
これらの研修を通じ、全従業員が安心して働ける環境と強固なコンプライアンス体制を維持し、持続的な企業価値向上に資する組織文化の定着を図っていきます。
・多様性
組織風土の醸成には多様性を尊び、透明性の高い組織マネジメントを志向することは重要な要素です。また新たな価値を生み出すには、私たちに染みついている固定観念や常識を否定すること、発想の柔軟性や意識の壁を超えることが求められます。さまざまな観点から学ぶために多様性を尊重し、建設的な対立を厭わず率直に発言することを心理的安全性と位置づけて連帯感を生み出していくことが大切と考えています。そのための位置づけとして女性が働きやすい職場環境を構築し、そのうえで女性管理職比率を20%とすることを目標としています。
今期の具体的な施策として、女性管理職登用にあたっては、個々の状況に寄り添いながら、対話を重ねることで前向きな意思決定を支援しています。今後、年齢構成の偏りや管理職層の業務負荷といった課題にも対応が必要であると認識しています。男女間での役割固定化を見直し、男性の育児休業取得促進や、取得時に互いを補完できる体制(脱属人化、多能工化、生産性向上)を整備します。また、社会常識や価値観の変化を理解するための社内研修を継続し、管理職・主任層への個別面談を通じて意識改革を促進します。
③リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④評価及び目標
(3) GHG排出量削減への取り組み
当社グループでは、TCFD提言に賛同し、適切な情報開示を進めています。また、2018年にRE100を宣言し、2020年には2050年までに当社グループで扱うスクラップや廃棄物の処理及びリサイクルを含む、すべての事業から排出されるGHG排出量実質ゼロを目指すことを決定しています。
資源問題と気候変動問題は、個別の問題ではなく相互に密接に関連しており、地球規模の社会課題です。際限のない資源採掘や温室効果ガスの排出は、持続可能性を損なうものであり、私たちが共有している地球の資源と自然環境を未来に残すためにはその解決が望まれます。サプライチェーンの最後に位置する資源循環事業を担う当社グループは、この重要な社会課題の両方に事業を通じて取り組むことができる事業特性を有しており、まさに当社グループが果たすべき社会的責任であると考えています。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会及び当社グループへの影響を検証するため、シナリオ分析を実施しています。シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)公表の「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」及び国際エネルギー気候(IEA)公表の「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」などを用いて、今世紀末の気温上昇を1.5℃に抑えた場合と4℃上昇した場合の想定で、当社グループの事業活動へのインパクトを検証しました。
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ推進体制に組み込まれております。詳細については、「(1)当社グループにおけるサステナビリティに関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④評価及び目標
Scope1、2排出量、基準年2018年6月期に対する削減率、使用電力の再生可能エネルギー比率
(注)2050年6月期のScope1、2の排出量はネットゼロを「±0」として表記しております。
Scope1については、フォークリフトに使用しているLPGの電化推進や、バイオ燃料の導入可能性を検討することにより、削減の取組を続けていきます。Scope2については、再生可能エネルギー電力の導入を継続的に推進しており、達成率は既に99.7%に達しております。引き続き、Scope1及びScope2の排出削減を一層進展させるべく対応を継続してまいります。
Scope3排出量、基準年2025年6月期に対する削減率
当社グループでは、2023年6月期を基準年としてScope3の排出量目標を設定しておりましたが、当該算定においては、期中に新設した株式会社サイテラスの物流代行事業の一部が含まれておりませんでした。その後、当該事業の規模拡大に伴い排出量への影響が大きくなったことに加え、グローバルトレーディング事業における算定方法の精緻化を進めた結果、より実態を適切に反映した目標管理を行う必要があると判断いたしました。具体的には、2024年6月期にはカテゴリ4であった物流代行分を2025年6月期はカテゴリ9へ分類変更し、トレーディングにおける日本-海外便については港を7つのグループに分けて算定することで、より実態に即した輸送距離でGHG排出量を算定しております。このため、2025年6月期の算定結果を新たな基準年として設定することといたしました。
今後は、この新たな基準年を起点として、引き続き精緻な算定とモニタリングを行い、実効性の高い削減戦略の策定と実施に取り組んでまいります。当社グループは、サプライチェーン全体での排出削減を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。