2026年6月期有価証券報告書より
  • 社員数
    61名(単体) 620名(連結)
  • 平均年齢
    39.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    7.0年(単体)
  • 平均年収
    7,894,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 

①人材戦略

 当社グループは、事業を通じた社会課題の解決を企業価値の向上につなげ、その企業価値の向上が更なる成長投資と待遇改善への投資の余力を生み出し、社会課題の解決力を一層高めるという価値創造の循環を持続的に回すことで、「サーキュラーエコノミー総合プラットフォーム企業になる」という長期ビジョンの実現を目指しており、この循環を支える人的資本の確保・育成を重要な経営基盤と位置づけております。
 当社グループは、目指す組織イメージを「創発的能力を備えた、自律した個人の、規律ある集団」と定め、これを人材戦略の到達点として、採用・配置・育成・評価の各施策を設計しております。この組織イメージを実現する土壌となるのが、良い組織風土と強い企業文化です。良い組織風土を醸成し、強い企業文化を形成することは、持続的な企業価値向上の根幹であります。
 待遇改善の実施状況等の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人的資本 ②戦略」をご参照ください。

 

②給与等の決定に関する方針

 当社は、子会社の経営管理を行うことを主たる業務とする会社であるため、以下の従業員給与等の決定に関する方針は、提出会社及び、連結子会社のうち従業員数が最も多い株式会社エコネコル並びにこれに次いで従業員数が多い日東化工株式会社に係るものであります。

 

・固定給の決定に関する方針

 当社グループは、担当する職務の内容や責任の重さ(役割責任)に応じて等級を定める人事制度を導入しており、基本給は各等級ごとに定めた賃金水準を基準に決定しております。昇給については、年1回、各評価期間における成果や取り組みの評価結果に応じて昇給額に差を設ける仕組みを基本として運用しております。
詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人的資本 ②戦略(報酬待遇の改善)」をご参照ください。

 

・変動報酬(賞与)の決定に関する方針

 会社の利益に応じて決定する賞与原資を、従業員の貢献度に応じて配分することを基本方針としております。原資の一部は基本給に応じた安定分、残りは成績評価に応じた変動分に按分し、変動分は役割責任の重さに応じた等級と成績評価の結果に基づく配分点数により算出することで、年齢や勤続年数によらず貢献度に応じた合理的な配分となるよう運用しております。

 

・年俸制の適用に関する方針

 役割の責任の重さに応じた等級制度とは別に一部上位層(執行役員すべてを含む管理職の一部)について、基本給及び賞与に相当する部分を統合した年俸制を適用しております。年俸は、個人の職務内容・役割の重さ及び成果評価を総合的に勘案し、年額で決定しております。

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

資源循環事業

472

〔100〕

グローバルトレーディング事業

50

〔8〕

リチウムイオン電池リサイクル事業

27

〔0〕

その他

31

〔14〕

全社(共通)

40

〔5〕

合計

620

〔127〕

 

(注) 1.従業員数は就業人員数であります。

2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
なお、臨時従業員には、契約社員、嘱託契約の従業員、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除いております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数及び臨時従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2026年6月30日現在

従業員数(名)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

61

39歳10ヵ月

7年6ヵ月

7,894

1.6

〔5〕

 

(注) 1.平均年齢及び平均勤続年数は、当社から他社への出向者を含み、他社から当社への出向を除き算定しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおり、当社から他社への出向者を含み算定しております。

3.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
なお、臨時従業員には、契約社員、嘱託契約の従業員、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除いております。

4.当社は、純粋持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。

 

(3) 最大人員会社の状況

 

従業員数

(名)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の対前事業年度増減率(%)

株式会社エコネコル

274

〔66〕

40歳7ヵ月

10年5ヵ月

5,587

10.4

日東化工株式会社

184

〔33〕

47歳2ヵ月

18年1ヵ月

5,467

4.1

 

(注) 1.平均年齢及び平均勤続年数は、連結子会社から他社への出向者を含み算定しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおり、連結子会社から他社への出向者を含み算定しております。

3.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
 なお、臨時従業員には、契約社員、嘱託契約の従業員、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除いております。

 

(4) 労働組合の状況

当社の連結子会社であります、日東化工株式会社においては労働組合が結成されております。当社及びその他の連結子会社においては、労働組合は結成されておりません。

なお、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

 

 

 

(5) 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

① 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

補足説明

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期雇用労働者

23.5

0

77.3

79.2

66.2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。労働者の男女の賃金の差異のうち「パート・有期雇用労働者」の人員数について正規雇用労働者の所定労働時間を基に換算し算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.執行役員および連結子会社の取締役を兼務するものは集計対象から除外し算出しております。

4.適用する賃金制度において性別による差異はありません。管理職を含む上位の等級における男性の割合が高いこと、短時間勤務を行う従業員の割合が男性に比べ女性の方が高いことなどにより、男女一人あたりの賃金に差が生じています。

5.当社グループ全体を対象とした女性管理職比率及び男性育児休業取得率並びにこれらに関する目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」に記載しております。

 

② 主要子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

補足説明

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期雇用労働者

株式会社エコネコル

11.4

66.7

83.5

86.7

69.1

日東化工株式会社

5.7

50.0

72.0

79.8

46.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。労働者の男女の賃金の差異のうち「パート・有期雇用労働者」の人員数について正規雇用労働者の所定労働時間を基に換算し算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25条)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.人材戦略及びその指標と目標につきましては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「持続可能社会実現の一翼を担う」をミッションとして掲げております。多種多様な廃棄物を価値ある資源へと再生する当社グループの事業は、その成長がそのまま資源循環と脱炭素という社会課題の解決につながる構造にあります。当社グループにとって、サステナビリティは事業と別に取り組む課題ではなく、事業の成長そのものであり、この確信のもと、当社グループは事業の拡大を通じて社会課題の解決に取り組んでまいります。本項では、まずサステナビリティ全般に関する考え方及び取組として、ガバナンス、戦略、リスク管理並びに指標及び目標を記載し、続いて個別のテーマに関する取組を記載しております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ共通

① ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する方針及び施策を推進するため、当社の代表取締役社長をはじめ、常勤取締役をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置しております。同委員会は、当社グループと社会の持続的発展を同時に実現させるための戦略推進を目的とし、代表取締役社長の意思決定の補助機関として、原則として月に1回の頻度で開催し、戦略の推進状況のほか、新規事業やM&Aを含めた将来的な方向性について、長期的な視野に立ち、議論・検討を行っております。当連結会計年度においては、当社グループのマテリアリティの特定について同委員会で審議を行い、取締役会に上申しております。協議された事項については、業務執行の意思決定機関である経営会議において決議又は協議が行われ、その後、取締役会へ上申されます。当社グループは、取締役会の監督体制のもと、ガバナンスの維持とサステナビリティ経営の推進を図ってまいります。なお、当社のコーポレート・ガバナンスの状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

② 戦略

当社グループは、企業理念とミッションを根幹として、経営環境の変化と当社グループの独自性が重なる領域に重要課題(以下「マテリアリティ」という。)を特定し、その解決を「サーキュラーエコノミー総合プラットフォーム企業になる」という長期ビジョンの実現に向けた戦略として推進しております。

 

ア 基本方針

当社グループは、「創業企業・循環企業・求道企業」という企業理念と、「持続可能社会実現の一翼を担う」というミッションを、サステナビリティに関する取組の基本方針の根幹に据えております。当社は純粋持株会社として、この理念とミッションのもと、サステナビリティに関する戦略とコーポレート戦略を一体のものとして推進しております。

 

イ マテリアリティ

当社は、社会・環境との相互作用を踏まえ、当社グループの事業・業績・企業価値に重要な影響を与え得るリスクと機会を評価した上で、マテリアリティを特定しております。マテリアリティの特定にあたっては、当社グループが社会・環境に与えるインパクトの重要性と、社会・環境の変化が当社グループの企業価値に与える財務的重要性の双方から判断するダブルマテリアリティの考え方を用いております。

マテリアリティは、サステナビリティ委員会における審議及び経営会議での協議を経て、取締役会に上申いたしました。あわせて、マテリアリティとしなかった事項についても、次のとおり位置づけを整理しております。

 

社会の構造変化

当社グループが社会・環境に与える影響[Inside-out]

社会・環境の変化が当社グループに与える影響[Outside-in]

評価・位置づけ

経済安全保障・国内資源循環の要請

国内で循環を完結させる供給網の構築により、資源自給に貢献する

国内資源循環の担い手としての需要が拡大する

価値創造マテリアリティとして特定

資源需要の拡大・重要鉱物の確保難

都市鉱山から重要鉱物を再生し、資源制約の緩和に貢献する

再生素材の経済価値が上がり、収益機会が拡大する

価値創造マテリアリティとして特定

脱炭素・GXの進展

低炭素プロセスによる再生素材の供給により、社会のCO₂削減に貢献する

脱炭素の要請がグリーンマテリアルの需要を生む

価値創造マテリアリティに内包

地域資源循環(焼却施設等の老朽化・新設困難)

自治体の処理機能の受け皿となり、地域に資源価値を還元する

資源循環インフラの担い手としての長期需要が生まれる

価値創造マテリアリティとして特定

国内構造変化・労働力不足

生産性向上と待遇改善の両立モデルを示し、地域雇用の質に貢献する

人材の確保が事業継続の制約となり得る

価値基盤マテリアリティとして特定

AIによる生産の変革

(労働力不足と一体で評価)

対応の巧拙が生産性の格差として業績に直結する

価値基盤マテリアリティとして特定

労働安全・法令遵守に対する社会的要請の高まり(規制の強化を含む)

安全の確保と規律ある経営により、社会からの信頼と人材獲得力の基盤を保つ

労働災害や法令違反の発生が、事業継続と社会からの信頼に加え、人材の獲得にも影響する

価値基盤マテリアリティとして特定

地政学リスク・資源の囲い込み

-(当社グループが解決する課題ではなく、環境の与件)

海外調達の不確実性が増すなかで、国内資源循環の必要性が高まる

戦略の前提として位置づけ

海外市場の拡大

-(当社グループが解決する社会課題ではなく、成長の機会)

海外の資源需要の拡大が、当社グループの販路・調達・技術連携の機会を広げる

継続的な検討事項として位置づけ

自然災害・気候変動

-(当社グループが解決する社会課題ではなく、備えるリスク)

洪水・豪雨・猛暑等による拠点・物流への物理的影響

「3 事業等のリスク」において管理

火災・事故等による事業継続リスクの顕在化

-(自社の安全確保は労働安全・法令遵守に関する評価に含む)

生産設備の機能停止や特定の拠点・取引先への依存が事業継続の制約となり得る

「3 事業等のリスク」において管理

 

 

マテリアリティは、事業の成長がそのまま社会課題の解決につながる「価値創造マテリアリティ」の2項目と、その価値創造を支える経営基盤に関する「価値基盤マテリアリティ」の2項目で構成しております。当社グループのマテリアリティ及びこれに関連する機会とリスクは、次のとおりであります。

区分

テーマ

重要課題(マテリアリティ)

機会

リスク

価値創造

(事業を通じて解決する課題)

①グリーンマテリアルの供給(産業系・BtoB)

重要鉱物の確保難と脱炭素要請の高まりにより、天然資源に依存しない素材供給への転換が社会全体の課題となっている。この転換を担う供給力を築けるか否かが、当社グループの成長と企業価値を左右する。

経済安全保障の要請の高まり、重要鉱物の需要拡大、脱炭素に伴う低炭素素材への需要シフト

資源価格の変動による収益の振れ、新技術の評価・導入における実装の難しさ、サプライチェーンの寸断

②地域資源循環(公共系・BtoG)

人口減少による廃棄物減少と施設の老朽化が進むなか、自治体の廃棄物処理機能の維持が地域社会の課題となっている。その処理の過程では、再資源化が難しいために活かされないまま処分されてきた資源も少なくない。この二つの課題に応えられるか否かが、当社グループの新たな成長領域の獲得と収益の安定を左右する。

自治体の処理機能維持ニーズの高まり、地域資源の価値化余地

地域合意など参画までのハードル、安定稼働と人員確保を含む長期の履行責任

 

 

区分

テーマ

重要課題(マテリアリティ)

機会

リスク

価値基盤

(価値創造を支える経営基盤の課題)

③人的資本・生産性

労働力人口の減少とAIによる生産変革は、あらゆる産業に共通する構造的な課題となっている。人材を確保・育成し、待遇改善と生産性向上を両立できるか否かが、当社グループの事業の持続性を左右する。

生産性向上・待遇改善による人材獲得力の強化

労働力不足の深刻化、生産変革への対応の遅れ、技術・ノウハウの承継

④安全・コンプライアンス・ガバナンス

廃棄物を扱う事業には、労働安全と法令遵守に対する高い社会的要請が伴う。安全の確保と規律ある経営を保ち続けられるか否かが、当社グループの事業継続と社会からの信頼の基盤を左右する。

安全と規律の確保による社会からの信頼、人材獲得力の強化

労働災害、火災・設備事故、法令違反、ガバナンス不全による操業停止と信頼の失墜

 

 

ウ 長期ビジョン・事業モデル

当社グループは、マテリアリティへの取組を、2036年6月期を到達点とする長期ビジョンの実現に向けた戦略と一体で推進しております。産業界に対しては、グリーンマテリアルの供給を通じて製造業のサプライチェーンの脱炭素化と天然資源の消費抑制に貢献し(価値創造マテリアリティ①)、地域に対しては、自治体等との連携を通じて地域の資源循環を支えてまいります(価値創造マテリアリティ②)。こうした事業活動を通じて社会に価値をもたらすことが、当社グループの企業価値の向上につながるものと考えております。さらに、企業価値の向上は、社会課題の解決力を一層高める設備、技術及び人材への投資の余力を生み出すものであり、当社グループは、この価値創造の循環を拡げてまいります。


なお、長期ビジョン及び長期戦略の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

エ 事業基盤(AI・DXの活用)

当社グループは、AI・DXの活用を、一時的な業務の効率化にとどまらず、グループ全体の生産性と事業の持続性を長期にわたり支える事業基盤インフラと位置づけております。

各グループ会社における活用事例やプロンプトのノウハウを委員会組織を通じて共有・横展開し、現場主導でのITリテラシーの向上と自律的な活用を後押ししております。生成AIの技術は急速に進化しており、今後、労働力人口の構造的な減少や自動化技術のさらなる実用化が重なるなかで、こうした技術の活用が業務の前提として定着するものと認識しております。当社グループは、この変化を見据え、活用知見の蓄積とITリテラシーの底上げを進めることで、属人化した業務知識の形式知化と意思決定の迅速化を図り、間接部門を中心とした業務の効率化を通じて、全社の労働生産性の向上に長期的につなげてまいります。

また、間接部門・管理業務を中心に自律型AIエージェントの導入を開始し、今後、対象業務を順次拡大してまいります。導入にあたっては、どの業務に、誰が、どこまで活用するかという「使い方の型」を整備することで、現場が安心して自発的な活用に踏み出せる環境づくりを進めております。あわせて、デジタル化推進委員会が、AI活用の適正性、リスク及び効果を定期的に評価・審議し、必要に応じて是正を促すとともに経営層へ報告する体制を運用しており、活用の拡大と適正な管理の両立を図っております。

こうした取組は、少数精鋭で高い付加価値を生み出す組織への転換を支えるものであり、当社グループは、AI・DXを基盤として、マテリアリティへの取組と長期戦略の実行を支えてまいります。

なお、事業基盤のうち、人的資本に関する取組については「(2) 人的資本」に、安全、コンプライアンス及びガバナンスに関する取組については「(3) 安全・コンプライアンス・ガバナンス」に記載しております。

 

③ リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関するリスクを全社横断で管理するため、当社代表取締役社長を委員長とし原則として毎月開催される内部統制委員会を設置し、その下部組織として環境安全推進委員会、人事労務改革委員会、デジタル化推進委員会及びコンプライアンス委員会の4つの小委員会を置いております。各小委員会が個別のテーマに関するリスクの識別、評価及び低減を行い、内部統制委員会がこれらを全社で集約・評価のうえ、経営会議及び取締役会に報告しております。この全社横断のリスク管理プロセスにより、重大なリスクの早期把握と対応を図り、事業の安定的な継続に努めております。

なお、事業等のリスクの詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

④ 指標及び目標

当社グループの価値創造マテリアリティは、事業を通じて解決する課題であり、その取組の進捗は各事業の実績に表れるものと考えております。事業の実績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。価値基盤マテリアリティは、価値創造を支える経営基盤に関する課題であり、その取組の状況は個別のテーマごとに記載しております。いずれにつきましても、取組の進捗を測る指標及び目標は設定しておりません。

なお、個別のテーマに関する指標及び目標については、「(2) 人的資本」、「(3) 安全・コンプライアンス・ガバナンス」及び「(4) 気候変動」にそれぞれ記載しております。

 

(2) 人的資本

① ガバナンス

当社グループは、人的資本を推進・監督する体制として、内部統制委員会の下部組織として人事労務改革委員会を設置しております。同委員会は、「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」という組織イメージの実現を目的とし、人的資本に係る方針及び施策の策定並びにその推進を担っております。同委員会は、委員長・副委員長のもと、グループ各事業会社から選出された担当者で構成されるとともに、経営層等がオブザーバーとして出席し、原則として毎月開催しております。同委員会の委員長は、内部統制委員会の構成員として、内部統制委員会に活動状況を報告しております。なお、長期ビジョン「En-Vision2035」を策定したことを踏まえ、上記体制に加え、今後は、人材構成の分析結果及び次世代経営層・リーダー層の育成状況等について、人事労務改革委員会がサステナビリティ委員会において業務執行役員と協議したうえで、取締役会に報告する体制を構築してまいります。

 

② 戦略

当社グループは、人材を確保・育成し、待遇改善と生産性向上を両立できるか否かが、事業の持続性を左右する重要課題であると認識しております。この課題に取り組み、長期ビジョン「En-Vision2035」の実現を担う組織像として掲げているのが、「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」であります。現場で判断・行動し結果を導き出す「創発的能力」、自主性・創造性に満ち主体的に生きる「自律した個人」、時を守り、場を清め、礼を正すことができる「規律ある集団」の3つの要素で構成されております。当社グループは、この組織イメージの実現を到達点として、採用・配置・育成・評価のすべての人事施策を設計しております。この組織イメージを実現する土壌となるのが、良い組織風土と強い企業文化であります。組織風土とは、助け合い・認め合い・支え合う関係性を基盤とし、風通しが良く、主体的かつ挑戦的で協力的な環境を指します。これは日々の業務の中での信頼関係と心理的安全性によって育まれるものであります。一方、企業文化とは、組織内で働く人々が当たり前のように共有し、信じている価値観や信念であり、「らしさ」という個性・独自性・こだわり・DNAによって表されるものであります。企業文化が強く根付いた組織は独自の存在となり、競争力の源泉となります。良い組織風土を醸成し、強い企業文化を形成することは、持続的な企業価値向上の根幹であり、戦略を実行するための卓越した組織能力の源泉であると考えており、当社グループは、この組織風土と企業文化を、各人事施策と相互に高め合いながら育んでおります。

 

ア 人材育成方針

・企業理念の浸透

 当社グループの企業理念は、2004年に制定したものであります。事業環境が大きく変化するなかで、表面の変化に左右されない確固たる思想が必要であるとの認識のもと、創業者の人生観や理念、幹部社員の想いなど、当社グループに内在していた考え方を紡ぎだし、約1年をかけて明文化いたしました。どのような環境変化があっても揺らぐことのない、全ての行動の規範となる「最も大切にする考え方」として、今日まで受け継いでおります。当社グループは、企業理念の浸透を最重要テーマの一つと位置づけ、「企業理念浸透への執念」をもって取り組んでおります。全従業員による朝礼(昼礼)での企業理念唱和を日々継続的に実施するとともに、理解を深めるための勉強会を、企業理念の制定者である取締役会長が自ら少人数制で継続的に開催しております。少人数制とすることで参加者との密なコミュニケーションが生まれ、制定に至った経緯や理念に込められた想いを、参加者一人ひとりの疑問や受け止め方に応じて丁寧に伝えることを重視しております。また、取締役会長と参加者が双方向で対話を重ねることを通じて、日々の業務の中で得た気づきや前向きな気持ちを互いに確認し合える場としても機能していると捉えております。この取組は、毎年繰り返し実施しております。

 当連結会計年度においては40名が参加し、正社員数に対する受講割合は86%となりました。一方で、これまでの運営は説明会の開催そのものに重点があり、参加者の選定から開催後のフォローに至るまで、グループ各社及び各事業所のトップが理念浸透に継続的に関与する仕組みとはなっておりませんでした。企業理念の浸透は、説明会という機会のみで完結するものではなく、日々の業務のなかで経営に携わる者が自ら関与し続けることによって定着するものと認識しております。こうした認識のもと、次期(2027年6月期)より説明会の運営方法を改めております。具体的には、参加者の選定にグループ各社及び各事業所のトップが関与し、参加者一人ひとりへの紹介コメントを寄せる仕組みとするとともに、開催後には説明会の内容を報告し、参加者へのフォローに活かす運営といたします。これにより、経営に携わる者が理念浸透の当事者として関わり続け、全社で企業理念の浸透に取り組む文化を醸成してまいります。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

企業理念説明会 累計受講者数

676名

773名

813名

正社員数に対する受講割合

77%

85%

86%

 

(注)「正社員数に対する受講割合」は、各年度末に在籍する正社員に対する企業理念説明会の受講済みの人数の割合を表示しております。

 

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

目標

企業理念への共感度
(従業員満足度アンケート)

80.3%

83.4%

83.4%

86%

 

 

当社グループは、従業員が生き生きと働ける職場環境の実現を顧客満足向上の基盤と位置づけるとともに、企業文化の徹底こそが顧客満足の継続的な向上に不可欠であるという考えのもと、従業員満足度アンケートを毎年実施しております。企業理念への共感度は、当連結会計年度において83.4%となりました。組織の構成員が入れ替わるなかにあっても、8割を超える水準を維持していることを、理念浸透の取組が一定の成果を挙げているものと捉えております。一方で、当社グループが目指すのは、全従業員が企業理念を自らの判断や行動の拠り所とする状態であり、現状はその途上にあると認識しております。愚直にこだわりを持って企業文化を実践し続けた先に「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」が実現されると確信しており、今後は、従業員満足度アンケートを単なる職場環境の把握にとどまらず、企業文化の浸透・実践度合いを継続的に検証するための手段として明確に位置づけ、その趣旨に沿った実施方法へと見直しを行ってまいります。

 

・事業推進人材(次世代経営層)の育成

当社グループは、「次世代経営層・リーダー層研修」と銘打って、次世代の経営を担う事業推進人材の選抜・育成に着手しました。「育てる」から「育つ」への転換を図り、会社側が成長の機会・役割を与える実践と試練の場と、参加者本人が主体的・意欲的に取り組む姿勢という両輪を意図的につくり、成長を促すことを目的として運営しております。具体的には、取締役・執行役員クラスから管理職クラス、主任・一般職クラスまで、階層に応じた育成プログラムを運用しております。育成目標は個人別に設定しており、プログラムの体系自体についても継続的な整備を続けております。特に管理職以上に対しては、後任となる人材を育成することを重要な責務と位置づける方針を掲げております。事業推進人材の拡充は、事業の実行力と成長投資の遂行力を高め、長期の収益成長に寄与するものと考えております。

なお、当社グループは、従前、事業推進人材の人数を指標として掲げておりましたが、階層別育成プログラムの開始に伴い、実際の育成の取組に即した指標として、研修参加者数及び参加者の昇進実績を用いることといたしました。当社グループは、次の育成方針を掲げております。

育成方針5か条

①人は育てるものではなく育つもの

②役割を与え、任せる

③実践と試練を学びの場とする

④振り返りで育てる

⑤個人の学びを組織の力に変える

 

階層別育成プログラム(次世代経営層・リーダー層の育成)においては、参加者自らが手を挙げて選抜される方式を採用しており、参加者が自らの意志で手を挙げ選抜されたこと自体が、「育てる」から「自ら育つ」への転換を体現するものであると当社グループは認識しております。手を挙げるに至った背景には、参加者本人の発意に加え、日頃の業務を通じて成長の可能性を認めた上席者からの後押しがあり、本人の意志と周囲の働きかけの双方が、参加の契機となっております。当連結会計年度における具体的な成果として、参加者のうち7名が昇進したほか、常勤役員への事業展望・AI活用提言のプレゼンテーション、グループ内経営者との面談を通じた経営視点の獲得、社内のデジタル化推進委員会との連携による実務レベルの改善提案など、主体的な取組と経営層との対話とフィードバックが成長の機会につながっています。

また、育成方針の一つに掲げる「役割を与え、任せる」「振り返りで育てる」の実践については、当連結会計年度が本格運用の初年度であったこともあり、課題が残ったと認識しております。会社側においては、参加者一人ひとりに求める役割や取り組むべき業務(挑戦的な役割の付与、実践と試練の場の提供等)、すなわち会社が本人に何を期待しているのかを、十分に伝えきれていなかった面がありました。また、参加者本人が自らの成長と役割について考え抜くための機会や対話の場を、十分に用意できていなかったと認識しております。進捗確認のための面談は定期的に実施したものの、期待される役割や到達目標が明確でない状態での運営となった部分もあり、面談を通じたフィードバックが十分に機能していたかについては課題が残ります。今後は、会社が期待する役割と到達目標をあらかじめ本人に明確に伝えたうえで、参加者自身がその役割をどう担うかを考え抜き、対話を通じて深めていく運営へと改めてまいります。「育てる」から「育つ」への転換は、会社が機会と役割を与えることと、本人が自ら考え主体的に取り組むことの両輪によって実現されるものと考えており、この両面から進捗確認面談の実効性を高めてまいります。役割の付与にあたっては、これまで人材の能力や適性の把握が各職場の上長に委ねられておりました。今後は、人事部門がグループ横断で人材の能力・適性を把握し、第三者の視点を加えたうえで配置及び役割の付与を検討することにより、一人ひとりの成長につながる機会の提供を進めてまいります。

次世代経営層・リーダー層研修参加者数(2026年6月期)

男性

女性

合計

次世代経営層候補(管理職層)

14名

1名

15名

リーダー層候補(主任層)

11名

4名

15名

リーダー層候補(一般職層)

8名

5名

13名

合計

33名

10名

43名

上記参加者のうち、昇進実績

6名

1名

7名

 

 

・目標管理とフィードバック

当社グループは、現在の業務を確実に遂行する「業務遂行能力」に加え、新たな価値を創出する「創造力」が組織能力の両輪であると考えております。新しい価値は日常業務の改善の延長線上にあり、日々のオペレーションを「狭く・深く・強く」掘り下げる「業務改善能力」が不可欠であると考えております。また、役割を明確に与え、成果や行動に対する適切なフィードバックを行うことで、社員が方向性を見失わずに成長できる環境を整えることを重視しております。

当連結会計年度においても引き続き、グループトップがビジョンを共有、続いて各社・各部署が課題認識、目標設定、アクションプランを発表する経営計画・実行計画発表会を実施しました。各部署では、目標達成に向けたアクションプランを記載した実行計画書を運用し、社長・役員・経営幹部が週次報告を通じて進捗確認と課題共有を行いました。さらに週次報告や発表会でのやり取りを通じ、上位者からのフィードバックと社員からの意見を双方向で交換することで、改善の方向性を明確化し、全社員が組織的な気づきや改善のヒントを得られる環境を醸成しました。あわせて、日報や実行計画等の記録をAIで活用し、評価やフィードバックの質を高める取組も進めております。

一方で、当社グループが毎年実施している従業員満足度アンケートにおける「成長できる環境への満足度」は、当連結会計年度において68.4%となり、前連結会計年度からは回復したものの、この3年間は横ばいで推移しており、目標として掲げる水準には至っておりません。この背景には、二つの要因があると認識しております。第一に、日々の業務において、新しい役割や挑戦の機会を一人ひとりに十分に提供できていないことであります。管理職・主任層を対象としたアンケート及び個別面談においても、新たな挑戦の機会の不足が課題として挙げられております。第二に、目標設定とフィードバックが、必ずしも一人ひとりの成長実感に結びつく内容となっていないことであります。目標が日常業務の延長にとどまる場合、フィードバックもその達成度の確認に終始し、成長の手応えにつながりにくいものと考えております。これらを踏まえ、当社グループは、二つの面から対応を進めてまいります。役割の面では、前述のとおり人事部門がグループ横断で人材の能力・適性を把握し、第三者の視点を加えたうえで配置及び役割の付与を検討することにより、挑戦の機会を広げてまいります。目標管理の面では、目標設定のプロセスそのものを見直し、一人ひとりの成長につながる挑戦的な要素を織り込むとともに、フィードバックの内容及び頻度を改めることで、成長の実感につながる運用としてまいります。あわせて、アンケート結果を定点的に分析し、施策の効果を検証してまいります。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

目標

成長できる環境への満足度
(従業員満足度アンケート)

69.4%

66.0%

68.4%

80%(将来的には90%)

 

 

・教育研修

当社グループは、人材育成のあり方について、現場における実践と試練を通じて「育つ」仕組みをより重視する方向へ見直しております。育成リソースは、OJT及びストレッチアサインメント(挑戦的な役割付与)による実践型育成に重点的に振り向けており、役割を与え、実践と試練を経験させ、振り返りを通じて得られた学びを組織知に転換する仕組みづくりを行っております。研修につきましては、一般的な座学形式の研修は行わず、社内の人材が講師を務め、実務に即した内容を扱うことを基本としております。当連結会計年度においては、評価者研修、契約管理に関する研修、生成AIの活用に関する実習等を実施いたしました。教える経験を通じて得られる難しさや達成感が、講師を務める者自身の学びと成長姿勢を高めるものと考えており、内部人材による研修は、受講者と講師の双方にとっての学びの機会となっております。今後は、これらに加えて、当社グループのマネジメントシステムを組織に定着させるための研修を実施してまいります。企業理念と経営計画書を中核に、計画の立案、日常の実践、進捗の確認、結果の検証を繰り返すという当社グループの経営の型を、全員が共通の理解のもとで実行できる状態とすることを目指しており、こうした取組の積み重ねが、強い企業文化の形成につながるものと考えております。なお、育成の重点を実践型育成へ移したことに伴い、当連結会計年度より、研修の実施回数ではなく、実践を通じた育成の状況によって進捗を把握することといたしました。

 

イ 社内環境整備方針

・報酬待遇の改善

 当社グループは、定期昇給に加えベースアップを実施し、待遇改善に取り組んでおり、当連結会計年度において定期昇給及びベースアップを実施しております。こうした待遇改善を今後も継続的に実施していくためには、とりわけ「稼ぐ力」の向上が重要であると考えております。 事業を通じて生み出す収益、すなわち「稼ぐ力」こそが待遇改善の原資であり、これを高めるためには、生産性の向上が不可欠であると認識しております。 一人ひとりの成長が組織の成長を通じて「稼ぐ力」を高め、企業価値の向上につながります。そして、その成果を更なる成長投資と待遇改善へつなげ、「稼ぐ力」をさらに高めてまいります。当社グループは、この正の循環を持続的に回すことによって、企業価値を向上させ続けてまいります。

 この循環を支える生産性の向上について、当社グループは、少数精鋭による高付加価値化を進め、人員数と利益のデカップリングを図っております。そのためには、AI・DXの活用にとどまらず、仕事の進め方そのものを見直すことが不可欠であると考えております。すなわち、真に取り組むべき業務に力を集中させるとともに、行わないことを決めること、そして一人ひとりが自らの業務を「稼ぐ力」につなげる意識を持つことであります。行わないことを決めるとは、裏を返せば、当社グループが何にこだわるのかを明確にすることであり、その積み重ねが企業文化を形づくるものと考えております。これらを前提として、定型業務の自動化にとどまらずAI・DXの活用領域を企画・分析・意思決定支援などへと広げるとともに、間接機能から直接収益に貢献する業務へ人員配置を重点化することで、生産性の向上に取り組んでおります。なお、生産性の向上を支えるAI・DXの活用に関する取組の詳細については、「(1) サステナビリティ共通 ② 戦略 エ 事業基盤(AI・DXの活用)」に記載のとおりであります。こうした循環の進捗を測る具体的な指標として、労働生産性(限界利益÷人件費)を位置づけております。労働生産性は、下表のとおり前連結会計年度の189%から当連結会計年度は231%へと向上しております。これらの待遇改善に係る人事施策は、人材の定着と採用競争力の向上を通じて、長期的な企業価値の向上に資するものと考えております。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

基本給に対する昇給率

5.62%

4.30%

5.64%(6月)※

5.40%

ベースアップ

10,000円

10,000円

20,000円(6月)※

12,000円

労働生産性

(限界利益÷人件費)

199%

189%

231%

 

(※)2025年6月の追加ベースアップについては、安定給部分を厚くし従業員の雇用の安心感を高めることを目的として実施しております。なお総人件費のバランスを保つため、成果給である賞与支給原資にて調整しております。

 

・採用

当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のためには、企業理念や組織風土と企業文化に共鳴し、変化を推進できる人材の確保が不可欠であると考えております。企業理念へ共鳴し得ること、そして後述する当社グループの「育つ環境」を理解し、自らその環境に身を置くことを望むことを、最も重視する判断基準としております。そのうえで、課題発見・実行力、耐性・変化適応力を判断基準としております。これらの判断基準に加え、当社グループが経営計画書に掲げる「成長を促す基本的態度」も、採用における重要な視点としております。具体的には、目の前の事実から逃げずに直面する姿勢、責任は我にありという当事者意識を持って主体的にとらえる姿勢、あらゆる場面であとひと手間を惜しまずていねいに対応する姿勢です。採用活動は単なる人員補充ではなく長期的な人的資本投資と位置づけ、生産・輸送・技術等の直接収益に貢献する職種を中心に、中途採用と新卒採用をバランスよく行っております。新卒採用については、組織風土との親和性、将来のリーダー候補としての成長のポテンシャルを重視しており、中途採用では、専門性の高い職種や、生産・輸送等、経験を活かして早期に活躍できる人材の確保を重視しております。

選考の過程においては、当社グループが考える「育つ環境」がどのようなものであるかを候補者に伝えることを重視しております。当社グループは、人は育てられるのではなく自ら育つものと考え、役割を与え、実践と試練の場を経験することを通じて成長を促すことを育成の基本としております。それは、与えられた枠のなかで着実に業務を遂行することよりも、自ら課題を見出し、責任を引き受けて取り組むことが求められる環境であります。こうした環境の実際を率直にお伝えし、候補者の価値観との相互のすり合わせを重ねたうえで、採用の判断を行っております。人材の定着において当社グループが重視しているのは、待遇のみによる引き留めではなく、企業理念と価値観を共有する人材が働き続けられる組織であることであります。実際に業務に従事して初めて、当社グループの価値観との違いに気づくこともあり、その場合の離職は避けがたいものと受け止めております。同時に、それは採用の段階において、当社グループが大切にする価値観や求める働き方を十分に伝えきれていなかったことの表れでもあると認識しております。選考における対話をさらに重ね、相互の理解を深めることにより、入社後の乖離を減らしてまいります。学卒者の初任給については、新卒採用競争力の維持・強化を目的に、段階的な引き上げを実施しております。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

大卒基本給

229,120円

249,120円

261,120円

(手当含む初任給)

232,310円

252,310円

264,310円

高卒基本給

200,070円

220,070円

232,070円

(手当含む初任給)

204,260円

223,260円

235,260円

新卒採用人数

10名

6名

10名

中途採用人数
(正社員)

53名

38名

38名

 

  (注)当社及び主要子会社の株式会社エコネコルの本社所在地である静岡地区の金額。

 

・多様性

組織風土の醸成には多様性を尊び、透明性の高い組織マネジメントを志向することは重要な要素であります。また新たな価値を生み出すには、私たちに染みついている固定観念や常識を否定すること、発想の柔軟性や意識の壁を超えることが求められます。様々な観点から学ぶために多様性を尊重し、建設的な対立を厭わず率直に発言することを心理的安全性と位置づけて連帯感を生み出すことが大切と考えております。
 あわせて、当社グループでは中核人材の登用において、性別・国籍・年齢・経歴等の属性を登用の適否の判断に用いておりません。当社グループが一つにするのは、企業理念及びミッションが示す目的に共鳴するという価値観であり、その目的に向かうにあたっては、属性を問わず多様な人材を受け入れ、多様な視点や経験を活かすことを重視しております。実力を測る軸として重視しているのは「事実に直面する」「主体的にとらえる」「ていねいに対応する」という三つの態度であり、これらは属性にかかわらず一人ひとりに備わり得るものであります。
 人員の増加を抑えつつ生産性を高め、その成果を処遇の改善として還元する長期戦略のもとでは、一人ひとりの質が成果を左右するため、属性によって登用の母集団を狭めないことがその成立要件となります。こうした方針のもとでは、女性管理職比率は、属性に着目した登用によって達成すべき数値ではなく、育成と登用の結果として表れる指標であります。そのため当社グループは、同比率を、人材構成の状況を継続的に検証するための指標として位置づけたうえで、育成の進展に伴い到達すると見込まれる水準を目標として掲げております。
 女性管理職比率につきましては、従前、2021年6月末比で女性管理職2.0倍とする目標を掲げておりましたが、2026年6月末時点において未達となりました。また、2028年6月期における目標を20%としておりましたが、これを10%に改めることといたしました。管理職として職責を担うために必要な経験の蓄積には相応の年数を要し、育成には時間がかかること、また、当社グループの事業においては職種による男女構成の偏りがあり、管理職として登用し得るポジションが限られていることを踏まえたものであります。もっとも、当社グループの従業員に占める女性の割合はおよそ2割であり、女性管理職比率との間には差が存在しております。当社グループは、この差を今後の課題として認識しております。なお、管理職の一歩手前の層においては、母集団の状況に変化が生じております。主任に占める女性の割合は近年上昇を続け、従業員に占める女性の割合とおおむね同水準に達しております。次世代経営層・リーダー層研修には、当連結会計年度において10名の女性が参加しておりますが、これに加えて、管理職として職責を担い得る人材が他にいないかを、個々の育成計画を通じて確認してまいります。その結果につきましては、人事労務改革委員会がサステナビリティ委員会において協議したうえで、取締役会に報告し、必要な対応を検討してまいります。
 男性の育児休業取得率は、当連結会計年度において44.4%となりました。当社グループにおいては対象となる従業員数が限られており、年度によって数値が変動しやすい面がありますが、育児休業を取得するか否かは、それぞれの家庭の事情や本人の考えによるものであり、当社グループは個人の判断を尊重しております。一方で、業務の属人化や職場の受入体制の不足など、取得をためらわせる潜在的な要因が組織の側にあるものと認識し、その解消に取り組んでまいります。男女間での役割固定化を見直すとともに、取得時に互いを補完できる体制(脱属人化、多能工化、生産性向上)を整備し、取得を希望する従業員が支障なく取得できる環境を整えてまいります。また、年齢構成の偏りや管理職層の業務負荷といった課題にも対応が必要であると認識しております。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

2028年6月期目標

女性管理職比率

8.6%

9.3%

9.3%

10%

男性育休取得率

44.4%

54.5%

44.4%

90%

 

(注)1 女性管理職比率及び男性育児休業取得率は、当社及び連結子会社を対象として算出しております。

   2 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づく提出会社及び主要子会社ごとの数値については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載しております。

 

 社会的包摂

当社グループは、資源循環事業をはじめとする事業活動を通じて社会課題の解決に取り組むとともに、多様な人材が共に働き活躍できる職場づくりも重要な社会的責任の一つであると捉えております。連結子会社である株式会社アストコ(長野県松本市)は、就職を希望する障がいのある方に対して、就職に向けた技能・知識の習得支援や、適切な仕事の提供を行う障がい福祉サービス事業を展開しており、当社グループにおける障がい者の社会参画を支える中核的な役割を担っております。「アストコ」という社名は、「明日が“かがやく”ところをつくる」という考えのもと、「あす」と「とこ(ろ)」を組み合わせて名付けられたものであり、障がいのある方々が自分らしく活躍できる明日を共につくるという思いを込めております。

当連結会計年度には、主要子会社である株式会社エコネコルが、機械による一括選別の難しい給湯器の手解体・分別作業を株式会社アストコへ業務委託いたしました。株式会社アストコは、障がいのある方の就労体験の受入れを通じてこれを担いました。分別された素材は株式会社エコネコルが引き受け、長年培ってきた高度な選別技術により高品質なリサイクル原料として社会へ再供給しております。福祉と資源循環がそれぞれの強みを持ち寄り、一貫したリサイクル体制を構築いたしました。当社グループの障がい者雇用率は、当連結会計年度において2.8%となり近年はやや低下しておりますが、法定雇用率を上回る水準を維持しております。今後も障がいのある方が能力を発揮しやすい職場環境の整備や、資源循環事業との連携による就労機会の創出を通じて、雇用率の維持・向上と社会的包摂の推進に取り組んでまいります。

 

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

障がい者雇用率

3.1%

2.9%

2.8%

 

 

③リスク管理

当社グループは、人材の確保、育成及び定着に関するリスクを、事業の持続性を支える重要な管理対象と位置づけております。労働力人口が構造的に減少するなか、次世代経営層・リーダー層をはじめとする必要な人材を確保・育成できない場合や、育成した人材が定着しない場合には、長期戦略の実行に影響を及ぼすおそれがあると認識しております。

こうしたリスクについて、当社グループは、人事労務改革委員会において、採用・育成・待遇・定着に係る指標(採用計画の進捗、次世代経営層・リーダー層研修の進捗、待遇改善の状況、定着状況等)を定期的に確認し、課題を認識したうえで、リスクの低減に向けた対応を進めております。委員会での検討状況は内部統制委員会に報告され、全社的なリスクの評価・統合が図られております。

なお、全社的なリスク管理プロセスについては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ共通 ③ リスク管理」に、投資判断情報としての人材の確保・育成に関するリスクについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に、それぞれ記載しております。

 

④指標及び目標

人的資本に関する指標及び目標並びにその実績につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本 ② 戦略」に、各取組と併せて記載しております。

 

(3) 安全・コンプライアンス・ガバナンス

① ガバナンス

当社グループは、当社代表取締役社長を委員長とする内部統制委員会のもと、環境安全推進委員会、人事労務改革委員会、デジタル化推進委員会及びコンプライアンス委員会の4つの小委員会を通じて、安全、コンプライアンス、情報セキュリティ及びガバナンスに関する取組をグループ横断で推進しております。

 

ア 環境安全推進委員会の体制

当社グループは、グループ会社を横断して環境安全活動を推進するため、内部統制委員会の下部組織として環境安全推進委員会を設置しております。同委員会は「安全で清潔な会社というブランドを確立する。」を目的に掲げ、「安全で快適な職場を作る」「情報を共有する」「管理レベルを向上する」の3つの方針のもとで活動しております。委員会は、株式会社エコネコル(静岡支社・函館支社・松本支社)、株式会社NEWSCON、株式会社アストコ、日東化工株式会社(湘南工場・前橋工場)、株式会社VOLTA、株式会社アビヅ、株式会社SMART及び当社の各社・各拠点から1~2名選出されたメンバーで構成され、原則として毎月開催しております。同委員会においては、各社の発生事象の報告、取組状況の確認、課題とその対応についての共有及び意見交換を行っております。また、事象が発生した際には、委員会のメーリングリストを通じて速やかに状況を共有する体制としております。委員会での活動内容は、毎月開催される内部統制委員会に報告され、示された方針や展開事項は同委員会を通じてグループ各社の各職場に伝達されます。

 

イ コンプライアンス委員会の体制

当社グループは、法令遵守体制の強化と事業の継続性・信頼性の向上のため、内部統制委員会の下部組織としてコンプライアンス委員会を設置しております。同委員会は、委員長、各グループ会社の委員(各社1名)、内部監査室及び事務局で構成され、原則として毎月開催しております。委員会においては、各社の取組・発生事象の共有や、法改正等に関する情報共有を通じた相互啓発を行っており、審議・共有した事項は内部統制委員会に報告しております。

 

ウ 内部監査・内部通報の体制

当社は、内部監査部門として「内部監査室」を設置しております。内部監査室は、代表取締役社長直轄の独立した組織として、他の業務執行部門から分離された客観的な立場を保持し、当社及びグループ各社の業務運営の健全性・適正性を確保するため、実効性の高い監査活動を継続的に実施しております。内部監査の結果については代表取締役社長へ報告するとともに、監査等委員会に対して定期的に報告を行うデュアルレポーティング体制を構築しております。また、監査等委員会との意見交換の機会を設け、独立した視点からの要望を監査活動に反映しております。

内部通報制度の運用状況及び有効性について定期的な評価・点検を行い、その結果を代表取締役社長及び監査等委員会へ報告することで、継続的な改善に努めております。

なお、取締役会、監査等委員会及び内部統制システムの体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

② 戦略

ア 安全・労働環境

当社グループは、安全がすべてに優先するとの方針のもと、労働災害の防止を経営の最重要課題と位置づけております。前期、前々期と労働災害が増加傾向にあることを重く受け止め、日々の危険予知活動と安全教育の繰り返しの実施、各拠点の巡視による危険箇所及び危険作業の早期発見・是正を粘り強く継続し、従業員の意識改革に取り組んでおります。並行して、自動消火装置や火災検知システム、熱中症対策設備、省力化設備等の導入により、物理的な対策も進めております。重大な労働災害が発生した場合、従業員やそのご家族はもちろん、近隣住民の方々、取引先や投資家など、様々な関係者に影響を及ぼすおそれがあります。労働災害ゼロを目指すことは、安定した操業基盤の構築を通じて収益の安定につながるものと考えております。

 

イ コンプライアンスの基本方針・推進体制

当社グループのコンプライアンスの基本方針は、公表済みの内部統制基本方針に定める法令遵守の考え方を起点としております。当社グループは、環境法令をはじめとする関係法令の遵守を事業運営の基盤に位置づけるとともに、「ルールを守る」から「自ら考え行動する」参加型の組織への転換を図り、法令の趣旨・本質の理解を重視しております。

こうした基本方針のもと、当社グループは、コンプライアンス委員会を軸に各グループ会社が連携し、許認可・届出の管理から現場の運用までを一貫して推進しております。あわせて、許認可・届出管理等に関する社内ルールを整備・運用するとともに、法改正・違反事例の共有や共通の観点による事例研究、啓発活動を通じて、コンプライアンス意識の醸成と違反リスクの未然防止を図っております。

 

ウ 内部通報制度

当社グループは、法令違反や不正行為等の早期発見・是正を目的として内部通報制度を整備しております。内部監査室、社外取締役及び顧問弁護士等を通報窓口として設置し、匿名を含む相談・通報を受け付けるとともに、公益通報者保護法に基づき通報者の保護及び秘密保持を徹底しております。通報案件については、独立性・客観性を確保した調査を実施し、必要に応じて外部専門家と連携のうえ、是正措置及び再発防止策を講じております。

 

エ 契約・法務全般

当社グループは、契約に関するリスクの管理を、取引における損失・法令違反・紛争を未然に防止するための基盤と位置づけております。当社法務課が当社グループ全体の契約審査を一元的に担い、契約締結ガイドラインに基づき、契約類型やひな形の利用状況等に応じて契約審査の要否を判定する仕組みを整備しております。契約審査においては、取引内容の適法性、予定される取引内容との整合性、リスク分配の公平性・合理性、トラブル発生時の解決手段の妥当性等を確認しており、契約審査の申請にあたって、申請者が取引におけるリスクとその発生可能性・影響度を申請フォームに記載する運用とすることで、取引の担当部署におけるリスク管理意識の醸成にも努めております。当連結会計年度末後の2026年7月には契約管理規程を制定し、契約締結後の履行確認・期限管理・契約変更終了時の手続等を含む契約管理の基本ルールを、グループ共通の枠組みとして整備いたしました。今後、同規程に基づき、契約のライフサイクル全体を通じた管理体制の構築を段階的に進めてまいります。

 

オ 情報セキュリティ及びITシステムの可用性

当社グループは、情報資産の保護とサイバー脅威への即応を、事業継続を支える守りの基盤と位置づけております。デジタル化推進委員会を中心に、情報管理規程の整備・周知や標的型攻撃メール等への継続的な注意喚起・教育を行うとともに、インシデント発生時には現場から情報システム部門への第一報を起点に、担当役員・経営層への報告、関連委員会を通じたグループ内共有を行う体制を整備しております。過去に発生した事案の教訓を踏まえ、報告フローの実効性を継続的に点検し、改善を重ねております。ITシステムの可用性については、老朽化した基盤の計画的な更新や監視体制の強化により、障害発生時の早期検知・早期復旧を図るとともに、原因分析に基づく再発防止策をグループ各社へ展開しております。

 

③ リスク管理

ア 安全・環境リスクのリスク管理

労働災害、事故損傷、火災等の環境異常について、環境安全推進委員会において発生リスクの低減に向けた未然防止の取組を継続して行っております。事象が発生した場合には原因追及を行い、それに基づく是正措置を立案・実施しております。発生事象の内容、原因及び是正措置は委員会内で共有し、グループ各社への水平展開により、同様又は類似の事象の発生リスクの低減を図っております。是正措置の有効性は、巡視や監査を通じて確認しております。

 

イ コンプライアンス・法令リスク

当社グループは、コンプライアンス委員会において、法令違反・規制違反に関するリスクの識別、評価及び低減を行っております。

リスクの識別にあたっては、各委員が、コンプライアンス違反に関する報道、ヒヤリハット、行政の立入りに関する情報、現場の疑問点・懸念点・問題点、新法令・法改正への対応の各観点から情報を収集・持ち寄り、リスクを洗い出しております。識別したリスクについては、その内容・発生の経緯、関係する法令、違反による罰則、会社として意識すべき事項といった共通の観点で整理し、影響度を評価しております。評価を踏まえ、発生した事象については再発防止策をルール化し、各グループ会社において実行しております。

なお、全社的なリスクの評価・統合は内部統制委員会において行っており、その詳細は「(1) サステナビリティ共通 ③ リスク管理」に記載のとおりであります。

 

④ 指標及び目標

当社グループは、当社代表取締役社長を委員長とする内部統制委員会を中核とするマネジメントシステムの実効性を重視しております。常勤取締役並びに監査等委員長、全グループ子会社の社長・支社長も内部統制委員会に参加し、4つの小委員会の運営を通じて、重大な労働災害及びコンプライアンス違反の全社的なゼロを目指しております。これらの取組は、制裁金・操業停止・信頼毀損といった損失の回避を通じて、全社的な収益の安定と企業価値の維持・向上に寄与するものと考えております。

 

当社グループは、全従業員が安心して働ける健全な職場環境を維持し、法令遵守と高い倫理観に基づく行動を徹底するため、コンプライアンス研修を人的資本戦略の重要施策として位置づけております。心理的安全性の確保、組織風土の健全化、情報管理体制の強化を目的に、以下の取組を実施しております。

 

・ハラスメント・内部通報制度研修

ハラスメントの未然防止と早期対応を図るため、全従業員を対象に定期研修を実施しております。

当連結会計年度の研修では、世代間の価値観やコミュニケーションスタイルの違いにも着目し、相互理解を促進しております。あわせて内部通報制度の趣旨、通報の流れ、通報者保護の仕組みを周知し、安心して声を上げられる職場づくりを推進しております。当連結会計年度は、相談窓口の整備及び周知を進め、相談しやすい体制の再構築を図るとともに、担当者を対象とした勉強会を実施いたしました。

・内部情報管理研修

情報漏洩やインサイダー取引リスクへの対応として全従業員を対象に研修を実施しております。関連法令や社内規程の理解促進、情報管理意識向上を図っております。

 

これらの研修を通じ、全従業員が安心して働ける環境と強固なコンプライアンス体制を維持し、持続的な企業価値向上に資する組織風土の定着を図ってまいります。当連結会計年度のコンプライアンス研修(ハラスメント・内部通報制度研修及び内部情報管理研修)全体の受講率は95%となり、今後も受講率向上と理解定着を目指し、研修内容・方法の改善を継続してまいります。

 

2025年6月

2026年6月

目標

コンプライアンス研修受講率

85%

95%

100%

 

(注)2026年2月時点在籍の全従業員が対象

 

(4) 気候変動

当社グループでは、TCFD提言に賛同し、適切な情報開示を進めております。また、2018年にRE100を宣言し、2020年には2050年までに当社グループで扱うスクラップや廃棄物の処理及びリサイクルを含む、すべての事業から排出される温室効果ガス(以下「GHG」という。)排出量実質ゼロを目指すことを決定しております。

資源問題と気候変動問題は、個別の問題ではなく相互に密接に関連しており、地球規模の社会課題です。際限のない資源採掘やGHGの排出は、持続可能性を損なうものであり、私たちが共有している地球の資源と自然環境を未来に残すためにはその解決が望まれます。サプライチェーンの最後に位置する資源循環事業を担う当社グループは、この重要な社会課題の両方に事業を通じて取り組むことができる事業特性を有しており、まさに当社グループが果たすべき社会的責任であると考えております。

 

① ガバナンス

気候関連課題の解決に向けて立案されるサステナビリティ戦略や重要な事業計画は、当社の代表取締役社長をはじめ、常勤取締役をメンバーとして、原則月に1回の頻度で開催されるサステナビリティ委員会によって議論され、個別具体的な業務執行に関する重要事項の意思決定機関である経営会議にて決議又は協議が行われた後、必要に応じて取締役会に上程されます。

 

② 戦略(シナリオ分析)

当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会及び当社グループへの影響を検証するため、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)公表の「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」及び国際エネルギー機関(IEA)公表の「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」などを用いて、今世紀末の気温が4℃上昇した場合と、気温上昇を1.5℃に抑えた場合の想定で、当社グループの事業活動へのインパクトを検証しました。

 


 

③リスク管理

気候変動のリスク・依存・影響は、各部署から収集した情報をもとに、その内容に応じて各委員会で議論されることで特定され、必要に応じて内部統制委員会へ全社的なリスク管理プロセスとして統合されます。また、機会については、経営管理部及び関連部署が特定の上、具体的な施策を検討し、必要に応じてサステナビリティ委員会に提言しております。サステナビリティ委員会は提言内容を評価し、必要に応じてグループ各社へ伝達や働きかけを行い、対応策を推進してまいります。依存・影響・リスク・機会いずれにおいても、その中で特に重要な事項は、取締役会に報告されます。

 

④指標及び目標

Scope1、2排出量、基準年2018年6月期に対する削減率、使用電力の再生可能エネルギー比率

年度

Scope1、2

排出量

基準年に対する

削減率

使用電力

再エネ比率

2018年6月期

13,630t-CO₂e

0%

2026年6月期

5,534t-CO₂e

59.4%

99.6%

2028年6月期(目標)

4,907t-CO₂e

64%

2030年6月期(目標)

100%

2050年6月期(目標)

±0

100%

100%

 

(注)2050年6月期のScope1、2の排出量はネットゼロを「±0」として表記しております。

 

基準年である2018年6月期に対する削減率は、Scope1、2について59.4%となりました。Scope1については、引き続き排出量の削減に向け、フォークリフト等の電動化、バイオ燃料等の代替燃料の導入など、設備の特性や事業への影響等を踏まえた対応策を継続的に検討してまいります。現時点では、事業特性上、短期的に大幅な削減を図ることが難しい排出源もありますが、今後の技術進展や代替手段の普及状況等を注視し、削減可能性を検討してまいります。

Scope2については、再生可能エネルギー由来の電力への切替を継続的に推進しており、再生可能エネルギー電力の導入率は99.6%に達しております。今後も、再生可能エネルギーの活用を維持・拡大し、Scope2排出量の削減に努めてまいります。

 

Scope3排出量、基準年2025年6月期に対する削減率

年度

Scope3

排出量

基準年に対する

削減率

2025年6月期

611,165t-CO₂e

2026年6月期

575,208t-CO₂e

5.9%

2030年6月期(目標)

534,770t-CO₂e

12.5%

 

 

Scope3については、より実態に即した算定を行うため、2025年6月期の算定結果を基準年として設定しております。2026年6月期の排出量は、事業会社の物流減少に加え、輸送距離データ算出の精緻化をおこなったことにより、基準年と比較して減少しました。引き続きサプライチェーン全体での排出削減に向けた取り組みを推進してまいります。

今後も、事業活動の成長と環境負荷の低減の両立を図りながら、GHG排出量の継続的な削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。