人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,993名(単体) 10,460名(連結)
-
平均年齢41.0歳(単体)
-
平均勤続年数16.3年(単体)
-
平均年収6,843,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
アルミニウム製品事業 |
10,460 |
(867) |
合計 |
10,460 |
(867) |
(注)1.従業員数は、当社グループから他社への出向者を除き、他社から当社グループへの出向者を含む就業人数
であります。
2.平均臨時雇用者数は、( )に外数で記載しております。
3.当社グループは、アルミニウム製品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
2,993 |
(196) |
41.0 |
16.3 |
6,843 |
(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人数であります。
2.平均臨時雇用者数は、( )に外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社グループは、アルミニウム製品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(3)労働組合の状況
提出会社の従業員は、UACJ労働組合に、その他の各社においては、それぞれ各社における労働組合に主に属しており、組合の活動方針は穏健で、会社と円満な労使関係を持続しております。
(4)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性従業員の割合(%) |
男性従業員の育児休業取得率(%) |
従業員の男女の賃金の差異(%) |
||
全従業員 |
正規従業員 |
臨時雇用者 |
||
6.4 |
74.0 |
78.1 |
78.8 |
61.6 |
(注)1.管理職に占める女性従業員の割合及び従業員の男女の賃金の差異については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.男性従業員の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性管理職比率については、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含めております。
4.男女間賃金差異及び男性育児休業取得率については、当社から他社への出向者及び他社から当社への出向者を除いております。
5.男女間賃金格差については、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。
② 主要な国内連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性従業員の割合(%) |
男性従業員の育児休業取得率(%) |
従業員の男女の賃金の差異(%) |
||
全従業員 |
正規従業員 |
臨時雇用者 |
|||
株式会社UACJ押出加工 |
0.0 |
100.0 |
52.1 |
51.2 |
52.7 |
株式会社UACJ押出加工名古屋 |
0.0 |
25.0 |
83.6 |
82.2 |
40.1 |
株式会社UACJ押出加工小山 |
0.0 |
100.0 |
84.4 |
86.1 |
80.1 |
株式会社UACJ押出加工群馬 |
0.0 |
- |
50.6 |
69.5 |
117.4 |
株式会社UACJ押出加工滋賀 |
0.0 |
0.0 |
70.2 |
75.3 |
43.8 |
株式会社UACJ製箔 |
1.4 |
70.0 |
69.0 |
71.3 |
42.6 |
株式会社UACJ製箔サービス |
- |
- |
74.6 |
71.4 |
117.4 |
株式会社日金 |
0.0 |
100.0 |
75.6 |
79.2 |
94.3 |
株式会社UACJ鋳鍛 |
0.0 |
50.0 |
86.4 |
89.3 |
69.5 |
株式会社UACJ金属加工 |
3.7 |
33.3 |
72.1 |
83.3 |
56.2 |
株式会社ナルコ郡山 |
10.0 |
0.0 |
85.6 |
85.6 |
- |
株式会社UACJトレーディング |
0.0 |
57.1 |
50.7 |
51.5 |
35.5 |
泉メタル株式会社 |
0.0 |
66.7 |
76.2 |
76.2 |
- |
鎌倉産業株式会社 |
0.0 |
0.0 |
85.2 |
81.0 |
- |
株式会社UACJアルミセンター |
4.1 |
- |
81.6 |
85.5 |
65.8 |
株式会社UACJ Marketing & Processing |
0.0 |
25.0 |
82.4 |
80.6 |
113.9 |
株式会社UACJ名古屋アルパック |
0.0 |
100.0 |
72.3 |
72.8 |
43.0 |
株式会社UACJグリーンネット |
- |
- |
102.1 |
118.8 |
71.6 |
株式会社三泉 |
0.0 |
- |
69.0 |
69.8 |
72.0 |
株式会社UACJ深谷サービス |
0.0 |
- |
94.7 |
88.3 |
63.8 |
(注)1.管理職に占める女性従業員の割合及び従業員の男女の賃金の差異については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.男性従業員の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性管理職比率については、当連結子会社から他社への出向者を除き、他社から当連結子会社への出向者を含めております。
4.男女間賃金差異及び男性育児休業取得率については、当連結子会社から他社への出向者及び他社から当連結子会社への出向者を除いております。
5.男女間賃金格差については、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。
6.各指標の分母に該当する従業員がいない場合は、「-」で記載しております。
③ 連結
当連結会計年度 |
||||
管理職に占める女性従業員の割合(%) |
男性従業員の育児休業取得率(%) |
従業員の男女の賃金の差異(%) |
||
全従業員 |
正規従業員 |
臨時雇用者 |
||
国内 4.3 |
国内 64.5 |
国内 69.7 |
国内 72.0 |
国内 57.6 |
国内・海外合計 10.4 |
(注)1.管理職に占める女性従業員の割合及び従業員の男女の賃金の差異については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。ただし、海外連結子会社においては職務の内容および責任の程度等を踏まえ、当該規定に準じて管理職数を算出しております。
2.男性従業員の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性管理職比率については、連結対象外の他社への出向者を除き、連結対象外の他社から当社への出向者を含めております。
4.男女間賃金差異及び男性育児休業取得率については、連結各社から他社への出向者及び他社から連結各社への出向者を除いております。
5.男女間賃金格差については、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティに関する考え方
「100年後の軽やかな世界のために」
当社グループは、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」という企業理念の実現に向けて、「100年後の軽やかな世界のために」というスローガンのもと、2020年度よりサステナビリティ活動を推進してまいりました。環境問題をはじめ、現代社会が抱えるさまざまな課題を将来に残さず、子どもたちの世代が、今より軽やかで楽しい未来を過ごすことができるように、当社グループは、これまでも、そして100年先の軽やかな世界をも見据えて、「サステナビリティ基本方針」のもと、120年以上にわたり受け継いできた叡智と情熱、そして社員一人ひとりの多様な個性を活かしながら、ステークホルダーの皆さまとともに、さまざまサステナビリティ活動を推進してまいります。
サステナビリティ基本方針
1.受け継いできた叡智と情熱で 創業以来の探求心と、技術と知恵を結集したイノベーションでより便利な社会、持続可能な地球環境を追求します。 2.すべてのステークホルダーの皆さまとともに 事業を通じて向かい合う関係者はもとより、いろいろな形で関わりあう社会を思い、グループ内外の人々と協調・協働して持続可能な世界への貢献を実現します。 3.一人ひとりの多様な個性で 国籍、性別、年齢、障がいの有無などの違いに関わらずさまざまな人材を尊重し、その考えやスキルを活かすことで、既成概念にとらわれない自由な発想で課題解決に取り組みます。 |
①サステナビリティガバナンス(サステナビリティ推進体制)
当社グループは、サステナビリティ活動の責任を明確にするとともに意思決定の迅速化を図り、各種の取組みを着実に推進するために、2022年度より新たなサステナビリティ推進体制を構築しました。
社会とともに持続的に成長していく上で優先的に取り組むべき課題を「マテリアリティ」として特定しておりますが、当社グループは、これらマテリアリティごとに責任者及び管掌部署を定め、それぞれが予め設定されたKPIに基づいて進捗状況を把握するとともに、定期的に開催する分野ごとの報告会議体で報告及び討議を行うことで、取組みの実効性を高めています。
サステナビリティ活動の推進体制
当社グループのあらゆる事業活動を支える基盤であるコーポレート・ガバナンスの詳細については、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等]」をご参照ください。
②戦略
当社グループは、サステナビリティ活動を企業経営の存在意義が問われる中核要素として捉え、グループ一体となって推進していく必要があると考えています。
そのために、社会とともに持続的に成長していくうえで当社グループが優先的に取り組むべき課題を「マテリアリティ」として特定し、2021年度より6つのマテリアリティ(「気候変動への対応」、「労働安全衛生」、「製品の品質と責任」、「人材育成」、「人権への配慮」、「多様性と機会均等」)に対しグループ一体となって中長期的に取り組んでいます。また、サステナブルな社会の実現のためには、様々な外部機関と連携して課題解決に取り組むことが必須と考え、世界的なアルミニウム業界団体である「Aluminium Stewardship Initiative(以下、ASI)」をはじめとする国内外のイニシアチブに参画しております。
すべてのサステナビリティ活動は「企業理念」の実践に向けた活動であること、そしてその活動の主体となる従業員が当社グループを取り巻く社会のさまざまなステークホルダーと協働して軽やかな世界を目指していくこと、を基本とし、推進施策の検討を行います。
6つのマテリアリティ・SDGs優先課題とステークホルダーとの関連
2024年度以降の取組みについて
当社グループは、内部環境、並びに、外部環境の変化を適時ウォッチし見直しの必要が出てきた適切なタイミングでマテリアリティを見直すことは、時代の変化に応じた「環境・社会・経済」の持続可能性と私たちUACJグループの持続的な成長の両立にとって必要であると考えています。
6つのマテリアリティは、2019年度より検討がスタートし2020年度に適切なガバナンスによる手続きを経て特定に至りましたが、その後、新型コロナウイルス感染症の拡大をはじめとする国内・海外の情勢の変化により社会システムの大幅な転換を迎えたことから、当社グループはマテリアリティの見直しが必要と判断し、2023年度に当社グループが目指す100年後の軽やかな世界とともに5つのマテリアリティへと再整理を行いました。2024年度より施策推進を実施してまいります。
サステナビリティ羅針盤
(注)2023年度のマテリアリティの見直しにおいて、「労働安全衛生」、「製品の品質と責任」については、100年後も変わらないUACJグループの事業の基盤であることから、「UACJとしての当たり前」としてとらえ、その取組みについては、安全衛生委員会、品質委員会で引き続き進捗を管理してまいります。
(環境に関する3つのマテリアリティ)
「美しく豊かな地球がずっと続く未来」のために取り組んでいくマテリアリティとして「「アルミニウムの循環型社会」の牽引(サーキュラーエコノミー)」「気候変動への対応」「自然の保全と再生・創出(ネイチャーポジティブ)」を特定しました。
これら3つのマテリアリティは、それぞれが独立する課題ではなく、互いに関連性を持ち、支え合い、融合する関係にあります。アルミニウムの利活用の場を拡大した資源循環の輪を広げることは、新地金の使用量の最小化により、CO2等のGHG排出量の削減につながるとともに、新たなボーキサイトの採掘を抑制できることは自然への影響を軽減することにもつながると考えています。
当社グループは、アルミニウムの循環型社会において、資源循環の「動脈」と「静脈」をつなぐ「心臓」の役割を果たすとともに、2050年の「カーボンニュートラル実現」に向けて活動基盤の構築、パートナーとの様々な協業によるサプライチェーン全体でのGHG排出の最小化、アルミニウムの特性を活かしたサプライチェーン全体での自然への負荷の最小化を目指し、2024年度より環境に関わる委員会体制を見直した(注1)上で、活動を推進してまいります。
(注)1.2024年度より守りの環境を推進する「環境委員会」と攻めの環境を推進する「気候変動対策推進委員会」を「環境委員会」へと統合
美しく豊かな地球がずっと続く未来へ
(Well-beingに関する2つのマテリアリティ)
「誰もが幸せで幸せを感じられる 健やかで調和のとれた社会」 のために取り組んでいくマテリアリティとして「人権の尊重」「多様性と機会均等の浸透(DE&I)」を特定しました。
従業員一人ひとりが健康で心が充実し幸せを感じられる、そしてそれが家族や地域社会の豊かさに広がっていくような社会形成のあり方と共に多様性(ダイバーシティ)に加え、包摂性(インクルージョン)や公正性(エクイティ)への取組みが不可欠であると考えています。
当社グループは、グループ理念の価値観の一つとして「相互の理解と尊重」を掲げ、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」、国別行動計画である「ビジネスと人権に関する行動計画」で求められる人権への取組みについて、UACJグループ全体への浸透と定着を目指してまいります。また、「ダイバーシティ(DE&I)推進宣言」の下、対話に基づいた様々な施策を展開し、当社グループで働く一人ひとりが誇りと安心を感じ、自分らしく豊かに生きることで、企業理念の実現を目指し、従業員それぞれがダイバーシティへの理解を深めることにつながるよう、2024年度以降活動を推進してまいります。
誰もが幸せを感じられる 健やかで調和のとれた社会へ
(UACJグループ5つのマテリアリティの達成目標)
当社グループは軽やかな世界を実現するために、これまでも、そして100年先をも見据えて、「サステナビリティ基本方針」のもと、サプライチェーン全体での取組みを推進し、進捗を確認しながら着実に目標達成に歩みを進めてまいります。
③リスク管理
当社グループは、「企業理念の実現を不確実にするすべての事象」(損害・損失に直結しかねない事象のみならず、将来の収益・成長への機会も含む)を「リスク」として管理しています。そして、リスク管理のあるべき姿を「全員参加のリスクマネジメント」とし、役員や幹部だけではなく全従業員が常日頃からリスクの所在を意識し、自らリスクを発見・共有し、進んで管理に参画する状態と定義して、その実現にグループ全体で取り組んでいます。
当社グループのリスク管理体制の詳細は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」をご参照ください。
④指標及び目標
当社グループは軽やかな世界を実現するために、これまでも、そして100年先をも見据えて、「サステナビリティ基本方針」のもと、サプライチェーン全体での取組みを推進し、進捗を確認しながら着実に目標達成に歩みを進めております。2021年度よりPDCAサイクルを活用した継続的な活動を推進しており、各指標の進捗状況がモニタリングされ、結果に基づき取組みに反映しています。
モニタリング体制の詳細は、上記①サステナビリティガバナンスをご参照ください。
(2023年度における6つのマテリアリティの成果)
2023年度は、当社グループ全体で「気候変動への対応」が進展し、2030年度までのScope3の30%削減とともに、アルミニウムの資源循環性を示す指標である「UACJリサイクル率(循環アルミニウムの使用率)」を公表し2030年度での80%へ引き上げを目指す、新たな目標を掲げました。Scope1、2の削減施策については、年間約220GWhの100%再生可能エネルギー由来の電力(以下、再エネ電力)を新たに購入し、当社グループのScope2におけるCO₂排出量の約20%に相当する年間約10万㌧を削減するとともに、主要国内製造拠点のうち約63%にあたる17拠点が、Scope2のCO₂排出量がゼロとなる「再エネ電力100%工場」となっています。
「人権への配慮」への取組みとしては、お取引先の皆様と共に持続的な社会の実現に取り組むための拠り所となる「UACJグループサステナブル調達ガイドライン」を制定、公開するとともに、外国人技能実習生の人権に対し、第三者機関の支援を受けながらグループ会社の人権デュー・ディリジェンスを実施しました。
また、「多様性と機会均等」については、2023年度より、サステナビリティ推進本部内にダイバーシティ推進部を設置し、ダイバーシティの浸透を深めるための活動を開始しました。初年度は「ダイバーシティ(DE&I)推進宣言」を策定し、国内外の従業員との意見交換を実施した上で、社内外に対して、UACJウェイの「相互の理解と尊重」に基づいて、当社グループのダイバーシティ(DE&I)推進に対する考え方を示しています。
イニシアチブに関しては、「ASI」でのChain of Custody(CoC)認証維持のサーベイランス監査で適合評価を受けるとともに、「International Aluminium Institute (IAI)」に加盟しており、飲料缶の循環性を高めるための提言策定への関与とCOP28における声明発表を行っています。また、「東京大学の先制的LCA研究機構」、「サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ」、「一般社団法人 日本アルミニウム協会」などへの参画を通じ、官公庁や学術界、他産業とのコミュニケーション、業界のルールメイキングへ寄与する活動を展開しております。さらに、2024年度より、2050年のカーボンニュートラル実現と社会変革を通じた持続的な成長を実現するための産官学が議論および市場創造をする場である「GXリーグ」に参画予定です。
(注)1.2019年度(原単位・Category1)をベンチマーク
2.2019年度65%をベンチマーク
3.UACJ (Thailand) Co., Ltd.が対象
2023年度の6つのマテリアリティの目標及び実績は、以下のとおりです。
マテリアリティ |
評 価 指 標 |
2023年度 目 標 |
2023年度 実 績 |
気候変動への対応 |
サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減量 |
17.3%削減 (Scope1・2の2019年度比・原単位) |
2023年度実績に関しましては、第三者保証取得後に、当社ウェブサイトで公表します。 |
製品の品質と責任 |
重大品質不具合件数 |
ゼロ |
ゼロ |
客先クレーム件数(素材有責) |
10%減 (前年比) |
4.2%減 (前年比) |
|
労働安全衛生 |
重篤災害発生件数 |
ゼロ |
1件 |
総合度数率(注1) |
0.25 |
0.17 |
|
人権への配慮 |
人権デュー・ディリジェンス(人権DD)の実施と、結果を踏まえた目標づくり、アクションプラン実行 |
4事業所以上での実施 (福井・UATH(注2)・UEXNA(注3)に加えて他1事業所以上) |
6事業所での実施 (2023年度は名古屋・UAAU(注4)・鎌倉産業の3事業所で実施) |
行動規範、人権、ハラスメント関連の研修実施率 |
行動規範教育実施率96% ハラスメント教育実施率100% |
行動規範教育実施率98% ハラスメント教育実施率100% |
|
多様性と機会均等 |
管理職(役員含む)に占める女性比率(注5) |
4% |
4.0% |
人材育成 |
後継候補者計画の実施率 |
国内グループ会社に展開 |
100% |
重点分野に関する教育支援活動の受益者数 |
800人/年 |
932人/年 |
(注)1.統計期間中の延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数(不休業を含む)を100万時間で換算した労働災害の発生状況(頻度)を評価する指標
2.UACJ (Thailand) Co., Ltd.
3.UACJ押出加工名古屋安城製作所
4.UACJ Australia Pty. Ltd.
5.UACJ本体及び国内グループ会社における比率
(2)気候変動への対応(気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への取組み)
当社グループは、総合アルミニウムメーカーとして、気候変動対策及び脱炭素社会への移行に積極的に取り組むことが重要な社会的責務であるとの認識を有しており、TCFDにも賛同しております。その上で、事業活動により排出される温室効果ガス(GHG)が、地球の気候変動に影響を及ぼしているという科学的知見に基づき、下記の「行動指針」に則った取組みを進めています。これにより、今世紀末時点での世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べ2℃未満、できれば1.5℃未満に抑えるというパリ協定の目標達成への貢献を図ります。
[行動指針]
◆事業活動によるCO₂等のGHG排出量の削減活動を継続・拡大・深化して、2050年にScope1・2におけるカーボンニュートラルへの挑戦、その過程である2030年度は30%の削減(2019年度比・原単位)を目指します。
◆Scope3においては2023年12月に、2030年度における30%の削減目標(2019年度比・原単位)を設定しました。2050年に向けてサプライチェーンの様々なパートナーとの協業に取り組み、リサイクル最大化、かつ、サプライチェーン全体でのCO₂排出最小化を目指します。
◆従前より取り組んできた省エネルギーをますます加速するとともに、GHG排出量のより少ない燃料に転換、さらに、再生可能エネルギーの使用を推進します。
◆アルミニウムはLCA(注1)で見た時の軽量化やその何度でもリサイクルできるという特性で、GHG排出量削減に貢献できます。環境配慮型製品ブランドである「ALmitas⁺ SMART」をはじめとして、GHG排出量削減に貢献する製品・サービスの提供に努めます。
◆GHG排出量削減に貢献する技術開発を推進します。
◆GHG排出量削減に関するイニシアチブ活動に自主的、積極的に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めます。
(注)1.Life Cycle Assessment。ある製品やサービスの一生(資源の採掘から、製品の製造、使用、廃棄まで)の各段階で生じる環境影響を定量化する手法
①ガバナンス
気候変動対策の取組み体制として、社長執行役員を委員長とする「気候変動対策推進委員会」を設置しています。当委員会のもとに、「カーボンニュートラル対応」「原料調達」「リサイクル推進」「アルミ化推進」の各ワーキング・グループ(以下、WG)を設置しています。また、WGの検討結果や活動成果は、必要に応じて気候変動対策推進委員会から経営会議又は取締役会へ報告し、決議を得ることとしており、経営層が直接ガバナンスを効かせています。
当社グループのあらゆる事業活動を支える基盤であるコーポレート・ガバナンスの詳細については、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等]」をご参照ください。
②戦略
当社は気候変動対策のシナリオ分析として、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオの2つのシナリオについて実施しました。対象は当社の事業を代表する分野であること、またポートフォリオ上でも重要度が高いことを考慮して「アルミニウム製品事業」の「板製品関連」とし、原材料調達から廃棄・リサイクルに至るすべてのバリューチェーン上のリスクと機会を検討しました。
|
|
4℃ |
1.5℃ |
当社グループの戦略 |
移行リスク・機会 |
炭素価格 各国の炭素排出目標/政策 |
(日本やタイにおける)炭素税導入は想定されない |
炭素税が導入され、負担コストが上昇 (2050年カーボンニュートラル達成が不可欠) |
Scope1・2のGHG排出削減目標の設定 (2050年カーボンニュートラルへの挑戦宣言) |
各国のリサイクル規制/政策 |
スクラップ利用率は成り行きで推移 |
スクラップ需要増によるスクラップ価格上昇、アルミニウムのリサイクル性を武器にした販売促進 |
製品におけるリサイクル率向上の推進 UACJリサイクル率の定義および2030年度の目標を設定 川上・川下顧客とのスクラップ回収スキームの確立 |
|
エネルギーミックスの変化 |
エネルギーコスト(原油等)の上昇 |
アルミニウム地金製錬国でのエネルギー転換が進み、アルミニウム製錬工程のCO2排出量が低減され、他素材に対する競争力が向上 |
省エネ改善や燃料転換の実施 自社敷地内での太陽光発電の導入 再生エネルギー電力の当社グループ全体での導入(再エネ電力100%工場の誕生) |
|
次世代技術の進展 |
リサイクル原料の分別技術は進展しない |
リサイクル技術開発や設備投資の増加、低CO2排出量の製錬法開発によるアルミニウム需要底上げ |
||
顧客の行動変化 |
運輸・包材・電気機器分野の売上増 |
(脱炭素化の世界的潮流による)運輸・包材・電気機器分野の売上増 (4℃シナリオより大きい) |
環境配慮型製品ブランド 「ALmitas⁺ SMART」の拡大 当社独自のGHG排出量保証 「ALmitas⁺ SMARTマスバランス」の提供開始 |
|
物理的リスク・機会 |
平均気温の上昇 |
高温化に伴う作業環境悪化による生産性低下、灼熱対策コスト増 |
缶材・飲料用アルミパック・クロージャ―材の売上増、空調用フィン材の売上増 |
|
異常気象の激甚化 |
洪水による被害増 |
洪水による被害増 (4℃シナリオより小さい) |
事業ごと・拠点ごとのBCP策定推進とレベルアップ |
詳細につきましては、今後発行予定の統合報告書をご参照ください。
③リスク管理
当社グループは、気候変動に関する主なリスクを含めた「企業理念の実現を不確実にするすべての事象」(損害・損失に直結しかねない事象のみならず、将来の収益・成長への機会も含む)を「リスク」として管理しています。当社グループのリスク管理体制の詳細は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」をご参照ください。
④指標と目標
2022年6月、Scope1・2における2050年カーボンニュートラルへの挑戦を宣言し、2030年度のCO2排出量削減目標を設定しました。Scope3については、2050年にリサイクル最大化およびサプライチェーン全体でのCO2等のGHG排出削減活動によりGHG排出最小化を目指すことを目標に掲げました。さらに2023年12月に、Scope3について2030年度のCO2排出量削減目標を設定しました。UACJリサイクル率の定義および2030年度の目標を設定しました。
2030年度の目標
・Scope1・2 CO2排出量削減率(原単位) △30%(2019年度比)
・Scope3 CO2排出量削減率(原単位) △30%(2019年度比、Category1)
・UACJリサイクル率 80%(ベンチマーク(2019年度)=65%)
当社グループのCO₂排出量の推移は以下のとおりです。2022年度のCO2排出量原単位は0.998t-CO2/製品tとなり、2021年度よりも0.1%減少しました。原単位が改善した主な理由は、2022年度には生産量が減少したことによる原単位の悪化分を、各種の改善活動により挽回することができたためと考えられます。また、2023年度の実績につきましては、第三者保証報告書を取得した後、開示を予定しております。
UACJグループCO₂排出量の推移(国内+海外)
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
燃料 Scope1 CO2排出量(千t-CO2/年) |
514 |
493 |
557 |
528 |
電気 Scope2 CO2排出量(千t-CO2/年) ロケーション基準 |
492 |
446 |
479 |
480 |
Scope1+2 CO2排出量(千t-CO2/年) |
1,005 |
939 |
1,037 |
1,008 |
CO2排出量原単位 (t-CO2/製品t) |
1.118 |
1.109 |
0.999 |
0.998 |
また、Scope3におけるCO₂排出量(サプライチェーンにおけるCO2排出量)の算定結果は以下のとおりです。
2022年度UACJグループのCO₂排出量(Scope3 国内+海外)
項目 |
GHG排出量 |
カテゴリー1:購入した製品・サービス |
5,313 |
カテゴリー2:資本財 |
93 |
カテゴリー3:Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
132 |
カテゴリー4:輸送、配送(上流) |
114 |
カテゴリー5:事業から出る廃棄物 |
0.4 |
カテゴリー6:出張 |
1 |
カテゴリー7:雇用者の通勤 |
2 |
合計 |
5,655 |
(注)Scope3基準及び基本ガイドラインにおけるカテゴリーにて分類しております。なお、カテゴリー8~15については影響が僅少なことから、算定の対象外としております。
(3)人的資本
当社グループでは、2013年の経営統合以来、多くの事業再編等を実施してきました。企業グループとして統合から大きく変化したことを踏まえて、当社グループの社会的な意義、パーパスを見直し、2020年2月にグループ理念の再定義を行いました。また、様々なバックグラウンドを持つ社員が、新しい企業理念である「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する」に向かうための羅針盤として、「UACJウェイ」を定めました。
UACJウェイでは、「安全とコンプライアンス」を行動原則とし、「相互の理解と尊重」「誠実さと未来志向」「好奇心と挑戦心」という3つの価値観に沿って行動することを定めています
当社グループでは、人的資本への投資により、UACJウェイに沿った行動ができる人材、すなわち「基盤人材」の充実を図り確固たる人的基盤を構築していくとともに、外部環境の変化を踏まえた中長期的な経営目標戦略の達成を牽引できる「戦略的人材」を増強していくことで、企業理念の実現を目指してまいります。
①ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年度に社長執行役員の諮問機関として社長執行役員を委員長、副社長執行役員、本部長、事業責任者、その他執行役員を委員とする人材委員会を新設しました。本委員会で当社グループの人材戦略の進捗状況を人事部長から報告、共有し、各委員からのフィードバックに基づき、必要な改善策を検討・実施しております。
また、当社人事部門長と国内グループ会社の人事部門長から構成される総務人事グループ連絡会を年2回開催し、グループ各社から人材戦略の目標設定と進捗状況を報告するとともに、議論や情報交換を行っております。
②戦略
a.基盤人材の充実に向けた戦略
a)人材育成方針
当社グループでは、永続的に事業を継続するための土台となるいつの時代も変わらず必要な人材として、「UACJウェイ」に沿った行動ができる人材を育成し続けてまいります。
b)社内環境整備方針
当社グループでは、UACJグループの企業理念に共感して入社し、ともに「UACJウェイ」を歩み続ける人材のために、各人の安全・衛生・健康を第一に、「UACJウェイ」を体現し、輝ける職場環境をつくり続けます。
当社グループの人材育成及び社内環境整備に関する具体的な施策については以下のとおりとなります。
・人材育成
当社グループでは、変化する事業環境に対応しながら、UACJウェイをベースに、主体的な意思決定や問題解決を主導できる人材の育成が、将来のグループの発展に不可欠なものと位置づけ、従業員一人ひとりが成長を実感し、働きがいを感じることを目指して人材育成に取り組んでいます。具体的には、「従業員一人ひとりの学びによる成長」、「仕事を通して部下を育てる」、「組織で人を育てる」の3つを基本的な考え方とし、「階層別研修」、「ものづくり学園」、「U-KI活動」、「セミナー実施」、「自己啓発プログラム」等の提供の他、「次世代ビジネスリーダー」や「DX人材」等の育成を推進してきました。
その他、UACJウェイの価値観である「相互の理解と尊重」「誠実さと未来志向」「好奇心と挑戦心」を実践できる人材を育成していく観点から、以下の人事諸施策にも取り組んでいます。
コミュニケーション面談 |
年1回、当社の従業員を対象として、本人及びその上司が中長期のキャリアプランや能力開発等について話し合う制度 |
360度評価 |
年1回、当社グループの役員・管理職を対象として、UACJウェイに沿った行動の実践度に関する上司・同僚・部下からの評価を対象者にフィードバックする制度 |
評価フィードバック |
年1回、当社の従業員を対象として、上司から本人に人事評価、評価理由、来期に関する期待等をフィードバックする制度 |
人事ローテーションガイドライン |
当社の従業員を対象として、人材育成の観点から、人事ローテーションを適切に行っていくために、人事ローテーションの頻度の目安等を定めたガイドラインを策定 |
・エンゲージメントの向上
当社グループでは、従業員一人ひとりの働きがい・やりがいを高めて、組織力を向上させ、企業理念の実現を図っていく観点から、2019年度からエンゲージメント調査を実施しています。2023年度は、国内グループ会社全21社を対象に実施しました。調査では、従業員の総合的な働きがい・やりがいを示す指標や、それら指標を左右する因子(個人のモチベーション、職場の活気、人事諸制度やトップマネジメントへの評価)の把握を行っています。本データについては、外部専門家と連携して、社長執行役員以下経営層及び各部門長にフィードバックしています。その後、各部門内でエンゲージメント調査の結果について対話を実施するとともに、エンゲージメント向上に向けた自主改革の取組みを毎年度、各部門で策定・実施しています。その他、エンゲージメント調査の結果を踏まえて、UACJウェイの価値観の一つである「好奇心と挑戦心」の実践を後押しする人事諸制度の改善を以下のとおり実施してきました。
グループ公募制度 |
意欲を有する従業員のキャリア開発や適材適所の機会の提供として、自ら手を挙げることによって、新規事業、新規部門、新規プロジェクト等で働くことができるチャンスを提供。2019年度の新設以来、11名が公募で異動。 |
キャリアカウンセリング |
従業員が自らのキャリアを自律的に構築する機会の提供として、外部キャリアカウンセリング窓口を設置。2021年度の設置以来、75名が利用。 |
副業制度 |
従業員の主体的なキャリア形成、能力開発・スキル向上の機会の提供として、当社業務を本業とすること等を条件に、副業を許可。2024年4月時点で10名が副業中。 |
選択型Eラーニング |
従業員の自律的な学びの機会の提供として、従業員の多種多様なニーズに対応した幅広いメニュー数(2024年4月時点1,007メニュー)を有するプログラムを提供。 |
・採用、リテンション施策の実施
当社では、当社グループの企業理念に共感いただき、UACJウェイの価値観に沿った行動ができる素養を持った方の獲得に向けて、新卒採用のほか、キャリア採用、第二新卒採用、リファラル採用等にも積極的に取り組んでいます。また、2022年度からは、当社を退職された方をアルムナイ(卒業生)と位置づけ、希望者が参加できるネットワークを構築。2024年4月時点で5名の方が登録しています。2023年度からは、このネットワークを活用し、ご本人と会社の意向がマッチした場合は再入社を可能とする「カムバック雇用制度」を導入。2024年4月時点で2名の方がカムバック雇用されています。本制度はUACJウェイの一つの価値観である「相互の理解と尊重」の文化の醸成にも繋がるものと考えています。また、当社に入社された一定の若年層の方を対象に、UACJウェイに沿って独り立ちして行動できるまでの期間、外部のコミュニケーションツールを利用して、毎月コンディションを把握し、人事部門担当がメンターとして、必要に応じ対象者の仕事の悩みや相談に対応し、将来の活躍に向けた支援を行う取組みも行っています。
[参考]UACJの求める人物像
●自分自身の意見を持ちつつ、お互いの考え方、価値観を認めポジティブな人間関係が構築できる方 ●誠実に仕事や人に向き合って粘り強く取り組み、最後までやり切ることができる方 ●好奇心と挑戦心をもって、様々な課題に楽しみながらチャレンジし、未来に向かって変革を起こそうとすることができる方 |
・後継者計画の実行
当社では、UACJウェイに定める3つの価値観を体現した将来の経営幹部候補人材を計画的に育成・拡充していくために、優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つに「後継者計画の策定」を特定しています。2020年度までは、当社の部長クラス以上を対象に後継者計画を策定し、2021年度からは課長クラスに拡大、2023年度からは国内全グループ会社の課長クラス以上に拡大して後継者候補を選出しています。当該後継者計画に基づき、対象者には経営幹部候補人材として必要な経験を積むためのローテーションを実施しているほか、必要な経営知識やスキルを学ぶためのビジネスリーダー育成プログラムの提供を進めています。
・ダイバーシティの推進
当社グループは、UACJウェイの「相互の理解と尊重」に基づき、ダイバーシティ(DE&I)の考え方を大切にしています。昨年度、その内容をより具体化した「ダイバーシティ(DE&I(デ・ア・イ))推進宣言」を策定いたしました。従業員それぞれが持つ能力の発揮とイノベーションの創出といった会社の持続可能な成長の両輪での相乗効果を目指します。具体的には、女性活躍については、2023年度までに女性管理職比率(国内グループ会社・役員含む)を4%以上とすることを目標に、女性採用割合を20%以上とする他、柔軟な働き方の整備、女性特有の健康課題への支援等に取り組んできました。これらの取組みが評価され、2024年には、女性活躍推進法に基づく優良企業「えるぼし」3段階目に認定されました。キャリア採用についても多様性と競争力強化を目的に積極的に実施しています。外国籍人材については、当社の新規学卒者全体の10%を確保することを目標に毎年度、採用活動を継続しています。高齢者については労働力人口が減少していく中で、今後、さらに活躍を推進していく観点から、定年退職再雇用者についても現役従業員同様の賃金改善を実施するとともに65歳超雇用も積極的に進めています。最後に、障がい者雇用については、特例子会社(株式会社UACJグリーンネット)の活用により法定雇用率を超える雇用(2023年6月時点2.55%)を実現しています。また、2024年度からの法定雇用率の引き上げを踏まえて、農園型障がい者雇用にも新たに取り組んでいます。
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[参考]当社の採用実績(単位:名)
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新卒採用 |
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キャリア採用 |
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採用全体 |
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男 |
女 |
小計 |
男 |
女 |
小計 |
男 |
女 |
合計 |
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2021年度 |
47 |
10 |
57 |
117 |
6 |
123 |
164 |
16 |
180 |
2022年度 |
54 |
12 |
66 |
120 |
11 |
131 |
174 |
23 |
197 |
2023年度 |
71 |
9 |
80 |
73 |
24 |
97 |
144 |
33 |
177 |
・ワークライフバランスの推進
当社では、従業員一人ひとりが仕事と生活のバランスをうまくとりながら、UACJウェイに沿って、働きがい・やりがいを持ちながら働くことができるように、「時間外労働の削減」、「有給休暇の取得推進」、「育児休業の取得推進」、「多様な勤務制度の整備」、「効率的な業務実施に向けた環境整備」に取り組んでいます。「時間外労働の削減」については月45時間超過者の削減を目標に計画人員の確保等に取り組んでいるほか、「有給休暇の取得推進」については、労働基準法を超える年6日又は年7日を最低限の必達目標に定めて、人事部門から取得状況のフォロー等を行っています。こうした取組みの結果、経営統合以降、ピーク時の2017年度には2,174時間であった年間総実労働時間は2023年度には2,060時間まで削減されています。「育児休業の取得推進」については、特に男性の育児休業の取得に関して、「取得率30%以上、平均取得期間2週間以上」を目標に、子供が生まれた男性従業員に対して人事部門から取得状況のフォローを行っています。その結果、2023年度には対象となる男性従業員の74%が平均28.9日間の育児休業を取得しました。「多様な勤務制度の整備」については、生産性の高い働き方の実現に向けて、専門型・企画業務型裁量労働制、コアレスフレックス勤務制度、短時間コアレスフレックス勤務制度、時間単位有給休暇制度、半日単位有給休暇制度等を導入しており、多くの従業員が有効に活用しています。また、新型コロナウイルス感染防止対策として2020年度から暫定的に取り組んできた在宅勤務については、2021年度より制度化し、出社と在宅勤務をハイブリッドで組み合わせて勤務することを可能としました(部門長の判断により、完全在宅勤務も可)。さらに2023年度からは、在宅勤務制度を活用して、一定条件のもと、遠隔地での勤務を可能とする制度を導入しました。本制度により結婚、配偶者の転勤、介護、単身赴任等の事情により、現事業所での継続勤務が困難となった場合でも、転勤を伴わずに、自宅での継続勤務が可能となり、ワークライフバランスの実現に寄与しています。また、「効率的な業務実施に向けた環境整備」については、RPA(Robotic Process Automation)やチャットボットの活用による定型業務、問い合わせ業務の削減や効率化を進めています。これらの取組みが評価され、2024年には、次世代育成対策推進法に基づく「子育てサポート企業」として「くるみん」認定を受けております。また、仕事と介護の両立支援に取り組み企業として「トモニン」の取得もしております。
・労働安全衛生
当社グループでは、UACJウェイにて「安全第一とコンプライアンス」を企業活動の基盤とし、「従業員の安全・衛生・健康は全てに優先する」という考えのもと、優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つに「労働安全衛生」を特定して、全員参加の安全衛生活動を実施しています。具体的には、労働に関する法令や社内規則を遵守するとともに労働安全衛生マネジメントシステムを構築し、適切な管理を行うことにより安全で衛生的・健康的な職場環境づくりに取り組んでいます。
・健康経営の推進
当社グループでは、UACJウェイにて「安全第一とコンプライアンス」を企業活動の基盤とし、「従業員の安全・衛生・健康は全てに優先する」という考えのもと、2021年9月にUACJグループ健康経営宣言を発表しました。当社グループでは、健康経営宣言に基づき、以下の推進体制のもと社員の健康の維持・増進に努めています。社長執行役員を委員長とする安全衛生委員会には、全執行役員が参加し、活動内容・課題の共有と対策についての討議を行っています。2024年3月には、従業員の健康管理に戦略的に取り組む企業として、「健康経営銘柄2024」「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に初選定されました。
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・魅力ある処遇の実現
当社グループでは、2023年5月に発表したマルチステークホルダー方針に則り、サステナビリティ経営の推進、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しています。その上で、生み出した収益・成果を踏まえて、「UACJウェイ」に沿った行動ができる人材を獲得・育成・充実していくことを目的に、賃金の引上げをはじめとした、総合的な処遇改善に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指してまいります。2023年度については、下表に記載の取組みを主に行ってまいりました。また、福利厚生の活用・充実に意欲的に取り組む法人を称える表彰制度「福利厚生表彰・認証制度(通称「ハタラクエール」)」において、特に優れた取組みを行う企業として、最高位の「優良福利厚生法人・総合」を当社は2024年3月に初めて受賞しました。
賃金改善 |
・物価上昇への対応、採用競争力及びリテンションの観点から、2024年4月に前年度に続き、過去最高となる組合員平均月額約20,500円(6.5%)の賃上げ(定期昇給含む。以下同様。)を実施。国内グループ会社において過去最高となる賃上げ実施。 |
資産形成 |
・「UACJ VISION 2030」の達成に向けた、従業員のオーナーシップの向上及び自律的な資産形成の支援の観点から、従業員持株会の奨励金を70円/口から150円/口に引き上げ。※2024年4月時点の当社+国内グループ会社18社の加入率は50%。 ・ファイナンシャルウェルビーイングの観点から、外部金融機関とも連携し、当社の制度を活用して賢く資産形成するためのセミナーを従業員向けに初めて提供。 会社の制度を熟知した専門のコンサルタントが無料で従業員の個別相談に対応するライフプラン相談窓口も設置。 |
・健全な労使関係の継続
当社の従業員はUACJ労働組合に、その他のグループ会社従業員においては、それぞれの会社における労働組合に属しています。各社と各労働組合とは、UACJウェイに定めた「相互の理解と尊重」の価値観のもと、健全な労使関係を持続しています。
・コンプライアンスの取組み
当社グループでは、UACJウェイにて「安全第一とコンプライアンス」を企業活動の基盤としており、コンプライアンスの徹底に向けた啓発活動を強化しています。当社グループが企業としての社会的責任を果たし、社会から信頼される企業グループとなるために、役員及び従業員が遵守すべき事項を「UACJグループ行動規範」に定めるとともに、部単位で定期的かつ継続的に勉強会を行うことでコンプライアンス意識の浸透や法令知識の向上に努めています。また、コンプライアンス違反事案の未然防止、早期発見・早期解決を目的に内部通報制度を運用しています。
・人権の尊重
当社グループは、UACJウェイにおける「相互の理解と尊重」という価値観を実践していくために、「人権への配慮」を優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しています。具体的には、UACJグループ人権基本方針を定め、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」、国別行動計画である「ビジネスと人権に関する行動計画」に沿った活動を推進しています。また、「UACJグループ行動規範」において、「人権の尊重」、「ハラスメントの禁止」、「児童労働・強制労働の禁止」、「労働基本権の尊重」などを定め、階層別教育や行動規範に関する部内教育の場などにおいて、周知徹底に取り組んでいます。
[理念対話会の継続とUACJグループウェイ賞の創設とUniposの導入]
2020年4月から理念の浸透とエンゲージメント向上を目的に、社長執行役員及びグループ会社社長、製造所長などの幹部層の社員による従業員との「理念対話会」を継続して実施しています。また、2021年度には、UACJグループ理念に沿う活動・案件を社内より募集し、理念をより体現している活動・案件について、社長執行役員が職場・チーム・個人に対して表彰する「UACJグループウェイ賞」を創設しました。さらに、2021年4月より「Unipos」(社内のだれもが見られるオープンなタイムライン上で、少額のポイントとともに感謝・称賛のメッセージを送るWebサービス)を導入し、社員同士がUACJウェイに沿った行動について褒め合うことも行っています。人事諸施策も含めた様々な活動を通じて、今後もUACJウェイの浸透を図ってまいります。 |
b.戦略的人材の増強に向けた戦略
2022年度から人材戦略プロジェクトをスタートしています。経営戦略と人材戦略の連携強化を目的に「グローバル」「事業基盤」「付加価値創出」「開発イノベーション」の4つの人材要件を定義し、「人材力の強化」「組織力の強化」及び「仕組みの整備」の観点から人事諸施策を展開し継続的な戦略的人材の獲得、育成に取り組んでいます。
2024年度からは「UACJ VISION 2030」実現の蓋然性をさらに高めるため「人材の質と量の最適化」「人材マネジメントの強化」を人材戦略の2本柱として増強を図ってまいります。
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③リスク管理
人材領域に関するリスク管理については、全社のリスク管理に統合されているため、詳細は「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」をご参照ください。
④指標と目標
[総合目標] |
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人材戦略実現に向けた要素 |
KPI |
2022年度実績 (注2) |
2023年度実績 (注2) |
目標値 (注3、4) |
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UACJウェイに沿った行動ができる人材「基盤人材」の充実 |
エンゲージメント調査(注1)における従業員のUACJウェイ実践度 |
3.42点 |
3.51点 |
3.50点以上 |
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エンゲージメント調査における職場のUACJウェイ実践度 |
3.34点 |
3.42点 |
3.50点以上 |
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[施策ごとの個別目標] |
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人材育成の推進 |
エンゲージメント調査における職場マネジメントへの評価 |
3.25点 |
3.31点 |
3.05点以上 |
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エンゲージメントの向上 |
エンゲージメント調査における働きがい・やりがい度 |
3.22点 |
3.27点 |
3.34点以上 |
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採用・ リテンション施策 |
エンゲージメント調査における職場の人的充足度 |
3.01点 |
2.96点 |
3.09点以上 |
||
エンゲージメント調査における継続勤務希望度 |
3.40点 |
3.29点 |
3.55点以上 |
|||
後継者計画の実行 |
後継候補者計画の実施率 |
当社における課長職 以上100% |
国内グループ会社に展開 |
国内グループ会社に展開(2023年度) |
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ダイバーシティの推進 |
管理職(役員含む)に占める女性比率 |
3.03% |
4.0% |
4% (2023年度) |
||
ワークライフ バランスの推進 |
エンゲージメント調査における仕事と生活の調和度 |
3.29点 |
3.32点 |
3.33点以上 |
||
労働安全衛生 |
重大災害発生件数 |
ゼロ
|
1件
|
ゼロ (2023年度) |
||
総合度数率 |
0.25
|
0.17
|
0.25 (2023年度) |
|||
健康経営の推進 |
健康経営度調査における 総合評価(偏差値) |
59.5 |
62.8 |
61.0以上 (2023年度) |
||
魅力ある処遇の 実現 |
エンゲージメント調査における報酬、処遇、福利厚生の魅力度 |
2.68点 |
2.75点 |
2.85点以上 |
||
健全な労使関係の構築 |
(特に指標は設定せず) |
- |
- |
- |
||
コンプライアンスの取組み |
エンゲージメント調査におけるコンプライアンス経営の実践度 |
3.54点 |
3.50点 |
3.42点以上 |
||
人権の尊重 |
人権DD実施と、結果を踏まえた目標づくり、アクションプランの実行 |
人権DDの仕組み構築 |
6事業所実施 |
4事業所実施 (2023年度) |
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行動規範、人権、ハラスメント関連の教育実施率 |
行動規範教育 92% ハラスメント教育 100%
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行動規範教育 98% ハラスメント教育 100%
|
行動規範教育 96% ハラスメント教育 100% (2023年度) |
(注)1.エンゲージメント調査は外部機関の調査ツールを使用しております。5点満点で点数が高いほど肯定的な回答を示しております。
2.2022年度及び2023年度実績の各項目について「後継者計画の展開」「健康経営の推進」は当社の数値、「労働安全衛生」「人権への配慮」は当社及び海外を含む一部のグループ会社の数値、その他は当社及び国内グループ会社の数値を記載しております。
3.エンゲージメント調査結果を指標としている項目は、従業員数3,000~4,999人の企業の平均値(外部機関調査)を目標値とし、継続的に取り組むものです。但し、「UACJウェイの実践度」の目標値については独自に設定した値としております。
4.目標値欄に(2023年度)と記載した項目は、2023年度における目標値を示しております。