事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 6,987 | 100.0 | 1,493 | 100.0 | 21.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は学習塾の運営を行っており、以下の3部門(ゼミ・ハイ・ファースト個別)に分けて事業を行っております。
なお、当社は学習塾事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
また、当社の事業の特徴として以下の4項目があげられます。
1 充実した人材育成による質の高い教師の提供
当社は、「生徒第一主義」を掲げ、その実現のため優秀な教師陣による高品質な指導を徹底しております。
ゼミ部門・ハイ部門では、全国からの応募者を筆記試験及び面接によって厳選し、入社後も2か月から1年にわたる研修制度を設け、ワセダの教師としての基礎力と実践力を育成しています。さらに、全教室に設置した講義収録カメラを活用し、本部による授業内容の確認・指導を行うほか、全教師に定期的に授業動画の提出を義務付け本部で評価を行う、若手社員を対象に指導力向上の為のコンテストを実施する等、品質を担保するための取り組みを継続しております。加えて当社では教科ごとに部会を設けており、授業内容の工夫や改善点を共有するとともに最新の入試情報の共有も行っております。これにより、全社的に授業の質を均一に保ちながら、受験に直結する情報をもとにした的確な指導が可能となっております。
ファースト個別部門では、生徒1人に対し講師・教室長・教材の選定や志望校の分析をアドバイスする受験指導教師・生徒の学習を応援するアシスタント教師の4名体制を採り、生徒一人ひとりに対して手厚いサポートを行っております。
2 生徒の学習理解をサポートする教材の提供
当社のゼミ部門における教材は、「生徒の成績を上げる」ことに注力しております。生徒が効率よく学習できるよう、「県別、単元別、レベル別、時期別」等で細分化し、重要項目に絞った内容で構成されています。多くのオリジナル教材は原則薄い仕様で、完遂することで生徒が達成感を味わえるように工夫されており、生徒のモチベーションの維持に寄与しております。また、当社では独自のオンライン学習システム「Wovie」を運用しております。「Wovie」では通塾している全生徒がいつでもベテラン教師によるオンライン授業を視聴することができます。これにより、授業を欠席した生徒のフォローアップも行っております。
3 快適な学習環境の提供
当社は、「最も生徒の面倒見がよく成績の上がる塾」を標榜しており、生徒の学習をサポートするために様々な取り組みを行っております。
ゼミ部門では、生徒の理解が不十分な単元については無料の補習を行っております。特に、中学3年生の受験直前には合格線上にいる生徒に対し、合格のための補習を実施しております。また、理解に差が出やすい算数・数学の授業では原則、正社員教師とアシスタントで授業を行い、演習中の机間巡視を行うことで集団授業による効率性と個別指導によるきめ細やかな指導を両立させ生徒の成績向上に努めております。
ハイ部門では、担任制の学習・進路指導、生徒の通学する高校に準拠した定期テスト対策、充実した自習室の設置と質問対応など、きめ細やかなサービスを提供しております。
ファースト個別部門では、オーダーメイド個別指導の柔軟さを活かして、生徒・保護者と相談し指導内容を決定しております。学校の教科書や他塾の教材の持ち込みを受け入れているため、不得意科目を克服したい、集団塾で伸び悩んでいるなど生徒の抱いている悩みを解決できるように一人ひとりの指導内容を決定いたします。また、自習室の提供、教室長による家庭学習のマネジメントや机間巡視している講師に質問できる環境等、自立学習の支援体制を整えております。
4 大型の郊外型校舎
当社のゼミ部門での1校舎当たりの平均在籍生徒数は519名と業界水準を大きく上回っており(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(2024年12月)によると学習塾の事業所数当たりの受講生数は113名)、150~200坪規模の自社もしくは賃貸のビルによる大型校舎を中心に展開しています。また、正社員教師に対しては車通勤を推奨し、アルバイトは卒業生や周辺に在住する者を採用しているため、駅前など競争の厳しいエリアを避け、居住エリア近くに広い敷地を確保した出店が可能です。
これにより同業他社と比較して以下の点について優位性があります。
ⅰ 駐車場の確保により、近距離だけではなく、中長距離の生徒の通塾が可能
ⅱ 1拠点当たりの収容可能人数が多く、1拠点にまとめて集客することが可能
ⅲ 1拠点当たりの平均在籍生徒数が多いため、指導効率がよく、学力別にクラス編成も可能
ⅳ 地価・賃料の固定費を抑制、利益率の向上に寄与
以上の事業内容について図示すると次のとおりであります。
(事業系統図)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果、インバウンド需要の伸長もあり、景気の緩やかな回復が見られました。一方、アメリカの新政権の動向、不安定な国際情勢、エネルギー価格や原材料費の高騰など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
学習塾業界におきましては、高校授業料無償化や入試制度の多様化、ICT技術の発展による教育のデジタル化などによって新たなビジネスチャンスが広がっており、経営環境の変化への迅速な対応が求められております。一方、少子化が進む中で、異業種からの新規参入やM&Aによる事業拡大など企業間競争は一層厳しさを増しており、他社と差別化された質の高いサービスへのニーズが高まっております。
このような外部環境におきまして、当社は創業以来、「生徒の成績を上げる指導を通じて社会に貢献します。」を経営理念として掲げ、成績を上げ志望校に合格させることを通じ、日本の未来を担う次世代の子供たちの可能性を無限に広げるべく、「最も生徒の面倒見がよく成績の上がる塾」を目指し邁進してまいりました。その結果、群馬県・栃木県・埼玉県及び東京都内に拠点を展開し、生徒数は2025年1月末時点で2万1,000名を超えるまでに成長いたしました。拠点数は、ゼミ部門で5月に坂戸鶴ヶ島校(埼玉県鶴ヶ島市)、東松山校(埼玉県東松山市)の2校舎を開校した結果、62拠点となりました。
当社では、対面での授業をメインとし、無料の補習や定期テスト対策、担任制による学習・進路指導を実施しているほか、欠席者にはオンライン授業を配信してフォローするなど、きめ細やかなサポートを実施しております。また、トップ校向けの対策講座を新たに開講するなど、ニーズに応じた様々なサービスを展開しております。当事業年度における期中平均生徒数は、新規拠点の開設により19,289名と、堅調に推移いたしました。
当事業年度における売上高は6,986百万円(前事業年度比8.1%増)、営業利益は1,492百万円(前事業年度比2.8%増)、経常利益は1,508百万円(前事業年度比5.0%増)、当期純利益は1,038百万円(前事業年度比3.2%減)となっております。
部門別の経営成績は、次のとおりであります。
<ゼミ部門>
ゼミ部門では、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を展開しており、当事業年度における期中平均生徒数は15,694名(前事業年度比5.4%増)、売上高は5,295百万円(前事業年度比9.2%増)となりました。
<ハイ部門>
ハイ部門では、主に高校生を対象とした教育事業を展開しており、当事業年度における期中平均生徒数は2,723名(前事業年度比5.6%増)、売上高は1,138百万円(前事業年度比3.1%増)となりました。
<ファースト個別部門>
ファースト個別部門では、主に個別指導を対象とした教育事業を展開しており、当事業年度における期中平均生徒数は873名(前事業年度比13.4%増)、売上高は552百万円(前事業年度比8.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末比709百万円減少の4,419百万円となりました。これは、その他の流動資産97百万円の増加と、現金及び預金824百万円の減少が主な要因であります。
固定資産は、前事業年度末比1,049百万円増加の4,895百万円となりました。うち、有形固定資産は前事業年度末比507百万円増加の4,067百万円、無形固定資産は、前事業年度末比22百万円減少の48百万円、投資その他の資産は、前事業年度末比564百万円増加の778百万円となりました。
この結果、当事業年度末の資産総額は、前事業年度末比339百万円増加し、9,314百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末比143百万円増加の1,409百万円となりました。これは、未払法人税等168百万円の増加と、預り金23百万円の減少が主な要因であります。
固定負債は、前事業年度末比5百万円減少の890百万円となりました。これは、長期未払金712百万円の増加、役員退職慰労引当金718百万円の減少が主な要因であります。
この結果、当事業年度末の負債総額は、前事業年度末比137百万円増加し、2,300百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産額は、前事業年度末比201百万円増加の7,014百万円となりました。これは、繰越利益剰余金263百万円の増加、利益準備金33百万円の増加、自己株式の取得92百万円の減少が主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の75.9%から75.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより3,769百万円(前年同期は4,493百万円)となり、前事業年度末に比べ、724百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益1,508百万円(前年同期は税引前当期純利益1,428百万円)、減価償却費162百万円(前年同期は減価償却費154百万円)が収入要因となり、他方、棚卸資産の増加額3百万円(前年同期は棚卸資産の増加額8百万円)、法人税等の支払額307百万円(前年同期は法人税等の支払額427百万円)等が支出要因となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,259百万円の収入(前年同期は1,017百万円の収入)となり、前事業年度末と比べ241百万円収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻100百万円が収入要因となり、他方、有形固定資産の取得による支出689百万円(前年同期は有形固定資産の取得による支出585百万円)、投資有価証券の取得による支出508百万円(前年同期は無)、敷金及び保証金の差入による支出38百万円(前年同期は敷金及び保証金の差入による支出7百万円)等が支出要因となりました。
この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、1,140百万円の支出(前年同期は602百万円の支出)となり、前事業年度末と比べ538百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出102百万円(前年同期は無)、配当金の支払額741百万円(前年同期は配当金の支払額251百万円)が支出要因となりました。
この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、843百万円の支出(前年同期は117百万円の支出)となり、前事業年度末と比べ725百万円支出が増加しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社は、生徒に対して授業を行うことを業務としていますので、該当事項はありません。
ロ.受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績は次の通りであります。なお当社は学習塾事業の単一セグメントでありますが、事業部門ごとに記載をしております。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
a 売上高
当事業年度の売上高は、6,986百万円となり、前事業年度と比較して523百万円(8.1%)の増収となりました。
ゼミ部門では、年度内に新たに坂戸鶴ヶ島校(埼玉県鶴ヶ島市)、東松山校(埼玉県東松山市)の2拠点を開校したことで売上高が87百万円増加しました。また前事業年度に開校した上尾校(埼玉県上尾市)と岩槻校(埼玉県さいたま市岩槻区)、北越谷校(埼玉県越谷市)においても生徒数が順調に増加し売上高が281百万円増加しました。その他の既存拠点においては、本科授業料の価格改定もあり堅調に推移しました。以上により、当事業年度の売上高は5,295百万円となり、447百万円増収(前事業年度比9.2%増)となりました。
ハイ部門では、春期講習無料キャンペーン等の減収要因はありましたが、生徒数が順調に増加し、当事業年度の売上高は1,138百万円となり、34百万円増収(前事業年度比3.1%増)となりました。
ファースト個別部門では、北関東エリアの拠点では前事業年度に開校した越谷レイクタウン教室(埼玉県越谷市)において生徒数が順調に増加したことにより、売上高は148百万円となり、30百万円の増収(前事業年度比25.7%増)となりました。東京エリアの拠点では生徒への手厚い指導が支持を得たことなどによる生徒数の増加から売上高は404百万円となり、11百万円の増収(前事業年度比2.9%増)となりました。以上により、当事業年度の売上高は552百万円で、41百万円の増収(前事業年度比8.2%増)となりました。
b 売上総利益
当事業年度の売上原価は、新規開校に伴う備品購入や人員確保等の費用拡大のほか、水道光熱費の高騰など費用増加要因もあり、4,137百万円(前事業年度比8.1%増)となりました。この結果、当事業年度の売上総利益は2,849百万円(前事業年度比8.2%増)となりました。
c 販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度において役員報酬の改定に伴う役員退職慰労引当金繰入額の減額があった反動により、1,356百万円(前事業年度比14.8%増)と前事業年度より増加いたしました。この結果、当事業年度の営業利益は1,492百万円(前事業年度比2.8%増)となりました。
d 経常利益
当事業年度では、有価証券利息の計上等により営業外収益が18百万円となり、営業外費用は賃貸物件に係る固定資産税や地代の計上等により2百万円となりました。この結果、当事業年度の経常利益は1,508百万円(前事業年度比5.0%増)となりました。
e 特別損益、当期純利益
当事業年度では、法人税、住民税及び事業税を491百万円計上した結果、当事業年度の当期純利益は1,038百万円(前事業年度比3.2%減)となりました。
② 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析②財政状態の状況」に記載したとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、労務費や地代家賃、広告宣伝費等の営業費用の他、新拠点設立に伴う設備投資資金であります。これらの資金需要は自己資金でまかなえる状況でありますが、今後必要に応じて銀行借入も検討してまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社の財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的に判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績に生じる影響など、その記載内容を補足する情報は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は売上高、営業利益、売上高営業利益率を重要視するとともに、事業運営上の重要指標として生徒数の動向を注視しております。
当事業年度については、売上高6,986百万円(前事業年度比8.1%増)、営業利益1,492百万円(前事業年度比2.8%増)、期中平均生徒数19,289名(前事業年度比1,057名増)となりました。また、売上高営業利益率は21.4%(目標水準18.0%)となりました。
当事業年度は、ゼミ部門にて新たに開校した校舎において生徒数が順調に推移したこと、既存拠点において本科授業料の価格改定が大きな要因となり、売上高においても好調に推移しました。また、当事業年度は世界的な原料価格の高騰に伴う水道光熱費の高騰や人員増加に伴う人件費の増加等、費用の増加要因がありましたが、一方で、広告宣伝費などの一部経費が減少した結果、営業利益は前事業年度から増加いたしました。