人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数891名(単体) 2,814名(連結)
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平均年齢46.8歳(単体)
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平均勤続年数21.9年(単体)
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平均年収6,177,000円(単体)
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平均年収の
対前年増減率6.3%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①人的資本経営
2025年度にスタートいたしました中期経営計画の基本方針である「収益面・経営面の双方で確固たる基盤を構築し、誰もが安定・安心できる企業グループとなる」の実現に向け、経営基盤整備の一環として、先ずは本社における人事制度改革に取り組んでおります。
「頑張った者に処遇で報いる」ことを目的として、年功的賃金体系を是正し、全体の賃上げを行いつつジョブ型人事の考え方も導入した新たな賃金制度を導入し、昇進・昇格制度の明確化に向けた公平公正な評価制度に基づく運用を開始いたしました。
女性活躍推進に向けては、「女性管理職へのハードル、女性管理職だからできること、将来のキャリアパス」等をテーマに、女性社外取締役による座談会を開催する等、その啓蒙活動に努めております。
さらに、従業員の声に耳を傾ける取組みとして、役員によるタウンミーティング、定期的なエンゲージメントサーベイ等を通じ、従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることで人事制度改革の効果を最大限発揮させ、その結果として当社グループのさらなる成長に繋げてまいります。
②人材戦略
中期経営計画において課題として掲げた「業務のデジタル化による生産性の向上、生産部門の自動化・省人化、設計・施工技能職の要員確保」について、以下の具体的施策を推進中です。
a.デジタルを活用した業務改革の実現に向け、若手社員を選抜し、DX人財育成プロジェクトを開始。
b.工場の自動化・省人化に向け、コンサルタントを活用したロボット関連学部出身の若手社員の育成。
c.フィリピン現法におけるデジタル基準図が作成可能な設計職の養成。
d.職人不足への対応として、カンボジアおよびラオスからの定期的な技能実習生の採用に加え、中長期的目線での施工技能者養成を目的として昨年6月に設立した「不二サッシS・C㈱」による高卒人財採用への注力
e.新商品開発を目的とする大学との共同研究への若手社員の派遣
また、中期経営計画策定や新本社移転等、当社グループ主要プロジェクトへの次世代若手人財の参画や、次の経営を担う人財の育成・アセスメントの機会としての「FSSC(不二サッシ シャドウ キャビネット)」の実施等、幹部社員の育成にも鋭意取り組んでおります。
(2)【従業員の状況】
①連結会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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建材 |
1,924 |
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形材外販 |
648 |
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環境 |
49 |
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物流 |
95 |
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その他 |
29 |
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全社(共通) |
69 |
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合計 |
2,814 |
(注) 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
②提出会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年令(才) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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891 |
46.8 |
21.9 |
6,177 |
6.3 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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建材 |
773 |
|
環境 |
49 |
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全社(共通) |
69 |
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合計 |
891 |
(注)1.従業員数は就業人員であり、出向派遣者(28名)は含めておりません。
2.平均年間給与には、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
③労働組合の状況
提出会社及び一部の連結子会社(4社)の労働組合は、不二サッシユニオン(2026年3月31日現在の組合員数は1,209名)として全日本労働組合総連合会・ジェイ・エイ・エムに所属しております。
また、その他の連結子会社の一部においても労働組合が組織されております。
なお、労使関係は安定しております。
④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
a.提出会社
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当事業年度 |
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管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1. |
||
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
|
5.7 |
54.6 |
66.6 |
65.7 |
64.6 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
b.主要な連結子会社
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当事業年度 |
|||||
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名称 |
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1. |
||
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全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
|
不二ライトメタル㈱ |
4.4 |
16.7 |
74.1 |
76.2 |
74.9 |
|
関西不二サッシ㈱ |
- |
- |
75.6 |
86.5 |
96.0 |
|
日海不二サッシ㈱ |
7.7 |
- |
70.9 |
69.8 |
58.8 |
|
㈱不二サッシ九州 |
12.0 |
100.0 |
79.8 |
78.6 |
52.4 |
|
不二サッシリニューアル㈱ |
5.3 |
- |
75.9 |
78.9 |
58.7 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
提出会社及び主要な連結子会社における男性労働者の育児休業の平均取得日数は、53日となっております。
男女の賃金格差は、男性の賃金に対する女性の割合を示しております。当社の賃金制度は、年齢、性別に関係なく、同一の職務であれば同一の賃金を支払うこととして設計されております。しかし、現状において、当社及び国内連結子会社において男女間の賃金格差が生じております。これは、上記のとおり、管理職に占める女性従業員の割合が低い水準にとどまっていることなどが要因となっております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中期経営計画~2030年度/創業100年に向けた再構築~(FY25-27)において、基本方針として「収益面・経営面の双方で確固たる基盤を構築し、誰もが安定・安心できる企業グループとなる」と掲げております。本計画は、財務・非財務両面からの企業価値向上を目指すものであり、その土台となる経営基盤に重きをおく成長投資と株主還元の拡大に努めてまいります。PBR向上に向けては、ROE8.0%以上を継続しつつPERを引き上げるための施策の方向性として、持続可能性(サステナビリティ/ESG)向上に資する事業展開、人的資本投資の拡充などを設定しております。
これらの取り組みの総体が当社グループのサステナビリティ経営であり、「不二サッシグループ サステナビリティビジョン2050」(以下、「サステナビリティビジョン2050」)は、中期経営計画も含む、経営理念の実現を通じて中長期的な企業価値の向上に努める上での基本方針であります。この長期ビジョンにおいて、「経営理念」とサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)、さらに環境方針、人権方針やコーポレートガバナンスなどの各種方針との結び付きを示しております。なお、マテリアリティとして従来は2021年度に特定したものを使用してまいりましたが、2025年度にマテリアリティを再特定し改定しております。このビジョンの行動指針に基づき、脱炭素社会やサーキュラーエコノミーの実現、社会の期待する製品づくり、人権を尊重した公正な事業活動を推進してまいります。
図:サステナビリティ経営の全体像(左)、サステナビリティビジョン2050(右)
当社グループではアルミサッシ製品をはじめとした「ものづくり」を原点とするメーカーかつエンジニアリング企業の責任として、事業と気候変動および自然資本との関わりについてバリューチェーン全体を通じて検討し、リスク低減と機会の活用に努めております。
この取組の一環として、事業との関係性から生まれるサステナビリティ関連課題に関する重要情報を、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)フレームワーク及びTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フレームワークに沿って文中で開示しております。
1.ガバナンス
当社グループは、2025年を初年度とする中期経営計画~2030年度/創業100年に向けた再構築~を定め、持続可能性に資する事業を展開しサステナビリティ経営を推進しております。気候変動、生物多様性や人的資本に関連する課題につきましても当社にとっての重要課題として認識しております。
ガバナンスの中核となるのはサステナビリティ委員会であり、その事務局はサステナビリティ経営を効率的に進めるための専門組織であるサステナビリティ推進室が担っております(ともに2023年度立ち上げ)。
この委員会は四半期に一度開催され、代表取締役社長が委員長を務め、代表取締役専務・経営会議メンバー、および不二ライトメタル社長で構成されております。委員会で議論された内容は、サステナビリティ委員会委員長から取締役会へ四半期に一回の頻度で報告しております。
なお、このガバナンスの内容はサステナビリティ全般に関する説明であり、気候変動および生物多様性関連、人権だけでなく、人的資本および多様性などについても包含するものであります。
(1)監督体制
取締役会は、当社グループの重要課題(マテリアリティ)をはじめとするサステナビリティに関する議案(方針策定、事業計画及び目標の設定や取り組みの進捗状況、経営リスク・機会等)について監督する役割を担っております。サステナビリティ委員会を開催する都度、取締役会は審議内容の報告を受け、本委員会で検討した気候変動などサステナビリティに関する課題について審議、必要に応じて委員会へ諮問を行い、監督態勢を構築しております。
(2)執行体制
サステナビリティ委員会の具体的役割として、サステナビリティの基本方針の策定およびサステナビリティ推進活動における計画、短期・中期・長期の目標策定、取り組みの推進・モニタリングを実施しております。これには気候変動をはじめとして生物多様性や人的資本等が含まれており、サプライチェーンにおける依存、影響、リスク、機会の管理・監督に関しても、本委員会によるモニタリングのもとサプライチェーン全体におけるリスクおよび機会への対応を行っております。
これらの課題の決定と取組(KPIとしてのGHG排出量の削減など)をサステナビリティ委員会委員長の責任のもと、モニタリングしております。
2025年度サステナビリティ委員会の開催実績
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開催月 |
主な議題 |
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4月 |
・建築業界のホールライフカーボン(生涯CO2)算定への対応 ・排出量削減計画およびカーボンクレジット調達の進捗 ・生物多様性への依存影響分析結果 |
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7月 |
・脱炭素に関する主な法規制予定および業界動向 ・2024年度グループ排出量実績、2030年度排出削減目標に関する進捗 |
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10月 |
・不二サッシグループのマテリアリティ更新、統合リスク管理 |
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1月 |
・不二サッシグループのマテリアリティ更新、統合リスク管理 ・2024年度排出量実績に基づく2026年以降の削減方針 |
当社グループのサステナビリティ関連のガバナンス体制図
2.戦略
前記、当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組に記載しております通り、中長期的な持続可能性・将来性向上のためには、サステナビリティに関する戦略に基づく事業展開が重要であると考えております。この戦略は、サステナビリティ推進室及びサステナビリティ推進部会が立案し、サステナビリティ委員会における審議を経て策定されております。
・マテリアリティ
当社グループは、サステナビリティに関連するリスクと機会を考慮してマテリアリティを特定し、それらを事業や戦略へ反映しています。マテリアリティは2021年度に特定し運用しておりましたが、2025年度を初年度とする中期経営計画の策定を受けて、経営戦略の推進および社会課題の解決のために効果的かつ重点的な内容とすることを目的として、2025年度に改定を行いました。改定に際しては、国際的な情報開示基準であるGRI、SASB等を参照し、全社的な意見を反映した候補について事業影響と社会影響の二軸で重要度を評価し、ESGの観点を踏まえて9項目に特定しました。更新したマテリアリティおよび主な取り組みは以下の通りです。
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マテリアリティ |
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E 環境 |
カーボンニュートラルなものづくり |
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脱炭素建材の開発・普及 |
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資源循環型ビジネスモデルの構築 |
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S 社会 |
社員一人一人の力を引き出す組織づくり |
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次世代育成と技能継承 |
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持続可能なサプライチェーンの構築 |
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G ガバナンス |
法令に則った適切な事業運営 |
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デジタル活用による価値創出 |
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ステークホルダーとともに目指す企業価値向上 |
環境関係では、当社グループは建材・アルミ形材の製造及び販売を主な事業としていることから、脱炭素と資源循環が社会的ニーズとしても重要であると認識しております。
戦略上の目標としては、まず、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量削減に関するSBT(Science Based Targets)認定における短期目標およびネットゼロ目標を2024年度に取得しております。また、同じく2024年度からGXリーグ(GX:グリーントランスフォーメーション)へ参画し、GX ETS(GHG排出量取引制度)におけるGroup X企業(2021年度Scope1(直接排出量)10万t-CO2e未満)として、GHG排出量削減目標および実績を公開しております。いずれも、当社グループが関わるサプライチェーン全体のGHG排出量削減に向けたコミットメントとして、今後も選ばれる企業グループであり続けるために必要な取り組みであると認識しております。
この目標達成に向けた具体的な取り組みとして、脱炭素関連の商品開発(GHG排出量算定および関連認証取得、断熱・省エネ、創エネ、リサイクル、樹脂または木製組み合わせ等)、アルミリサイクル材・グリーンアルミの積極的利用、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入、燃料転換や先進製造設備の導入、リニューアル事業の拡大等を推進しております。
社会関係では、創業以来90年を超える歴史の中で培ってきた技術力と提案力、そしてグループのシナジーを活かした一貫生産による確かな品質を強みとしていることから、人的資本の活用、エンゲージメント向上やサプライチェーンマネジメントが重要であると認識しております。
そのため、人的資本への投資について、従業員一人ひとりの成長を支援する「働きがいのある会社」と、多様な人材の多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指し、従業員が能力を発揮できる制度・環境の整備を包含する持続的な人材輩出サイクルを構築してまいります。また、従業員がより創造的・戦略的な業務に注力できるように、自動機等の最先端領域の取り込みも推進しております。
ガバナンス関係では、適切な事業運営があらゆる企業活動の基盤であるという認識の下、ステークホルダーの皆様とともに企業価値向上を目指してまいります。また、デジタル活用は今後のリスク対策、業務変革や研究開発等の強化にも不可欠です。
(1)脱炭素(気候変動対応)
分析のプロセス
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討しております。
また、1.5℃~2℃シナリオと、4℃シナリオの二つのシナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施いたしました。
気候変動シナリオ
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シナリオ名 |
想定する世界観 |
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1.5℃~2℃シナリオ (脱炭素シナリオ) |
気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化。移行リスクが大きくなると想定している。 |
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4℃シナリオ (高排出シナリオ) |
気候変動対策は現状から進展しない。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定している。 |
リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定
・リスク
2℃未満シナリオにおいては規制の強化による設備更新やエネルギー転換にかかる費用の増加、4℃シナリオでは自然災害の激甚化による費用の増加リスクが予想されます。
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リスク |
分類 |
ドライバー (要因) |
リスク内容 |
時間軸 |
影響度 |
重要度 |
対応策 |
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移 行 リ ス ク |
法規制 ・政策 |
炭素税等による負担 |
自社排出量に対する排出量取引などのコスト発生 |
中期 |
大 |
大 |
〔Scope1〕 |
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法規制 ・政策 |
再生可能エネルギー価格の高騰 |
エネルギー費用抑制のための設備省エネ化や燃料転換コスト発生 |
中期 |
大 |
大 |
・生産の集約化・効率化 ・エネルギーの有効活用およびそれを可能にする生産・設備の最適化 |
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技術・市場 |
低炭素製品への投資 |
脱炭素関連製品(注)1の需要増加に対応するための開発・設備投資額(注)2増加 |
中期~ 長期 |
中 |
中 |
・脱炭素をテーマとする研究開発の強化 ・新製品への投資に関するグリーンファイナンス活用 ・脱炭素市場動向の調査と製品への反映 |
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物 理 リ ス ク |
急性 |
自然災害の激甚化 |
〔売上被害〕 自然災害(注)3に伴う営業停止による売上減少 〔直接被害〕 事業所の浸水等により被災した施設等の復旧費の発生 |
短期~ 長期 |
大 |
中 |
〔短中期〕 ・排水設備の増設 〔長期〕 ・工場・設備の防災強化 ・リスク分散のための生産協力体制の構築 ・重要な設備や在庫への防水提の設置、床面の上昇 |
・機会
環境配慮型事業の拡大や防災需要の高まりによる売上の増加が予想されます。
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機会 |
分類 |
ドライバー |
機会内容 |
時間軸 |
影響度 |
重要度 |
対応策 |
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機 会 |
資源効率 |
エネルギーの効率的利用 |
燃料使用量削減による運用コストの削減 |
中期 |
中 |
中 |
〔Scope1〕 ・ヒートポンプをはじめとする省エネ設備等の導入 ・廃棄物・廃熱利用の促進 〔Scope2〕 ・再生可能エネルギーへの切り替え拡大(PPA、太陽光発電、グリーン電力証書等) ・省エネ設備等の導入 |
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エネルギー源 |
再生可能エネルギー発電設備の導入 |
太陽光発電や蓄電技術の導入・拡大による、電力や燃料購入コストの削減 |
中期 |
小 |
小 |
・社内炭素価格の導入による省エネ投資の促進 ・設備導入におけるグリーンファイナンス活用 |
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製品及びサービス |
低炭素製品の選好 |
脱炭素関連製品(注)1の需要増加に伴う売上増加 |
短期~ 長期 |
大 |
中 |
・脱炭素をテーマとする研究開発の強化と市場動向の分析 ・新製品への投資額の増加 |
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製品及びサービス |
防災需要の高まり |
防災性能の高い製品需要の増加に伴う売上増加 |
短期~ 長期 |
中 |
中 |
・防災をテーマとする研究開発の強化と市場動向の分析 ・新製品への投資額の増加 |
(注)1.省エネ・高断熱・ZEB対応、リサイクル、CFPなどの認証付与、アルミ・樹脂または木複合等
2.スクラップ専用炉、電気炉も含む
3.台風、高潮や洪水による浸水、自然災害によるサプライチェーン断絶など
・使用シナリオ:〔移行リスク〕 IEA WEO2023 NZE2050
〔物理リスク〕 ・IPCC RCP8.5 ・IPCC AR6 SSP5-8.5
・時間軸 :短期 1年以内、中期 ~2030年、長期 ~2050年
・影響度 :大 影響額3億円以上、中 1億円以上~3億円未満、小 1億円未満
・重要度 :時間軸と影響度を勘案して3段階で総合的に判断
気候変動に関するリスク・機会への対応策に関する実績
・全体像
気候変動に関するリスクおよび機会への対応の全体像として、2024年度に「不二サッシグループ 脱炭素ロードマップ」をトランジション戦略も兼ねて策定し運用しております。長期的思考が必要となる、設備の低炭素化、太陽光発電量の拡大や低炭素アルミ製品の強化から取り組みを始め、社会課題対応を推進力として価値創造を進めております。
以下、 主な取り組みの進捗および実績を説明いたします。
・Scope1,2の削減
生産拠点の省エネ施策として、将来的なインターナルカーボンプライシングの活用の準備段階として、年間の設備更新計画の事前評価にGHG排出量削減を組み込んでおります。計画上の削減量あたりの投資額に関する基準を設けることによって、排出量削減に資する計画は評価が向上し、また、インターナルカーボンプライシングの設定の参考といたします。
さらに、当社グループの排出量削減において重要な生産設備を所有する拠点の設備投資については、サステナビリティ推進部会も共同で計画を評価しており、その方針に沿った設備更新を順次実施しております。低炭素化する設備の順序を検討する際には、GHG排出量分析を参考としており、各種の補助金活用も考慮して取り組んでおります。
なお、これらの設備投資計画の評価に基づき、SBT認定目標およびGX ETSに対するリスクヘッジとして、カーボンクレジットの調達も段階的に実施しております。
・再生可能エネルギー発電設備の導入(Scope2の削減)
当社グループ全体として、主に生産拠点の建屋屋上を利用した太陽光発電システムの導入を進めております。
既に稼働している千葉事業所第一発電所・第二発電所、関西不二サッシ発電所に加え、2024年度には不二ライトメタル本社および不二サッシフィリピン社で新規稼働を開始し、2025年度には千葉事業所への増設および日海不二サッシへの新規導入を実施いたしました(注:日海不二サッシでの発電開始は2026年度)。
この他にも、不二ライトメタル本社工場では非化石証書付き電力契約を締結しており、今後もさらなる再生可能エネルギーの導入を計画しております。
・脱炭素関連製品の強化
現在、建築物のライフサイクルカーボン(Lifecycle Carbon : LCCO2)算定・評価の動きが行政および建築業界で活発化しております。建築物のLCCO2算定・評価制度に向けた製品カーボンフットプリント(CFP)のデータ整備は、当社グループの事業に大きく影響する重要課題の一つであると認識しております。
建築物LCCO2のうち、居住などの使用時におけるオペレーショナルカーボンに関しては、当社グループは多種多様な断熱サッシを製造・販売しており、その中には既存の窓を変更することなく簡易に断熱性を高めたいというニーズに応える樹脂内窓も含まれております。また、さらなる建築物の省エネ基準の引き上げを見据えた研究開発にも着実に取り組んでおります。
建築物LCCO2のうち、使用時を除くエンボディードカーボンに関する対応しては、LCA(ライフサイクルアセスメント)における「Cradle to Gate」(原材料調達から生産まで)の考え方に基づく低炭素アルミ建材「Reサッシ R100」(読み:りさっし あーるひゃく)および「Reサッシ グリーン」(読み:りさっし ぐりーん)を2025年度より展開しております。
製造上の主な特徴として、「Reサッシ R100」は原材料アルミリサイクル率100%、「Reサッシ グリーン」は再生可能エネルギー電力使用です。いずれも千葉事業所で製造する建材用アルミ形材であり、従来品のアルミリサイクル率70%形材から製造切り替えを行いました。また、低炭素建材普及の必要性を考慮して、展開は全製品対応とし(一部例外あり)、価格に関しても「Reサッシ R100」は従来品同価格を実現しております。
さらに、2025年度においては、千葉事業所における製造切り替え前の従来品(アルミリサイクル率70%)に加え、切り替え後の「Reサッシ R100」および「Reサッシ グリーン」について、LCAに関する第三者認証である「SuMPO EPD」への登録を果たしました(EPD = Environmental Product Declaration:製品環境宣言)。引き続き、建築物のLCCO2算定・評価制度に向けて製品毎のCFP算定を進めております。
これらの取り組みは、GHG排出量削減において大きく2つの効果があります。1つは、当社グループのGHG排出量削減の活用であります。アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれるほどエネルギー負荷の高い素材ですが、「Reサッシ R100」ではアルミリサイクル材を使用することにより(アルミリサイクル率100%)、また「Reサッシ グリーン」ではライフサイクル中最も電力を消費する製錬電解工程で再生可能エネルギー電力を使用することにより、調達する原材料に係る排出量を大幅に削減できます。当社グループのScope3削減に加えて、この削減を反映した数値を製品単位でも確認することが可能となります。Scope1、2の削減も同様に反映されます。もう1つは、販売先にとってのScope3の削減であります。LCCO2が算定されている製品を使用することによって、当社グループの排出量削減が反映された、より低炭素な製品を調達することが可能となります。
さらに、「Reサッシ R100」「Reサッシ グリーン」はいずれもサッシ等の最終製品の構成部材であるため、断熱サッシやアルミ・樹脂または木複合製品へ適用することでより効果の高い低炭素建材となります。2025年度には新たに、顧客企業グループとアルミクラッド木製サッシの共同開発にも着手いたしました。
Reサッシ R100、Reサッシ グリーンの主な特徴
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製品名 |
Reサッシ R100 |
※従来品 |
※一般新地金使用 |
Reサッシ グリーン |
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低炭素化方法 |
リサイクル100% |
リサイクル70% |
- |
再エネ電力 |
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形材1㎏当たりの 排出量 [kg-CO2e] |
2.9 |
7.8 |
15 |
7.5 |
|
排出量削減率 |
81% |
48% |
比較基準(0%) |
50% |
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SuMPO EPD |
取得 |
取得 |
- |
取得 |
・資源循環型ビジネスモデルの構築
建築業界および金属製品業界においては、循環経済(サーキュラーエコノミー)も喫緊の課題です。具体的には、再生材の受容性向上や再資源化ネットワーク形成等が挙げられております。
前記の通り、「Reサッシ R100」は原材料アルミリサイクル率100%の低炭素アルミ建材です。アルミサッシは解体後の回収材(スクラップ)を再溶解すれば同じ品質のアルミサッシを再生産することができるため、その点でアルミリサイクル材の積極的利用はサーキュラーエコノミーの実現にも資する取り組みとなっております。
2025年度には、実証兼商業化の第一弾として、当社グループの顧客企業が請け負う解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別回収して、アルミサッシに再生し、再び顧客企業の建設現場で利用するまでのトレーサビリティを明確にした水平リサイクル(建設廃棄物を元の建設資材に再生)を実施いたしました。
今後も同様の取り組みを展開しながら、協業先の多様化や、アルミサッシと同時のガラス等の水平リサイクルも推進してまいります。他にも、当社グループとして太陽光パネルの循環型リサイクルスキームに参画しております。
ただし、アルミサッシ由来のリサイクル材は建物の解体を起点として市場へ供給される材料であるため、それだけに頼ることは、受注から完成までのサイクルが長くなる傾向にある建築業に対して調達の安定性を損なうというリスクもあります。そのため当社グループでは、再生可能エネルギーで製錬された低炭素な原材料であるグリーンアルミの調達にも戦略的に取り組み、製品採用にも繋げております。
・自然災害への対策
大雨等への対応策の第一段階として、当社グループの各生産拠点が実施している浸水等への備えを取りまとめており、今後は有用な施策を横展開するなどグループ全体のBCPを高めてまいります。
・防災をテーマとする研究開発の強化
地震発生後すぐに建物の損傷度合いを把握し、安全性を判断する仕組みとして、建物の変形度合いを測るセンサとLEDを組み込んだ「LED光センサアラートシステム」付きカーテンウォールを開発・検証しております。これまでは、産学連携により実験施設における非構造部材や設備機器などの損傷状況を把握する実験を実施し、迅速な被害判定システムの開発に取り組んでまいりました。2024年度より実建物(小学校)における瞬時損傷判定技術の実証実験を開始し、さらに2025年度には当小学校において実証実験に関する出前授業を行う等、より実践的な教育の機会提供にも貢献しております。
(2)生物多様性
分析プロセス
TNFD提言に基づき、自然関連課題の把握と評価のためにLEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)を用いた分析を実施しました。2025年3月期の有価証券報告書(※1)ではLEAPアプローチの“LE”までの開示を行いました。今期の有価証券報告書では、残る“AP”に当たる内容を開示いたしますので、“LE”の詳細な内容については2025年3月期の有価証券報告書をご参照ください。
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直接操業 |
上流工程 |
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調査対象 |
アルミニウム製サッシ・ドア製造業 アルミニウム・同合金圧延業 |
アルミニウム原材料のボーキサイ |
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調査・分析する場所 |
上記事業に関係する当社グループ |
ボーキサイト鉱山の採掘段階 |
※1)2025年3月期 有価証券報告書p19~p21:
URL(https://www.fujisash.co.jp/hp/company/ir/irdata/fcrepo/5940fcr250624.pdf)
自然資本への依存・影響項目の把握(Locate, Evaluate)
まず、ENCOREを活用して事業活動における自然資本への依存・影響項目を整理し、特に原材料調達段階において多くの自然資本との高い関連性が確認されました。加えて、IBATやAqueduct等を用いて、保護地域や水ストレス地域などの要注意地域を特定し、直接操業拠点における自然保護区域との関係性や、主要な原材料調達国における自然関連リスクを把握いたしました。
全体として、調達段階を中心に自然との関係性が強いことが再確認され、直接操業においては一部拠点の自然保護区域該当などの情報が得られ、事前の想定と大きく乖離しない結果となりました。
リスク・機会のシナリオ分析(Assess)
リスクおよび機会の評価にあたっては、WWFのRisk Filter Suiteによる地域別リスク評価指数を参考にし、依存・影響の重要性、資源のインプット・アウトプット量、活動量等を総合的に勘案しました。また、TNFDのシナリオ分析ガイダンスに基づき、「生態系サービスの劣化速度」と「ネイチャーポジティブ推進に伴う規制強化」の2軸から将来シナリオを設定し、主要拠点や調達地域における物理的リスクおよび移行リスクを分析いたしました。
リスク・機会の重要度評価(Assess, Prepare)
リスク・機会の重要度評価では、シナリオ分析を踏まえて、縦軸を「深刻度」、横軸を「発生可能性」としたマッピングを行い、閾値を設定した上で各項目をスコアリングいたしました。社会・環境への影響は「影響」、財務的影響を伴うものは「リスク」または「機会」とし、それぞれの対応方針を整理しています。その重要度評価にて「大」と評価したものを以下に示しております。
分析の総括
分析の結果、アルミサッシ製造に必要なボーキサイト資源の主要調達先において、水ストレスの高い地域や保護地域、生物多様性の豊かな地域、先住民族との共存が求められる地域との関係性が示唆されました。一方で、相対的にリスクの低い地域も確認され、地域ごとに異なる特性があることが明らかとなりました。
これらを踏まえ、対応策として、資源循環製品や低炭素製品の開発、トレーサビリティの確保、サプライヤーとの対話強化、情報収集の継続、サプライチェーンの分散化等を推進しています。加えて、千葉県の絶滅危惧種保全活動であるヒメコマツ回復計画への参画や、二酸化炭素を固定できる木材を利用したアルミクラッドサッシの開発など、環境配慮型製品の拡充・新製品開発を通じたネイチャーポジティブへの貢献にも取り組んでいます。今後は、分析結果を踏まえた全社的な情報共有体制の構築と戦略策定を進めるとともに、自治体や外部組織を含む多様なステークホルダーとの連携を強化し、自然資本課題への対応を深化させてまいります。
(3)人的資本
当社では企業発展の原動力は優秀な社員であるとの認識に立ち、経営理念・経営方針に則り、仕事に対する生きがいをもった創造的な従業員の育成を図ることを基本的な考え方としております。
変化の激しい経営環境において、従業員一人一人が自律的にキャリアを形成し、その創造性を最大限に発揮できるよう、先ずは本社における人事制度改革に取り組んでおります。
「頑張った者に処遇で報いる」ことを目的として、年功的賃金体系を是正し、全体の賃上げを行いつつジョブ型人事の考え方も盛り込んだ新たな賃金制度を導入し、昇進・昇格制度の明確化に向けた公平公正な評価制度に基づく運用を開始いたしました。「頑張った者」の反対語は「現状維持」です。現状維持から脱却し、一つ上の付加価値を身に付けていくことで個人の市場価値が高まるだけでなく、会社の競争力も飛躍的に向上いたします。新人事制度は、受け身の姿勢を捨て自らが考え行動する「付加価値の高い人材」へと進化してくれることを期待し、従業員の挑戦を全力で後押ししてまいります。
女性活躍推進に向けては、「女性管理職へのハードル、女性管理職だからできること、将来のキャリアパス」等をテーマに、女性社外取締役による座談会を開催する等、その啓蒙活動に努めております。
さらに、従業員の声に耳を傾ける取り組みとして、役員によるタウンミーティング、定期的なエンゲージメントサーベイ等を通じ、従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることで人事制度改革の効果を最大限発揮させ、その結果として当社グループのさらなる成長に繋げてまいります。
(4)人権
当社グループは、事業活動における人権尊重の責任を果たすための対応策の一環として、サステナブルな社会実現に向けた「不二サッシグループ人権方針」を2022年度に策定しております。グループ社員全体への人権課題意識の浸透および、販売先・調達先を中心としたビジネスパートナーとの関係においても人権を尊重した事業活動の促進を進めております。
また、人権リスクの把握及び防止・軽減のため、人権デューデリジェンスのプロセスに基づいた取り組みを推進してまいります。2022年度より、当社サプライヤーに向けたアンケートにおいて人権デューデリジェンスの認識・取り組み状況をヒアリングし、その結果に合わせた情報提供などを実施してまいりました。2025年度には、より実効的な状況把握のためにアンケートの配布先拡大や配布先に応じた内容の調整に着手いたしました。
今後は、人権課題に取り組む社内ワーキンググループの設置を行い、人権リスクへの対応を進めてまいります。その初期段階として、不二サッシグループのビジネスにおいて重要な原材料であるボーキサイトの鉱山について、周辺地域のリスク等の調査にも取り組んでおります。調査の詳細は前記(2)生物多様性において記載しておりますが、当社グループは一次サプライヤーを介してアルミ新地金を調達しており、それらのサプライヤーが人権も含む様々な情報を勘案するため採掘段階の鉱山は各社時期などで変動することが把握できております。現時点では、それらの中で主要と推測できる鉱山を調査対象とし、先住民族も含む周辺地域のリスク把握に努めております。
3.リスク管理
当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と認識し、原則として当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があるものを重要なリスクと考え、気候変動、サプライチェーン、人権等のサステナビリティに係る規制動向等のリスクと機会に関する情報収集を随時行っており、それらの情報を踏まえてリスク及び機会を検討しております。
また、中期経営計画等に基づく各々のマテリアリティに関する重要業績評価指標(KPI)と中長期の目標を設定しております。特にリスクについては、その内容に応じた各所管管理部署が経営レベルへ定期的な報告を実施しております。2026年の中東情勢のような重大リスクに対しては緊急対策委員会を立ち上げ対応に当たっておりますが、今後は、サステナビリティに関するリスクを一元的に管理し、対応する委員会の設置等も検討してまいります。
(1)特定・評価プロセス
サステナビリティに関するリスクの特定は、サステナビリティ推進室およびサステナビリティ推進部会によって実施しております。特定されたリスクは、サステナビリティ委員会で審議と定量化の評価と対応策の実施難易度に応じて優先順位の評価がつけられ、対応に向けた戦略方針の策定を行うことでリスクを管理しております。
(2)管理監督プロセス
サステナビリティ委員会にて策定した対応策は四半期に一度取締役会に報告・監督され、各事業部に展開されます。対応策の内容により、サステナビリティ推進部会で実施方法を議論し、サステナビリティ推進室が経営会議等を通じてさらに詳細な指示を事業部へ行っております。
(3)全社統合プロセス
各事業部およびグループ会社から抽出されたサステナビリティ関連以外の全社的なリスクもサステナビリティ委員会が評価し、取締役会へ報告しております。今後全社的なリスク管理を行う組織の設立は、別途取締役会および経営会議等で検討いたします。
なお、このリスク管理の内容は、ガバナンスに関する事項と同様にサステナビリティ全般に関する説明であり、気候変動関連、生物多様性関連、人的資本および多様性、人権についても包含するものであります。
サステナビリティに関するリスクについては、第2.事業の状況3.事業等のリスクを併せてご参照ください。
4.指標及び目標
サステナビリティに関する指標(KPI)及び目標は、サステナビリティビジョン2050及びマテリアリティの区分に則り設定しております。設定プロセスとしては、サステナビリティ推進室およびサステナビリティ推進部会によって立案され、サステナビリティ委員会における審議を経ております。なお、指標(KPI)及び目標については毎年見直しを行い、必要に応じてマテリアリティも再検討してまいります。
マテリアリティおよびKPI
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マテリアリティ |
KPI |
目標(設定年度) |
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環境 E |
カーボンニュートラルなものづくり |
Scope1+2:2021年度比削減率 |
42%(2030) |
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脱炭素建材の開発・普及 |
低炭素アルミ素材を全般的に適用する建材事業の営業利益率 |
5.4%(2027) |
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改修向け断熱性能 |
熱貫流率1.9 商品拡充(2030) |
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資源循環型ビジネスモデルの構築 |
解体建材の水平リサイクル引き合い増加率(2025年度比) |
10倍(2027) |
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社会 S |
社員一人一人の力を引き出す組織づくり |
エンゲージメント総合スコアの改善 |
毎年改善(2030) |
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労働災害強度率 |
ゼロ(2026~) |
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次世代育成と技能継承 |
人的資本投資額の増加 |
毎年増加(2030) |
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自動化・省人化による作業工数削減効果 |
3千万円以上/年(2030) |
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持続可能なサプライチェーンの構築 |
Scope3:2021年度比削減率 |
30%(2030) |
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ガバナンス G |
法令に則った適切な事業運営 |
重大法令違反ゼロ目標 |
ゼロ(2026~) |
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デジタル活用による価値創出 |
3D・デジタルを活用した開発業務の変革 |
効果検証実施(2027) |
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ステークホルダーとともに目指す企業価値向上 |
主要業績目標の達成率: 営業利益、配当 |
営業利益:33億円以上(2027) 配当:30円以上/株(2027) |
(注)1.熱貫流率 :窓等を通過する熱量を表す指標です。数値が小さいほど断熱性能が高くなります。
2.引き合い :お客様からの案件に関する具体的問合せ
3.強度率 :1,000延べ実労働時間当たりの労働損失日数をもって、災害の重さの程度を表す指標
4.工数削減 :本表では、自動化ライン・設備における工数削減(労務費換算)の和を表します。
(1)脱炭素(気候変動対応)
当社グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコルの基準に基づき2023年度の温室効果ガス排出量の算定を実施いたしました。温室効果ガス排出量の削減目標は、2021年度比2030年度までにScope1+2を42%削減、Scope3はカテゴリ1、4、11を対象に30%削減を目指しております。長期目標として2050年度までにネットゼロを目指します。
なお、この温室効果ガス排出量の削減目標は、SBTiの審査を受け認定されたものです。SBTi認定水準の排出量削減目標を設定していることや関係する取り組みおよび実績が金融機関に評価されることによる融資契約の締結等、財務面の機会獲得にも繋がっております。
目標期間における進捗としては、2024年度はScope1+2(内、特にScope1)について削減ペースが落ちたもののScope3は継続して順調に削減を進めました(Scope1+2:ベンチマーク14%に対して11%削減となり3%遅延、Scope3:同様に10%に対して20%削減となり10%先行)。2025年度はScope1+2およびScope3ともに順調な削減ペースへと持ち直しております(Scope1+2:ベンチマーク19%に対して29%削減となり11%先行、Scope3:同様に13%に対し24%削減となり8%先行)。Scope1+2において削減が進んだ主な理由は、2025年度より不二ライトメタル本社工場の購入電力を再生可能エネルギー電力メニューに変更し、電力の排出係数が大きく改善したためです。他に、燃料転換をはじめとする省エネ化を進めた成果も出ており、仮に上記電力メニュー変更が無かったとしても前年度より削減は進行しております。また、Scope3の削減理由としては、2025年度よりリサイクルアルミ率100%の低炭素建材「Reサッシ R100」を展開した取り組みが象徴するように、リサイクルアルミの調達割合を高めたことが挙げられます。
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Scope1+2 |
Scope3 |
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2021年度実績(基準年) |
77,726 t-CO2e |
830,411 t-CO2e |
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2024年度実績 |
69,066 t-CO2e |
665,800 t-CO2e |
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2025年度実績 |
54,842 t-CO2e (29%削減) |
633,172 t-CO2e (24%削減) |
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2030年度目標 基準年:2021年度 |
42%削減 ▲32,645 t-CO2e |
30%削減 ▲240,349 t-CO2e |
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2050年度目標 |
ネットゼロ達成 |
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(注)1.当社グループSBTにおいては、海外グループ会社を目標の対象から除外しております。
2.当社グループSBTにおけるScope3の2030年度目標の削減対象はカテゴリ1、カテゴリ4、カテゴリ11です。
また、当社グループの脱炭素施策において重要なアルミリサイクル率の目標も設定しております。対象は建材事業、アルミリサイクル率の定義は日本サッシ協会に準拠しており、2050年度までにアルミリサイクル率100%を目指しております。これに対する千葉事業所の2024年度実績は約70%でしたが、製造切り替えにより2025年度に90%を超えました。引き続き、グループ全体でのアルミリサイクル率向上に努めてまいります。
(2)生物多様性
指標と目標
TNFDガイダンスにて開示が要求される項目での、LEAPアプローチによる分析結果を踏まえた自然関連課題の管理指標について現時点で把握可能であった開示指標について以下にお示しいたします。
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MetricNo. |
C1.0 |
C2.0 |
C2.1 |
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C2.2 |
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自然変化要因 |
総面積 |
土壌に放出された汚染物質量 |
合計排水量 |
排水に含まれる 汚染物質濃度 |
総廃棄物量 |
有害廃棄物量 |
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指標 |
不動産明細 土地面積 |
PRTR法対象 化学物質 |
水域への放出 |
PRTR法対象 化学物質 |
産業廃棄物, 一般廃棄物, 有価物 |
特別管理産業廃棄物 |
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単位 |
km2 |
トン |
トン |
トン |
トン |
トン |
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合計 |
641 |
0 |
2,195,143 |
5.1 |
13,363 |
13 |
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MetricNo. |
C2.2 |
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C3.0 |
C3.1 |
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自然変化要因 |
非有害 廃棄物量 |
埋め立て処理量 |
リサイクル量 |
合計取水量 |
高リスク コモディティの 合計調達量 |
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指標 |
総量 -有害量 |
総量 -リサイクル量 |
産業廃棄物, 一般廃棄物, 有価物 |
上水・工水・ 地下水 |
アルミニウム 新地金・ビレット |
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|
単位 |
トン |
トン |
トン |
トン |
トン |
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合計 |
13,350 |
426 |
12,937 |
2,195,143 |
31,497 |
|||||
目標設定においては、当社のサステナビリティ経営に関する方針である「サステナビリティビジョン2050」に則り、気候変動課題と生物多様性のトレードオフや相乗効果に対しても考慮しながら現在検討を進めているところであります。
(3)人的資本
当社グループは、女性活躍推進の観点より、2024年6月に女性社外取締役を招聘し、採用者に占める女性割合を30%以上とする目標に向け採用活動を行っております。当連結会計年度は、目標は未達となりましたが、引き続き30%以上を目標に採用活動を行ってまいります。
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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採用者に占める女性割合 |
30.2% |
21.5% |
国際人材の登用ではフィリピン現法におけるデジタル基準図が作成可能な設計職の養成、職人不足への対応として、カンボジア及びラオスからの定期的な技能実習生の採用を継続しております。
併せて、中長期的目線での施工技能者養成を目的として、2025年4月に設立した「不二サッシS・C株式会社」による高卒人財採用にも注力しております。
(4)人権
人権に関する指標及び目標の設定に向けた準備の一環で、2022年度より、当社サプライヤーに向けたアンケートにおいて人権デューデリジェンスの認識・取り組み状況をヒアリングし、回答状況を集計しております。
今後は、人権に関する調査・分析結果を実情に合わせて整理し開示を検討してまいります。そのために、2025年度にはアンケートの配布先拡大や配布先に応じた内容の調整に着手いたしました。