2024年7月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,364 100.0 1,061 100.0 44.9

事業内容

3【事業の内容】

当社は、インターネット上にて、不動産投資のポータルサイト「楽待」(以下、「当社サイト」という)を運営しております。

不動産ポータルサイトは、不動産の利用目的によって、「賃貸用不動産」、「住宅用不動産」、「投資用不動産」の大きく3つに区分されますが、当社は「投資用不動産」に特化したポータルサイトを運営しております。

「投資用不動産」とは、自身が居住するのではなく、第三者に賃貸することにより、家賃収入を得る目的で投資される不動産の総称であります。当社サイトは、主として個人の不動産投資家層を対象とした、マンション(区分及び一棟所有)、アパート(一棟所有)及び戸建住宅等の収益不動産にかかる物件情報等を提供しております。

当社事業は、投資用不動産の物件情報、リフォーム会社情報等(以下、投資用不動産関連情報)を希望する会員と不動産会社及びリフォーム会社等(以下、不動産会社等)のマッチング機能を提供するサービスであります。当社サイトは誰でも利用可能となっておりますが、当社サイトにて会員登録を行った利用者には、毎日メールマガジン等を通じた投資用不動産関連情報や不動産投資に関する情報を提供しております。

メールマガジン等では、当社制作の特集コラムに加えて現役の不動産投資家による成功体験や失敗体験が綴られた実践大家コラムや、不動産投資に関するニュースを配信しております。

会員登録は無料で行うことができ、会員登録後、有料で楽待プレミアムサービスを利用することもできます。

一方、顧客である不動産会社等に対しては、当社サイトを通じた見込客獲得及び販売促進等のための効率的なツール・サービスを提供しており、これらが当社の主たる収益となっております。当社の収益源である主たるサービスは以下のとおりであります。なお、当社の報告セグメントは不動産投資ポータルサイト事業の単一セグメントであります。

 

 ① 物件掲載サービス

当サービスは、不動産会社が当社サイトに売却を希望する物件情報(仲介含む)を掲載し、不動産投資家からの問合せ(反響)獲得を支援するサービスであります。

会員は、当社サイトにて購入希望物件を検索し、不動産会社に直接問合わせすることが可能であり、対象物件の選定に際しては、都道府県、物件種別、価格の下限・上限、表面利回り等から検索できる他、住所、沿線(駅)、フリーワードからも検索可能としております。(一部物件は、非会員でも利用可能であります。)当社は、不動産会社より掲載物件数に応じた掲載料(月額)を受領しております。

 

 ② 提案サービス

当サービスは、会員が予め登録した購入希望物件の情報(購入価額、表面利回り、建物構造、築年月等)に基づき、不動産会社が購入希望を有する特定の会員に当社サイト経由でメールにて不動産物件の紹介(提案)を行うことが出来るサービスであります。

会員は希望条件を登録するのみで、自分が希望する物件(非公開物件を含む)の紹介を受けられる一方で、不動産会社は、会員の購入意欲が可視化された情報として提供されるとともに、会員の回答状況一覧を確認することができるため、対象を絞った効率的な販促活動が可能となります。会員は本人証明書や収入証明書を提出することにより、不動産会社への信頼度が高まり、より多くの提案を受ける可能性が高まります。

当社は、不動産会社より提案数等に応じたサービス対価(月額)を受領しております。

 

 ③ 広告掲載サービス

当サービスは、当社サイト上のバナー広告やメールマガジン広告等の広告枠やセミナー案内を、不動産会社や不動産管理会社、金融機関等に対して直接販売し、広告収入を獲得しております。

 

④ 査定・一括見積サービス

査定サービスは、保有不動産物件の売却を希望する会員が、不動産会社に査定を依頼できるサービスであります。不動産会社は、査定を通じて依頼者である会員から買取物件情報の入手や媒介契約の獲得が期待できるものであり、当社は不動産会社より査定依頼件数に応じたサービス対価を受領しております。

一括見積サービスは、リフォーム会社等へ業務委託を希望する会員が、見積依頼できるサービスであります。

リフォーム会社等は、見積依頼を通じて依頼者である会員から業務委託契約の獲得が期待できるものであり、当社はリフォーム会社等より見積依頼件数に応じたサービス対価を受領しております。

 

 ⑤ 各種初期設定料

   各サービスの初期設定料が含まれております。

 

 

 ⑥ 楽待プレミアムサービス

当サービスは、楽待会員が有料で専門的で役に立つ記事・動画及び楽待上での便利な機能を無制限に閲覧・利用ができるサービスであります。楽待プレミアムでない楽待会員は、上記のサービスを利用できますが、回数が制限されております。楽待プレミアムにお申込みいただいた会員の方のみ無制限での利用ができ、当社は定額の料金を受領しております。

 

 

[事業系統図]

当社サービスにかかる事業系統図は以下のとおりであります。

 

〔不動産投資のポータルサイト「楽待」のサイト利用に関する指標等の推移〕

 

期末登録会員数

期末物件掲載数※1

PV数※2

2020年7月期 (第15期)

210,646名

53,725件

10,843万PV

2021年7月期(第16期)

263,907名

50,825件

13,705万PV

2022年7月期(第17期)

312,261名

51,542件

13,859万PV

2023年7月期(第18期)

358,084名

59,696件

13,855万PV

2024年7月期(第19期)

407,881名

71,083件

14,892万PV

 ※1 期末日において、各不動産会社が掲載する物件数の合計であり、複数事業者における同一物件の重複掲載を含んでおります。

 ※2 PV数(ページビュー数)は、閲覧されたウェブページの年間総数であります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス5類への移行後、人流とインバウンドの活発化による経済正常化が進む中、ゆるやかな回復がみられました。しかしながら、資源・エネルギー価格の高騰などによる物価高、長引くウクライナやイスラエルの情勢不安等、多くの懸念材料により依然として先行き不透明な状況が続いております。

 一方で、当社の事業に関連するインターネット広告の市場規模につきましては、2023年(1月~12月)の市場規模は前年比7.8%増と拡大しております。(注)

 このような環境の下、当社は「公正な不動産投資市場を創造する」をビジョンとして、不動産投資ポータルサイト「楽待」を運営してまいりました。

 「楽待」では、有料会員サービス「楽待プレミアム」において不動産投資に関する質の高い記事及び動画を継続して発信し、不動産投資家への有益なコンテンツの提供を充実させ会員数の増加を図っております。また、高度なAIテクノロジーであるChatGPTを活用し、不動産会社が利用しやすい機能をリリースするなど営業強化における施策も行ってまいりました。さらに「不動産投資の楽待公式アプリ」の質を高めていくことで「楽待」の利用価値を向上させていると考えております。

 これらの結果、当事業年度の営業収益は2,364,276千円(前期比13.0%増)となり、営業利益は1,060,857千円(前期比5.7%減)、経常利益は1,181,853千円(前期比5.0%増)、当期純利益は808,040千円(前期比6.3%増)となっております。また、当事業年度のページビュー(PV)数は148,920千PV(前期比7.4%増)、「楽待」ウェブサイト会員数は407千人(前期比13.9%増)、物件掲載数は71千件(前期比19.0%増)となっております。

 

(注)出典 株式会社電通「2023年 日本の広告費」

 

当社は不動産投資ポータルサイト事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

(営業収益)

当事業年度の営業収益は2,364,276千円となり、前事業年度に比べ271,186千円増加しました。これは主に楽待プレミアムの登録者増加並びに物件掲載サービス及び広告掲載サービスが増加したこと等によるものであります。

 

(営業利益)

当事業年度の営業費用は1,303,418千円となり、前事業年度に比べ335,721千円増加しました。これは主に業務委託費及び広告宣伝費が増加したこと等によるものであります。この結果、営業利益は1,060,857千円となりました。

 

(経常利益)

当事業年度の営業外収益は120,996千円となり、前事業年度に比べ120,025千円増加しました。これは主に有価証券利息及び為替差益が増加したこと等によるものであります。この結果、経常利益は1,181,853千円となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度において、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は373,813千円となり、これらの結果、当期純利益は808,040千円となりました。

 

② 財政状況

(資産)

当事業年度末の資産合計は、6,158,639千円となり、前事業年度末と比較して746,265千円の増加となりました。これは主に現金及び預金が3,584,953千円減少したこと、及び売掛金が60,149千円、投資有価証券が4,165,473千円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

当事業年度末の負債合計は、505,880千円となり、前事業年度末と比較して7,087千円の増加となりました。これは主に未払金が44,254千円、前受金が35,463千円増加したこと、及び未払法人税等が57,273千円減少したこと等によるものです。

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は、5,652,759千円となり、前事業年度末と比較して739,178千円の増加となりました。これは繰越利益剰余金が656,626千円、その他有価証券評価差額金が78,484千円増加したこと等によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,221,431千円となり、前事業年度末と比較して3,558,737千円の減少となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は、663,808千円となりました。これは主に、税引前当期純利益1,181,853千円を計上した一方で、法人税等の支払額432,681千円が生じたこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって使用した資金は、4,092,267千円となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出4,048,848千円が生じたこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用した資金は、150,111千円となりました。これは配当金の支払額150,111千円が生じたことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

A.生産実績

 該当事項はありません。

 

 

B.受注実績

 該当事項はありません。

 

 

C.販売実績

 当社の販売実績は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

  ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

A.当社の経営成績について

当社の当事業年度の経営成績等は、営業収益が2,364,276千円、営業利益が1,060,857千円、経常利益が1,181,853千円、当期純利益が808,040千円となりました。この主な要因として、営業収益の楽待プレミアムの登録者増加、物件掲載サービス及び広告掲載サービスの増加、並びに人件費の増加があげられます。

 

B.当社の資本の財源及び資金の流動性について

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業費用に用いる運転資金は自己資金を基本としており、当事業年度末における金融機関からの借入金はありません。