2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

精密加工事業部 機械事業部
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
精密加工事業部 8,227 69.3 829 135.6 10.1
機械事業部 3,639 30.7 -218 -35.6 -6.0

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び非連結子会社1社により構成されており、精密加工事業部(主な製品名 小口径銃弾、精密金属加工品)及び機械事業部(主な製品名 プレス機械、ばね機械、自動機・専用機)で事業を営んでおります。また、当社グループが営んでいる主な事業内容と、関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

(精密加工事業部及び機械事業部)

 当社は、各種精密金属加工品及びプレス機械を製造販売しております。この製品の一部について、株式会社アステックス(非連結子会社)に金型の製造及び業務の委託をしております。

 

 以上述べた事項を図によって示すと次のとおりであります。

  

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、ウクライナ及び中東地域をめぐる情勢や金利・為替の変動の影響に加え、アメリカの関税政策をはじめとする政策動向など、一層不透明感が高まる状況で推移いたしました。

このような状況のもと当社におきましては、小口径銃弾、精密金属加工品の売上は増加しましたがプレス機械等の売上が減少したため、売上高は117億6千8百万円と前期比10.5%の減少となり、利益面につきましては、誠に遺憾ながら、営業損失1億2千1百万円(前期は4千4百万円の営業損失)、経常損失3千5百万円(前期は0百万円の経常利益)となりました。当期純利益につきましては、投資有価証券売却益を特別利益に計上した結果2億8千7百万円と前期比151.4%の増加となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

〔精密加工事業部〕

 精密加工事業部における当事業年度の売上高は、82億2千7百万円と前期比18.6%の増加となり、その内容は以下のとおりです。

a.精密金属加工品

 当事業年度の売上高は、主に自動車関連部品等が減少したものの水晶振動子関連部品等が増加したことから、38億5千1百万円と前期比3.4%の増加となりました。

b.小口径銃弾

 当事業年度の売上高は、政府の予算執行を受け、43億7千5百万円と前期比36.2%の増加となりました。

〔機械事業部〕

 機械事業部における当事業年度の売上高は、35億4千1百万円と前期比42.9%の減少となり、その主な内容は以下のとおりです。

a.プレス機械

 当事業年度の売上高は、電気自動車(EV)向け電池缶製造用プレスの売上減により、25億9千9百万円と前期比47.8%の減少となりました。

b.ばね機械

 当事業年度の売上高は、大型機種の売上が少なかったこともあり、5億9千9百万円と前期比4.1%の減少となりました。

c.自動機・専用機

 当事業年度の売上高は、リードタイムの長い機種が多く出荷が減少したため、3億2千4百万円と前期比2.2%の減少となりました。

 

 財政状態は次のとおりであります。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は116億2千万円(前事業年度末は121億4千1百万円)となり、5億2千1百万円減少いたしました。これは主に、仕掛品が7億5百万円増加したものの、電子記録債権が5億3千4百万円、売掛金が4億2千3百万円、受取手形が1億8千5百万円それぞれ減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は83億9千2百万円(前事業年度末は85億3千6百万円)となり、1億4千3百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が1億4千9百万円増加したものの、投資有価証券が2億3千3百万円、機械及び装置が1億2千6百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は200億1千2百万円(前事業年度末は206億7千8百万円)となり、6億6千5百万円減少いたしました。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は47億6千8百万円(前事業年度末は53億6千4百万円)となり、5億9千6百万円減少いたしました。これは主に、電子記録債務が4億3千8百万円減少したことによるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は10億7千4百万円(前事業年度末は11億4千万円)となり、6千6百万円減少いたしました。これは主に、退職給付引当金が7千7百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は58億4千2百万円(前事業年度末は65億4百万円)となり、6億6千2百万円減少いたしました。

(純資産の部)

 当事業年度末における純資産合計は141億7千万円(前事業年度末は141億7千3百万円)となり、2百万円減少いたしました。これは主に、繰越利益剰余金が1億1千3百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が1億1千5百万円減少したことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1億2千6百万円減少し、当事業年度末には38億5千8百万円となりました。

 当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動による資金の増加は6億1千4百万円(前年同期比69.8%増)となりました。これは主に、棚卸資産の増加により7億4千9百万円減少したこと及び投資有価証券売却益を4億3千6百万円計上したものの、売上債権の減少により11億4千2百万円増加したこと及び減価償却費を7億4千5百万円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動による資金の減少は5億5千9百万円(前年同期比16.7%減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却により5億2千7百万円増加したものの、有形固定資産の取得により9億1千1百万円支出したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は1億8千1百万円(前年同期は2億1千8百万円の増加)となりました。これは主に、配当金で1億7千3百万円支出したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工事業部(千円)

8,192,488

119.1

機械事業部(千円)

3,584,024

59.4

合計(千円)

11,776,512

91.2

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

b.受注実績

 当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

精密加工事業部

8,771,363

107.7

4,685,254

113.1

機械事業部

1,999,355

56.4

3,386,115

68.7

合計

10,770,719

92.1

8,071,369

89.0

 (注)セグメント間の受注については相殺消去しております。

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

精密加工事業部(千円)

8,227,434

118.6

機械事業部(千円)

3,541,397

57.1

合計(千円)

11,768,831

89.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

防衛省

3,141,017

23.9

4,293,575

36.5

Sangsin Energy Display Precision Co., Ltd.

68,179

0.5

1,811,732

15.4

Shenzhen Kedali Industry Co., Ltd.

2,929,632

22.3

18,459

0.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〔精密加工事業部〕

 売上高は、小口径銃弾の増加により82億2千7百万円(前期比18.6%の増加)、セグメント利益は、小口径銃弾の増益により8億2千9百万円(前期比120.7%の増加)、セグメント資産は、主に固定資産の増加により57億9千5百万円(前期比0.2%の増加)となりました。

〔機械事業部〕

 売上高は、主にプレス機械の減少により35億4千1百万円(前期比42.9%の減少)、セグメント損失は、主にプレス機械の減益により2億1千7百万円(前期は4億1百万円のセグメント利益)、セグメント資産は、主に売上債権の減少により59億1千3百万円(前期比8.3%の減少)となりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性にかかる情報

(資金の流動性についての分析)

 キャッシュ・フローに関する詳細の記述は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

第74期

第75期

第76期

自己資本比率(%)

66.6

68.5

70.8

時価ベースの自己資本比率(%)

29.2

26.2

25.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

-

5.8

3.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

-

34.2

33.6

※自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 (注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

4.第74期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

(資本の財源についての分析)

 当社の資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料・部品の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金や設備資金であります。また、当社の財務状態といたしましては、当事業年度末における流動比率は243.7%、自己資本比率は70.8%であり比較的健全な財務状態であると認識しております。なお、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金の他、借入金により手元資金の拡充を図っております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。