2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    14,506名(単体) 79,454名(連結)
  • 平均年齢
    41.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.3年(単体)
  • 平均年収
    8,422,325円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

自動車

19,020

[ 7,259]

産業車両

53,990

[ 5,573]

繊維機械

1,561

[  632]

その他

3,587

[ 1,544]

全社(共通)

1,296

[  218]

合計

79,454

[15,226]

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社グループから外部への出向者を除き、外部から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。

 2 臨時従業員には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員および派遣社員を含めております。

 

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

14,506

[6,128]

41.0

18.3

8,422,325

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

自動車

10,121

[ 4,937]

産業車両

2,496

[  740]

繊維機械

398

[  212]

その他

195

[  21]

全社(共通)

1,296

[  218]

合計

14,506

[ 6,128]

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時
従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。

2 臨時従業員には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員および派遣社員を含めております。

3 平均年間給与(税込)は、賞与および基準外賃金を含めております。

 

(3) 労働組合の状況

労使間に特記すべき事項はありません。

 

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

※1

男性労働者の育児休業取得率(%)

※2

労働者の男女の賃金の差異(%)※1 ※3 ※4

全労働者

正規雇用労働者※5

パート・

有期労働者※6

2.2

63.0

67.3

66.0

89.7

 

(注) ※1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものであります。

※2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

※3 賃金は、通勤手当および退職金を除き、通勤手当以外の基準内賃金、基準外賃金および賞与を含めております。

※4 入社時職種の違い等により高資格者の割合が男性のほうが高いこと、平均勤続年数および交替勤務者の割合が男性の方が高いこと等により、男女の賃金の差異が生じております。

※5 正規雇用労働者数は社外から当社への出向者および当社から海外事業体への出向者を除き、当社から国内関係会社への出向者を含めております。

※6 パート・有期労働者数は定年後再雇用者、期間従業員、嘱託の契約従業員、パートタイマーを含めております。

 

 

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)※1

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

※1

雇用管理区分

 

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

 

東久㈱

全労働者

50.0

※2

74.8

74.3

※3

東海精機㈱

全労働者

50.0

※2

66.2

68.2

55.4

※3

イヅミ工業㈱

全労働者

38.5

※2

71.6

72.6

40.3

 

トヨタエルアンドエフ東京㈱

6.4

全労働者

62.4

※2

76.9

88.4

72.0

※3

大興運輸㈱

全労働者

52.4

※2

66.4

68.5

44.1

 

㈱アイチコーポレーション

2.9

全労働者

50.0

※2

73.7

74.9

53.6

 

㈱ハラテックス

正社員

50.0

※1

 

美濃東久㈱

20.0

 

 

㈱エスケイエム

8.5

全労働者

33.3

※2

38.0

62.1

51.4

 

㈱サンバレー

11.1

 

 

㈱サンスタッフ

34.3

全労働者

75.0

※2

57.6

83.2

103.0

 

㈱豊田自動織機ITソリューションズ

全労働者

100.0

※2

77.3

77.8

41.0

 

トヨタエルアンドエフ静岡㈱

3.9

全労働者

42.9

※2

73.5

71.4

106.4

※3

アドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ㈱

全労働者

54.5

※2

54.0

70.1

73.5

 

大興タクシー㈱

12.5

 

 

仁科工業㈱

9.1

全労働者

44.4

※2

90.6

92.2

97.3

 

㈱岩間織機製作所

正社員

77.0

※1

 

㈱長尾工業

 

89.5

85.0

100.0

 

㈱半田キャスティング

12.5

 

 

 

(注) 1 ※1 女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。

※2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

※3 労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

2 「-」は、女性活躍推進法等に基づく公表をしていないため記載を省略していることを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが合理的な一定の前提に基づいて判断したものであり、その実現を約束する趣旨のものではありません。実際の結果は不確実性により変更される可能性があります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは取締役会の下位の会議体に、サステナビリティへの取り組みを含む経営ビジョンや中期経営戦略を扱うマネジメント・コミッティ、特定の専門分野を扱うサステナビリティ委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、環境委員会を組織しております。

当社グループでは、「豊田綱領」(社是)および「基本理念」を実現していくことが、持続可能な社会への貢献であるとの認識のもと、「豊田自動織機グループサステナビリティ方針」に基づく全社の取り組みについて、方向性を決定し、活動計画の承認と実績の評価を行うことを目的に、サステナビリティ委員会を設置しております。

サステナビリティ委員会では、「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」をはじめとする、当社グループのサステナビリティ分野の課題やリスクについて、審議・決定し、必要に応じ、取締役会でも報告・審議しております。各部門や当社グループ各社は、それらを具体的な活動に落とし込み、推進しております。

リスク管理委員会では、当社グループとして対処すべきリスクを的確に捉え、未然防止や有事に適切に対処するため、全社として特に重点的に管理すべきリスクとしての重点リスクの策定、対策案の審議、進捗管理および有事対応の振り返りと改善計画の審議・承認などを行っております。コンプライアンス委員会では、当社グループ全体で、社会の一員としての倫理観や社会規範を重視したコンプライアンス活動が有効に機能するよう、全社コンプライアンス活動計画、「内部統制の整備に関する基本方針」の運用状況の確認、コンプライアンスに関する重大事案への対応状況および再発防止策の確認などを行っております。環境委員会では、当社グループの生産活動および製品に起因する環境負荷低減に対して、継続的に取り組み、地球環境の保全と経済の発展を両立した“環境経営”を推進するため、活動方針、環境目的など環境経営推進上の重要課題の審議や、活動状況の進捗確認、改善提案などに関する審議などを実施しております。

 

サステナビリティ委員会

開催頻度

(原則)1回/年

委員長

リスク統括担当役員

委員

会長、社長、副社長、事業部(室)長、事務統括、人事担当役員、経理担当役員、環境担当役員、技監、関係経営役員・執行職、常勤監査役、外部専門家

事務局

リスク統括部

審議内容

・世の中の動向を見据えたサステナビリティの方向性の決定

・サステナビリティの活動計画と目標値(中期・年度)の承認および活動実績の評価

・「豊田自動織機グループサステナビリティ方針」の見直し

 

 

コーポレート・ガバナンス体制図については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。

 

 

(2) 戦略

① 2030年ビジョンとサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

当社グループは創業以来、社是である「豊田綱領」とそれに基づく基本理念の考え方である「住みよい地球と豊かな社会づくり」のもと、事業を通じて積極的に社会課題の解決に取り組んでまいりました。2030年に目指す姿である「2030年ビジョン」は、創業以来の事業「繊維機械」を原点として「自動車」「産業車両・物流」を両輪に事業展開し、社会と調和しながら、持続的に成長していく方向性を示しております。当社グループは、これからも社会のお役に立つとともに、持続的に成長することを目指して、取り巻く社会の変化や課題に真摯に向き合い取り組んでまいります。

 

(2030年ビジョン)


 

 

この2030年ビジョンに掲げる「住みよい地球と豊かな生活、そして温かい社会づくり」に貢献することを目指し、当社グループが事業を通じて持続可能な社会の実現に向けて取り組むべき特に重要な事項を次のとおりサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として定義し、その解決に努めております。

 


 

 

② 気候変動

当社グループの経営方針、経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連の取り組みのうち、気候変動を重要な項目の1つとして位置付けております。気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を把握するため、主要事業である産業車両事業についてシナリオ分析を実施しました。時間軸としては中期経営計画と長期環境ビジョンの2030年と2050年とし、選択したシナリオは移行リスクが顕在化する「2℃未満シナリオ」および物理リスクが顕在化する「4℃シナリオ」を設定しました。分析にあたり気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書「代表的濃度経路に関する将来シナリオ(RCP2.6、8.5シナリオ)」、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlookより「持続可能な開発シナリオ(SDS)」、「公表政策シナリオ(STEPS)」を参照しました。

 

(シナリオ分析前提条件)

 

分析条件

対象事業

産業車両事業

対象範囲

バリューチェーン

時間軸

2030年と2050年

シナリオ

2℃未満シナリオと4℃シナリオ

 

 

(各シナリオにおける当社グループを取り巻く社会像)

 

2℃未満シナリオ

4℃シナリオ

市場

物流量、輸送量増大、物流施設の分散化

・倉庫自動化、無人搬送車(AGV)、自律走行搬送ロボット(AMR)市場拡大

・電動、燃料電池フォークリフトの需要拡大

2℃未満の社会像に比べ影響は緩慢

政策・規制

・炭素税導入による操業費用や調達費用上昇

・気候変動の緩和に向けた新たな規制

・既存の規制強化

評判

・気候変動関連の情報開示要求強化

・ESG投資拡大

自然環境

4℃の社会像に比べ影響は緩慢

・慢性的な気温の上昇

・洪水の発生頻度増加

・海面上昇

 

 

 

これらのシナリオが事業に与えるリスクと機会のうち影響が大きなものを次の表のとおり抽出しました。その上で、例えば、気候変動緩和に向けた規制強化による売上減少のリスクや環境性能に優れた製品の需要拡大による売上増加の機会を特定し、サステナビリティ重要課題の目標として掲げ、事業戦略へ織り込んでおります。

 

(シナリオ分析による財務影響の評価)

 

短期、中期、長期の気候変動関連のリスクと機会、

想定される影響

リスク

移行リスク

(2℃未満)

・炭素税導入により操業費用が増加

・炭素税の価格転嫁により材料、部品の調達費用が増加

・気候変動の緩和に向けた新たな規制、既存の規制強化に

 よる内燃機関車需要減少に伴い売上が減少

・気候変動関連の情報開示が投資家に消極的と判断された

 場合、株式市場での評価が低下

物理リスク

(4℃)

・自然災害(大雨による冠水等)によるサプライヤーの操業

 停止や物流機能への被害により売上が減少

機会

・環境性能に優れた製品の需要拡大により売上が増加(電動化、水素燃料、

 バイオ燃料車両の拡大など)

・自然災害に対する強靭な物流の構築に向けた物流拠点分散化に伴う小型物流

 倉庫増加により売上が増加

・物流倉庫内の照明や空調からのCO排出量の低減を目的とした物流倉庫

 無人化により自動化製品の売上が増加

 

 

(リスクと機会への対応)

 

リスクと機会への対応

生産

・生産活動におけるCO排出量削減

・再エネの効率的な導入促進

・水素設備の実証導入

・水素サプライチェーンの構築に貢献

製品

・環境問題を含めた社会課題解決に貢献する新たな技術や製品の開発

・新たな物流自動化技術や製品の開発と販売拡大

・電動化関連製品の販売拡大

・クリーンで高品質な燃料電池ユニットおよび車載電池の提供

情報開示

・情報開示の充実、コミュニケーション強化

・グローバルスタンダードに準じたGHG算定

・第三者認証の取得

 

 

 

③ 人的資本

当社グループは、社是である「豊田綱領」を基盤に、従業員を最も大切な経営資本と位置づけ、価値創造を行ってきました。企業の持続的な成長を支え牽引するのは、一人ひとりの人材であります。その価値を高めることは、経営において最も重要な取り組みであり、これまでも、そしてこれからも変わることのない根幹の考え方であります。

事業環境の変化が激しい現代において、従業員一人ひとりが個性を活かし能力を高めることは、企業全体の総合力を引き上げる鍵であると考えております。その実現に向け、次の4つのテーマの人材戦略に基づき、人材育成と働く環境の整備に取り組んでおります。

 

 人材戦略

[1]経営人材の育成

[2]専門性・活躍領域の拡大

[3]多様な人材の活躍推進

[4]活躍を後押しする環境の整備


 

 

<人材の育成及び社内環境整備に関する方針および主な取組>

 

[1]経営人材の育成

  積極的なグローバル化やM&Aを行う中で、国内外の多様なリーダーの育成がより重要となっております。それを受け、将来の経営リーダー候補を対象としたリーダー研修を実施し、会社のビジョン・グループ共通の価値観の共有、革新を担う人材の早期・計画的育成をはかっております。

 

ⅰ) 価値観共有「創業の精神・豊田綱領セッション」

従業員の多様化を踏まえ、「当社グループ共通の価値観」の共有を目指し、社祖の創業の精神や「豊田綱領」を再認識する幹部職向け研修を国内外で実施しております。

ⅱ) サクセッションプラン

当社グループの部門長・拠点長等の後継者候補を特定し、異動経験を含む育成計画を策定・実施しております。求められる要件をグローバル共通で明確化し、育成について関係者で議論する場を年1回設けております。

ⅲ) グローバルリーダー育成プログラム

当社グループの幹部職からの選抜者を対象に個人課題と集合研修を組み合わせたプログラムを実施しております。経営者視点や未来を構想する力を高め、グローバルな成長を担う経営リーダーの育成に取り組んでおります。

ⅳ) 上級マネジメント研修

広い視野・高い視座・グローバル感覚を持ち、革新に向けたリーダーシップを備える人材育成のため、基幹職からの選抜者を対象に自主課題と集合研修を組み合わせたプログラムを実施しております。

ⅴ)北米・欧州リーダー育成プログラム

フォークリフト・物流ソリューション事業の成長を支える人材育成のため、米国で1年、欧州で半年の研修プログラムを実施しております。

 

[2]専門性・活躍領域の拡大

  一人ひとりの専門性・活躍領域の拡大が会社の競争力向上につながるという考えのもと、職場を越えた成長・活躍機会の提供、各職場におけるOJT(業務を通じた育成)とそれを補完する各種研修を実施しております。

 

職場を越えた成長・活躍機会の提供

ⅰ) 上司・部下間の対話、個別キャリアプラン

半期に一度、上司と部下が成長・活躍志向や能力の振り返りについて対話を行っております。対話を踏まえ個別キャリアプランを策定し、異動を含む育成を通じて、やりがいや成長を促進しております。

ⅱ)戻り前提ローテーション

他事業部・他部署での一時的ローテーションを実施し、異なる環境での経験を通じ個人の成長と組織力の向上をはかる仕組みを実施しております。

ⅲ)海外研修制度

グローバルに活躍できる人材を早期・継続的に育成するために、若手従業員を海外研修生として派遣し、現地での業務や生活を通じてコミュニケーション力、現地感覚、文化適応力を養成しております。

ⅳ)社内公募・社内副業

従業員が自ら希望し異動できる社内公募制度や、他部署の業務を経験できる社内副業制度により、やりがいの向上や成長への挑戦を後押ししております。

ⅴ)社内技能競技会・技能五輪への挑戦

社内技能競技会や技能五輪への挑戦を通じ、高度な技能と知識・人格を備えたリーダーの育成を推進し、従業員のモチベーション向上やものづくりの発展に貢献しております。

 

OJT(業務を通じた育成)と研修制度

ⅰ) 管理者向け研修

新任部室長・グループ長研修:職制としての役割理解や受講者間の相互啓発を目的とした集合研修を実施し、行動変容を促しております。

国内外関係会社役員研修:法務・経理・広報・人事・コンプライアンスといった取締役・執行職としての責任・役割について講義を行い、経営責任の自覚と遵守事項の理解・実践を促しております。

ⅱ)360度フィードバック

役職者(部長・室長・グループ長)が、直属上司以外の他者からフィードバックを受け、自身の強み・弱みを認識して行動を見直し、更なる成長につなげる施策を実施しております。

ⅲ)職場先輩制度・部門長面談(新入社員向け)

新入社員には職場先輩が付き、社会人としての基礎習得と職場融和をはかっております。配属1年後には、部門長との面談を行い、困りごとの解消や成長に向けた期待値の伝達を行っております。

ⅳ)階層別研修

昇格者に対し、各階層の役割や必要となる知識・スキルの理解、職場での実践をねらいに、eラーニングと集合研修を実施しております。これらの研修は、国内関係会社従業員も受講できるものとなっております。

ⅴ) 品質教育

当社グループでは、全従業員を対象に、実務で必要な品質保証スキルを身につけるため、体系化された品質教育を実施しております。コンプライアンスが土台であることを認識した上で、自ら考え、自ら学び、自ら行動することができる人材の育成を推進しております。その一環として、SQC(統計的品質管理)と機械学習の基礎教育などを実施し、機械学習の実践活用を拡大するため、職場の問題解決を通じた中核人材の育成をしております。また、技能系職場を対象にQCサークル活動に全員参加で取り組んでおり、それらの成果として、全国のQCサークル大会で発表し多くの賞を受賞しております。海外生産拠点でもQCサークル活動に活発に取り組んでおり、各拠点にグローバルQCサークルトレーナーを育成、認定して、自律した活動ができるよう指導しております。さらに、創意工夫提案の取り組みでは、全員が日々改善に取り組んでおります。

ⅵ)その他の取り組み

技術者の基礎レベル底上げ・成長加速をねらいとした基礎技術講座・ステップアップ講座や、デジタル技術を理解し活用できる人材の育成をねらいとしたデジタル教育を実施しております。また、従業員の自ら学ぶ姿勢を後押しするため自己啓発制度を通じ、現在の業務への関係性を問わず幅広く学ぶ機会を提供しております。

 

[3]多様な人材の活躍推進

 環境変化やお客様ニーズの多様化に柔軟に対応し新たな価値を生み出すために、さまざまな考え、価値観を持つ人材が最大限能力を発揮し、共創できる組織を目指しております。性別、年齢、国籍、人種、宗教、性的指向、性自認、性表現、 障がい、経験、価値観など目に見えない違いも含め、従業員が互いの違いを認め合い、尊重し合う組織風土の実現に向けた取り組みを進めております。

 

ⅰ)女性活躍推進

性差なく活躍できることを目指し、従業員の意識改革、女性キャリア支援、柔軟な働き方の推進等を実施しております。また、女性特有の健康課題に関する動画配信や相談窓口の設置等の取り組みを行っております。各種取り組みの結果、「えるぼし認定」や「あいち女性輝きカンパニー優良企業表彰」を受賞しました。

(女性活躍推進の取り組み)


ⅱ)障がい者採用、活躍の促進

採用前に就労体験を行い、より安心して入社できる機会を提供しております。入社後は、公平な成長・活躍機会が得られるよう、研修時の手話通訳士の派遣、ブギーボードやUDトーク(リアルタイムに発言を文字化するアプリ)等、各種支援ツールの活用や工場総務、独身寮、人事部などに相談員を設置し、職場をサポートする体制を構築しております。また、障がい者自身を講師に招いた研修を実施し、障がい者に対する理解をより深め、職場風土の醸成をはかっております。

ⅲ)年齢によらず活躍し続ける環境整備

技能職高年齢者の増加に対応し、身体的負担を軽減したラインづくりや高年齢者に配慮した作業基準の設定、デジタル技術の活用等の工程改善を進め、働きやすい環境づくりを進めております。

ⅳ)海外の仲間との相互理解促進

多様な国・地域で働く人材が相互理解を深めることを目的として、海外拠点へ出向者、駐在員、海外研修生を派遣しております。さらに、海外拠点の従業員が当社で一定期間勤務するICT制度(Intra Company Transferee)を積極的に活用し、外国人人材の受け入れを進めております。

ⅴ)キャリア採用の強化

外部から多様な知見を取り入れるため、キャリア採用を強化しております。事務・技術職では、従来の専門性に特化した採用に加え、第二新卒やリファラル採用(自社の従業員に採用候補者を紹介してもらう採用方法)を導入しております。生産現場では、優秀な人材の確保による安定生産に向け、期間従業員からの正社員登用を積極的に進めております。

 

[4]活躍を後押しする環境の整備

 従業員がそれぞれのライフステージにおいて、自分らしく能力を発揮しやりがいを感じられるよう、支援の充実に取り組んでおります。また、毎年実施する従業員意識調査の結果をもとに、職場改善活動を進め、組織の成長につなげております。加えて、設備や制度の両面から従業員が安心して働ける環境を整備し、さらなる活躍を後押ししております。仕事を離れた場面においても、家族を含めた交流の場を定期的に提供し、人間関係や信頼関係づくりをサポートしております。

 

ⅰ) 仕事と家庭の両立支援

育児支援:短時間勤務制度(子が小学校卒業まで)、託児所設置、学校行事への参加にも対応可能な子の看護公休、不妊治療に関する公休や資金支援等を整備しております。育休復職前には、本人・上司・人事総務部門の三者で面談を行い、復帰時の不安解消にも取り組んでおります。

介護支援:732日の介護休職期間や分割取得の上限撤廃等、法定を超える制度を設け、ハンドブックや動画配信、メールマガジンによる知識普及や職場風土の醸成を進めております。

これらの取り組みにより「プラチナくるみん認定」や「愛知県ファミリーフレンドリー企業表彰」を受賞しました。

ⅱ)男性の育児参画支援

男性の育児参画を支援するため、育児支援制度や男性育休取得者の体験談紹介、パタニティハラスメント防止に向けた上司向け研修など育休の申し出をしやすくするための風土醸成に取り組んでおります。

ⅲ)柔軟な働き方の整備

柔軟な働き方の実現に向け、コアタイムのないフレックスタイム制度や在宅勤務制度、裁量労働制度等を導入しており、各人のライフスタイルに合わせ、高い生産性を発揮できる働き方の選択肢を整えております。

ⅳ)メリハリある働き方の推進

法令に基づいた労務管理を徹底し、長時間労働の抑制に取り組んでおります。有給休暇の取得奨励により、取得率は94%(24年度)を達成しております。寮・社宅の新築や自社所有の保養所、従業員向けレストラン等を擁した福利厚生施設を運営し、プライベートの充実や従業員の健康維持と活力向上をはかっております。

ⅴ)従業員意識調査

職場改善を目的に、全従業員対象の調査を毎年実施しております。結果は全従業員に公開し、職場改善に向けた取り組みを部門長が責任者となり部員全員で取り組んでおります。

ⅵ)仕事を離れた場面での人間関係・信頼関係づくり

人間関係・信頼関係づくりを後押しするため、様々なコミュニケーション活動に注力しております。会社が職場の親睦会費用の一部を負担し、従業員同士が交流を深めるきっかけとして活用しております。お祭りや全社駅伝大会等のコミュニケーション活動を通じて、従業員同士の相互理解を深め、当社グループ全体の一体感醸成に努めております。

 

(3) リスク管理

本的な考え方

当社グループはリスク管理について、次の項目を基本として取り組んでおります。

・リスクの未然防止や低減への取り組みを日々の業務の中に織り込み、その実施状況をフォローすること。

・リスクが顕在化した場合には、迅速かつ的確な緊急対応により、事業や社会への影響を最小化するための適切な行動を徹底していくこと。

 

推進体制

当社グループは毎年、安全、環境、品質、人事労務、輸出取引、災害、情報セキュリティなどにおけるリスクの未然防止や低減への取り組みを、各事業部および本社各部門の活動方針に織り込み、推進しております。その実施状況については、機能別の会議体であるリスク管理委員会や環境委員会などで評価、フォローしております。

リスク管理委員会ではリスク統括責任者を中心に、重点リスク(全社として特に重点的に管理すべきリスク)を策定し、各機能会議体での対策案の審議や進捗管理、複数の機能にわたる新たなリスクへの対策につなげる活動を推進しております。こうした重点リスクへの対応を含め、各事業部および連結子会社のリスク管理レベルの向上を支援するため、本社の安全、環境、品質などの各機能部門は、連結子会社を含むグループ全体的な視点で規則やマニュアルを制定し、業務監査や現場点検などで確認、フォローを行っております。

気候関連リスクをはじめとするサステナビリティ分野の課題やリスクについては、当社グループのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として明確に定義した上で、管理指標や目標を明確にし、各委員会の中で定期的にモニタリングを行っております。

 

 

(4) 指標および目標

① サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

当社グループはサステナビリティに関するリスクを緩和し機会を拡大するため、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)において、各分野での取り組み目標と活動、および中期目標値を設定し、活動を推進しております。なお、表中の「(単独)」の表記は、その取り組み目標と活動、および目標値が当社グループではなく当社のものであることを示しております。

サステナビリティ

重要課題

取り組み方針

取り組み目標と活動

目標値

達成年度

・地球温暖化防止

・循環型社会への貢献

 



生産活動における

CO排出量削減

生産CO排出量の削減 総排出量

△25% ※1

(2013年度比)

2025年度

再生可能エネルギーの導入 導入率

15%

2025年度

生産物流における

CO排出量削減

物流CO排出量の削減 排出量原単位

(単独)

△11%

(2013年度比)

2025年度

製品技術開発によるCO排出量削減

エネルギー効率のさらなる向上に寄与する技術開発

生産活動における

資源の有効活用

廃棄物排出量削減 排出量原単位

(単独)

△12%

(2013年度比)

2025年度

各国/各地域の水環境事情を考慮した水保全活動の推進

資源を有効に利用するため、3R設計

(リデュース、リユース、リサイクル)への取り組み

資源使用量削減と部品、素材のリユース、リサイクル推進

・新たな価値の創出

 


・新たな価値を創出する新技術の開発促進

 

・コア技術の伸長とともに、パートナーの新たな知見獲得による、既存ビジネスの周辺領域への拡大、新事業領域での技術や商品を開発、提供

・電動化、自動化の研究開発費比率

70%以上

2030年度

・周辺領域や新事業領域の拡大 売上額

1兆円超

2030年度

-環境問題を含めた社会課題解決に

貢献する新たな技術や商品の開発

-新たな物流自動化技術や商品の開発と販売拡大(産業車両事業)

 自動化商品売上(伸び率)

倍増(100%)

(2020年度比)

2030年度

 

 

サステナビリティ

重要課題

取り組み方針

取り組み目標と活動

目標値

達成年度

・安全・安心、快適な商品・サービスの提供

・地域社会への貢献と共生

 


・高機能で環境にやさしく、社会インフラにも活用可能な電動化関連商品やサービスの拡大

 

・高品質で安全な商品やサービスの提供と、そのための体制の維持向上

 

・社会の一員として、地域に根差し、ともに発展できる活動の継続的な推進

・電動化関連商品の販売拡大(全事業)

 売上高に占める電動化関連商品の比率

 

-静粛性、快適性に優れた高効率で省電力な電動コンプレッサーの提供(自動車事業)

-クリーンで高品質な燃料電池ユニットおよび車載電池の提供

(自動車事業、産業車両事業)

-災害時など社会インフラにも活用可能な、車載を含めた電源関連商品の提供(自動車事業)

70%以上

2030年度

・製品リスクアセスメント実施(対象製品) 実施率(単独)

100%

2030年度

・品質教育の推進

 対象者の研修受講率(単独)

100%

2030年度

・社会貢献活動の推進 支出額/参加数

-地域の生物多様性保全への寄与

-その他の地域貢献活動推進

 

 

 

 

・安全・健康な職場

・多様な人材の活躍

・持続可能な調達

・コンプライアンスとリスク管理

・誰もが安全、健康で働ける職場づくり

 

・誰もが機会均等に持てる力を伸ばし、発揮できる環境づくり

 

・社会から信用、信頼され、必要とされる存在であり続けるための基盤確立

・重大災害の撲滅

-重大災害件数

-休業災害度数率(単独)

 

0件

0.00

 

2030年度

2030年度

・多様な人材の活用

-女性管理職比率(単独)

-障がい者雇用率(単独)

 

3.6%

2.7%超

 

2030年度

2026年度

・サプライチェーン全体の健全な取引維持と体制強化

-対象サプライヤーへのサステナビリティチェック実施率(単独)

 

100%

 

2030年度

・重大コンプライアンス違反の撲滅

 違反件数

 

0件

 

2030年度

・リスクベースでの適正なリスク管理活動の推進

-BCPの実効性向上

-サイバーセキュリティリスク対応

重大インシデント件数

0件

2030年度

 

(注)1 ※1 挑戦目標として、2030年度に2013年度比△50%。

2 最新の取り組み方針、取り組み目標と活動、目標値などにつきましては、下記リンク先「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」に記載の「事業を通じた社会課題の解決に関する取り組み方針・目標・実績」および「事業活動の基盤に関する取り組み方針・目標・実績」を参照ください。下記リンク先は毎年8月頃に更新をしております。

https://www.toyota-shokki.co.jp/sustainability/management/materiality/index.html

 

② 気候変動

気候変動に関する指標および目標は、「① サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」に含めております。

 

 

③ 人的資本

人的資本に関する指標および目標は、以下のとおりであります。

 

 

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合(単独)

2030年度までに3.6%

2.2

障がい者雇用率(単独)

2026年度までに2.7%超

2.68