2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,862名(単体) 26,230名(連結)
  • 平均年齢
    40.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.4年(単体)
  • 平均年収
    7,619,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

建設機械ビジネス

22,391

(2,152)

スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

3,839

(242)

合計

26,230

(2,394)

 

(注) 1.従業員数は就業人員です。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

5,862

40.3

15.4

7,619,000

(404)

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

建設機械ビジネス

5,862

(404)

合計

5,862

(404)

 

(注) 1.従業員数は就業人員です。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は、日立建機労働組合と称し、日立グループ労働組合連合会に所属しています。

また、当連結グループに属する各社の一部については、それぞれ独自に労働組合の結成及び上部団体への加入等を行っています。

なお、労使関係は安定し、円滑に推移しています。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)

(注)1.

男性労働者の
育児休業
取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

補足説明

全労働者

うち正規雇用
労働者

うちパート・
有期労働者

3.0

39.1

76

80

82

配偶者出産休暇(会社制度)を合わせた育児目的休暇の取得率は68%となります。

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

 

② 国内連結子会社

 

名称

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)

(注)1.

男性労働者の
育児休業
取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用
労働者

うちパート・
有期労働者

㈱日立建機ティエラ

3.8

8.7

83

82

86

㈱日立建機カミーノ

0.0

60.0

70

80

60

多田機工㈱

13.3

0.0

79

81

76

新東北メタル㈱

0.0

0.0

93

89

日立建機ロジテック㈱

5.6

11.1

64

76

75

日立建機リーシング㈱

0.0

0.0

54

75

日立建機日本㈱

1.0

13.0

62

68

72

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) はじめに

日立建機グループは、私たちのありたい姿、ミッション等を定めた「日立建機グループアイデンティティ」を策定しています。

サステナビリティ経営を推進していく際にも、「日立建機グループアイデンティティ」の視点を導入し、さまざまな取り組みを行っています。


 

(2) サステナビリティ基本方針

日立建機グループは、マテリアリティ(重要課題)を実践することで、サステナビリティを推進し、持続的な社会の発展に貢献していくことをめざして、サステナビリティ基本方針を策定しています。建設機械を通じて社会の持続的発展に貢献し、企業価値向上に努めてまいります。「サステナビリティ基本方針」は当社ホームページをご覧ください。

https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/management/

 

※日立建機グループは2023年4月より国連グローバル・コンパクトに参加しました。

国連グローバル・コンパクトの10原則をグループ、グローバルで推進していきます。

 

 

(3) ガバナンス

サステナビリティに関わる重要事項は、CSR推進責任者会議、環境推進責任者会議で議論した上で、執行役、主要グループ会社社長からなるサステナビリティ推進委員会(年2回開催)に報告されます。執行役社長兼COOは、サステナビリティ推進委員会の議長を務めており、気候変動、サーキュラーエコノミーなど経営に関わる重要事項の審議・承認を行っています。重要事項に関しては、執行役会および取締役会にて審議・承認され、適切に監視・監督が行われています。また、審議・承認された内容は、海外グループ会社からなるグローバルサステナビリティ推進責任者会議、およびその下部組織であるグローバルサステナビリティワーキンググループにも共有されています。


<ガバナンス体制図>

 

 

 

(4) 戦略

① マテリアリティの特定

日立建機グループでは、社会情勢や各国の政策・規制等の変化を踏まえ、2021年度にマテリアリティを刷新しました。特定プロセスにおいては、SDGsやESGといった社会課題の視点と、自社の企業価値の向上および毀損につながる外部環境の視点の両面で、中長期的なリスクと機会を検討し、4つのテーマを抽出しました。社内外のステークホルダーの意見を取り入れながら議論を重ね、2021年7月の執行役会にて承認を受け、取締役会にて報告しました。マテリアリティごとにKPI(重要業績評価指標)を設定し、サステナビリティ・ガバナンス体制のもとで進捗管理を行っています。なおマテリアリティは、外部環境の変化等を踏まえ、今後も随時見直しを行っていきます。


 

 

4つのマテリアリティに基づき、サステナビリティ課題に対応する「環境戦略」「技術戦略」「人財戦略」について報告します。

 

 

② 環境戦略

―カーボンニュートラル実現に向けて―

日立建機グループは、2050年までにバリューチェーン全体を通じてのカーボンニュートラル実現に向け、 製品開発および生産工程の両面でロードマップを策定し、CO₂排出量の削減に取り組んでいます。

製品においては、CO₂排出量の削減に貢献する環境配慮製品をお客さまや社会に提供するための指標として、CO₂排出量を2010年度比で2025年度に22%削減、2030年度に33%削減する目標を設定し、推進しています(図1)。この目標達成に向け、コンパクトからマイニングの超大型機まで全製品レンジの開発を進め、燃費低減に加えて電動化建機の早期市場投入、水素燃料製品の技術面での見極め、さらにはお客さまの使用段階でのCO₂ 排出量の削減を実現するソリューションの提供を進めています(図2)。

また、生産工程においては、CO₂排出量を2010年度比で2025年度に40%削減、2030年度に45%削減する目標を設定し、推進しています(図3)。CO₂排出量の削減手段には省エネ、再生可能エネルギーへの転換 (設備投資による自家発電、再生可能エネルギー電力導入)、電化、燃料転換等があります(図4)。

こうしたサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは、2023年度から日本国内で本格稼働する「GXリーグ※1」の考えに合致するものであり、日立建機は2023年5月に「GXリーグ」へ参画しました。これにより当社の取り組みを促進するとともに、参画企業や団体と協働し、経済社会システム全体の変革に貢献していきます。

※1 GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ:経済産業省主導で立ち上げられた、2050年カーボンニュートラルに向けて「産・学・官・金」が連携し、経済社会システム全体の変革に取り組む協働の場。

 


 

(図2)


 


 


 

 

―TCFD提言への対応―

2020年7月に全社のコーポレート部門と事業部門の部門長およびキーマンによる社内タスクフォースを設立し、同年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。2022年には、1.5℃と4℃を想定したシナリオ分析、気候変動リスクの発生可能性や財務的影響について評価を行っています。TCFDフレームワーク*に基づき、気候変動がもたらすリスクと機会および対応する戦略についての開示を行い、持続可能な事業展開をめざして、本提言に沿った推進強化に努めています。

 


 

* TCFDフレームワーク …TCFD提言の取り組みの詳細については、「日立建機グループ統合報告書2023」P43-45を参照ください。

 

―サーキュラーエコノミーへの取り組み―

日立建機グループは、再生・中古車・レンタル・サービスといったバリューチェーン事業を通じて、廃棄量をさまざまな角度から減らす4つのR(Reduce・ Reuse・Recycle・Renewable)の活動を、グループ全体で取り組んでいます。製品の利用過程においては、新車がお客さまの手に渡り、利用されて、その役目を終えるまでの「製品ライフサイクル」を1.5倍にすることをめざして、バリューチェーン事業を拡大し、顧客価値の最大化と資源消費の最小化を両立していきます。具体的には、当社の強みである「ConSite」や部品再生、本体再製造を活用することで、車体稼働年数を10年から15年に長期化することをめざします。このことにより、廃棄物の削減、投入資源の抑制を実現し、最終的にはCO₂排出量の削減にも貢献します。

 

 

③ 技術戦略
―Global e-Serviceの進化―

日立建機では、建設機械をご利用いただいているお客さまに、インターネットを通じて機械の稼働状況や保守情報を一括管理するシステム「Global e-Service(以下、GeS)」を提供しています。GeSはメンテナンス情報だけでなく、稼働中の機械のCO₂排出量、アイドリング時間、燃料消費量の管理情報など環境に関する情報もお客さまへフィードバックすることができ、お客さまの環境経営にも役立てることができるソリューションです。2000年から国内向けサービスを提供開始し、機器保守業務、アフターサービス業務を支援する約90のアプリケーションを取り揃え、現在では全世界で多くのお客さまにご利用いただいています。

現在GeSは全世界で約43万台の機械に搭載され、日々膨大な情報のやり取りがあります。GeSで対象とする業務領域のデジタル化が拡大・浸透する中、提供機能の多様化に加え、グローバル生産体制への対応やお客さまからの要望の高度化により、オペレーションの複雑化が課題となっています。

現中期経営計画期間における取り組みとして、バリューチェーン全体での付加価値・利便性を最大化するため、GeSのモダナイゼーション※1を推進するとともに、GeSとDX基盤※2を相互に連携・強化することで、ユーザビリティの向上・DXによる価値向上・オープンイノベーションの創出をめざし、機器保守、アフターサービス業務支援のデジタルプラットフォームとして進化させていきます。

これにより販売代理店がお客さまへ迅速にサービスを提供できる仕組みづくりを加速させ、これまでGeSに点在していた各種機能や情報を集約します。その結果、画面操作数の大幅削減や業務の動線の最適化を可能にし、高効率なデジタルプラットフォームを提供することで、お客さまの満足度向上につなげます。さらに、再生事業や中古車売買など新たな市場との連携や開拓、異業種パートナーとの協創により、新たな価値創出に取り組みます。

 

※1 モダナイゼーション:古いIT資産(ハードウェアやソフトウェア)や開発手法を最新の製品や設計に置き換えること

※2 DX基盤:日立建機が提供するアプリケーションの開発効率の向上を目的に整備した開発共通基盤

 


 

 

―デジタル人財の育成―

急速な技術革新への対応やこれに対応した経営戦略の実行のため、デジタル人財の育成とリテラシーの向上に取り組んでいます。この取り組みでは、まずデジタル人財の基礎となる目標をやり抜くスキルとマインドを習得するために「自己変革プログラム」を実施し、受講者は全世界のグループ会社で5,400名を超えました。

並行して国内では、2022年度から2023年度末までをデジタル人財育成の強化期間とし、デジタルリテラシーに関する研修を実施するとともに、業務部門とDX部門でチームを組み、実践を通してデジタル推進リーダーを育成するプログラムも実施し、受講者は合計で1,100名を超えました。さらに2024年度からは、これらのプログラムに加え、全部門共通で必要とされるデジタル専門スキルをもった人財の育成を促進するため、プロジェクトマネージャとデータサイエンティストを育成するプログラムを開始しました。

 

④ 人財戦略
人的資本に関する戦略

「第2の創業期」にある現在、日立建機グループは、既存事業の拡大に加え、デジタルソリューションを中心とした成長事業の深化と、今後の柱となる新規事業の探索をしてまいります。

上記のような事業構造の大きな変革局面においても、日立建機グループにとって人とは財産・資本、すなわち「人財」であり、会社の成長に欠かせない「人的資本」です。それを「Kenkijin」と称しております。そして、変革が必要な今こそ、Kenkijinが個性・強みを最大限に発揮できるよう、育成の強化や変革に臨む組織・風土の醸成等、数々の取組みが不可欠と考えます。こうした取組みにより会社と事業を変革し、顧客に対する新たな価値を創造して企業価値の向上に努めることが、日立建機グループにおける「人的資本経営」です。

そして、人的資本経営を進める上での基本思想として、2つの思いを特に大切にしております。

第一は、「会社と個人は、対等の関係」です。基礎を成す考え方として従業員と会社は双方にとって「選び・選ばれる関係」と捉えた上で、会社は従業員のキャリア形成や成長を支援することを通じて、新たな価値創造や企業価値の向上につなげていくことをめざします。

第二は、「チームで勝つ」です。成長事業の深化や新規事業の探索等の新たな取組みに、チームで挑んでまいります。特にソリューション・サービスにおいて、現場の従業員がお客さまに寄り添って最適なサービスに気付き提供するには、組織や立場に関係なく一体となったチームが不可欠です。そこで、誰もが個性や強みを発揮できる環境を整えることで、多様な個人の組合せにより「チームで勝つ」ことをめざします。

 


 

 

(5) リスク管理

情報通信技術の発展や地政学リスク、経済情勢の変化など、社会を取り巻く事業環境は日々変化しています。日立建機グループでは、このような事業環境を日頃から把握・分析し、社会的課題や当社の競争優位性、経営資源などを踏まえ、備えるべきリスクと、さらなる成長機会の両面からリスクマネジメントを実施し、リスクをコントロールしながら経営戦略へと反映しています。2022年4月には、全社的リスクマネジメントを担うERM(Enterprise Risk Management)委員会を発足しました。

事業運営を踏まえ全社的な対応方針、経営判断が必要なリスク、グローバルに展開している事業の根幹を揺るがすようなリスクおよび機会について、CSO(最高戦略責任者)をはじめとする経営メンバー主導のもと、全体管理・対策を迅速に対応する体制をとっています。基本的に期1回の開催とし、突発的な全社的リスク対応への要請や、委員長あるいは各委員会・関連部門の要請に応じて、臨時開催も実施します。なお、倫理・法令違反については、コンプライアンス管理委員会で議論し、事案発生防止に向けた啓発、再発防止策の実施を行っています。

2022年度は、ロシア・ウクライナ情勢についてリスク対策本部を立ち上げ、グループ会社を含む方針や対応について迅速に決定し、対応しました。


<ERM委員会を設置>

 

 

(6) 指標と目標

日立建機グループが特定したマテリアリティに対する目標値(2030年度)は、以下のとおりです。

※2023年度の各種実績につきましては、提出会社ウェブサイト、統合報告書等で開示していく予定です。