リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業等のリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。
(1)受注変動のリスク
当社グループの主要事業である鍛造事業においては、自動車部品ならびに建設機械部品が大半を占めており、自動車及び建設機械の国内外の販売状況に影響を受けます。従って半導体の供給不足などにより自動車生産が制約され、後に供給正常化後も在庫調整等が行われる状況下にあっては、当社グループの受注状況に影響が生じます。また、今後EV化の加速等により、必要とされる部品が急激に変化した場合にも、当社グループの売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。EVの特性と当社グループ製造部品の必要性を勘案した場合、現時点においては取扱製品需要が短期間に消失するリスクは大きくないと考えますが、自動車業界の動向を先取りした製品開発と販路確保や非自動車分野のさらなる開拓が必要と認識しております。
(2)素材等の仕入価格の変動リスク
当社グループでは、製品を製造するための鋼材等を購入しています。これらの世界市場における需要の動向、生産の環境変化等により購入価格が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は仕入価格の変動を製品価格に適正に反映させ、リスクを抑制すべく管理に努めております。
(3)エネルギー費の変動リスク
当社グループの鍛造事業においては、生産活動の過程で大量の電気ならびに重油等を消費します。エネルギー需要の変動による価格変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社はエネルギー費の変動を製品価格に適正に反映させ、リスクを抑制すべく管理に努めております。
(4)為替レートの変動によるリスク
当社グループでは、タイ国に鍛造事業の子会社を有しています。売上高・収益・費用・資産等において、現地通貨で計上している項目は、連結財務諸表の作成のため円換算しています。この為、換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)感染症に関するリスク
当社グループの従業員が新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症を罹患した場合、一部の製造ライン及び事業所において、シフト変更または休止などの措置が必要となる可能性があります。しかしながら、グループ各拠点が分散していること、同一拠点においても都市部から離れたロケーションであることに加え、比較的「三密」を避けやすい(クラスターを誘発しにくい)職場環境にあることから、業績に与える影響は限定的と考えております。
また当該リスクへの対応として、従業員の健康管理、日常生活における感染予防対策の周知徹底、リモートワークの柔軟な運用等を通して、リスク回避に努めております。
(6)大規模自然災害リスク
地震、津波、台風を含む大雨、その他自然災害により、当社グループの事業所、設備、役職員などが被災し、事業活動が停滞するなどの事態が発生した場合、業績等に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、主力の鍛造事業において国内外4つの拠点に分散立地しており、同時被災リスクを地理戦略的にヘッジしています。またBCP(事業継続計画)の策定と災害想定訓練の実施により、被災時の迅速な復旧に努めます。
(7)環境保全への対応負担リスク
当社グループの主力事業である鍛造は、製造工程において多くの熱力(電気や重油等を使用)を必要とするため、CO2の排出量削減が難度の高い課題です。カーボンニュートラルへの対応を強化するためには、相当額の設備投資や研究開発費などが必要であり、財務的な負担が生じるリスクがあります。
(8)情報セキュリティに関するリスク
サイバー攻撃を含む通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェアもしくはソフトウェアの不具合・欠陥等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。情報セキュリティに関しては、通信ネットワークの高度化に伴ってその対策も柔軟に変化させる必要があり、グループ情報セキュリティ委員会等を通じて状況把握と知見の共有化に努め対応してまいります。
(9)外部委託先の健全性に関するリスク
当社は一部の製造工程において、外部委託を行うことがあります。当該委託先が後継者不在などの理由により廃業する場合や、財務上の問題などにより事業継続困難な状況に陥った場合は、当社の生産活動に支障が生じる可能性があります。当社は外部委託先が小規模な場合などにおいては、経営者をはじめとしたキーマンへのコンタクトと事業実態の確認を随時実施することにより、外部委託先の健全性に生じるリスクの早期把握に努めております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、現在の株主の皆様への配当を充実するとともに、連結業績推移ならびに将来の業績見通し、事業計画に基づく投資余力・資金需要、内部留保の適正な水準などを総合的に勘案しつつ、配当金額を算出することを当社の株主に対する利益還元の基本方針とし、連結配当性向40%以上を目標とします。ただし、1株あたりの配当金は10円を下限とします。本方針は、2020年2月より起算し当面5年間を目処に継続し、5年後には改めて配当政策の見直しを行う予定です。(注)
なお、当社の剰余金の配当金は、期末配当の年1回を基本方針としていますが、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会です。
当事業年度においては、以上の方針のもと、業績等を勘案し、1株につき11円の配当を実施しました。
なお、内部留保資金は経営体質の一層の充実並びに将来の事業展開に役立てることといたします。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月25日 |
409,734 |
11.00 |
定時株主総会決議 |
※配当金の総額には、従業員インセンティブ・プラン「株式給付信託(J-ESOP)」制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式に対する配当金6,263千円が含まれております。
(注) 利益配分に関する基本方針の変更は、2020年2月14日に取締役会決議し、公表しました。