2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    665名(単体) 1,017名(連結)
  • 平均年齢
    46.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.8年(単体)
  • 平均年収
    8,301,111円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

エンジニアリング事業

556

単体機械事業

277

全社(共通)

184

合計

1,017

 

(注) 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

665

46.7

16.8

8,301,111

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

エンジニアリング事業

274

単体機械事業

234

全社(共通)

157

合計

665

 

(注) 1.本人員表には、臨時職員、当社から他社への出向者は含んでおりません。

2.平均年間給与は、2024年度を通じて在籍した者に対して支給された税込金額によるものであり、基準外賃金及び賞与その他の臨時給与を含めております。算定にあたり、海外の現地採用者、他社から当社への出向者は含めておりません。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社には三菱化工機労働組合(連合JAM所属)があり、その組合員数は2025年3月末現在387人(出向、休職1人を含む)であります。なお、労使関係において特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

2.9

80.0

71.5

80.0

52.7

(注3)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.当社は役割等級制度の人事制度により、全従業員共通の役割基準により処遇しておりますが、役割等級や年齢における男女の分布の違いになどにより、男女の賃金差異が生じています。一方で、同一役割等級内における男女の賃金の差異は概ね90%以上であり、差異は小さいものと考えております。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規

雇用労働者

うちパート・有期労働者

全労働者

うち正規

雇用労働者

うちパート・有期労働者

三菱化工機アドバンス株式会社

6.8

50.0

50.0

88.2

94.7

88.9

(注3)

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.親会社と同等の役割等級制度の人事制度により処遇しておりますが、役割等級や年齢における男女の分布の違いになどにより、男女の賃金差異が生じています。一方で、同一役割等級内における男女の賃金の差異は90%程度であり、差異は小さいものと考えております。

4.上記以外の連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティについての取組

当社は、これまで培ってきた技術とノウハウを活かし、SDGsの取り組みも含め社会課題に対応する企業グループを目指し、「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現(MORE Sustainable, KEEP Innovating for a KINDHEARTED Society)」をビジョン・ステートメントに掲げた「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」の実現に向けて取り組んでいます。

この経営ビジョンにおいて、当社グループが解決すべき社会課題として「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」を設定し、その解決に資する「循環型社会推進」「クリーンエネルギー」「省力・省エネ」「次世代技術開発」を中核とした戦略的事業領域の取り組みを進めています。その中で、2025年4月、戦略的事業領域を当社グループの注力領域に再定義するため、報告セグメントとして「GX事業」を追加し、その推進を担う組織として「GX事業推進室」を新設しました。

2025年度から3ヵ年の中期経営計画においては、最終年度である2027年度にGX事業において売上高230億円を達成するため、CO2の回収やバイオガスの利活用を推進する「循環型社会推進」及びブルー・グリーン水素の製造や水素の利活用を推進する「クリーンエネルギー」分野に注力し、当社の中核事業としての確立をはかります。また、経営ビジョンの実現を目的に特定したマテリアリティへ目標(KPI)を設定し、気候変動や人的資本等の社会課題への対応を着実に進めていきます。

このように、当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、当社グループの持続的発展を実現するため、サステナビリティの推進に注力してまいります。

 

①ガバナンス

当社取締役会は、サステナビリティへの対応を経営上の重要課題の1つであると認識しており、リスク管理の観点だけでなく事業創出の観点からも重要な施策の意思決定をするとともに執行状況を監督しています。

重要課題に対する進捗を測る経営指標と目標を定め、当社代表取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を中心とした推進体制のもと、当社グループのサステナビリティ領域全般に係る全体計画の立案・進捗状況のモニタリング・達成状況の評価を行っています。また、当社取締役会が定期的に当委員会から当社グループのサステナビリティへの取り組み状況に関する報告を受ける体制を構築しています。

 


 

 

 

②戦略

企業理念や経営ビジョンの実現には社会価値の創造が不可欠であり、価値創造には当社グループが持つ強みやノウハウを活かした戦略的事業領域の展開、事業ポートフォリオの見直しや、事業活動を支える経営基盤の強化がキーとなります。このような価値創造力と経営基盤の強化が、当社グループの持続的な成長や企業価値の向上に重要だと考えています。

2023年5月、当社グループの事業活動や経営ビジョン実現への取り組み等を、SDGsその他国際的なサステナビリティ指標等と紐づけて6項目に絞り込み、社会価値の創造と経営基盤の強化を両立させ、経営ビジョンを実現させるためのマテリアリティ(重要課題)として取り纏めました。

 

a.6つのマテリアリティ(重要課題)

ビジョンを実現するためのマテリアリティ

区分

ⅰ)4つの戦略的事業領域に関連する社会価値の創造

価値創造力の強化

 

・循環型社会の推進

当社の強みである分離技術・ろ過技術等を活用した廃プラスチックのリサイクルやCO2の回収を通じた循環型社会への貢献

・クリーンエネルギー普及の推進

核となるブルー水素・グリーン水素製造技術の確立や、バイオガス・バイオ燃料の利用促進等により多様なクリーンエネルギーを創出し、普及を促進

・省力・省エネ化への貢献

デジタル診断等を活用した納入設備及び機器のメンテナンスサービス推進で、お客様や社会の省力・省エネ化に貢献

・水・食リスクの軽減、回避

今まで培ってきた水処理や汚泥処理等の技術を踏まえ、水質の改善や効果的な水使用に貢献するとともに、水ひいては食料提供のリスク低減と安定化に寄与

ⅱ)顧客との信頼関係強化(品質・安全)

事業活動を支える基盤

 

品質不良や不具合の発生によるお客様の信用失墜リスクの排除に全力で取り組み、万全な対策を期す。高品質で安全性の高い製品やサービスの提供はもとより、今後変化するお客様のニーズを的確に捉えることで強固な信頼関係を構築し、企業基盤を確かなものとする

ⅲ)多様性を重視した人材開発・活用推進

 

技術伝承は、当社グループの発展の根幹。同時に、属性のみならず経験・スキル・価値観といった従業員の多様性を活かし、絶えず変化する様々なお客様のニーズに応えることができる人的資本の開発を推進する

ⅳ)事業活動における環境負荷の低減

 

当社グループの事業活動が、環境に及ぼす影響を最小限になるよう、エネルギーや資源の有効利用をはかる

ⅴ)モノづくり戦略の確立と推進

 

経営基盤の強化に資する戦略の確立に向けて、省エネ・脱炭素化・ゼロエミッション工場を推進し、DXを活用したモノづくりの高度化・効率化、生産体制の強化を実施。また、モノづくりで培ったノウハウを活用して戦略的事業領域に対応する製品開発を推進する

ⅵ)コーポレートガバナンスの強化

 

企業価値の増大には適切なガバナンスの機能、適切なリスク管理を前提とした果敢なリスクテイクが必要。リスクテイクは事業や企業の変革に必須であり、取締役会における業務執行と監督の分離による経営の透明性の向上と、ステークホルダーとの積極的な対話を推進する

 

 

 

 

b.マテリアリティの特定プロセス

STEP1

マテリアリティ候補の抽出

SDGs(持続可能な開発目標)、ISO26001、GRIスタンダード、SASBスタンダード(サステナビリティ会計基準審議会)といった国際的な指標・ガイダンス、グローバルリスクや事業機会等のサステナビリティ課題及びESG格付基準等を参照し、当社グループの事業特性等を踏まえ、マテリアリティ候補を抽出しました。

 

 

 

STEP2

マテリアリティの絞り込みと優先順位付け

抽出したマテリアリティ候補の16項目をもとに、当社の社内外の取締役に対してインタビューを実施しました。その結果をもとに、"三菱化工機グループにとって重要な課題"及び"ステークホルダーにとって関心度が高い課題"の観点より総合的に判断し、マテリアリティを絞り込むとともに、優先順位づけを行いました。

 

 

 

STEP3

マテリアリティの選定

当社グループの経営ビジョンや中期経営計画との関連性を評価し、協議を重ねてマテリアリティを6項目にまとめました。

 

 

 

STEP4

社内承認

取締役会決議(2023年6月)を経て、6項目を優先的に取り組むべきマテリアリティとして特定しました。

 

 

 

③リスク管理

サステナビリティに関連するリスクの管理については、①ガバナンスの体制図で示したとおり既存の「リスク管理委員会」と相互連携しています。その役割分担は、常設委員会である「サステナビリティ委員会」においてリスクの抽出・特定を管掌するとともに、「リスク管理委員会」においてリスク対応方針の決定・進捗管理を管掌しています。

「リスク管理委員会」においては、全社リスク管理において対象とするリスクの類型に気候変動問題などサステナビリティに関連するリスクがあることを明示するとともに、「サステナビリティ委員会」で重要と判断されたリスクを全社重要リスクとして管理し、その対応状況を定期的に取締役会に報告しています。

これらの活動を通じて、全社的な短期・中期・長期のリスクを抽出し、評価及び対応策の検討を行い、取締役会にて監督を行っています。

 

④指標と目標

当社は、「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」を掲げ、(1)サステナビリティについての取り組みにあります社会課題の解決に資する4つの戦略的事業領域を「GX事業」として全社の注力領域に再定義するとともに、その推進を担う組織として「GX事業推進室」を新設し、さらなる実践につなげていくことにより、社会課題の解決と成長の具現化をはかってまいります。

また、当社グループは、気候変動、人的資本などの分野において、経営ビジョンを実現するためのマテリアリティ(重要課題)に対して目標(KPI)を設定し、サステナビリティの着実な推進をはかっています。また、人権尊重その他サステナビリティに係る分野について、経営ビジョン及び中期経営計画との関連性、並びに、当社事業にもたらすリスク・機会等を含め総合的に勘案し、個別の指標・目標設定を検討してまいります。

 

 

マテリアリティに対する目標(KPI)

マテリアリティ

KPI(中期経営計画2025-2027)

ⅰ)4つの戦略的事業領域に関連する社会価値の創造

  GX事業の3年目売上高:230億円以上

  M&A/出資の実行:1件以上

ⅱ)顧客との信頼関係強化(品質・安全)

  4日以上の休業災害件数:0件 ※1

  品質(損失)コストの対売上高比率:前中計期間比低減 ※2

ⅲ)多様性を重視した人材開発・活躍推進

  エンゲージメント調査の平均点:3ポイント以上向上 ※3

  女性従業員比率:20%以上 ※3

ⅳ)事業活動における環境負荷の低減

  Scope1,2排出量:2030年目標以下水準の維持 ※1

  Scope3排出量:算定・開示

ⅴ)モノづくり戦略の確立と推進

  工場DX:川崎製作所をはじめとしたグループ内各工場への実装

  資材調達リスク管理:サプライチェーンマネジメントの実施

ⅵ)コーポレートガバナンスの強化

  KPI実現をフォローアップ

 

※1 本中計期間内すべての期間における目標

※2 前中計期間3年間平均に対する、本中計期間3年間平均の目標

※3 前中計期間最終年度(2024年度)に対する、本中計期間最終年度(2027年度)の目標

 

 

 

(2)気候変動への対応

当社は、2022年12月に賛同したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づき実施した気候関連のリスク・機会の分析結果を経営計画へ反映させることで、当社グループの持続的な成長をはかります。また、気候関連の目標設定及び同提言のフレームワークを活用した情報開示の充実により、気候変動への取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に係るガバナンス体制に組み込まれております。詳細は、「(1)サステナビリティについての取り組み ①ガバナンス」に記載しております。

 

②戦略

当社は、2100年時点の世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して、1.5℃以下に抑制しながら経済成長を目指すシナリオ(以下「1.5℃シナリオ」)と現状ベースで化石燃料をエネルギーの主体として経済成長を目指し同4.0℃上昇することが想定されるシナリオ(以下「4℃シナリオ」)の2つの気候変動シナリオを設定し、分析を実施しています。

1.5℃シナリオでは、移行リスクとして、例えば炭素税の導入による資材・エネルギーコストの上昇、それによるエネルギー効率の低い設備需要の減少、並びに化石資源関連産業及び化石燃料を使用する設備向けの製品の需要減少などが想定される一方で、脱炭素化に対応した製品・技術へのニーズが一層高まることが想定されます。当社は水質汚濁防止・大気汚染防止などの環境分野をはじめとして社会課題に対応した装置・設備の設計・製作・建設で多くの実績を有しております。これらの要素技術は脱炭素化に対応する水素に係る製品・技術や藻類の培養・活用にも応用できる当社の強みと考えており、事業機会も十分に存在するものと考えております。

4℃シナリオでは、気候変動による自然災害の激甚化によるリスクに対応するレジリエントな装置・設備ニーズに対して当社の既存製品・技術を提供する機会が生ずるものと考えておりますが、洪水・海面上昇等による調達先や輸送網といったサプライチェーンへの影響や工程の遅延、及び平均気温上昇による作業効率の低下などによる物理的リスクの方が大きいものと考えております。

 

 

 

(影響度の評価)

 大:売上高50億円以上

 中:売上高10~50億円未満

 小:売上高10億円未満

(時間軸の評価)

長期:2050年までに影響あり
中期:2030年までに影響あり

短期:2025年までに影響あり

 

気候変動がもたらすリスク

区分

分類

項目

内容

影響度

評価軸

当社の対応

移行リスク

政策・

法規制

CO2排出削減に係る

税・規制の導入・強化(※1)

炭素税の導入(資材)

中~長期

・製品設計の工夫による資材使用料の削減、低CO2
 排出材料への代替(調達先への働きかけを含
 む。)

・エネルギー使用プロセスの効率化、省エネ設備
 の更なる導入

・再生可能エネルギー設備の設置

・デジタルを活用したE&M(※2)等による省力・
 省エネ促進

再生可能エネルギーの普及に伴う電力コスト増

中~長期

製品と

サービス

社会的な要請の変化

エネルギー効率の低い設備需要減少

短~中期

・エネルギー効率の高い製品の開発・販売を継続

化石燃料関連設備の需要減

短~中期

・CCUS設備の開発・販売を推進

油清浄機・部品を代表とする単体機械の需要減

短~中期

・再生可能エネルギー向け等の固液分離技術の新
 たな用途の開発を推進

物理的リスク

急性

風水害

激甚化

自然災害の激甚化による工程遅延やサプライチェーンへの影響発生

中~長期

・リスクを考慮した工期の設定

・作業空間における温度管理設備の整備

・BCPの強化

慢性

気候変動

平均気温の上昇により、プラント建設・機器製造等の作業効率が低下

中~長期

海水面の上昇、降雨パターン(豪雨と干ばつ)の長期的変化によって、自社事業所や取引先の事業継続リスクの増加や防災・適地移動コストの発生

短~長期

 

※1 資材・電力の調達コスト増(利益減)は、利益率10%と仮定し、影響額÷10%=売上額の換算で影響度を評価

※2 エンジニアリング&マニュファクチャリング

 

気候変動がもたらす機会

区分

分類

項目

内容

影響度

評価軸

当社の対応

移行機会

製品と

サービス

社会的な要請の変化

レジリエント/省エネルギーなプラント・設備の需要増

中~長期

〔戦略的事業領域〕

水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代
 技術開発事業の取り組み

 ・プラント・設備に関する研究開発の推進

バイオガスの需要増

短~長期

〔戦略的事業領域〕

 持続可能な循環型社会推進事業の取り組み

 ・バイオガス発電への取組みを継続

 ・廃プラリサイクルに関わる新規事業参入

 ・CCUS関連事業に係わる新規事業参入
 (エンジニアリング・水素製造からの回収等)

 

〔戦略的事業領域〕

 水素を核としたクリーンエネルギー事業の取り
 組み

 ・水素事業の強化

 ・藻類由来のSAFの技術開発

 

 

③リスク管理

気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ全般に係るリスク管理プロセスに組み込まれております。詳細は、「(1)サステナビリティについての取り組み ③リスク管理」に記載しております。

 

 

④指標と目標

当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、温室効果ガス(GHG)サプライチェーン排出量の算定と削減及びカーボンニュートラルに資する事業の拡大の、2つの目標を設定し取り組みを進めています。

a.当社グループのGHG排出量(Scope1,2)を2050年までにNet Zeroへ(マテリアリティ:Ⅳ)

当社グループは、工場・オフィスからのGHG排出量を2050年までに実質ゼロとしてまいります。この長期目標の達成に向けて、再生エネルギー由来の非化石証書付きの電力受給契約のほか主力工場における太陽光PPAモデルによる使用電力の一部再生エネルギー化を実施する等により、2030年までに2021年度比で50%以上の削減をはかってまいります。

2023年度の排出量は、主力の工場・事業所における非化石証書付き電力を導入及び太陽光発電設備の増設、太陽光PPAモデルの活用等により前年比で大幅に減少し、2030年度目標を前倒しで達成しております。現在集計中の2024年度排出量は、連結子会社の増加及び従業員数増加に伴う事業所の拡大等がありましたが、2023年度中に実施した上記再エネ電力の導入等により、前年比で減少となる見込みです。

 

三菱化工機グループ 温室効果ガス(Scope1+2)排出量削減目標(単位:t-CO2)

基準年度

実績

削減目標(基準年比)

2021年

2023年

2024年(推計値)

2030年

2050年

2,834

933

(67%減)

800

(72%減)

1,417

(50%減)

実質ゼロ

 

※()内は基準年度比増減率を示しております。

※2024年に係る排出量は推計値を表示しており、算定完了後、当社ウェブサイトへ掲載いたします。

 

b.社会課題への貢献に寄与するGX事業の成長を加速(マテリアリティ:Ⅰ)

当社は、2025年4月、CO2・気候変動をはじめとする社会課題の解決に資する4つの戦略的事業領域のさらなる推進・拡大をはかるため、この事業領域を「GX事業」として全社の注力領域に再定義しました。GX事業のうち、①持続可能な循環型社会推進事業、②水素を核としたクリーンエネルギー事業、③デジタル技術を活用した省力・省エネ事業の3つは、当社グループのサプライチェーン全体のCO2排出量削減につながるものであり、2035年度までの中核事業化を目指しています。

このような事業ポートフォリオ改革を進め、2035年度までにGX事業の売上高を500~600億円にまで拡大すべく、取り組みを進めてまいります。

GX事業 売上高計画(単位:百万円)

計画(中期経営計画2025-2027)

目標(経営ビジョン)

2027年度

2035年度

2050年度

23,000

50,000 ~ 60,000

さらなる拡大

 

 

 

 

(3)人的資本

当社グループは『モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供し社会の発展に貢献する』ことを企業理念としています。この理念の実現に向け、「人」は最大の経営資本であり、重要なリソースであると考えています。経営ビジョンの実現に向けての当社グループ人材については、のAs is(現状)からTo be(理想)を描き、制度を通じた人材育成を行うための人事制度を導入し、整備・運用しています。さらに、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、働きがい(働きやすさとやりがい)を感じながらイキイキと活動できる環境を育むことにより、個人と企業がともに成長・発展することのできる職場環境と風土づくりを推進しています。

 

①ガバナンス

取締役社長を含む経営陣幹部の任命は、すべてのステークホルダーにとって企業の中長期的発展・サステナビリティに関わる最も重要な事項のひとつであることから、当社においては指名報酬委員会を設置し、経営陣幹部の選解任及びサクセッションプランを意識した経営人材プール・人材育成状況のモニタリング等を行っています。また、従業員は事業活動を支える最も重要な経営資本であることから、職業能力を伸長・発揮することができるよう、経営陣幹部を構成員とする人事管理委員会を設置し、人事評価・昇降格その他人事管理に関する適正な運用の確保に努めるとともに、当該委員会に設けた分科会において主要役職の人材プールを設定し、計画的な人材育成に努めています。

 

②戦略

当社は、高い技術とプロ意識を持ち、「人の和」と「ルールの遵守」を重視する人材を育成することを人材理念の最初に掲げています。その理念に基づき以下の取り組みを行っています。

ⅰ)各部門において日常業務を通じて継続的に行われるOJT及び職場内教育

ⅱ)人事部門において計画的に実施する新入社員研修・若手フォローアップ研修

ⅲ)人事制度上の役割等級に応じた研修である階層別教育訓練・職能別専門教育訓練や次世代経営人材の選抜研修

ⅳ)従業員が自発的に受講することのできる通信教育や自己啓発支援金制度

ⅴ)業務を通じての能力発揮機会の提供

これらを組み合わせて継続的に実施していくこととしています。

これにより、国内連結会社における2024年度の教育訓練費実績は47百万円(前年比:108.6% ※前年度:43百万円)であり、予算を拡充して能力開発を支援しています。

経営ビジョンの実現に向けて事業領域のシフト・拡大を推進するとの観点から、行動力・実行力、自律性、高い技術力及び倫理観等の能力を備える人材を育成することが必要と考え、自らの役割を主体的にとらえて創造性を発揮する自律型人材の育成を進めるべく、各人の役割から具体的に導かれる遂行実績(成果)とそれを創出するための行動・プロセスを評価する人事制度、及び自律的な教育訓練・リスキリングを支援する研修制度を導入しています。

また、働き方改革や職場風土改革の活動を通じて自由闊達で一体感のある職場風土を醸成し、社内に異なる経験・技能・属性を有する多様な人材が活躍できる職場環境を整備し、会社の持続的な発展に努めています。

具体的な取り組みについては、以下のとおりです。

ⅰ)働き方改革・ワークライフバランス

2019年度に働き方改革PJチームを設置し、ダイバーシティと生産性向上の取り組みを継続して推進しています。従来から実施しているフレックスタイム制度に加えて、テレワーク勤務制度、電子化の促進、Web会議システムの導入等、柔軟かつ多様な働き方を実現できる環境整備を行っています。また、新しい働き方に対応すべく事務所の集約・移転を実施いたしました。加えて、現在進めています川崎製作所の建替えにあたっては、より一層の働き方改革につながるようワークプレイスコンサルを起用し、若手従業員が中心となって検討に参加し、エンゲージメントの向上も目指しています。

 

ⅱ)育児休業等取得のための環境づくり

次世代育成支援の取り組みとして、仕事と育児を両立させることのできる働きやすい職場環境づくりを進めております。法定の育児休業等に加えて、産前産後の配偶者の特別休暇制度、失効年休積立による看護・介護休暇の有給化、育児短時間勤務制度、ジョブリターン制度等を整備しています。女性従業員はもとより、特に男性従業員の育児休業取得率の向上を目標に施策を実施しており、2024年度の実績では男性育児休業の取得率は80%となっています。

ⅲ)職場風土改革の実践

2014年度より風土改革推進委員会を設置し、全従業員にエンゲージメント調査(エンゲージメントに影響する項目に係る全従業員の意識と組織状況を調査。)を行い、その結果に基づいた風土改革活動を継続して実施しています。2024年度は前年比で0.9ポイント向上し、従業員がより働きやすい環境を感じ組織への愛着や一体感を強めている傾向が確認できた一方、発言・意見や成果に対する承認や理念・戦略の共感などの項目に改善余地がある結果となりました。従業員一人ひとりが当社の従業員として誇りと責任を持ち、イキイキと働き、仕事を通して更なる自己実現ができる企業風土へと変革させ、多様な人材の活躍を価値創造につなげることができるよう、今後もこの活動を継続してまいります。

ⅳ)ダイバーシティ&インクルージョン

経営ビジョンの実現に向けての事業領域を推進・展開していくためには、多様な背景や価値観を持った従業員が共通の目的の下でさまざまな役割を担い業務活動を行っていくことにより組織全体の成長力を高めることが必要であり、多様性は当社にとって重要な財産であると考えています。多様性確保のため、女性従業員数・外国人従業員数の拡大、キャリアを中断させない仕組みづくり、障がい者雇用の促進をはかっています。

ⅴ)社内公募制度

従業員が当社における自らのキャリアを主体的にデザインし、自己研鑽や早期育成の促進をはかる仕組みを整備しています。また、本人希望や適性をマッチングさせたジョブローテーションや育成等に資するため、キャリアデザインシートによる自己申告を実施し、従業員のキャリア開発を支援しています。これに加えて2022年度からは、社内公募制度を開始し、従業員がより自律的、かつ積極的にキャリアを形成し、キャリアオーナーシップを持って働くことのできる環境を整備しています。これによって、従業員は自己の能力を最大限発揮し、多様な役割を経験する機会を得ることができ、やりたい業務に従事できることから組織力の強化にも好影響をもたらしています。

ⅵ)人権尊重の取り組み

当社グループは、社会の課題解決に積極的に取り組み、環境保全を含む持続可能な社会の実現に貢献することを経営ビジョンに掲げています。当社グループは、自らの事業活動において影響を受けるすべての人々の人権が尊重されなければならないことを理解し、「三菱化工機グループ行動憲章」並びに2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「三菱化工機グループ人権方針」を定め、当社グループ全体で人権尊重の取り組みを推進しています。

ⅵ)安全衛生に関する取組み

安全・衛生は経営の基盤であり、すべての事業活動に優先するという基本理念の下、安全で安心して働くことができる職場環境の実現に向けた活動を継続して実施しています。工場・建設現場での安全確保に関する取り組みはもとより、心の健康を守るための産業保健スタッフによる面談や研修を行うとともに、ハラスメント防止にかかる制度を導入し、2024年4月には安全衛生を専任とする部門を設置し、活動の強化と充実をはかっています。

 

 

③リスク管理

会社の事業活動においては、多様な人材が集まり、一人ひとりが職業能力を最大限発揮できることが重要と考えています。人材の流動性が高まり、少子化による売り手市場のもと、採用競争力が低下して計画した人材獲得ができなくなることや、従業員の離職により組織の総合力が低下することは、当社にとって重要なリスクであると認識しています。そのため、雇用・人事・人材流出をリスク管理委員会において重大なリスクの一つと捉え、定期的にリスクアセスメントの状況をモニタリングして必要な対策を講じています。

 

 

 

④指標と目標

上記の②戦略に係る指標につきましては、当社においてはこれらに係る具体的取り組み及び関連する指標のデータ管理が行われているものの、当社連結グループに属する全ての会社で一律には行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

(1)女性の採用促進と管理職への登用

当社は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、女性が職業生活において一層活躍することのできる雇用環境の整備に努めてきましたが、女性従業員の割合が低いこと、女性管理職がいないことが課題でありました。近年は、正社員の採用者における女性比率の向上等に努め、2025年3月末現在、従業員に占める女性の割合は約14.4%であり女性の管理職5名の登用に至っております。女性従業員は増加しつつあるものの、従業員に占める割合をより高めることが、ダイバーシティの観点において人員構成の適正化につながると考えており、正社員の採用に占める女性比率を20%以上とすることを目標として採用活動を一層強化します。

(2)中途採用者の管理職への登用

当社は、上記の多様性の確保についての考え方に基づき、中途採用者の人材の確保にも取り組んでいます。2025年3月末現在、管理職の約49.4%を中途採用者が占めており、今後も現状以上を維持することを目標としております。

(3)外国人の管理職への登用

当社は、上記の多様性の確保についての考え方に基づき、外国人の人材の確保にも取り組んでいます。2025年3月末現在、外国人管理職1名の登用に至っており、今後も現状以上を維持することを目標としております。

 

当社グループは人的資本に関する取組みを通じて、持続可能な成長を実現するための基盤を強化し、社会貢献に努めます。