2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    317名(単体) 1,107名(連結)
  • 平均年齢
    40.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    7,116,133円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ポンプ事業

993

(47)

電子部品事業

(-)

報告セグメント計

993

(47)

その他

8

(-)

全社(共通)

106

(10)

合計

1,107

(57)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、嘱託等を含む)は( )内に外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

3.合計従業員数が前連結会計年度末に比べ142名(46名)減少しておりますが、その主な理由は、2024年12月31日付で電子部品事業を担う株式会社平福電機製作所を事業停止したためであります。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

317

(22)

40.4

17.0

7,116,133

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ポンプ事業

292

(20)

電子部品事業

(-)

報告セグメント計

292

(20)

その他

(-)

全社(共通)

25

(2)

合計

317

(22)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、嘱託等を含む)は( )内に外数で記載しております。

2.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与には、社外への出向者11名を含み、嘱託22名は含んでおりません。

3.平均年間給与は、税込支払給与額であり、諸手当及び賞与を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

(3)労働組合の状況

 当社及び一部の連結子会社において労働組合が組織されております。

 当社の労働組合は、帝国電機労働組合と称し、1947年11月に結成され、2025年3月31日現在の組合員数は、264名であります。

 労使関係は安定し、円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.7

71.4

77.1

77.1

75.7

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「私たちは事業活動を通じて人の心を豊かにするとともに、持続可能な社会の実現に貢献します。」を経営理念としており、サステナビリティ課題を重要な経営課題の1つであると認識しております。

当連結会計年度からは新たな中期経営計画が始動し、「環境貢献に軸を置いた成長戦略とサステナブル経営の両立」を基本テーマとし、引き続きESGを積極的に推進してまいります。

これまでに、自家消費型太陽光発電設備の設置や高効率型キャンドモータポンプの開発等の環境対応、そして教育訓練の充実や女性活躍推進プロジェクトの発足など、当社のサステナビリティ課題に対応した様々な取り組みを行ってまいりました。

今後も業績向上に努めていくことは勿論のこと、サステナビリティ課題への取り組みも着実に進めながら企業価値の向上に努めてまいります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティに関連する事項については、リスク管理委員会にて、検討を行っております。代表取締役社長を委員長とし、執行役員を常任委員とした同委員会は、原則年3回開催し、サステナビリティに関連する事項を含む各種リスク・機会の抽出、分析、評価、及びこれらの対応方針について、審議・決定することとしております。

リスク管理委員会で審議決定された事項は取締役会に年2回報告され、報告を受けた取締役会は必要に応じて指示を行う等、当社のサステナビリティに関連する事項を含む各種リスク・機会への対応方針及び実行計画等についての監督を適切に行っております。

 

<サステナビリティ関連事項を含む各種リスクに関するガバナンス体制図>

 

 

②リスク管理

サステナビリティに係るリスクについてはリスク管理委員会が抽出、分析、評価、及びこれらの対応方針を決定し、全社的リスクと併せて対応しております。

リスク管理委員会で検討した内容及びその結果は取締役会に報告しており、報告を受けた取締役会は、必要に応じ、リスク管理委員会に対して指示を行う等の監督を行っております。

具体的には、2月にリスク管理委員会事務局が委員長を除く常任委員に対してリスクに関するアンケート調査を実施し、リスクの抽出を行います。そして、抽出されたリスクを発生可能性・頻度及び財務・レピュテーションへの影響を評価軸にマトリックスを作成し、対応優先度をリスク管理委員会で議論の上決定します。その結果、対応優先度が高いリスクについては、対応部門を委員会で決定し、対応部門の各本部長(常任委員)から、該当部門長(非常任委員)に対して、自部門の経営計画(BSC)に当該リスク対応を組み込むよう指示します。経営計画(BSC)に組み込まれたリスク対応については、四半期ごとに開催されるBSC進捗会議において、進捗状況を確認します。その結果がリスク管理委員会事務局を通じて取締役会に報告されます。報告を受けた取締役会は、必要に応じ、リスク管理委員会に対して指示を行う等の監督を行っております。

 

(リスク管理体制図)

 

(リスク評価マテリアリティ)

 

 

上記リスク管理委員会において、当社のサステナビリティ課題として気候変動リスク・機会への対応と人財育成が挙げられており、重点課題として取り組みを進めております。

 

(2)気候変動リスク・機会に対する戦略及び指標と目標

当社の主力製品であるキャンドモータポンプは、完全無漏洩構造であることから、環境負荷の高い液体を漏らすことなく移送することが可能であります。このポンプを世界中に拡販していくことが当社グループのミッションであり、事業を通じて地球環境や世界の人々の安全に貢献できると考えております。また、社内においても温室効果ガス(GHG)排出量の削減に努めております。

この度、TCFDの提言に基づき気候変動関連リスク及び機会が当社グループの事業に及ぼす影響の分析を進めることにより、気候関連の適切な情報開示を行ってまいります。

なお、当社は2023年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明いたしました。

 

①戦略

<前提>

TCFD提言では、気候変動に起因する事業への影響を考察するため、複数の気候関連シナリオに基づき検討を行う「シナリオ分析」を行うことが推奨されており、当社グループでも不確実な将来に対応した事業戦略の立案・検討を行うため、下記のようにシナリオ分析を実施いたしました。

今回のシナリオ分析においては、SDGsの目標である2030年時点を想定し、現状を上回る気候変動対策が施されず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)」を参考に、定性・定量の両側面から考察を行いました。

 

 

 

<当社グループ事業における気候変動関連リスク・機会の概要>

 

・顕在化時期の定義

「短期」:~3年  「中期」:4~10年  「長期」:11年~30年

・影響度の定義

「大」:営業利益に5億円以上の影響が見込まれる

「中」:営業利益に5千万円以上5億円未満の影響が見込まれる

「小」:営業利益に5千万円未満の影響が見込まれる

 

当社グループの主力事業であるポンプ事業は、製品の製造段階において多くの燃料や電力を使用することや、原材料として多種多様な金属を使用することから、カーボンプライシングに関する政策規制や、脱炭素への移行に伴う金属価格の上昇、再生可能エネルギーの市場普及に伴う電力価格の上昇を移行リスクとして特定しています。また、気候変動に伴う異常気象の激甚化が、当社グループのサプライチェーンに係る物流の寸断や、当社グループ各拠点の被災による影響を物理リスクとして特定しています。

一方で、脱炭素社会の進展により、再生可能エネルギーの普及や再生可能燃料の生産量の増加といった、脱炭素分野における当社グループの製品・サービスの需要増加を機会として特定しています。

 

<環境負荷低減に関する取り組み>

 当社グループは、事業を通じて地球環境や人々の安全に貢献していくため、完全無漏洩構造であり、環境負荷の高い液体を漏らすことなく移送することが可能であるキャンドモータポンプを世界中に拡販していくことが、ミッションであると考えております。

 

◆ 脱炭素ビジネスで活用されるキャンドモータポンプ

  

 

世界的な脱炭素社会の進展により、化石燃料からのエネルギー転換等、CO₂排出ゼロに向けた取り組みが加速しております。そのような中で、当社のキャンドモータポンプは脱炭素に関連する設備にも対応することが可能であり、市場の裾野を広げる新たなチャンスと捉えております。

 

◆ 当社設備での環境に配慮した取り組み

 当社グループでは、事業活動におけるGHG排出量の継続的な削減に向けて、工場やオフィスで使用するエネルギー効率の向上や、自然エネルギーの有効利用などに取り組んでいます。

・本社屋及び本社工場の全面LED化

2017年4月に建設した新本社工場へのLED照明の導入以降、旧工場設備、本社事務所においても、LED照明への換装が完了しております。エネルギー効率の良い設備の導入を始め、今後とも事業所全体としてのエネルギー効率向上に務努めてまいります。

 

・自然エネルギーの有効利用

当社では、2017年4月に建設した新本社工場への太陽光パネル設置以降、本社工場内の技術開発センター、サービス工場棟にも太陽光パネルを設置し、合計871kWの太陽光パネルが稼働しております。また、子会社である大連帝国キャンドモータポンプ有限公司では、新工場建設に合わせ、新工場、既存工場の両方に合計1,421kWの太陽光パネルを導入いたしました。これらの取り組みにより、自然エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に努めております。

 

・冷暖房等の効率向上

新本社工場の外壁には、断熱効果の高い建材・工法を採用し、合わせてエアー搬送ファンによる空調効率の向上で空調エネルギーを抑制し、CO2の削減と作業環境の改善にも取り組んでおります。
また、超高効率変圧器の導入等により、工場全体としてのエネルギー効率向上に努めております。

 

・本社工場全体でのエネルギー管理システムの導入

本社工場内のエリアごとのエネルギー使用量を可視化するデマンドモニタの設置により、全体のエネルギー使用量を集中管理し、効果的な節電対策を実施しております。

 

・社用車のハイブリッド化

当社は、2021年度よりハイブリッド車の導入を本格的に開始いたしました。当社の社用車34台のうち、新たに更新する車両から順次ハイブリッド車への切り替えを行っており、2025年3月末現在で約40%がハイブリッド車に切り替わっております。

 

・CO2フリー電力の導入

当社東京営業所は、2024年7月より電力メニュー切り替えによりCO2フリー電力を使用しております。これにより、東京営業所での電力使用によるCO2排出量は、前期対比約8.0tの削減となりました。

 

②指標と目標

気候変動に対する当社グループの環境経営の進捗を測る評価指標としては、温室効果ガス(GHG)排出量を選定しております。

当社グループは、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に、可能な限り1.5℃未満に抑える努力をするというパリ協定で示された世界共通の長期目標と、日本政府が掲げる2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを達成するという目標に準拠すべく、対応してまいります。

今後、サプライチェーン全体の排出量を把握するため、Scope3の排出量算定を検討してまいります。

 

(3)人財育成に対する戦略及び指標と目標

当社は全役職員がビジョンを共有し、その実現に向けてチャレンジすることを通じて社是を体現した働きがいのある会社になることを目指して、このたび10年後のありたい姿を描いたグループビジョンを策定いたしました。

ビジョン達成に向けて、当中期経営計画期間(2025年3月期~2027年3月期)においては、人財戦略として下記のことに注力いたします。

 

①人財投資増強による育成強化とモチベーションアップ

・教育訓練の更なる充実による成長実感とモチベーションアップ

・女性活躍推進による組織風土改革

・事業拡大・組織強化に呼応した積極的な人財確保(全国規模及び国内外人財確保の積極化)

・人事・評価制度の見直し検討

 

<具体的取り組み>

当期につきましては、教育訓練として各種技能習得のための資格取得支援を行った他、係長や管理職を対象とした外部研修を実施いたしました。

女性活躍推進につきましては、当期より、一層の取り組み強化を目的に、従来の女性活躍推進体制を強化してプロジェクトに格上げし、モチベーションアップセミナーやキャリアデザイン研修等を実施した他、男女ともに働きやすい職場づくりのために時間単位の有休制度を導入する等の取り組みを推進してまいりました。これらの取り組みが評価され、兵庫県と神戸市が2022年に創設した、女性活躍や多様な働き方等に積極的に取り組む企業等を「ひょうご・こうべ女性活躍推進企業(ミモザ企業)」として認定する制度において、2025年3月に当社が認定されました。2026年3月期からは、引き続き実施するキャリアデザイン研修等の他に、希望者を対象としたポンプについての学びなおし講座である「ポンプの学校」を開校しております。

人財確保につきましては、当期より高等専門学校生向けインターンシップ導入等を行いました。

人事・評価制度の見直しについては、次期より取り組む予定です。

 

②働きやすい職場環境整備

・先進IT技術導入で、職場環境の効率化・快適化を進める

・国内子会社の労働環境改善

 

<具体的取り組み>

先進IT技術導入につきましては、設計効率化に向けてIT技術を導入する前段階として、現在コンサルの支援を受けながら業務の棚卸しや見直しを行っております。

国内子会社の労働環境改善につきましては、次期より工場内に空調設備を導入する等、作業環境の改善に努めてまいります。

 

③指標と目標

上記人財戦略の指標としては、「人財育成及び社内環境整備に係る費用」及び「係長級以上に占める女性社員の人数」を用いております。当期の取り組み内容及び2026年3月期の取り組み計画については、上記「①人財投資増強による育成強化とモチベーションアップ」の具体的取り組みに記載のとおりです。

 

指標

2024年3月期実績

2025年3月期実績

目標

人財育成及び社内環境整備に係る費用(単体)

53,051千円

52,520千円

2026年3月期 65,000千円

係長級以上に占める女性の人数(単体)

3名

4名

2026年3月期までに6名

(注)人財育成、社内環境整備は連結子会社各社でも行っておりますが、規模・制度の違いから、当社グループ全体での記載が困難であるため、提出会社の実績及び目標を記載しております。