2024年1月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 特定企業への依存について

 当連結会計年度においては、中国子会社上海賽路客電子有限公司の取引先であるSHANGHAI SUN-WA TECHNOS CO.,LTD.の売上高が連結売上高に占める割合は2024年1月期に13.7%となりました。同社とは、継続的かつ安定的な取引関係にあり、今後も取引を継続していきますが、中国における電子部品実装の需要動向等によっては、販売が減少し当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、電子部品実装事業においては多様な企業との取引を推進しリスク分散を図ってまいります。

 

(2) 新製品開発について

 当社グループは、新製品開発にあたっては顧客要求・市場分野・開発製品を慎重に選択したうえで、効率的な研究開発活動に努めておりますが、将来のニーズに見合った新製品をタイムリーに開発することは容易ではありません。市場動向が当社の開発内容と異なる方向に向かった場合、当社の新製品の開発が遅れた場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは開発部門を有し、同部門が市場環境の把握、技術的課題解決、新製品開発を効率的に行なうことでリスク低減に努めております。

(3) 固定資産の減損処理について

 経営環境の変化に伴う経営成績の動向如何によっては、保有資産の将来キャッシュ・フロー等の算定見直しを行い、固定資産減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 資材調達について

 当社グループは、生産活動にあたり、資材、部品その他サービス等の供給を適宜に調達しておりますが、急激な環境の変化等により供給が逼迫し、原材料価格が高騰したり、一時的に確保が困難となる可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、複数社を利用する購買先の多様化、事前のまとめ買いによる在庫の確保等を行いリスク分散に努めております。

(5) 退職給付債務について

 当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合には、退職給付債務及び費用が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害等について

 当社グループは、開発・製造効率を高めるため、製造能力の大部分及び研究開発の大部分を広島県の本社工場周辺に集中させております。地震や台風などの自然災害によって、当社グループの生産・開発拠点等が甚大な被害を被る可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、可能かつ妥当な範囲で保険を付保し損害軽減を図るとともに、定期的な設備点検、従業員の衛生管理等可能な範囲で予防措置を行っております。

(7) 輸出製品に係る入金条件について

 当社グループでは、機械装置の輸出に関して、売上代金の一部は機械装置の据付検収後に入金される場合があり、据付検収が長引けば、売上代金の入金が遅延することがあります。その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、機械装置の据付工事の進捗管理を慎重に行い、早期に検収が完了するように努めております。

(8) 製品保証について

 当社グループでは、電子機器部品製造装置については、品質不良あるいは製品不具合に対して、検収後一定期間の無償保証期間を設けております。製品保証に伴い発生する費用に対しては、過去の実績等に基づき期末時点で見積金額を計上しておりますが、新製品など従来とは異なる仕様の製品については、当該見積金額以上の保証費用が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、顧客とのコミュニケーションを密に行い、製品の瑕疵が発生しないよう徹底した品質管理に努めております。

(9) 有利子負債について

 当社グループの、総資産に対する有利子負債残高の割合は下表のとおりとなっております。

 

前連結会計年度

(2023年1月31日)

当連結会計年度

(2024年1月31日)

有利子負債残高(千円)

3,442,810

3,672,862

総資産残高(千円)

16,238,801

16,681,725

有利子負債依存度(%)

21.2

22.0

(注)1.有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)、リース債務の合計であります。

2.有利子負債依存度は、有利子負債残高を総資産残高で除した数値を記載しております。

 当社グループの有利子負債依存度は上記のとおりであります。

 このような状況のなか、金融政策の変化、当社の信用力の低下等により資金調達に制約を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン契約及びタームローン契約に「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりの財務維持要件が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、今後も安定的な資金調達ができるよう取引金融機関と良好な関係を維持するとともに、さらなる関係強化に努めてまいります。

 

(10) 法規制リスク

 当社グループは事業活動を行う上で環境関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制を遵守し従業員のコンプライアンス意識の向上にも努めておりますが、管理体制上の問題が発生する可能性は皆無ではなく、法令に反する場合は罰則が科されたり、当社グループの事業活動が制限されるなど、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社のリスク管理体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。また、社内体制も適時必要に応じて見直しをしております。

(11) 製造物責任について

 当社グループは、厳格な品質管理のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対的な保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償につながる事故が発生した場合、当社グループの製品の信頼性に重大な影響を与え、当該保険で十分にカバーできず多額の費用が発生することとなり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは今後も品質向上に注力することでリスク低減に努めてまいります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、安定経営の根幹を成す株主様からの支援に報いるため、株主様への利益配分を安定かつ継続的に実施することを重要な経営課題の一つとして考えており、利益水準や将来の事業展開、配当性向などを総合的に判断して、適切な利益配分を行うこととしております。当社の剰余金の配当は、年1回の期末配当を基本的な方針としております。期末配当の決定機関は株主総会であります。

 当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議をもって毎年7月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。

 当社グループの業績は当連結会計年度におきましては当社において液晶パネル需要が縮小したことで同分野の生産消耗品、液晶パネル向けの配向膜塗布装置の販売が減少したこと、ディスプレイ及び電子部品事業資産について減損損失を計上したことなどから前連結会計年度比で減収減益となりました。

 このような経営環境の中ですが、配当につきましては株主様への利益配分を安定かつ継続的に実施する基本方針と当社グループの財政状況等を総合的に勘案し1株当たり前期より5円増配の15円の期末配当を実施いたしました。

 内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、企業体質の充実強化及び今後の事業展開のための財源として利用していく予定であります。

 

 (注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年4月23日

定時株主総会

122

15

 

 当社は、今後も安定かつ継続的に配当を実施しうる利益体質の確立を目指してまいります。