2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,664名(単体) 4,844名(連結)
  • 平均年齢
    41.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.4年(単体)
  • 平均年収
    6,543,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

表面処理事業

2,305

鋳造事業

1,436

環境事業

312

搬送事業

190

特機事業

387

その他

74

全社(共通)

140

合計

4,844

(注)1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出

     向者を含む。)であります。

   2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない研究開発部門及び管理部門に所属しているものであります。

   3.当連結会計年度末において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末から881名増加し、4,844名となっております。主な要因は、2024年4月4日付でエラスティコス社及びその子会社29社を連結子会社化したためであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,664

41.2

17.4

6,543

 

セグメントの名称

従業員数(人)

表面処理事業

609

鋳造事業

380

環境事業

275

搬送事業

0

特機事業

260

その他

0

全社(共通)

140

合計

1,664

(注)1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない研究開発部門及び管理

 部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

 当社の労働組合は、日本労働組合総連合会のJAMに加盟し、2025年3月31日現在の組合員数は1,142名であります。

 また、連結子会社のうち株式会社メイキコウは労働組合を結成しておりますが、上部団体には加盟しておらず、2025年3月31日現在の組合員数は150名であります。

 なお、当社及び各連結子会社ともに労使間に特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

4.2

40.0

66.0

66.3

59.1

定年後の再雇用は有期雇用労働者でカウントしています。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

1.サステナビリティ経営

(1)基本方針

 当社グループは、ものづくりの心を大切にして、お客さまに寄り添い、ものづくりを支えるものづくり企業として、新しい価値をお届けし、当社に関わる全てのステークホルダーの方々との絆を深め、持続可能な開発目標(SDGs)へのかかわりを通じて選ばれ続ける企業として様々な社会課題の解決に取り組んでいきます。そして、環境にやさしい循環型社会、ものづくりを通した安心・安全・豊かな社会、感動・成長・幸せを実感できるサステナビリティ社会の実現を目指します。こうした取り組みを通じて、お客さまのすそ野を拡げ、お客さまとの絆を強め、売上の拡大と収益の確保、そして、企業価値向上に努めてまいります。

 

①ガバナンス

 社長を委員長とするサステナビリティ委員会において、当社グループにおけるSDGsに関する諸課題を評価し、事業戦略に関する諸課題を審議・フォローしています。委員会活動は取締役会に報告され、監督されています。

②リスク管理

 サステナビリティ委員会において環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G) の観点でリスクが大きいと評価された項目はリスク管理委員会と情報を共有し、総合的に管理します。

 

(2)サステナビリティ報告に向けた取り組み

サステナビリティ経営の観点から、当社グループのマテリアリティに対して、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の枠組みで、当社グループにおける情報開示への取り組みを推進しています。

 

(3)サステナビリティトピック(開示要求基準)の特定

地球環境や社会が企業に与える影響「財務マテリアリティ」、および企業が地球環境や社会に与える影響「インパクトマテリアリティ」の両面でマテリアリティ評価を行い、当社にとって重要なサステナビリティトピックを特定しました。

 

(4)健全でサステナブルな経営

 当社グループでは「新東企業倫理行動指針」および海外グループ会社においては左記に準ずる行動規範において、事業を展開する国や地域における関連法規、法令を遵守することを掲げています。贈収賄などの様々な不正腐敗行為や利益相反行為は公正な商取引を阻害するものとして規制されており、不正腐敗行為が起きないよう、交際費の使途厳格化や贈答品の授受についてのガイドラインを示し、周知徹底を図っています。

 またお取引先さまとの関係においては、全お取引先さまに「SINTO取引先ガイドライン~子供たちの未来のために~」を配付するとともに定期的に情報交換会を開催し、「公平・公正な取引」「法令遵守」「安全・品質・環境」に関する考え方の普及と理解に努めています。さらに2023年度に改定した「取引基本契約書」では贈収賄を含む不正防止や人権尊重などの条項を追加し、グローバルに全てのお取引先さまに配付、これまでにほぼ全てのお取引先さまと締結いたしました。

2.重要課題(マテリアリティ)の特定

 当社グループが目指す姿として、①環境に優しい循環型社会、②ものづくりを通じた安全・安心・豊かな社会、③感動・成長・幸せを実感できる社会、の3つを掲げ、この実現に向けて、「環境」、「人材」、「技術開発・ものづくり」、「ステークホルダー」、「企業基盤」の5つを重要課題として選定し、取り組んでまいります。

 

・企業基盤への取り組み

 当社グループでは、リスクに対する基本方針を、取締役会直轄の「リスク管理委員会」で定め、企業活動に伴うリスクを把握、評価して、見える化しています。リスク管理委員会の活動結果を取締役会に報告し、更なるリスク管理体制の強化を図ってまいります。

また、ガバナンス強化の観点から、取締役会実効性評価の取り組みを強化してまいります。

・ステークホルダーとの絆づくり

 経営理念の実現に向け、当社グループの事業活動から影響を受ける全ての人々の人権を尊重する取り組みをグループ全体で推進し、責務を果たす努力をしています。またステークホルダーに対しては、「SINTO取引先ガイドライン~子供たちの未来のために~」を通じて、サプライチェーン全体での人権尊重を推進しています。現時点で人権侵害に関する重大な問題は確認されていませんが、今後も人権尊重に取り組むことにより、サステナブルな社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。

〇差別撤廃:あらゆる雇用の場面において、人種・民族や出身国籍・宗教・性別等を理由とした差別を行わない。
  ※あらゆる雇用の場面とは、応募、採用、昇進、賃金、解雇、業務付与、懲罰などを 指す

〇人権尊重:人種・民族や出身国籍・宗教・性別等を理由とした、職場におけるあらゆる形態のハラスメントを許さない。

〇児童労働の禁止:各国・地域の法令による就労可能年齢に達しない児童の労働は認めない。

〇強制労働の禁止:全ての労働は自発的であること、および、社員が自由に離職できることを確実に保証し、 強制労働は行わない。

〇賃金:最低賃金、超過勤務、賃金控除、出来高賃金、その他給付等に関する各国・地域の法令を遵守する。

〇労働時間:従業員の労働時間(超過勤務を含む)の決定、および休日・年次有給休暇の付与その他について、各国・地域の法令を遵守する。

・人的資本への取り組み

 海外拠点のトップマネジメントは、原則として、現地の方が務めているとともに、当社製品のメンテナンススキルは、全世界共通の評価基準に基づいて評価しております。女性の活躍推進についても、取り組みを加速させてまいります。

・環境への取り組み

 気候変動による事業への影響は重要な課題と捉え、特に水害やエネルギーコストの上昇に伴う収益への影響、規制の強化による原材料の高騰や入手困難等を注視して、リスク管理を行ってまいります。

 

3.人的資本経営の強化

 当社グループでは「社員に人生の舞台として選ばれる会社」をめざし、“会社=自分自身を育て、成長する場”として定義しました。価値観が多様化し、働き方が大きく変化する中、年齢・性別問わずに社員が成長し自身のキャリアを描くことができる会社として、一人ひとりが働きがいを持って、絶えず前進しチャレンジする企業風土の醸成に努めています。

 

(1)戦略

 経営理念の実現に向け、当社グループの事業活動から影響を受ける全ての人々の人権を尊重する取り組みをグループ全体で推進し、責務を果たす努力をしています。社員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、国籍、人種、宗教、性別、信条、政治的意見、出身地、社会的出身、その他、遂行すべき業務と何ら関係のない属性を理由に、賃金、労働時間その他の労働条件について差別を禁止し、あらゆるハラスメントを禁止しています。また、いかなる形態の強制労働および児童労働も認めていません。また「SINTO取引先ガイドライン~未来の子供たちの未来のために~」を通じてサプライチェーン全体での人権尊重を推進しています。

 

基本的な考え方(活人主義)

 人事制度の根幹となる考え方が「活人主義」です。活人主義とは文字通り社員に生きがいを持って活きいきと働いてもらう経営であり、社員の力を最大限に活かす経営です。まさに、人材(=社員)こそが企業にとって最大の財産であり、人材の成長と活躍が、会社全体の発展に繋がると考えています。また、当社はものづくりの心を大切にして社会に貢献したいという思いのもと、世界に通用する技術を追求することで発展してきました。これからもお客さまから「ありがとう」と言われる企業を目指していきます。そのためにも、経営理念である「HEART」の精神に基づき、社員一人ひとりが世界に通用する技能、技術を身に付け、進化していくことが欠かせないと考えています。入社から退社までの長い期間を見据えて、会社の目標と、社員自身の目標とのベクトル合わせを行いながら、個人の能力向上、スキルの向上を奨励し、能力開発に頑張った人が報われる人事諸施策を展開しています。

 

 

 

思想

経営理念「HEART」、活人主義、中期経営計画、会社方針、トップの思い、当社独自の発想・考え方を伝え、社員としての誇り(帰属意識)を育みます。

知識

人材開発体系表に基づくOFF-JT教育によるマネジメント知識、業務遂行のために必要な専門知識教育、能力開発ポイントの加点による“やる気の喚起”など人事制度とも連動しています。

技能

頭で理解・習得した知識を繰り返し訓練することで技能として体得、新東キャリア制度と連動した技能(スキル)教育を展開します。

実践力

職場でのOJT教育による経験の付与、SS改善(小集団)活動による知恵・工夫・創造力の涵養を図ります。また、人事ローテーションの推進や人事考課(業績評価)の面談を通じた仕事の振返りにより、能力を高めます。

 

(2)指標及び目標

指標

2025年3月期実績

目標

管理職に占める女性労働者の割合(※)

4.2%

5.0%以上

男性労働者の育児休業取得率(※)

40.0%

100%

労働者の男女の賃金差異(※)

66.0%

(※)提出会社の実績及び目標値です。

 

4.環境への取り組み

 公害という言葉がまだ広く用いられていなかった1940年代末、鋳造工場の環境改善に着手したことが当社の環境に対する活動の原点となっています。そして、環境問題よりも経済成長が優先された1963年、環境問題への警鐘として「花にも優しいモノづくり」の言葉に当社の思いを込めて、企業広告を世の中に送り出しました。それから60年以上もの間、当社は連綿と環境負荷の低減を推進してきました。

 

(1)環境方針

 

(2)環境マネジメントシステム認証

 継続的な環境負荷低減を推進するため、環境方針、目的・目標などを設定し、その達成に向けた取り組みを実施するための計画・体制・プロセスなどの環境マネジメントシステムを整備しています。2024年度定期審査において厚木事業所の拡大適用を認められ、新東工業8事業所および国内外グループ会社12社では、環境マネジメントの国際規格である「ISO 14001」の認証を取得しています。また、協力会社においては、環境省が策定した「ECOアクション21」の認証取得に向けた取り組みを進めています。

 

(3)環境管理体制

 当社の環境管理体制は、環境マネジメントシステム(ISO 14001)と環境推進会を軸に全社的な取り組みと進捗を総合的に管理する全社横断型の体制を築いています。ものづくり本部を管掌する取締役が、ISO 14001の経営層と、省エネ法に基づくエネルギー管理統括者、そして環境推進会委員長を兼務し、原則として毎月1回開催される環境推進会で、環境経営目標の進捗状況や優れた事例の共有などの討議・推進・報告を行っています。環境推進会の内容は各事業所の安全衛生健康環境委員会を通じて伝達され、全社方針と取り組みを全社員に展開しています。

 

(4)排出物の抑制および廃棄物の削減

 当社の事業活動から出る主な有害廃棄物にばいじん(鉛含有)があります。当社はそれらを集塵機で回収し、外部流出による環境影響を抑制しています。またPCB廃棄物については、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、高濃度PCBは2022年3月、低濃度PCBは2027年3月までに処分することが義務づけられています。当社は早期処理を行うべく対応を進め、高濃度PCB設備および取り外し済みの低濃度PCB設備については2021年10月までに処分を完了しました。また、その後に取り外して保管中の低濃度PCB設備および現在も使用中の低濃度PCB設備につきましても施設内の電気設備を総点検し、該当する電気機器の有無を確認しており、処分期限である2027年3月までに処分を完了する予定です。

※PCB:ポリ塩化ビフェニルの略称

 

(5)温室効果ガスの削減

 当社グループは、2022年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、TCFD提言に沿った気候変動関連情報の開示の充実を図っています。主力の鋳造事業等、エネルギーを使用する当社グループにとって、カーボンニュートラルは喫緊の課題と捉えて活動を推進しています。

 

 

 

 

 

①Scope3の定義設定

 Scope3対象の15カテゴリーのうち、以下の5つのカテゴリーについて算出定義を設定してデータを収集しています。

カテゴリー​

算出の定義​

カテゴリー4 輸送・配送​

輸送貨物と輸送距離のデータ取りを実施。​

カテゴリー6 出張​

「出張」に関して、「交通費支給額」「宿泊数」「出張日数」ごとの原単位を調査・設定。​

カテゴリー7 雇用者の通勤​

「通勤」に関して、「通勤費支給額」「勤務日数」ごとの原単位を調査・設定。​

カテゴリー11 販売した製品の使用​

お客さまへ販売した設備ごとに運転中に排出するCO排出量を計算。​

カテゴリー12 販売した製品の廃棄​

WATテープの使用により、お客さま先での廃プラスチック廃棄量(CO排出量)を削減。

 

②CO2排出量削減目標

 2030年度、さらには2034年度(創立100周年)までに、Scope1および2におけるCO排出量を年率3%削減する目標値を設定していましたが、国目標と同じ2050年カーボンニュートラルにした場合、基準年である2021年度の排出量に対し、毎年3.45%の削減が必要であると判明したため、新たに目標値を再設定しました。

 

 

③既存建築物として愛知県初 Nearly ZEB認証を取得

 大崎事業所では、省エネ事務所棟のモデルケースとして、使用電力の実質ゼロに向けた施策を行っています。省エネ改善6つの心得(トメル・ヤメル・ナオス・サゲル・ヒロウ・カエル)の視点から、日常の改善や技術革新による徹底的な省エネを実施し、残った電力を再生可能エネルギーでまかなう計画です。2024年10月には、太陽光発電設備の屋上への設置が完了し、発電した電力を平日は全量を事務棟へ、休日は余剰分を工場へ供給しています。建築物に高効率設備や再生可能エネルギーを導入することで、大崎事業所はNearly ZEB認証を取得することができました。なお、愛知県下で既存の建築物(事務棟等)でこの認証を受けたのは当社が初となります。今後は、他の事業所の事務棟にも順次展開を予定しており、2025年度は各事業所で太陽光発電設備の設置の可否判定の実施を計画しています。

 

(6)エネルギーの見える化

 「カーボンニュートラル」の実現を見据えて、社員一人ひとりが工夫し、身近なところから省エネ活動に取り組み、当社のものづくりから発生するCO₂排出量を削減します。

 エネルギーの消費量を地域ごと、種別ごとに把握し、最も多く消費している地域およびエネルギーに着目して削減策を計画・実施しています。最もエネルギーを多く消費している大崎事業所を中心に消費電力削減を目指した取り組みを進めています。

 

(7)エコプロダクツ商品の展開

 以前から、環境配慮商品のラインナップの見直しや商品そのものを増やす取り組みを進めてきましたが、2022年度に環境配慮商品自体のCO削減の考え方を明確化しました。「商品のシンプル・スリム化」「環境配慮機器の採用」「動作・工程変更による生産効率向上」の視点で整理し直し、対象となる199商品を選定のうえ、CO削減量を算出しました。お客さまのものづくりにおけるCO排出量の削減に貢献できるよう、環境配慮商品の改良、開発を進め、2024年度時点では対象商品を202品目にまで拡大しています。本活動を国内外グループ会社へも展開するとともに、2025年度は新商品に対する削減効果策定にも取り組んでいきます。