2026年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業その他のリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されていないリスクが存在する可能性があります。これらのリスク要因は、いずれも投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項に含まれる将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)市場及び事業に関するリスク

①市場の競争激化

 当社グループの主要市場においては激しい競争が継続しており、当社グループは世界各地域において現地のローカルメーカーとの競争に直面しております。市場において設備投資環境が急激に変動し競争が一層激化した場合には、受注台数や受注価格の下落等が生じる可能性があります。

 これらの結果、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②自動車関連業界の業況の影響

 当社グループの主要顧客である自動車業界は、「100年に一度」とも言われる大きな変革期を迎えております。当社グループの商品は、自動車メーカーおよび自動車部品メーカーに多く納入されておりますが、電動化の進展やカーシェアリングの普及等により、自動車を構成する素材・部品の変化が進み、鋳物部品の需要減少や自動車業界全体の市場成長の鈍化が想定されます。これに伴い、同業界における設備投資が抑制され、当社製品の受注高が低下する可能性があります。

 当社グループは、こうした急激な環境変化に対応し、競争力の維持・強化に向けた各種施策を推進しておりますが、売上高の減少等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③製品の契約不適合・欠陥に伴う賠償

 当社グループは、製品の製造・販売にあたり、顧客との契約に適合する品質、機能、安全性および納期の確保に万全を期しております。しかしながら、製品の契約不適合や欠陥により性能が不十分となった場合や、安全上の問題に起因して設備事故や労働災害が発生した場合、あるいは納期遅延等が生じた場合には、顧客または第三者に損害を与え、損害賠償請求を受ける可能性があります。

 特に海外においてこのような訴訟が発生し、多額の賠償金や和解費用等を負担する場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④企業買収等に係るリスク

 当社グループは、事業拡大を目的として企業買収等を実施することがあります。これにより、事業用資産や買収に伴って発生するのれんを含む有形・無形資産を保有することとなります。

 しかしながら、今後の経営環境の変化等により、買収対象事業において経営資源の効率的な活用が困難となり、当該資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合には、回収可能性を踏まえて減損損失を計上する可能性があります。

 この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤固定資産に関する減損リスク

 当社グループが保有する建築物、製造設備等の固定資産は、減損リスクにさらされています。これらの資産について、現時点において必要な減損等の処理は実施しておりますが、今後保有する建築物、製造設備等を含め、収益性が低下することにより帳簿価額が回収できなくなった場合、市場環境の変化や研究開発の方針変更等が生じた場合、計画外の追加的な資金拠出等により資産の全部または一部が損失となる等の場合において、新たな減損処理を実施することになり、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥人財の確保及び合理化・体質強化に係るリスク

 当社グループの商品には、一品一様の受注生産品が一定程度含まれており、製造過程において労働集約的な側面を有しております。このため、事業の拡大および継続には、一定水準以上のスキルを有する優秀な人財の確保が不可欠であると認識しております。

 現時点では、人事制度及び教育制度の整備により必要な人財を確保しておりますが、少子化の進行や労働市場の逼迫等により、必要な人財や労働力を十分に確保できない場合には、競争力の低下や事業展開の制約が生じる可能性があります。

 

 また、これらのリスク低減に向けて省力化・省人化の取組みを進めておりますが、情報技術の進展に対して事業構造の転換が遅れた場合には、製造コストの低減が進まず、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦仕入先への外注加工品供給の依存

 当社グループは、外注加工品、購入部品、原材料等を複数の仕入先から調達しておりますが、外注加工品の一部については代替が困難であり、特定の仕入先に依存しているものがあります。このため、当該仕入先の状況等により、生産面に影響を受ける可能性があります。

 これらのリスク低減に向けて、仕入先の分散や新規仕入先の発掘・育成等の取組みを進めております。しかしながら、必要とする外注加工品等を仕入先から継続的かつ適時に、また適正なコストで調達できない場合には、生産遅延やコスト増加が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)金融・経済のリスク

①原材料等調達価格の影響

 鋼材やスクラップ等、当社グループが製造に使用する原材料の価格上昇は、製造コストの増加につながります。これらのコストを製品販売価格へ十分に転嫁できない場合には、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 特に、国際的な需給逼迫等により原材料価格が急激に高騰した場合には、調達コストが大幅に上昇し、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②エネルギー価格の変動

 当社グループは、主力製品である消耗品の製造において多くの電力を使用するため、エネルギー価格の変動や各国政府のエネルギー政策の影響を受けるリスクを有しております。これらのリスク低減に向け、省エネルギー対策等を推進しておりますが、電気料金や原油価格の変動に伴うエネルギーコストの上昇が、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③為替変動の影響

 当社グループの収益は、外国為替相場の変動の影響を受けており、主に日本円、米ドル、ユーロ、中国元、ブラジルレアル等の為替レートの変動によって左右されます。

 当社グループは、外国通貨建ての売上および調達に係る取引リスクの低減を図るため、海外現地化を推進し、地産地消の取組みを進めておりますが、その影響を完全に回避することはできません。

 また、当社の連結財務諸表は日本円で表示されているため、為替換算の影響も受けます。このため、為替相場が大きく変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④投資有価証券の保有に対するリスク

 当社グループが保有する投資有価証券は、当連結会計年度末において連結総資産額の15.4%(34,983百万円)を占めております。株式市況の下落や発行体の業績悪化等により、これらの投資価値が大幅に下落する可能性があります。

 この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的手続・情報セキュリティ・災害等に関するイベント性のリスク

①法的手続

 当社グループは、製造物責任、知的財産権侵害、環境問題、人権問題等に関する法的手続きの当事者となる可能性があります。当社はコンプライアンス体制の整備を進め、研究開発および生産活動において知的財産権の適正な使用に努めておりますが、当社グループの認識の範囲を超えて第三者から侵害を主張され、係争に発展する場合があります。これらの法的手続きにおいて予期しない判断がなされた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

②情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは、技術情報などの重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部流出の防止および不正アクセスによるシステム毀損の防止のため、社内規程の整備、社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等、様々な対策を講じております。
 しかしながら、不測の事態により情報システムの毀損、停止または一時的な混乱が生じた場合、あるいは機密情報を含む内部情報が漏洩した場合には、当社グループの企業価値の毀損や社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補償の発生等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③気候変動等による自然災害、感染症発生、インフラの障害の発生

 当社グループの主力製造拠点が集中する愛知県においては、大規模地震の発生が懸念されており、発生した場合には当社グループの生産能力が著しく低下し、事業運営に支障や遅延が生じる可能性があります。

 また、当社グループ商品を製造する各地域においては、気候変動等の影響により、台風、豪雨、竜巻、洪水その他の自然災害の発生や、エネルギーコストの上昇、原材料・資材価格の高騰等が想定されます。さらに、感染症の世界的流行(パンデミック)の発生や、これらの災害等に起因する電力・交通機能・ガス・水道・通信等のインフラ障害、操業中断等が生じた場合には、当社グループの事業運営に支障や遅延をきたす可能性があります。

 当社グループは、これらの事態に備え、事業継続計画(BCP)の整備や非常時を想定した訓練等を実施し、影響の最小化に努めております。しかしながら、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)戦争、突発的なテロ、紛争等を含む地政学リスク

 当社グループは、日本・欧米・アジアを中心に生産拠点を有し、23カ国に展開する営業拠点を通じて、グローバルに商品・サービスを提供しております。このため、各国の関税政策の変更、ロシア・ウクライナ情勢を含む戦争や中東情勢、突発的なテロや紛争、米中貿易摩擦等の国際関係の変化、ならびにそれに伴う社会・環境の変化や各国の法規制の変更が、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 特に、各国における輸出規制、技術移転の制限、関税引き上げ等により、営業・調達・生産・輸送等の事業活動が制約を受け、商品供給に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、これらのリスクに対し、各地域の政治・経済情勢や法規制の動向を各拠点を通じて継続的にモニタリングし、事業への影響を迅速に把握するとともに、リスクが顕在化した際には、グローバルでの対応体制を構築し、その影響の最小化に努めております。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、社会課題解決への取組みによる企業価値向上を図るために、研究開発、設備投資、M&A等の持続的成長に必要な戦略的投資を優先的に展開するとともに、株主の皆さまへの安定的な利益還元を継続していくことを財務戦略の基本方針としております。事業活動で創出したキャッシュフローを、成長分野への積極投資と株主還元等に活用してまいります。

 株主の皆さまへの利益配分は重要な経営課題の一つと認識しており、安定的な利益配分を継続していくことを戦略的投資と合わせて、財務戦略の基本としております。中長期的視野による財務体質と経営基盤の強化に配慮しつつ、一定レベルでの安定的かつ継続的な配当に加え、財務状態、利益水準を総合的に勘案して拡充してまいります。

 当期の剰余金の配当につきましては、2026年5月21日開催の取締役会決議により期末配当金を1株当たり22円とし、中間配当金の1株当たり22円と合わせて、年間配当金を前期同様の1株当たり44円とさせていただきました。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年11月6日

1,159

22

取締役会決議(注)1

2026年5月21日

1,158

22

取締役会決議(注)2

(注)1.配当金の総額には、役員報酬BIP信託に関する配当金3百万円が含まれております。

   2.配当金の総額には、役員報酬BIP信託に関する配当金3百万円が含まれております。