リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境について
当社グループの主力である水道事業においては、水道の普及率が100%近くに達しており成熟化された市場となっております。現在、水道の未普及地域における新規建設工事のほか、老朽化施設の更新工事及び改良工事等に伴う一定の需要がありますが、将来的に現在の水準の需要が続く保証はありません。そのため当社グループは新技術・製品等による需要の喚起、民需分野・海外分野等の多角化に注力してまいりますが、それらの施策の進捗動向によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)官需比率について
当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等の主要な販売先は、政府及び地方自治体等であり官需比率が約9割を占めております。そのため、政府及び地方自治体等の事業予算動向が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に更なる市町村合併等に伴う事業規模の縮小、水道事業の広域的管理・官民連携の進展あるいは予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)入札制度について
当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等の主要な販売先は、政府及び地方自治体等が大半を占めております。これらの販売については、政府及び地方自治体等の各事業体が実施する入札に応募し、落札することが基本条件となっております。入札資格としては、従来より一定の工事実績、経営成績及び財政状態、技術力等が参加要件になっておりますが、近年は価格条件に加え、総合評価型入札制度の諸要素も落札決定条件として重要性を増しております。そのため、今後、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合、あるいは競争の更なる激化により入札価格が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争について
当社グループ水処理事業においての価格競争は公共事業削減等の影響により厳しい状況にありますが、将来的に競争が激化する可能性があります。当社グループは、水処理事業におけるパイオニアとして当事業における優位性を現在まで確保・維持しており、今後更なる技術力向上とコスト競争力強化に努めてまいりますが、将来において現在の優位性を確保・維持できるという保証はありません。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品・サービスに関する欠陥及び事故について
当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等において、特に、上水道施設は人体にとって常に安全な品質の水を供給すべき重要かつ高い信頼性が求められます。当社グループは、品質に関しては常に万全を期しておりますが、予期せぬ欠陥や事故が原因で顧客に深刻な損失をもたらした場合、当社グループは間接的な損害を含め、損失に対する責任を問われる可能性があります。
また、これらの損害が起こった場合における社会的信頼性の著しい低下は、当社グループの製品やサービスに対する購買意欲を低下させる可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等について
当社グループが現在行っている事業活動は、建設業をはじめ様々な法的規制の適用を受けています。特に、建設業は許認可事業であり、建設業法に違反した場合には行政処分等の措置を受けるなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用及び取扱い、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染を規制する様々な環境法令の適用を受けており、今後予期せぬ法令や規制等の変更が生じた場合にも、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自然災害について
当社グループは地震等の自然災害によって、当社グループ事業所、営業拠点及び工場等、あるいは事業現場が壊滅的な損害を受ける可能性があります。これらに伴い壊滅的な損害を被り、当社グループの事業活動が遅延又は停止した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業所等の修復又は代替のために多額の費用が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)経営成績の変動について
当社グループ水処理事業における収益認識は、プラント工事の契約締結時でなく、工事請負契約書等を締結の上で履行義務を認識し、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。また、各プラント工事契約での金額規模や利益率に差異があります。このため、金額規模の大きな若しくは利益率の高いプラント工事の引渡時期により、当社グループの経営成績に変動が生じる可能性があります。加えて、自然災害やその他の予期せぬ事態による工期の遅延等により引渡時期が期末を超えて遅延した場合、当社グループの経営成績が変動する可能性があります。なお、当社グループの水処理事業には季節的な変動要因があり、上半期に比較して下半期に売上が集中する傾向があります。従いまして、当社グループの経営成績を判断する際には留意する必要があります。
(9)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて
当社グループは経営戦略の一つとして海外市場での事業推進を掲げており、特に、東南アジアでの事業拡大を重要戦略として位置付けております。しかし、海外市場は日本国内とは異なり、今後の事業展開において予測できない法律または規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクを被る可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)関係会社向け保証債務について
当社グループは、一部の関係会社に対して債務保証(以下、同保証)を行っております。将来、同保証への履行請求を求められる状況が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症拡大による影響について、不確定要素が多くあることから、今後の情勢変化次第では、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めることを重視し、配当については安定配当の継続性を第一義としながらも、業績及び諸指標を勘案して株主の皆様への利益還元を行うことを基本方針としております。
剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会となっております。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり55円の期末配当を実施することを決定しました。
また、内部留保資金につきましては、中長期的な視点から将来の成長・発展に向け、コスト競争力の向上や新技術・製品開発、国内外での新規事業開発に有効投資してまいりたいと考えております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当金は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月27日 |
236 |
55 |
定時株主総会決議 |