2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    11,109名(単体) 43,233名(連結)
  • 平均年齢
    41.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.2年(単体)
  • 平均年収
    7,732,683円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」をMission(会社の存在理由、使命)として掲げ、その実現のために目指すべき姿を2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来をつくるソリューションプロバイダー」としております。このようなソリューションプロバイダーへの変革、ソリューション型ビジネスの実践により、顧客と社会の課題を解決することで社会と当社グループがともに持続的に成長することができる事業環境を整え、中長期的な企業価値の向上を目指しております。

経営戦略としてのソリューションプロバイダーへの変革を実現する原動力は人財であるという理解のもと、連動した人財戦略として「人と現場中心の経営」をテーマとしております。さらに2025年に見直しを行った「ジェイテクトのマテリアリティ」には「自己実現できる人づくり」と「挑戦を楽しめる職場づくり」を特定しており、これに「やりたいことができるしくみづくり」を加えて、人財戦略の柱としております。

具体的には、従業員一人ひとりの個性と強みを基礎としてWill(やりたいこと)を尊重しつつ経営戦略と整合するように、最適配置と能力向上に努めております。例えば、ソリューション型ビジネスの実践のため個々人に求められる能力として、顧客や社会の本質的な課題を見極める力(問題発見能力)を重視し、その向上のための社内研修やOJT(On the Job Training)を実施しております。また、自動車の電動化や自動化をはじめとするモビリティ社会の高度化、拡大に対応し、社会から求められるモノづくり企業であり続けるため、機械・電気・制御という現代の機械設計に不可欠のスキルをマルチに有する高度人財の育成と採用に取り組んでいるほか、昨今の発展が目覚ましいAIの活用も含めたデジタル人財への発展的成長を促すため「デジタル祭り」と称して全社的な取組みを推進し、とくに製造現場のデジタル化による品質確保、業務効率化を実現しております。

当社グループの従業員の給与・報酬の額や内容の決定に関する方針として、物価動向や経済情勢、労働市場において競合する他社の動向等、当社グループを取り巻く経営環境と業績を踏まえ、労使間の真摯な対話を経た上で、従業員とその家族が充分な生活を維持できる水準(生活賃金)を確保することを基本としております。個々人の評価については、経営戦略から落とし込まれた各職場の年間計画に基づいて本人とともに設定した目標の達成度により当年度の給与・報酬額を決定する業績貢献度評価と本人の業務に対する姿勢が経営戦略と合致しているかを評価して給与水準に関連する職能資格等のランク設定を行う行動評価の2つの評価を実施しております。また、高度な専門技術を有する人財の貢献に報いるため、基幹職(管理職)制度とは別に職務内容を明確に定義して高い目標と対価を設定するプロフェッショナル職制度を設ける等、従業員のモチベーション維持・向上につながる人事制度の構築に努めております。

また、従業員一人ひとりの活躍がチームとして、企業としての目的である経営戦略(Mission、Vision)の実現に貢献できるように、従業員の日々の心がけ(Value)として「Yes for All, by All!」を掲げるとともに、その考え方を全社で共有して企業文化として定着させる浸透ツール「ジェイテクトグループ行動規範」を2026年に策定いたしました。

2030 Visionでは、これらの取組みの成果を総合的に測るものとして従業員エンゲージメントを取り上げており、eNPSを指標(KGI)として野心的な目標を設定しております。

 

 

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

2026年度

第二期中計

目標

2030

Vision

目標

人と現場中心の経営

従業員エンゲージメント

(eNPS)

△69

△58

△63

△55

△40

 

 

そのほか本項に取り上げたもの以外の人財戦略に関する取組み、指標と目標については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

自動車

25,915

(3,645)

産機・軸受

11,344

(1,022)

工作機械

5,974

(370)

合計

43,233

(5,037)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であります。

2 従業員数欄の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員で、外数を記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

11,109

41.4

17.2

7,732,683

2.6

(1,030)

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

自動車

6,654

(601)

産機・軸受

3,618

(281)

工作機械

837

(148)

合計

11,109

(1,030)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であります。

2 従業員数欄の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員で、外数を記載しております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)*1

男性労働者の
育児休業
取得率(%)*2

労働者の男女の賃金の差異(%)*1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

2.6

84.7

76.7

77.8

61.2

*3

 

(注) *1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

*2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

*3:労働者の男女の賃金の差異の要因につきましては、次のとおりであります。

  正規雇用労働者につきましては、賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しており、同一職位では男女の賃金の差異はありませんが、相対的に上位の職位に男性が多いため、差異が生じております。

 

 

2024年度より人事制度を改定し、総合職(主に基幹的業務に従事)と一般職(主に定型的業務に従事)を統合した事技職に変更しております。改定前の一般職は女性が大半を占めておりましたが、改定後は職群の区別による業務範囲の限定が解消され、女性がこれまで以上に上位の職位に就きやすい制度になっております。これにより、これまで以上に本人の能力に見合った昇格・登用が可能になっております。今後も、社員一人ひとりの能力に応じた公正な評価・登用を推進し、ジェンダーギャップの解消に向けた取組みを継続してまいります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足
説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)*

男性労働者の育児休業取得率(%) *

労働者の男女の賃金の差異(%) *

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

㈱ジェイテクトマシンシステム

2.0

57.1

57.1

84.3

88.5

67.2

㈱ジェイテクトフルードパワーシステム

0.0

71.4

71.4

75.7

76.4

65.5

㈱ジェイテクトシーリングテクノ

5.8

100.0

100.0

98.9

96.8

148.9

㈱ジェイテクトコーティング

0.0

100.0

100.0

72.1

70.1

83.9

㈱ジェイテクトサーモシステム

2.2

71.4

71.4

77.6

78.5

71.7

㈱ジェイテクトエレクトロニクス

11.2

60.0

60.0

84.2

86.8

47.9

㈱ジェイテクトプレシジョンベアリング

4.7

72.7

72.7

69.8

92.4

79.1

㈱ジェイテクトファインテック

0.0

12.5

12.5

80.3

79.0

83.5

㈱ジェイテクトグラインディングシステム

0.0

60.0

60.0

83.9

86.1

80.0

㈱ジェイテクトグラインディングツール

1.4

80.0

80.0

66.6

68.1

51.5

㈱ジェイテクトメタルテック

5.4

66.7

66.7

63.4

63.7

72.1

㈱ジェイテクトコラムシステム

1.4

75.0

75.0

66.5

69.8

91.1

㈱ジェイテクトギヤシステム

1.0

87.0

87.0

76.3

76.5

72.0

㈱ジェイテクトハイテック

1.0

83.3

83.3

74.1

80.7

41.8

 

(注) *:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、各項目の目標については、達成を保証するものではありません。

 

(1) 当社のサステナブル経営

当社の事業活動は、株主・投資家のほかお客様、仕入先様、従業員や地域社会のみなさまといった多くのステークホルダーに支えられております。加えて、当社がこれからも安定して事業活動を展開していくためには、人々が安心して生活できる豊かな地球環境が大前提にあるものと考えております。そこで当社は「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」という当社のMission(存在意義)に則り、事業活動を通じて当社のステークホルダーが直面する社会課題の解決に取り組むことで、社会とともに持続的な成長を遂げたいと考えております。また、当社が変化の激しい外部環境の中でも企業として成長を続け、上記のような社会課題の解決に貢献していくためには、その源となる人的資本や知的資本等、非財務資本の増進を図ることが不可欠であります。

当社は、このように社会課題の解決と非財務資本の増進によって企業価値の長期的な向上を目指す、サステナブル経営を推進してまいります。

 

 サステナビリティ推進体制

当社は、取締役会を頂点とするコーポレート・ガバナンスの体制を構築しておりますが、サステナビリティに関する活動方針の決定、社内取組みの監督と助言については、社外役員を含む取締役会構成員全員に加えて経営役員及びCxO(社内各機能の最高責任者)を委員とするサステナビリティ委員会において主に行っております。

サステナビリティ委員会で議論されたテーマは、関連する業務を行う主管部署において取組みとして具体化され、事業活動に反映されております。これらの事業活動は統合報告書「ジェイテクト・レポート」、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、有価証券報告書や当社企業ウェブサイト(https://www.jtekt.co.jp/sustainability/)を通じて情報開示しております。

これらの情報開示の主要なものは、経営管理本部の関係部署を中心として運用される情報開示委員会において、ステークホルダーに適時適切かつ過不足なく伝わるかという観点から内容や表現の適否について議論した上で社外へと開示されます。開示された情報に対するステークホルダーからのフィードバックはサステナビリティ委員会において報告され、次なる取組みの基盤としております。

 


 

 

 マテリアリティの特定

当社は、JTEKT Group 2030 Vision及び第二期中期経営計画の策定を受け、2024年度に当社のマテリアリティを見直し、具体化いたしました。具体化にあたっては、それぞれの社会課題が当社事業に与える影響(財務マテリアリティ)と当社事業が社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)の両面からジェイテクトが優先的に取り組むべきものを評価・特定するダブルマテリアリティの考え方を採用しております。社会課題の評価にあたってはIRO評価(影響度、リスク、機会)を用い、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の策定する基準や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)等を参考に、ジェイテクトのMVV及び第二期中期経営計画において重点実施事項として掲げた事項との関係性を意識して、当社の事業戦略において必要不可欠と考えるものをマテリアリティとして特定しております。

マテリアリティ特定のプロセスとして、サステナビリティ委員会における当社経営陣による検討と並行して、当社のステークホルダー及びステークホルダーとの関わりが深い社内の専門部署と対話を行いました。最終的なマテリアリティの特定は、社外役員を含む取締役会構成員が一堂に集うサステナビリティ委員会で行われております。

 


 

<ジェイテクトのマテリアリティ>

・技術で創るソリューション

・安全快適の提供

・人と現場を支えるモノづくり

・デジタル化と情報セキュリティ

・低炭素社会の構築

・循環型経済への貢献

・自己実現できる人づくり

・挑戦を楽しめる職場づくり

・持続可能なバリューチェーンの維持

・ステークホルダーに誠実な企業文化

 

なお、当マテリアリティは数多く存在する社会課題のなかから、ジェイテクトが事業活動を通じて優先的に解決に貢献したいと考えるものであり、それ以外の社会課題が当社と無関係と考えるものではありません。当社はコンプライアンス(法令遵守)やCSR(企業市民としての役割・責任)を通して、マテリアリティ以外の社会課題に対しても、貢献してまいります。

 

以下では、このような当社マテリアリティを中心としたサステナブル経営のテーマを環境、社会、ガバナンスの観点から整理して記載しております。

 

(2) 環境

当社は「未来の子どもたちのために豊かな地球を守る」ことを経営上の重要なテーマとしており、2016年に策定した「環境チャレンジ2050」では「製品・技術」「低炭素社会の構築」「循環型経済の構築」「自然共生・生物多様性」「環境マネジメント」として環境経営に関する行動計画の5つの柱を明記いたしました。本項では、これらの取組みのうちマテリアリティとしている地球温暖化防止(低炭素社会の構築)、循環型経済への貢献について取り上げております。

 

 地球温暖化防止

地球温暖化による気候変動は、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつ等の影響、食料生産や健康等、人間への影響だけでなく陸上や海の生態系にも影響を及ぼしております。当社は、このような気候変動による負の影響を緩和するため、事業における中長期の気候関連リスクと機会を特定して影響を定量的に把握し、事業戦略に反映していくことが持続的に成長できる企業の条件であると考え、マテリアリティの1つである「低炭素社会の構築」に取り組んでおります。

なお、当社は、2018年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」への賛同を表明いたしました。以下TCFDの考え方に基づいて開示いたします。

(a) 戦略

当社は、「環境チャレンジ2050」に基づき、5年ごとに「環境行動計画」を策定し、毎年の会社目標へ反映させる形で活動を推進しております。これら一連の数値目標は中長期的な環境経営の根幹となっております。

当社はTCFD提言に基づき、脱炭素社会への移行による影響が想定される1.5℃(2℃未満)シナリオと、気候変動が進展し、物理的な影響が顕著になる4℃シナリオという複数のシナリオを使用し、分析を行いました。分析にあたっては、CO2排出量を2013年度比60%削減とする目標年の2030年度と、「環境チャレンジ」の目標年である2050年度における事業への影響を予想し、項目別にリスク・機会として特定いたしました。これらのリスクの最小化、機会の最大化を図るため戦略へ反映しております。

■使用したシナリオ

対応するシナリオ

1.5℃(2℃未満)シナリオ

4℃シナリオ

概 要

2100年の気温上昇が19世紀後半から1.5℃
(2℃未満)に抑えられるシナリオ

2100年の気温上昇が19世紀後半から
4℃上昇するシナリオ

シナリオ

移行

Net-Zero Emissions by 2050 Scenario (NZE)
Sustainable Development Scenario (SDS)
Ambitious Climate Transition Scenario (ACT)

Stated Policy Scenario (STEPS)
Limited Climate Transition Scenario (LCT)

物理

Representative Concentration Pathways (RCP2.6)

Representative Concentration Pathways (RCP8.5)

 

 

 

■リスク機会一覧

種類

概要

時間軸

1.5℃シナリオ
における影響

4℃シナリオ
における影響

当社の対策

移行リスク

政策・規制

●炭素税の導入

各国拠点での温室効果ガス排出が課税対象となり、操業費が増加する

●排出権取引制の対象拡大

排出枠を超えた際の追加コストが発生する

短期~長期

・CO2排出量削減目標の設定

・グループ会社を含めた排出実績の収集

・生産プロセスの省エネ化

・物流CO2排出量削減

●自動車の燃費・排ガス規制の強化

規制に対応する研究開発コストの増加、内燃機関車向け製品の売上減少が発生する

短期~長期

・BEV/FCEV向けベアリングの開発

物理リスク

急性

●異常気象の激甚化

工場の被災やサプライチェーンの寸断により事業継続が困難になるおそれがある

中期~長期

・ジェイテクトグループBCP基本方針を策定

・防災訓練、減災啓発、製品供給の早期復旧に向けた準備等の実施

機会

政策・規制

●再エネ政策

再エネ推進による太陽光発電量の増加にともない余剰電力の転用ニーズが増加する

自社内だけでなく、取引先においても各生産過程において省エネ設備の需要が高まる

中期

・スコープ1に相当するCO2削減に向けて再生可能エネルギーによって発電した電力を活用した水素マネジメントシステムの技術開発・実証
(詳細は「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況 ⑤ カーボンニュートラルの推進」をご参照ください)

●自動車の燃費・排ガス規制の強化

BEV/FCEVが増加した場合、電動車向け製品やFCEV向け製品、電動車向け製品の需要が増加する

短期~長期

・電動駆動システムの小型化、軽量化に資する製品の開発
(JTEKT Integrated Gear Bearing®)

・水素脆化を克服したベアリングの開発
(EXSEV-H2®)

技術

●工場の省エネ推進

製造段階の省エネと生産技術の革新による生産プロセスの効率化でエネルギーコストが削減され収益向上となる

短期~中期

・省エネ活動の継続と生産プロセスの効率化による省エネルギー生産技術の開発
(スーパーモルダサーム®)

 

(注)1 時間軸  短期:現在~2026年 中期:2030年 長期:2050年

2 影響度評価は以下のとおり設定しております。

大: 影響額が100億円超のもの

中: 影響額が10億円~100億円以内のもの

小: 影響額が10億円以内のもの

 

1.5℃(2℃未満)シナリオにおいて想定される主なリスクとして、炭素税をはじめとする規制の導入・強化を背景とした操業費の増加や、自動車の燃費・排ガス規制の強化による内燃機関車向け製品の売上減少等を特定いたしました。これらのリスクを回避するために、生産プロセスの省エネ化や物流の改善、製品開発の加速等を行う必要があると考えております。一方、内燃機関車からBEV(電気自動車)やFCEV(燃料電池車)への移行は、当社事業の機会としても捉えております。当社は現在、電動車向けベアリングや耐水素ベアリング、次世代車と内燃機関車に共通する製品であるステアリングシステムや駆動部品を展開しております。2025年4月にリリースした軸受一体型歯車「JTEKT Integrated Gear Bearing®」(以下、JIGB®)は減速機の車両搭載性の向上や電費の向上を目的として開発しました。従来、機能要件が異なることからギヤとベアリングは別々の部品として組み込まれており、サイズダウンやトルク損失の低減に課題がありました。新開発したJIGB®はギヤとベアリングを一体化することで、ユニットの小型化とトルク損失の低減を実現しました。今後はこれらの製品の販売や新製品の研究開発に一層注力し、市場拡大を図ります。

 

 

(b) ガバナンス

当社では、取締役社長が委員長を務める「ジェイテクト環境委員会」を中心とした環境経営の推進体制を構築しております。「ジェイテクト環境委員会」は年2回開催し、会社方針に基づいて目標値を設定するほか、方策の審議・決定及び進捗状況の管理を行っております。同委員会での審議の結果は、内容に応じて「サステナビリティ委員会」に報告され、監督を受けるとともに、対策に予算措置が必要な場合は経営役員会、取締役会に上程し、経営陣の審議を経て経営戦略に反映しております。

また、「ジェイテクト環境委員会」の下部組織には環境専門部会を設置し、省エネ/資源循環/生産技術革新/エネルギーインフラ/物流/技術・研究/バリューチェーン等、スコープ3排出量の削減も含めた気候変動への対応について、各分野における実務的な検討、評価を行っております。工場レベルの体制としては、各工場において工場長を委員長とした「工場環境保全委員会」を組織しており、隔月の委員会においてCO2排出量をモニタリングしております。

その他グループを横断した環境取組みを実現するため、「グローバルジェイテクトグループ環境連絡会」を設置しており、国内・海外グループ各社の取組みの振り返りや次年度の取組み計画の審議、環境マネジメントに関する意見交換等を行っております。さらに2021年度からは社長直轄の「カーボンニュートラル戦略室」を設置し、事業本部間の意思疎通の円滑化を進めておりましたが、2025年度よりサーキュラーエコノミーに関しても戦略立案・推進するため「CN・CE戦略室」に、2026年1月からはCNソリューションの事業化を推進するため「CN・CE戦略部」に組織改正し、自社で培ったカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーのソリューションを通じてお客様や社会の課題解決へ貢献してまいります。

(c) リスク管理

当社は、環境リスクを全社レベルのリスクマネジメント体制へ統合し、管理しております。環境リスクについては、「サステナビリティ委員会」が特定・評価・管理のプロセスを担っております。「サステナビリティ委員会」では、「ジェイテクト環境委員会」や顧客からのニーズや社外評価、社会動向等から発生したリスクの識別・評価を行い、影響度、重要性、脆弱性、発生可能性の観点から優先順位付けした上で、回避・軽減等の対策を決定・登録・管理しており、今後の取組みについて全部署へ共有しております。また、重要リスクについては定期的に取締役会に報告しております。

(d) 指標と目標

当社は「環境チャレンジ2050」で掲げている環境負荷の極小化に向け、2035年までに生産(スコープ1+スコープ2)におけるCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を設定しております。また、中期目標の「2030年マイルストーン」としてCO2排出量を60%削減(2013年度比)するとともに、国内外のグループ会社を含め、当社グループ全体でCO2低減活動を進めております。

この中期目標はパリ協定が求める水準と整合しており、科学的な根拠に基づく目標設定が認定されるSBT(Science Based Targets)認定を2024年7月に取得しております。

 

■中長期目標

目標年度

内容

2030年度

スコープ1+スコープ2におけるCO2排出量を2013年度比60%削減

2035年度

スコープ1+スコープ2におけるCO2排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)

2050年度

製品ライフサイクル全体(スコープ1+スコープ2+スコープ3)における
CO2排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)

 

 

■スコープ別CO2排出量 (単位:千t-CO2)

※国内グループ16社、海外グループ28社に加えて、その他関連会社を含めて算出しております。

年度

スコープ1

スコープ2

スコープ1+スコープ2

2013年度
(基準年)

136.0

809.9

945.9

2025年度

99.7

378.9

478.6

削減率

26.7%

53.2%

49.4%

 

当社は、気候変動への対応に関する取組みが高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる「2025年気候変動」部門の調査において8段階評価中、最上位の評価となるAに3年連続で認定され、リーダーシップレベルの評価を獲得いたしました。

 

② 循環型経済への貢献

循環経済ビジョン2020(経済産業省)では、従来の「環境活動としての3R(リデュース・リユース・リサイクル)」から、設計や仕組みづくりにアプローチし、廃棄物が出ないようにする「経済活動としての循環経済」への転換を推し進めていくことが求められており、2024年の循環型経済形成推進基本計画では、事業者に対して、再生材や再生可能資源を使用するといった環境に配慮した事業活動により、次世代につながる持続的発展に不可欠な社会的責務が求められております。欧州では「ELV指令(ELV: End-of-Life Vehicles)」と「型式認証の再使用、再利用、再生の可能性に関する指令(3R指令)」を1つにまとめて規則化した「ELV規則案」が2023年に発表、2025年に合意され、自動車は再生材の使用促進や廃棄時の環境負荷低減が求められており、国内では2025年の法改正により再生資源の利用の義務化や環境配慮設計の促進が図られております。当社ではこれまでも、環境配慮設計や自社製品のリマン・リビルド活動、産業廃棄物のリサイクル化を通じて、循環型経済の構築に取り組んできました。今後も環境対応製品対策部会による、製品の小型・軽量、高効率化と資源循環に配慮した環境配慮型の製品開発の推進や、生産環境改善部会による事業活動における廃棄物の削減及びマテリアルリサイクルの推進等、各環境専門部会の活動を通じてサーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。

当社は、このような考え方のもと、「循環型経済への貢献」を低炭素社会の構築に並ぶマテリアリティとしております。

(a) 戦略

当社では、「環境チャレンジ2050」に基づき、5年ごとに「環境行動計画」を策定し、毎年の会社目標へ反映し、廃棄物及び水使用量の削減活動を推進しております。

世界的な人口増加や経済成長に伴う消費拡大により世界の資源採掘量及び廃棄物量は増加傾向にあり、その枯渇も懸念されております。このような状況において、当社の継続的な事業活動のためには生産に必要な副資材使用量及び廃棄物の削減が不可欠と考え、特に排出量の多い汚泥、廃油を重点品目に指定し、優先的に改善を行うとともに金型の長寿命化の取組みを行い、副資材使用量の削減活動を推進しております。

また、事業を継続する上で必要な良質な淡水は、その利用が制限された場合には当社の生産工程である熱処理、洗浄工程等の稼働に多大な影響を与える可能性があるため水使用量削減に向けた取組みが必要となります。当社は、特に水ストレス地域であるインド・メキシコに対して水使用量の削減目標を設定する等、取組みを進めております。

さらに、こうした従来からの取組みに加えて、より一層の製品の小型・軽量化、製品原材料の再生材使用率向上、廃棄物のマテリアルリサイクル化の推進等の取組みを進めるために、2030年を目標年とする新たな「環境行動計画」の作成を通じて検討を進めております。

(b) ガバナンス

当社では、取締役社長が委員長を務める「ジェイテクト環境委員会」を中心とした環境経営の推進体制を構築しております。「ジェイテクト環境委員会」は年2回開催し、会社方針に基づいて目標値を設定するほか、方策の審議・決定及び進捗状況の管理を行っております。同委員会での審議の結果は内容に応じて「サステナビリティ委員会」に報告・審議されるとともに、対策に予算措置が必要な場合は経営役員会に上程し、経営陣の審議を経て経営戦略に反映しております。

 

また、廃棄物のマテリアルリサイクル化の推進や水使用量の削減については、「ジェイテクト環境委員会」の下部組織である環境専門部会の一つである「生産環境改善部会」、より一層の製品の小型・軽量化、製品原材料の再生材使用率向上については、「環境対応製品対策部会」や「バリューチェーン部会」を担当部会とし、経営役員である全社環境総括役員を筆頭として、取組みの進捗確認、議論、審議等を行っております。2021年に設置した社長直轄の「カーボンニュートラル戦略室」は、2025年度よりサーキュラーエコノミーに関しても戦略立案・推進するため「CN・CE戦略室」に、2026年1月からはCNソリューションの事業化を推進するため「CN・CE戦略部」に組織改正し、自社で培ったカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーのソリューションを通じてお客様や社会の課題解決へ貢献してまいります。

(c) リスク管理

「①地球温暖化防止(c)リスク管理」の記載をご参照ください。

(d) 指標と目標

当社は「環境チャレンジ2050」で掲げている環境負荷の極小化に向け、内製生産高当たり廃棄物量/水使用量の原単位削減目標を設定し、2025年環境行動計画に基づく目標として2018年度比7%削減を目標として取り組んできました。その結果廃棄物量は27.8%削減、水使用量は30.1%削減しております。加えて、これまでサーマルリカバリーが進められてきたプラスチック廃棄物について、更なる環境負荷の低減/資源の有効活用を図るため、2025年環境行動計画に基づく目標としてプラスチック廃棄物のマテリアルリサイクル率を35%とする目標を立てておりましたが、結果39.7%まで向上しております。

また、5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の会社目標へ反映させる形で、活動を推進しております。

さらに、製品原材料については、当社製品の主原料である鉄を中心に、事業活動の持続可能性や競争力の観点も考慮したうえで、再生材の比率を高めていきたいと考えております。

このような取組みが高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる「2025年水セキュリティ」部門において、上位2番目の評価となるA-に認定されました。

 

(3) 社会

当社は、JTEKT Group 2030 Visionに基づきソリューションプロバイダーへの変革を経営戦略としておりますが、その実現の原動力は人財であるという理解のもと、連動した人財戦略として「人と現場中心の経営」をテーマとしております。これに基づき、マテリアリティとして「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」を特定しており、その具体化のための社内環境整備、人財育成及び多様性の確保と尊重に関する様々な取組みを行っております。

社内環境の整備については、従業員の安全を第一としております。機械製造業を主要な事業とする当社においては、工業機械や化学物質の取扱いにあたって従業員の安全・健康への危険が伴います。このような危険から従業員を保護し、安心して働ける環境を維持することは、人づくり、職場づくりの前提として重視しております。また、従業員のモチベーションやパフォーマンス向上にも従業員の健康が欠かせないものと考え、より積極的な健康経営を推進しております。

また人財育成については、個々の能力向上に加えて、取り巻く環境の変化に対応できるよう様々な育成プログラムを提供するとともに、人財の多様性を確保し誰もが活躍できる組織を目指します。

本項では、このような考え方に沿って「労働安全衛生」「健康経営」「人財育成」と「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」に加え、昨今サステナブル経営において重視される「ビジネスと人権」の取組みについて取り上げております。なお、当社の人財戦略に関しては、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」も参照ください。

 

① 労働安全衛生(社内環境整備①)

当社は「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」というマテリアリティの前提として「安全第一」を掲げ、価値ある製品を提供するための基盤となる従業員の心身の安全(労働安全衛生)をサステナブル経営上の重要テーマの1つとしております。

 

(a) 戦略

当社グループでは「全ての災害は必ず防ぐことができる」を安全衛生理念とし、全従業員が一体となって全員参加の安全衛生活動や快適な職場環境づくりに取り組んでおり、安全衛生理念を表したグローバルメッセージ"All for One in Life"のもと、命と健康を中心に置いた活動を通じて災害ゼロ実現を目指しております。


(b) ガバナンス

当社は、健康で安全・安心な働きやすい快適な職場環境づくりを目指して、取締役社長を委員長とし、経営層を含めた各工場・事業所の安全衛生業務事務局メンバーで構成された「全社安全衛生委員会」を設け、国内外のグループ会社を含めた安全・衛生の一元管理体制を構築しております。この「全社安全衛生委員会」は、期央・期末の年2回開催され、安全スコアの振り返りや従業員の声に基づき、安全・衛生・防火に関する方針展開と進捗状況の確認を実施し、その結果は全従業員に展開されております。

また、「全社安全衛生委員会」の活動を補う組織として、「安全衛生推進会議」を毎月開催し、安全に関するトップメッセージ、年度方針の進捗状況のフォローに加え、災害事例の情報共有や再発防止対策の検討や展開も行っております。さらに工場を含む各事業所においては、事業所長を委員長にした各事業所単位での「安全衛生委員会」を設置し、各種安全衛生活動の実施・確認や、労使の協力による課題の対策を積極的に行っております。

 


 

 

(c) リスク管理

当社は、従業員の労働災害や業務上の疾病による労働損失、職場環境の不安全や管理不足による評価の悪化、さらには従業員のモチベーション低下を重要なリスクと捉えております。このため、労働災害の未然防止に重点を置いた取組みを継続的に実施しており、2025年度において休業災害0件を達成することができました。

全社的には災害件数や休業度数率を災害の程度に応じて分類・管理し、個別の災害についてはその要因を分析しております。重大な怪我に結び付きやすい災害を重点6災害として分類し、重点的に対策を行っており、中でも「挟まれ・巻き込まれ」による災害は発生頻度が高く、特に対策を進めております。リスクがある設備に対しては、リスクレベルによるランク付けとラベル表示を行い、現地現物でリスクの明確化を推進しております。また、リスクレベルの高い設備については、改善に向けた計画の立案から推進まで全社一丸となって継続的かつ計画的に取り組んでおります。

さらに、労働災害発生時の対応については、展開方法や宛先等の具体的な手順を社内規程で定め全社的に共有することで、報告の漏れを防ぎ、徹底した情報共有を迅速に行っております。

各工場では「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」の考え方に基づき管理体制を構築し運用するとともに、各現場単位でリスクアセスメントによるリスク管理を行い、労働災害の未然防止に取り組んできました。

今後はリスク管理の高度化に向け、ISO45001の考え方に基づく管理体制の構築を開始し、2026年度の認証取得を目指しております。

 


 

(d) 指標と目標

当社では、前述の「全ての災害は必ず防ぐことができる」という安全衛生理念に基づき、事業活動における重大災害(死亡災害)をはじめとするあらゆる災害の予防を目標としており、重大災害(死亡災害)の件数及び、休業度数率(休業1日以上を計上)を指標として定めております。

 

② 健康経営(社内環境整備②)

当社では、従業員の健康づくりに投資することが従業員のエンゲージメントやパフォーマンス向上につながり、結果的に企業の持続的成長による企業価値向上につながると考え、人的資本の価値を最大化し、中長期にわたって企業価値・事業競争力を高めるための経営基盤強化として健康経営を推進しております。

 

(a) 戦略

当社は、「健康宣言」に基づき、「従業員の心身の健康増進」を重要な経営戦略の一つに設定し、健康習慣等の実践状況と休職状況等の両面で総合的に評価し、PDCAサイクルを回す取組みを実践しております。また、2025年度にはMission, Vision, Valueに基づき「ジェイテクトグループ健康経営推進方針」を策定しました。健康経営の考え方や目指す姿を明確化・共有化することで、グループ全体としての取組みを更に推進していきます。

 

健康宣言

ジェイテクトグループは、働く全ての従業員一人ひとりとその家族が、心身共に健康であることが、

最も大切だと考えています。思いやりと真心を持って従業員と家族の健康を支え、

従業員ファーストで健康増進活動にも取り組んでいきます。

従業員と家族を病気にさせないために疾病予防に向けた取り組みを実施し、「どんどん職場が良くなっている」と

誰もが感じる健康第一を実践できる職場づくりに務めることを宣言します。

2021年6月

株式会社ジェイテクト 取締役社長

 

 

ジェイテクトグループ健康経営推進方針

使命(長期目標)

  "ジェイテクトグループの従業員一人ひとりとその家族が、今も未来も心身共に健康である"状態を作る

目指す姿(中期目標)

  従業員一人ひとりの健康レベル向上による全員活躍

行動指針(スローガン)

  みんなのために、みんなが健康になろ

 

 

(b) ガバナンス

当社は、取締役社長を責任者とする経営層が中心となり、人事機能部署、ジェイテクト労働組合、健康保険組合で組織する「健康経営推進体制」を中核に、関係者が一体となって健康経営を推進しております。また、取締役社長を委員長とする「全社安全衛生委員会」では健康経営施策の計画・結果等を報告し、各施策について承認を得た上で、各職場や従業員に展開しております。

 

健康経営推進体制


(c) リスク管理

当社は、従業員の健康問題による労働損失を重要なリスクと捉え、アブセンティーズム(健康問題による欠勤)の低減に重点を置いた取組みを実施しております。具体的には精神系疾患による休務者数や休務日数で評価を行い、メンタルヘルス不調者対応や生活習慣病の予防・改善、健康意識向上に注力しております。これら各施策を通じて、従業員一人ひとりが健康にいきいきと働ける会社を目指します。

 

(d) 指標と目標

当社では、健康経営の取組みにあたって様々な管理指標を設定しておりますが、その成果を測る指標の一つとして健康経営度調査の結果を採用しております。健康経営度調査とは経済産業省主催で毎年実施している健康経営の取組み状況に関する調査で、自社の健康経営に対する客観的な評価を確認することができると考えております。

当社では2025年度までにこの調査で上位評価である500位以内に入り、「健康経営優良法人 ホワイト500」の認定を取得することを目標に掲げて活動を進めた結果、2024年度に引き続き2025年度も「健康経営優良法人2026 ホワイト500」を取得することができました。


 

③ 人財育成

当社は、競争環境、労働環境をはじめとした取り巻く環境が急速に変化していく中で、これらの環境変化に対応しつつ組織として成果を出し続けるためには、従業員一人ひとりが自ら学び、主体的に成長することが必要であると考え、人財育成を「自己実現できる人づくり」というマテリアリティに基づく重要なテーマの1つに設定して取組みを行っております。

(a) 戦略

人財育成方針

1.私たちは、社員を企業活動に不可欠な財と考え、「人づくり」に取り組みます。

2.私たちは、「自ら学び、共に成長する文化」を醸成します。

 

 

<事技職従業員の人財育成>

OJT、Off-JT、キャリア開発の3つの柱で構成しており、OJTでは、対話と実践を通じてメンバーの主体性を引き出すための定期的な面談やOJTトレーナー制度を実施しております。Off-JTでは、当社の仕事の基本である「問題解決力」を強化する研修を軸として、職位別、年齢別、テーマ別研修等、体系的に実施するとともに、自発的な学びの促進のため、e-ラーニングによる選択型教育を実施しております。また、JTEKT Group 2030 Visionの実現に向け、2025年4月より事技職新入社員向けのモノづくり研修を導入いたしました。この研修を通して全ての事技系社員がモノづくりの基礎を学ぶことにより、お客様の困りごとに寄り添ったソリューションの提案ができる人財づくりを推進いたします。キャリア開発では、従業員の自己実現のため、キャリア面談やサクセッションプラン、社内公募制度があり、従業員の価値観に応じて自発的なキャリア選択が可能な環境を整備しております。

<技能職従業員の人財育成>

全社教育、職場教育、自己啓発の3つの柱で構成しております。全社教育では、高等学園での教育を基礎とするキャリア開発プログラム(階層別教育)のほか、職場リーダー養成のためのTWIトレーナー(監督者訓練指導員)・リーダー養成講習、新任監督者に向けた研修では、生産調査部と連携しトヨタ生産方式(TPS)の実践訓練を実施する等、理解度向上に力を入れております。また自己啓発では、国家技能検定、QC検定、自主保全士等の取得に挑戦できるよう支援しております。

(b) ガバナンス

人財育成に関する取組みの状況や課題については「サステナビリティ委員会」にて報告をし、社外役員を含めた取締役、監査役及び経営役員らによる監督・助言を受けております。

(c) リスク管理

日本国内における少子化、要求される人財の高度化や雇用の流動化の中で事業活動に必要かつ有用な人財の確保は困難の度を増しており、当社は、人財の育成は事業継続の根本的な課題の一つと認識しております。このような考え方のもと、当社は心身両面での人財の育成に取り組んでまいります。

 

<高いモチベーション維持と能力向上>

人財育成、評価、処遇の3要素を有機的に結びつけ、入社後継続して高いモチベーションを維持しながら能力向上を図れるよう、各種人事制度を関係づけて構築しております。

<課題創造力、問題解決力の習得>

環境の変化に対応し、顧客や社会の本質的な課題を見極め、主体的に解決できる人財の育成を推進しております。そのため「絶え間無い改善」の考え方に基づき、入社後3年では現状とあるべき姿のギャップ(問題)を解決する力を養い、その後は将来のあるべき姿を描き新たな課題を創造する力へと段階的に高める教育・育成を行っております。


 

(d) 指標と目標

当社は、従業員一人ひとりの問題解決力の向上を重要なテーマと位置付けております。そのため、入社後3年と主任(係長級の役職)登用時にかけて段階的に実施するOff-JTの問題解決研修を、対象従業員全員に受講させることとしております。人財育成の主要な指標・目標として、本研修への参加率を掲げております。

 

④ DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)

当社は、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を、企業の持続的成長に不可欠な取組みの一つと考えております。様々な背景や経験を持つ社員が力を発揮することが、事業の成長や新たな価値につながるとの認識のもと、人財戦略として「人と現場中心の経営」を掲げ、マテリアリティである「自己実現できる人づくり」及び「挑戦を楽しめる職場づくり」の実現に向けて取組みを進めております。

また、こうした取組みをグループ全体でより一体的に推進するため、従来のD&Iの考え方を発展させ、エクイティ(公平性)の観点も取り入れた「ジェイテクトグループDE&I方針」へと見直しを行いました(2025年度策定)。当社グループのMissionの実現に向けて、社員一人ひとりが力を発揮し、いきいきと働ける職場づくりを重視しております。

当社では、多様性とは性別や国籍といった属性だけでなく、価値観や経験、働き方の違いも含めたものと捉えております。一人ひとりが「Only One」の存在として尊重され、自分らしく働けることが組織の強みにつながると考えております。

(a) 戦略

当社では、DE&Iを人事施策にとどまらず、事業の競争力を高めるために重要な取組みと位置付けております。

また、必要な人財の多様性を確保しながら、一人ひとりに適した機会や環境を整備することで「全員参加」が進み、それぞれが力を発揮できる「全員活躍」につながると考えております。

さらに、当社が目指す「ソリューションプロバイダー」としての事業展開においては、多様化・高度化する顧客ニーズに応えることが重要であり、そのためには多様な視点や発想を取り入れることが不可欠であると考えております。こうした観点から、DE&Iの推進は、顧客に新たな価値を提供し続けるための基盤となるものと位置付けております。

また、現状、女性管理職比率等については引き続き改善の余地があると認識しており、より多様な視点を意思決定に取り入れていくことが課題の一つであります。このような状況を踏まえ、2025年度は多様性理解の促進と働きやすい環境づくりに向け、複数の取組みを体系的に推進しました。

 

まず、ジェンダーバイアスを含むアンコンシャス・バイアスに関する理解を深める活動を実施し、社員一人ひとりが無意識の偏見に気づき、行動を見直すきっかけづくりを行いました。加えて、月経等の女性特有の健康課題についての理解を促進するため、本社では生理痛疑似体験イベントを実施し、工場においても同様の体験を含む研修を展開しました。これにより、職場全体での相互理解の醸成を図っております。さらに、女性が大半を占める旧一般職社員に対しては、キャリア形成支援研修を実施しました。これは2024年度に総合職と一般職を統合したことを踏まえ、今後のキャリア選択の幅を広げることを目的としたものであります。また、不妊治療と仕事の両立を支援するため、新たに休暇休職制度を設ける等、制度面の整備にも取り組みました。加えて、職場での対話を通じて心理的安全性の高い環境づくりを推進するため、管理職に対して心理的安全性に関する研修を継続的に実施しております。また、障がいのある方の採用及び定着支援の強化にも取り組み、多様な人財が安心して働き、それぞれの強みを発揮できる環境づくりを進めております。

ジェイテクトグループDE&I方針

わたしたちジェイテクトグループは、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを企業の持続的成長のために欠かせない柱と位置付けています。わたしたちのMission「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」を実現するためには、社員一人ひとりが力を発揮し、いきいきと働ける職場であることが必要です。

そのために、DE&Iを以下のように捉え取り組んでいきます。

 

・ダイバーシティ(多様性)

 性別、年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認、宗教・信条、価値観、キャリア、経験、働き方等、

 多様な人財や考え方が存在していることです。

 すべての人がOnly Oneの存在として尊重され、自分らしくいられることがわたしたちの強さにつながります。

 

・エクイティ(公平性)

 一人ひとりに適した環境や機会が提供されることで、「全員参加」ができている状態のことです。

 誰もがスタートラインに立ち自らの意思で前に進めるよう、公平性をもって環境や制度を整えることが大切だと考えています。

 

・インクルージョン(包摂性)

 一人ひとりの意見が尊重され、誰もが安心できる居場所があるという実感を持てており、「全員活躍」ができている状態のことです。

 意見が異なるときには、相手の背景を考え対話を通して理解し合うことが重要です。

 

 

(b) ガバナンス

DE&Iに関する状況や課題については、「サステナビリティ委員会」にて報告し、その監督・助言を受けるとともに、取組み状況の進捗については関係本部の役員に適宜報告をしております。また、女性管理職比率、男性の育児休業取得率等の重要指標については適切に対外公表を行っております。

2025年度には、DE&Iの取組みをより着実に推進していくため、専門組織として「DE&I推進課」を設置しました。各部門とも連携しながら、取組みの定着と実効性の向上を図っていきます。

(c) リスク管理

多様な人財の視点が十分に活かされない場合、意思決定が偏ることにより、新たな事業機会を十分に捉えられない可能性があると考えております。また、環境変化や顧客ニーズの多様化に対する対応力の低下につながり、中長期的には競争力の低下を招くリスクがあると認識しております。加えて、人財確保の観点においても、多様な人財が活躍しにくい環境は、採用競争力の低下や人財の定着率の低下につながる可能性があります。また、差別やハラスメントの発生等により、事業活動に関わる人の尊厳や人格が損なわれることは、人権の観点から重要なリスクであると認識しております。

一方で、多様な人財がそれぞれの強みを発揮できる環境を整えることにより、顧客ニーズへの対応力の向上や、新たな発想による価値創出、現場における改善力の向上等につながると考えております。当社では、心理的安全性の確保やハラスメント防止の徹底に加え、DE&I方針に基づく取組みを通じて、多様な人財が活躍できる環境づくりを進めることで、これらのリスクの低減と機会の創出に取り組んでおります。

 

(d) 指標と目標

当社では、DE&Iの取組み状況を確認するため、以下を主要指標として設定しております。

女性管理職比率:2026年度 3%以上(当社単体)

男性の育児休業取得率:2026年度 65%以上(当社単体)

これらの指標を通じて、ジェンダーギャップの是正状況を継続的に確認するとともに、組織の状態を把握していきます。

 

⑤ ビジネスと人権

人権の尊重はサステナブル経営に不可欠であり、また従業員エンゲージメント等にも直結する重要な要素と考えております。そのため、「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」「持続可能なバリューチェーンの維持」といった当社マテリアリティの要として、ビジネスと人権の課題に取り組んでおります。

あわせて、当社グループが目指すソリューションプロバイダーとして、顧客や社会から信頼され続けるためにも、人権尊重の取組みは重要な基盤であると認識しております。

(a) 戦略

当社では、「ジェイテクトグループ人権方針」に基づき、人権教育や啓発活動、サプライヤーとの連携、人権デューデリジェンス体制の構築を進めております。

同方針の策定にあたっては、人権インパクト・アセスメントを実施し、「強制労働・奴隷的拘束」「児童労働」「差別」「ハラスメント」の4つを当社グループにとって優先的に対応すべき人権リスクとして特定し、重点取組み課題としております。

具体的な取組みとして、社内、連結子会社のほか、国内の主要仕入先に対して人権リスク調査を実施し、その結果のフィードバックを行う等、サプライチェーンを含めた人権リスクの把握に努めております。

また、2024年度からは国内の全従業員を対象に「おたがいを尊重しよう月間」と題した取組みを実施し、全ての職場においてアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)について対話する研修を行っております。こうした取組みを通じて、「差別」や「ハラスメント」といった人権リスクを未然に防ぎ、日常業務の中で人権に配慮した判断や行動ができる職場風土の醸成を図っております。

(b) ガバナンス

当社の人権尊重に関する取組みについては、「サステナビリティ委員会」にて報告・審議を行っており、取組み状況の進捗については関係本部の役員に適宜報告しております。

引き続き、関係部門が連携しながら取組みの実効性向上に努めております。

(c) リスク管理

あらゆる人権リスクにおいて対応が不十分な場合には、レピュテーションの低下や調達取引への影響、各国における法令対応リスクに加え、人財の確保や定着への影響等が生じる可能性があると認識しております。また、グローバルに事業を展開する当社においては、地域や事業特性に応じた様々な人権リスクが存在することも把握しております。

こうしたリスクが顕在化した場合には、事業活動や企業価値に影響を及ぼす可能性もあると認識しております。

そのため、人権方針に基づき人権デューデリジェンスを適切に実施し、人権リスクの把握、予防、是正に継続的に取り組んでおります。

 

 

人権取組みの全体図


 

(d) 指標と目標

当社は、人権デューデリジェンス等により人権侵害の発見と予防に取り組んでおり、当社事業活動に関連する重大な人権侵害の発生を指標として、これを発生させないことを目標としております。

 

(4) ガバナンス

当社は、ジェイテクトのMVVを実現し、非財務資本の適切な増進とステークホルダーの抱える社会課題の解決に貢献するサステナブル経営にあたって経営戦略に基づく事業プロセスが正常に機能し、不正を起こさないことが前提と考えて「ステークホルダーに誠実な企業文化」をマテリアリティとしております。この観点から、経営基盤としてリスク管理とコンプライアンス(法令及び社内規程等の事業活動に関わるルールの遵守)を重視しております。

また、複雑化する社会において適切に自社の状況を把握し、効率的に経営にフィードバックするとともに業務の改善につなげるためには事業のデジタル化が不可欠と考えております。特に昨今の発展が目覚ましいAIについては、業務効率向上に寄与する一方、サイバー攻撃等の高度化にも影響する可能性があります。このような外部環境のもとデジタル化に伴い今後更にリスクとして注視が必要になる情報セキュリティについても重視しており、「デジタル化と情報セキュリティ」をマテリアリティに掲げております。

 

① コンプライアンス

当社は、コンプライアンスが企業価値を支える前提・基礎であり、「JTEKT Group 2030 Vision」を実現するために不可欠なものであるという前提のもと、「ステークホルダーに誠実な企業文化」というマテリアリティに基づく重要なテーマに位置付けております。

(a) 戦略

当社では、「JTEKTグローバル・コンダクト・ガイドライン」を役職員の行動指針として、継続的なコンプライアンス・プログラムを実施しております。このコンプライアンス・プログラムにおいては、毎年の実施計画に基づき、全ての役職員に対し、時々の事例をもとにしたコンプライアンス教育、啓発活動を行うとともに、各階層及び役割に応じた教育を実施しております。また、社内各部署及び国内外のグループ会社におけるコンプライアンスの体制整備、運用、各施策の実施等の状況を定期的にモニタリングしております。さらに、社内各部署の従業員に対し、継続的に品質不正やハラスメント等のコンプライアンス違反に関するアンケートを実施し、一つ一つの声に対し丁寧に対応することで、早期対策と未然防止に努めております。

当社は、これらの成果をもとに次年度の実施計画を立案するというプロセスを繰り返すことで、コンプライアンス違反のない事業活動を目指しております。

 

(b) リスク管理

当社の多岐にわたる事業活動においては各種法令による規制を受けるほか、社会の一員として要求される社会規範のレベルは高いものであり、これらに違反する事態の発生は大きなリスクであると理解しております。その中でも、主力製品の性質及び多くの国と地域に顧客をはじめとするステークホルダーを有することに鑑み、公正な取引慣行の遵守が強く求められているとの考えから、当社は、カルテル行為と腐敗行為(贈収賄や横領等)の防止及び取引適正化に特に重点を置いております。取引適正化については、当社のシステム設定の不備により、取引先様に支払うべき代金から銀行振込手数料の定額を差し引いていたことが下請代金の減額に当たると認定され、2025年に公正取引委員会より勧告を受けました。当社は、対象となる取引先様に対して認定相当額及び法定の遅延損害金を支払い、さらに振込手数料を当社負担とする運用に変更することで、損害の補填と再発防止に努めております。

当社は、これらリスクの顕在化を未然に防止し、早期に発見するため、前述のコンプライアンス・プログラムの実施に加え、当社グループの誰もが利用できるグローバル内部通報制度を整えるとともに、社外ステークホルダーからの苦情等を受け付ける各種窓口を設置することで、日々リスク管理に努めております。

(c) ガバナンス

以上のコンプライアンスに関する取組みの状況及び課題については、内部監査部門及び監査役による監査を受けるとともに、取締役会及び取締役をはじめとする経営層が出席する経営会議において報告され、確認を受けております。

(d) 指標と目標

当社は、継続的な施策の実施によって違反行為の発生リスクを低減し、独自に設定する重要法令違反(カルテル行為、腐敗行為等を含む当社が独自に設定する事項)を発生させないことを目標としております。

 

② 情報セキュリティ

当社は、会社情報、お客様情報の取扱いに対し、様々な情報技術ネットワークやシステムを利用しております。また、グループ製品には、モビリティの運転支援機能や各種サービスに貢献する様々な情報技術システムが利用されております。今後、当社の長期的な成長には経営と事業のデジタル化が不可欠であるとの認識のもと、その裏返しともいえる、これらの情報技術ネットワークやシステムに対するサイバー攻撃に対処し、当社やお客様、バリューチェーンの安全と事業継続を確保するため、情報セキュリティを重視しております。

(a) 戦略

当社は、情報セキュリティの継続的な対策強化に取り組むとともに、安心安全なITデジタル基盤の醸成を目指し、「ジェイテクトグループ 情報セキュリティに関する方針(ポリシー)」を策定しております。当該方針に基づき、グループを含めたセキュリティガバナンスの強化、グローバル標準への対応、セキュリティ人財育成により、情報セキュリティ体制の維持・構築とセキュリティレベルの向上を推進しております。

 

ジェイテクトグループ 情報セキュリティに関する方針(ポリシー)

ジェイテクトグループは、その使命の実現に向けて制定した企業行動規準に則り、進化する脅威(リスク)に対応することを含め、お客様からお預かりした情報資産をはじめ、全ての情報を適切に取扱います。また、製品開発、製造、出荷等の各工程においても、情報セキュリティ対策を講じることにより、安全な製品を供給します。

全てのステークホルダーから信頼され、期待に応えるため、具体的な指針である グローバル・コンダクト・ガイドラインと共に組織的に情報セキュリティのレベル向上、 強化に取組みます。

更には、ポリシーに基づくセキュリティ・ガイドラインを国内外のグループ会社、取引先様へ展開し、ジェイテクトグループとしての情報セキュリティ・レベルの向上を図っています。

 

1.法令・契約事項遵守

各国が定める法令、指針・規範および契約上のセキュリティ要件等を遵守します。法令遵守の意識を常に持ち、不正な情報の入手、虚偽報告、隠ぺいを未然に防止します。

 

2.推進体制

情報セキュリティリスクを認識し、リスク発現を防止する対策の実施計画を立案・運営できる体制をグローバル・リスクマネジメントの一環として推進します。

 

3.情報セキュリティマネジメント

(1)情報の取り扱い、工場、設備、製品において、情報セキュリティリスクに対し、リスクの発現を防止します。

(2)情報資産の管理体制、取り扱いの仕組みについて、定期的な点検を実施し、継続的に改善・見直しを実施します。

(3)情報セキュリティに関する教育・啓発を全従業員に対して継続的に実施します。

 

制定:2019年4月

最終改訂:2024年10月

株式会社ジェイテクト

最高情報セキュリティ責任者

佐原 耕

 

 

 

(b) ガバナンス

当社は、CISO(最高情報セキュリティ責任者)を任命し、ITデジタル本部内に情報セキュリティ推進部を設置しております。このCISOと情報セキュリティ推進部が中心となり、経営管理本部や各事業本部、生産技術本部等の社内機能と連携して様々な情報技術システムの利用や、製品に搭載される情報技術システムに対する安全性確認、及びその脅威に対する情報収集・展開をグループ全体で実施し、早期検知及び対応できる体制の構築に努めております。

(c) リスク管理

企業に対するサイバー攻撃による情報リスクへの脅威は増加しており、いくら安全対策が施されていても、情報システムの障害発生や機密情報が外部流出するリスクは排除できません。さらには、バリューチェーンを含めた事業活動が一時的に中断するリスクも存在いたします。このような事態となった場合には、グループの事業活動の停滞や社会的信用低下により、グループの財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、情報技術ネットワークやシステム利用においては、必要な防御策を施した上で、攻撃による侵入や不正通信を監視し、万が一の場合に対応できる体制を整備するとともに、最新の脅威に柔軟に対応するため、脅威インテリジェンスの導入や業界組織及び官民連携組織からの情報入手に努めております。また、当社製品の開発においてもサイバー攻撃等のリスクを考慮した設計、開発を行っており、脆弱性等のリスクが発見された場合に対応できる体制も整備しております。

なお、バリューチェーンも含めたリスクに対しては、2022年より仕入先との対話を通じた対策強化の取組みを継続して実施しております。

(d) 指標と目標

事業継続・生産計画への影響、損害額、社会に対するインパクト等を勘案した独自の基準に基づく「重要インシデント」を指標として設定し、これを発生させないことを目標としております。

 

 

(5) サステナビリティに関する指標と目標

 

指標

目標

注記

気候変動への対応

生産(スコープ1+スコープ2)におけるCO2排出量

<2030年度目標>

2013年度比 60%削減

(国内グループ16社、海外グループ28社、その他関連会社を含む)

2025年度実績

:478.6(千t- CO2)

2013年度比 49.4%削減

循環型経済の構築

内製生産高当たり
廃棄物排出量原単位

<2025年環境行動計画に基づく目標>

2018年度比 7%削減

(国内グループ16社、海外グループ28社を含む)

2025年度実績

:6.41(t/億円)

2018年度比 27.8%削減

内製生産高当たり
水使用量原単位

<2025年環境行動計画に基づく目標>

2018年度比 7%削減

(国内グループ16社、海外グループ28社を含む)

2025年度実績

:0.676(千㎥/億円)

2018年度比 30.1%削減

プラスチック廃棄物の
マテリアルリサイクル率

<2025年環境行動計画に基づく目標>

35%(当社単体)

2025年度実績:39.7%

労働安全衛生

重大災害(死亡災害)件数

<継続目標>

0件(連結対象会社を含む)

2025年度実績:0

休業災害 度数率

<継続目標>

0.05

(当社単体)

度数率は災害発生の頻度を示し、ここでは100万延べ実労働時間当たりの労働災害による休業者数を指します。

2025年度実績:0.00

健康

健康経営度調査結果

<2026年度目標>

「健康経営優良法人認定(ホワイト500)」の取得

(当社単体)

2025年度実績:取得済

人財育成

問題解決研修参加率
(新入社員~4年目、主任の参加率)

<継続目標>

100%(当社単体)

2025年度実績:100%

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

女性管理職比率

<2026年度目標>

3%以上(当社単体)

2025年度実績:2.6%

男性の育児休業取得率

<2026年度目標>

80%以上(当社単体)

2025年度実績:84.7

育児目的休暇利用者を含む

ビジネスと人権

重大な人権侵害の発生件数

<継続目標>

0件

2025年度実績:0件

コンプライアンス

重大法令違反件数

<継続目標>

0件

2025年度実績:0件

情報セキュリティ

重大インシデント(生産稼働に影響を及ぼす事案)
発生件数

<継続目標>

0件

2025年度実績:0件