2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

糖尿病マネジメント ヘルスケアソリューション 診断・ライフサイエンス その他及び調整・消去
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
糖尿病マネジメント 101,581 27.9 20,085 88.5 19.8
ヘルスケアソリューション 128,389 35.2 6,234 27.5 4.9
診断・ライフサイエンス 128,323 35.2 3,893 17.2 3.0
その他及び調整・消去 6,108 1.7 -7,526 -33.2 -123.2

3【事業の内容】

 当社グループは、持株会社である当社、主要子会社のPHC株式会社(以下、「PHC」)、Ascensia Diabetes Care Holdings AG(以下、「ADCHD」)、Epredia Holdings Ltd.(以下、「Epredia」)、株式会社LSIメディエンス(以下、「LSIM」)、ウィーメックス株式会社(以下、「WMX」)、及びメディフォード株式会社(以下、「MDF」)ほか関連会社及び共同支配企業と共同支配事業を含め、国内16法人、海外63法人にて構成されております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

 当社グループの事業は、血糖測定(BGM)システムの開発、製造及び販売を行う「糖尿病マネジメントドメイン」、臨床検査サービス、レセプトコンピュータや電子カルテシステム、電子薬歴システム等の医療IT製品の開発・販売及び非臨床試験受託やバイオアナリシス、セントラルラボサービス等の創薬支援サービスを展開する「ヘルスケアソリューションドメイン」、病理用機器や消耗品、保存機器や培養機器、バイオハザード対策用キャビネット等のライフサイエンス研究・医療支援機器、医療・介護現場向けのファーマシーソリューション及びフードソリューション機器、Point of Care Testing(簡易・迅速検査、POCT)機器等の体外診断機器並びに電動式医薬品注入器及び臨床検査機器や試薬等の開発製造販売を行う「診断・ライフサイエンスドメイン」の3つの事業ドメインにより構成されており、当該事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 5.セグメント情報」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

 当社グループの各ドメインの事業内容及び関係会社各社の位置付けは以下のとおりであります。

 

(1)糖尿病マネジメントドメイン

 糖尿病をはじめとする生活習慣病の増加に伴い、早期診断及び効果的な治療の重要性が高まる中、当社グループの糖尿病マネジメントドメインでは、特許権を有するバイオセンシング技術及び自社設計の製造ラインに基づく、効率化・合理化された生産技術を強みとして、高精度かつ簡便な検査機器の開発・製造・販売を行っております。

 本ドメインにおける主な製品は、血糖測定システムを中心とする糖尿病ケア製品であり、主としてセンサ等の消耗品の継続販売を通じて収益を創出するビジネスモデルであります。
 
血糖測定システムについては、主に子会社であるPHCにおいて開発・製造を行い、同じく子会社であるADCHD及びその販売子会社を通じて、世界90以上の国と地域の医療機関・薬局等に販売しております。なお、当該製品の一部は、海外製造子会社であるPT PHC Indonesia(以下、「PHCI」)において製造しております。また、国内向けの血糖測定システムについては、OEM販売を行っております。

 

(2)ヘルスケアソリューションドメイン

 ヘルスケアソリューションドメインは、LSIM事業とヘルスケアITソリューション事業及びCRO事業の3つの事業で構成されております。
 LSIM事業の主なサービスは、臨床検査、食品検査、衛生検査等であります。加えて、日本で唯一のWADA(World Anti-Doping Agency)公認のドーピング検査における検体分析も提供しております。これらのサービスは、子会社であるLSIMが提供しており、全国に営業拠点及び登録衛生検査所のネットワークを有し、日本全国で事業を展開しております。

 ヘルスケアITソリューション事業の主な製品は、診療所向け及び病院向けのレセプトコンピュータ、電子カルテシステム、並びに保険薬局向けの電子薬歴システム等であります。当該事業については、子会社であるWMXにおいて、開発・製造・販売及び保守サービスを行っております。

 CRO事業の主なサービスは、薬事承認申請用の各種試験や研究開発初期段階における探索的検討試験及びコンサルティング等を提供する非臨床試験受託サービス、生体試料中の薬物やその代謝物、バイオマーカー等の分析を行うバイオアナリシスサービス、並びに全国の医療機関で実施される臨床研究(治験・臨床試験)検体について、回収から一括検査までを提供するセントラルラボサービス等であります。これらのサービスは、子会社であるMDFにおいて提供しております。

 

(3)診断・ライフサイエンスドメイン

 診断・ライフサイエンスドメインは、病理事業、バイオメディカ事業及び診断薬事業の3つの事業で構成されております。

 病理事業の主な製品は、ティッシュプロセッサー、パラフィンブロック作製装置、ミクロトーム、自動染色装置、自動封入装置、スライドガラス及び染色試薬等であります。これらの製品はEpredia傘下の子会社にて開発・製造しており、国内ではPHCを通じて、海外ではEpredia傘下の販売子会社を通じて、販売及び保守サービスを展開しております。

 バイオメディカ事業の主な製品は、超低温フリーザー、バイオメディカルフリーザー、薬用保冷庫、CO₂インキュベーター、クリーンベンチ、バイオハザード対策用キャビネット、適温配膳車、自動錠剤包装機、細胞代謝分析機器等であります。これらの製品は子会社であるPHCにて開発・製造を行い、国内顧客に対しては特約店を通じて販売する一方、海外市場に対しては、PHC Corporation of North America、PHC Europe B.V.、PHC上海有限会社、SciMed (ASIA) Pte Ltd及びPT PHC Sales Indonesiaを通じて販売及びサービスを提供するなど、グローバルな販売・サービス体制を構築しております。なお、製品の一部は海外製造子会社であるPHCI及びEpredia Laboratory Products Manufacturing (Shanghai) Co., Ltd.にて製造しております。

 診断薬事業の主な製品は、POC(Point of Care)生化学分析装置、呼気一酸化窒素測定装置、移動式免疫発光測定装置等のPOCT製品、並びに電動式医薬品注入器、全自動臨床検査システム及び全自動血液凝固検査システム等であります。これらの製品は子会社であるPHCにて開発・製造・販売を行っており、一部の製品についてはPHC Europe B.V.を通じて海外市場にも販売しております。

 上記当社グループの状況について、事業系統図にて示すと下記となります。

 

[事業系統図]

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

a.財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて10,028百万円増加し、542,510百万円となりました。この主な要因は、為替の影響を受けたことによりのれんが15,023百万円増加したこと、過去の買収により発生した無形資産の償却が進んだこと等により無形資産が6,277百万円減少したことによるものであります。

 

 負債合計は、前連結会計年度末と比べて9,680百万円減少し、381,630百万円となりました。この主な要因は、返済が進んだこと等により借入金が20,702百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が6,653百万円増加したことによるものであります。

 

 資本合計は、前連結会計年度末と比べて19,708百万円増加し、160,880百万円となりました。この主な要因は、在外営業活動体の換算差額等によりその他の資本の構成要素が26,108百万円増加した一方、主に当期利益を492百万円、支払配当を△5,306百万円計上した結果、利益剰余金が6,837百万円減少したことによるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の26.6%から3.2ポイント増加して29.8%となりました。

 

b.経営成績の状況

 2026年3月期(以下、「当期」)における当社グループの売上収益は364,403百万円(前年同期比0.8%増)となりました。糖尿病マネジメントはBGM事業が先進国において市場縮小が続く中でも販売が堅調に推移したことや為替の好影響等により増収となりました。ヘルスケアソリューションはCRO事業が減収となりましたが、LSIM事業の遺伝子分野の検査売上やヘルスケアITソリューション事業の電子カルテ・レセプト関連売上により前年同期並みとなりました。診断・ライフサイエンスは主に米国を中心とした市況停滞等の影響を受け減収となりました。

 営業利益は22,688百万円(前年同期比0.5%増)となりました。糖尿病マネジメントはBGM事業の先進国における堅調な販売やコスト削減効果、持続血糖測定(CGM)事業の譲渡に伴う収益改善等により大幅な増益となりました。ヘルスケアソリューションは、LSIM事業が増収及びコスト削減により増益となったものの、ヘルスケアITソリューション事業における利益率の高い電子処方箋管理ソフトウェア需要の減少やCRO事業の減収影響により、また、診断・ライフサイエンスは減収、米国関税及び後述の本社機能見直しの影響等によりそれぞれ減益となりました。

 調整後EBITDAは51,959百万円(前年同期比3.7%増)となりました。主な当該調整項目としては、一時的なM&A関連収益・費用(当期615百万円加算、前年同期74百万円加算)、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期1,385百万円加算、前年同期851百万円加算)がありました。

 税引前利益は6,390百万円(前年同期比66.1%減)となりました。前年同期は1,151百万円の為替差益でしたが、当期は10,472百万円の為替差損となったことが主な要因です。

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の減少に加え、子会社の資本の払い戻しに伴う税額や子会社の配当実施に伴う繰延税金負債の計上等により、492百万円(前年同期比95.3%減)となりました。

 なお、当期より本社機能を見直し、一部の本社の役割を各事業に移管しております。当該見直しは全社業績に影響はありませんが、セグメント別の利益には影響があります。当期実績への影響については、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a)経営成績の状況 における各セグメントの説明に記載しております。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減

 

売上収益

361,593

364,403

0.8%

 

営業利益

22,580

22,688

0.5%

 

EBITDA

50,397

49,800

△1.2%

 

調整後EBITDA

50,095

51,959

3.7%

 

税引前利益

18,823

6,390

△66.1%

 

当期利益

10,364

219

△97.9%

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

10,485

492

△95.3%

 

米ドル平均レート (円)

152.48 円

150.70 円

△1.78 円

ユーロ平均レート (円)

163.67 円

174.81 円

11.14 円

(注)EBITDA、調整後EBITDAは国際会計基準(IFRS会計基準)に基づく開示ではありませんが、当社はこの開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

 

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減

営業利益

22,580

22,688

0.5%

 

+ 減価償却費

27,871

27,119

△2.7%

 

+ 減損損失(有価証券等を除く)

△54

△8

-

 

EBITDA

50,397

49,800

△1.2%

 

(調整額)

 

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

74

615

731.1%

 

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

851

1,385

62.7%

 

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

-

△252

-

 

+ 一時的なその他の収益・費用

△1,227

411

-

 

調整後EBITDA

50,095

51,959

3.7%

 

 (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。

EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失(有価証券等を除く)

調整後EBITDA=EBITDA+一時的な収益・費用

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、39,820百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動からの現金純額は42,458百万円であり、前年同期比516百万円の収入の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によって使用された現金純額は8,454百万円であり、主として有形固定資産及び無形資産の取得による支出9,093百万円から構成されております。前年同期から19百万円の支出の減少となりましたが、当該減少の主な要因は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が2,517百万円減少した一方で、その他の投資活動による収入が2,498百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によって使用された現金純額は39,821百万円となりました。これは主として長期借入金の返済による支出260,404百万円、長期借入れによる収入185,801百万円及び短期借入れによる収入50,195百万円によるものであり、これらは主に既存借入金の借り換えに関連するものです。加えて、財務活動によって使用された現金純額には、リース負債の返済による支出5,931百万円、配当による支払5,306百万円が含まれております。

 

 

d.生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

セグメントの名称

  前連結会計年度

 (自2024年4月1日

  至2025年3月31日)

  当連結会計年度

 (自2025年4月1日

  至2026年3月31日)

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

94,130

108,090

114.8

ヘルスケアソリューション

(百万円)

127,961

128,365

100.3

診断・ライフサイエンス

(百万円)

133,579

125,928

94.3

計

(百万円)

355,671

362,384

101.9

その他及び調整・消去

(百万円)

-

-

-

連結

(百万円)

355,671

362,384

101.9

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.百万円未満を切り捨てて記載しております。

 

(b)受注実績

 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。

 

(c)販売実績

セグメントの名称

  前連結会計年度

 (自2024年4月1日

  至2025年3月31日)

  当連結会計年度

 (自2025年4月1日

  至2026年3月31日)

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

98,692

101,581

102.9

ヘルスケアソリューション

(百万円)

128,311

128,389

100.1

診断・ライフサイエンス

(百万円)

130,920

128,323

98.0

計

(百万円)

357,924

358,294

100.1

その他及び調整・消去

(百万円)

3,669

6,108

166.5

連結

(百万円)

361,593

364,403

100.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は、外部顧客に対する売上収益を示しております。

3.百万円未満を切り捨てて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合等、不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りや予測と異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の状況

 当期における当社グループの業績は、売上収益が364,403百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益が22,688百万円(前年同期比0.5%増)、減価償却費や一時的収益・費用を除いた調整後EBITDAは51,959百万円(前年同期比3.7%増)となりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上収益

営業利益又は損失

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

98,692

101,581

2.9

13,888

20,085

44.6

ヘルスケアソリューション

128,311

128,389

0.1

9,272

6,234

△32.8

診断・ライフサイエンス

130,920

128,323

△2.0

7,248

3,893

△46.3

計

357,924

358,294

0.1

30,409

30,214

△0.6

その他及び調整・消去

3,669

6,108

66.5

△7,828

△7,526

-

連結

361,593

364,403

0.8

22,580

22,688

0.5

 

 

セグメントの名称

EBITDA

調整後EBITDA

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

19,855

24,762

24.7

20,444

25,577

25.1

ヘルスケアソリューション

19,176

16,605

△13.4

19,251

17,173

△10.8

診断・ライフサイエンス

18,599

15,322

△17.6

18,106

15,323

△15.4

計

57,630

56,689

△1.6

57,801

58,073

0.5

その他及び調整・消去

△7,233

△6,889

-

△7,706

△6,114

-

連結

50,397

49,800

△1.2

50,095

51,959

3.7

 

 

(糖尿病マネジメント)

 当期の糖尿病マネジメントの売上収益は、101,581百万円(前年同期比2.9%増)となりました。BGM事業は先進国における市場縮小や低価格チャネルへの移行が続いていますが、米国においては販売協業終了影響がほぼなくなり、当期取り組んだ単価向上及び販売数量増加施策が奏功し増収、欧州においても売上が堅調、為替の好影響やアルジェリアにおける現地化施策の進展等も含めて、増収でした。CGM事業は米国において前第3四半期連結会計期間に上市した1年間継続使用が可能なEversense 365により増収となりましたが、2026年1月1日付で、Eversenseの販売事業をSenseonics Holdings, Inc.へ譲渡する契約を締結し、米国事業については同日に譲渡が完了いたしました。当第4四半期連結会計期間以降は売上収益への影響はありません。

 当期の糖尿病マネジメントの営業利益は、20,085百万円(前年同期比44.6%増)となりました。前述の本社機能見直しによる影響△302百万円やCGM事業の譲渡関連費用の計上があったものの、BGM事業が先進国での堅調な販売や収益改善及び単価向上施策による利益率の改善に加え、これまでの構造改革によるコスト削減効果や減価償却費の減少、CGM事業の譲渡に伴う収益改善等により、大幅な増益となりました。

 調整後EBITDAは25,577百万円(前年同期比25.1%増)となりました。主な当該調整項目は、CGM事業の譲渡関連費用として一時的なM&A関連収益・費用(当期481百万円加算)、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期333百万円加算、前年同期597百万円加算)の計上がありました。

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

 

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減

営業利益

13,888

20,085

44.6%

+ 減価償却費

6,027

4,694

△22.1%

+ 減損損失(有価証券等を除く)

△60

△18

-

EBITDA

19,855

24,762

24.7%

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

-

481

-

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

597

333

△44.2%

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

-

-

-

+ 一時的なその他の収益・費用

△8

-

-

調整後EBITDA

20,444

25,577

25.1%

 (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用

 

(ヘルスケアソリューション)

 当期のヘルスケアソリューションの売上収益は、128,389百万円(前年同期比0.1%増)となりました。内訳として、LSIM事業が66,390百万円(前年同期比1.2%増)、ヘルスケアITソリューション事業が52,977百万円(前年同期比1.7%増)、CRO事業が9,022百万円(前年同期比15.4%減)でした。

 LSIM事業は、不適切事案の影響を想定より抑えることができたことに加えて、成長施策として取り組んでいる遺伝子分野の検査売上の増加等により増収となりました。

 ヘルスケアITソリューション事業は、電子処方箋管理ソフトウェアの需要減少に伴う影響を、電子カルテ・レセプト関連売上で補い、増収となりました。

 CRO事業は、LSIMの不適切事案の影響等による治験受注の減少や、前年同期には非臨床事業において大型安全性試験の完成があったこと等により、減収となりました。

 当期のヘルスケアソリューションの営業利益は、6,234百万円(前年同期比32.8%減)となりました。LSIM事業が増収及びコスト削減により増益となりました。一方、ヘルスケアITソリューション事業は電子カルテ・レセプト関連の増収影響はあったものの、利益率の高い電子処方箋管理ソフトウェア需要の減少影響、新製品上市に伴う減価償却費増加やIT機器の仕入価格の上昇影響等に加え、構造改革費用を計上したことにより、また、CRO事業は減収影響により減益となりました。なお、前述の本社機能見直しによる影響は、△80百万円でした。

 調整後EBITDAは、17,173百万円(前年同期比10.8%減)となりました。主な当該調整項目として、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期434百万円加算)の計上がありました。

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

 

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減

営業利益

9,272

6,234

△32.8%

+ 減価償却費

9,904

10,370

4.7%

+ 減損損失(有価証券等を除く)

-

-

-

EBITDA

19,176

16,605

△13.4%

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

74

134

81.1%

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

-

434

-

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

-

-

-

+ 一時的なその他の収益・費用

-

-

-

調整後EBITDA

19,251

17,173

△10.8%

 (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用

 

(診断・ライフサイエンス)

 当期の診断・ライフサイエンスの売上収益は、128,323百万円(前年同期比2.0%減)となりました。内訳として、病理事業が58,414百万円(前年同期比0.2%増)、バイオメディカ事業が51,550百万円(前年同期比2.3%減)、診断薬事業が18,358百万円(前年同期比7.6%減)でした。

 病理事業は若干の増収となりました。欧州において消耗品や機器の販売が好調に推移し、デジタルパソロジー製品の大型案件獲得や為替の好影響により増収となり、アジア太平洋地域においても中国における生産の開始が寄与しデジタルパソロジー製品の成長等で増収となり、米州で継続する機器需要の停滞影響による減収を補いました。

 バイオメディカ事業は、欧州や日本等において市場回復の傾向がみられるも、米国においては政策による需要減少等の影響を受け、減収となりました。米国市場は製薬・バイオ医薬品向けを中心に大型案件を獲得する等、需要回復の兆しが見えつつあるものの、米国政府機関や大学・研究機関向けは予算削減等による需要停滞が継続しています。欧州地域は、フランスにおける製薬企業からの受注増加に加え、大学や研究機関向けも好調、その他の国においてもおおむね良好に推移し、為替の好影響もあり増収となりました。日本は、製薬企業や大学、研究機関の新棟建設等の案件により前年同期比微増となりました。

 診断薬事業は、ロシア向け販売の減少や中国における検査数減少等の影響を受け、移動式免疫発光測定装置パスファースト用試薬及び自動分析装置用試薬が減少したことや、電動式医薬品注入器の販売減少、前年同期に一時収益の計上があったこと等により減収となりました。

 当期の診断・ライフサイエンスの営業利益は、3,893百万円(前年同期比46.3%減)となりました。病理事業が価格改定効果や生産拠点の最適化によるコスト削減効果、関連会社の区分変更によるその他収益の計上等により増益となった一方、バイオメディカ事業、診断薬事業は減収影響を合理化等の施策で吸収できず、減益となりました。診断薬事業において前年同期には一時収益があったこと、前述の本社機能の見直しによる影響額△1,207百万円、関税影響約10億円等も要因です。

 調整後EBITDAは、15,323百万円(前年同期比15.4%減)となりました。主な当該調整項目には、一時的な事業構造改革関連収益・費用(当期254百万円加算、前年同期138百万円加算)、一時的な契約解除等に係る収益・費用(当期252百万円減算)がありました。

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

 

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減

営業利益

7,248

3,893

△46.3%

+ 減価償却費

11,312

11,418

0.9%

+ 減損損失(有価証券等を除く)

38

9

△76.3%

EBITDA

18,599

15,322

△17.6%

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

-

-

-

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

138

254

84.1%

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

-

△252

-

+ 一時的なその他の収益・費用

△631

-

-

調整後EBITDA

18,106

15,323

△15.4%

 (注)EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + 減損損失(有価証券等を除く)
調整後EBITDA = EBITDA + 一時的な収益・費用

 

(b)財政状態の状況

 「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 a.財政状態の状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

(c)資本の財源及び資金の流動性についての分析

(イ)キャッシュ・フロー

 「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

(ロ)資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。販売費及び一般管理費の主なものは人件費及び広告宣伝費等です。

 

(ハ)資金調達と財務マネジメント

 当社グループは、運転資金や設備投資のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。

 運転資金は手許資金及び金融機関とのコミットメントライン契約による短期資金調達でまかなうことを原則としております。基本的には当社が一元して資金を調達・運用し、運転資金が必要な各子会社に対しては当社グループ内から貸付を行うことで効率化を図っております。

 また、設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案した上で調達方法を決定しております。なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。

 資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる流動性を確保していると考えております。2026年3月19日付で金融機関計8行と5年間のシンジケートローン契約(金銭消費貸借契約)を締結し、2026年3月31日付で既存借入のリファイナンスを実行いたしました。なお、2026年3月末時点の借入残高は約2,345億円であり、取引金融機関とは良好な関係を維持しております。

 

(d)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの売上は、販売を行っている国又は地域の経済状況、医療制度、競合他社の状況、顧客動向や嗜好の変化等による影響を受け、また当社グループの製品の販売価格は、世界的に浸透している医療費抑制政策の影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、外貨建てで取引されている製品・サービスが売上収益の過半数を占めていること等から、為替相場の変動により経営成績が影響を受ける可能性があります。費用面では、原材料価格等による影響を受けます。

 当社グループの経営成績に影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(e)経営戦略の現状と見通し

 当社グループの属するヘルスケア業界では、先進国における高齢化社会、世界的な生活習慣病の増加、各国における医療費削減等の経営環境に直面しております。

 このような環境の下、当社グループでは、グローバル規模での中長期成長を支える社内体制の構築・強化、人材の確保と育成の強化、事業及び収益基盤の拡大等に取り組むことで売上拡大や利益の確保に努めていく所存です。

 当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。

 

(f)経営者の問題意識と今後の方針

 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。

 

セグメント情報

5.セグメント情報

(1)報告セグメント

各報告セグメントの主な事業内容は以下のとおりであります。

報告セグメント

主な事業内容

糖尿病マネジメント

血糖測定(BGM)システムの開発製造販売、持続血糖測定(CGM)システムの販売

ヘルスケアソリューション

臨床検査事業の展開、レセプトコンピュータ・電子カルテ等医療IT製品の開発販売、創薬支援事業の展開

診断・ライフサイエンス

病理検査機器、研究・医療支援機器、診断薬・診断機器並びに電動式医薬品注入器等の開発製造販売

 

(2)セグメント収益及び業績

 当社グループの報告セグメントによる継続事業からの収益及び業績は以下のとおりであります。

 報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同じであります。

 

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

糖尿病マネジメント

ヘルスケアソリューション

診断・ライフサイエンス

計

その他及び調整・消去

連結

売上収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

98,692

128,311

130,920

357,924

3,669

361,593

セグメント間の売上収益

-

-

-

-

-

-

 計

98,692

128,311

130,920

357,924

3,669

361,593

営業利益(△は損失)

13,888

9,272

7,248

30,409

△7,828

22,580

金融収益

 

 

 

 

 

1,504

金融費用

 

 

 

 

 

5,262

税引前利益

 

 

 

 

 

18,823

その他項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

6,027

9,904

11,312

27,244

626

27,871

減損損失(△は戻入れ)

△60

-

38

△22

△32

△54

(注) 「その他及び調整・消去」における「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、「調整・消去」には、主にセグメント間取引消去、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

糖尿病マネジメント

ヘルスケアソリューション

診断・ライフサイエンス

計

その他及び調整・消去

連結

売上収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

101,581

128,389

128,323

358,294

6,108

364,403

セグメント間の売上収益

-

-

-

-

-

-

 計

101,581

128,389

128,323

358,294

6,108

364,403

営業利益(△は損失)

20,085

6,234

3,893

30,214

△7,526

22,688

金融収益

 

 

 

 

 

341

金融費用

 

 

 

 

 

16,640

税引前利益

 

 

 

 

 

6,390

その他項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

4,694

10,370

11,418

26,483

636

27,119

減損損失(△は戻入れ)

△18

-

9

△8

-

△8

(注) 「その他及び調整・消去」における「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、「調整・消去」には、主にセグメント間取引消去、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。

 

(3)製品及びサービスに関する情報

 製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。

 

(4)地域別に関する情報

 当社グループの地域別収益は顧客の地理的分布に基づいており、その内訳は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

売上収益

 前連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2025年4月1日

  至 2026年3月31日)

日本

156,245

154,577

欧州

84,176

90,995

北米

79,011

75,032

その他

42,161

43,797

合計

361,593

364,403

(注) 欧州に含まれる主要な国はドイツ19,944百万円(前連結会計年度:19,420百万円)、北米に含まれる主要な国は米国63,174百万円(前連結会計年度:66,327百万円)及びカナダ11,857百万円(前連結会計年度:12,684百万円)であります。

 

 当社グループの所在地域別に分析した非流動資産(金融資産、繰延税金資産等を除く)の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

非流動資産

前連結会計年度

(2025年3月31日)

当連結会計年度

(2026年3月31日)

日本

131,698

129,023

欧州

97,083

104,965

北米

100,486

102,952

その他

10,294

11,591

合計

339,564

348,531

(注) 欧州に含まれる主要な国はスイス72,863百万円(前連結会計年度:65,360百万円)、北米に含まれる主要な国は米国100,006百万円(前連結会計年度:97,655百万円)であります。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 前連結会計年度及び当連結会計年度においては、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める顧客がないため、記載を省略しております。