事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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レーザデバイス事業 | 1,121 | 85.6 | 141 | - | 12.6 |
視覚情報デバイス事業 | 188 | 14.4 | -312 | - | -165.7 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(ドイツ)、QD Laser America,Inc.(米国)で構成されております。
当社はレーザ(※)技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っており、レーザデバイス事業と視覚情報デバイス事業を展開しております。非連結子会社QD Laser Deutschland GmbHは視覚情報デバイス事業における欧州での治験結果の維持管理、事業開発、販売を目的としております。非連結子会社QD Laser America,Inc.は視覚情報デバイス事業における米国での網膜投影製品の販売を目的としております。
当社のコア技術として、下記6点があります。
● 半導体結晶成長・・・MBE法(Molecular Beam Epitaxy法、分子ビームエピタキシー法)を用いて半導体結晶を半導体基板上に一原子層ずつ成長させる技術です。当社レーザ製品はこの半導体結晶から製造されます。
● レーザ設計・・・用途毎に所望の機能を満たす最適な半導体レーザを設計する技術です。例えば精密加工用半導体レーザでは10psの超高速パルスを実現しています。
● 小型モジュール・・・半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に実装しますが、そのパッケージのことをモジュールと言います。当社は波長532nmや561nmレーザを実装した世界最小クラスのモジュールを製品化しました。
● VISIRIUM Technology・・・超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接映像を投影する技術です。
● 回折格子・・・半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメートル程度の凹凸を作り込んでおり、これを回折格子と呼んでおります。これによって、レーザ波長の精密制御が可能になり、黄緑(561nm)、橙色(590nm)等の半導体レーザを商用化しました。
● 量子ドットレーザ・・・量子ドットレーザとは、直径約10nm(ウイルスの1/10程度のサイズ)の半導体量子ドットを活性層に用いて、光を増幅、発振する半導体レーザです。この量子ドットレーザは、1)摂氏マイナス40度から120度近辺まで電流無調整で動作する、2)200度以上の超高温でも動作する、3)高信頼で長寿命である、4)シリコンフォトニクスチップに低雑音でレーザ光を導入できる、という優れた特徴を持っています。
※ レーザ(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字を取ったもので、共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光であり、指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができる等の物理的な特長があります。
なお、当事業年度より、従来「レーザアイウェア事業」としていた報告セグメントの名称を「視覚情報デバイス事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
(レーザデバイス事業)
当社のレーザデバイス事業は、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工及びモジュール実装を、社外協力会社に製造委託する水平分業体制によるファブレス製造を実現し、ハイエンド技術を基にした事業となっております。
当社は半導体レーザの特性を決める活性層成長を担っており、特に量子ドットの結晶成長については他社にはないノウハウを有しております。また、研究機関からの基礎技術の研究開発や、メーカの新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託業務も行っています。
当社の技術が使われている製品は以下のとおりとなっております。
上記製品を搭載している主な製品機器の一例として、次のようなものがあります。
1.光通信・シリコンフォトニクス(※1)
2.バイオ系検査装置
3.精密加工
4.各種センサ
(視覚情報デバイス事業)
視覚情報デバイス事業は、レーザ網膜投影技術を使ったメガネ型ディスプレイや非メガネ型網膜投影製品の製品開発・ファブレス製造を行っています。
ファブレス製造とは、製品の企画、設計を自社内で行い、部品及び最終製品の製造及び組立てを協力会社に依頼しているものです。当社からは、部品及び最終製品の製造・調整に必要な製品仕様、部品リスト、部品仕様書、回路図、実装図、プリント配線板製造データ、組み立て指示書、検査指示書、ソフトウエアを協力会社に供給し、製品製造・検査を委託しております。
また販売に関しましては、一般顧客向けには販売パートナー(代理店、メガネ店、通販業者)を通じ販売し、法人顧客向けには直販及び代理店経由での販売を行っております。
網膜走査型レーザアイウェアは、超小型レーザプロジェクタから、VISIRIUM Technologyにより網膜に直接画像を投影し、装着者の視力やピント位置に影響を受けることなく(フリーフォーカス)、カメラの撮像画像や外部入力されたデジタル情報を見せることができる製品となっております。2022年度に発売した非メガネ型の網膜投影機器は、フリーフォーカスに加えて網膜への投影範囲を大きく拡大し、その周辺部にまで明るくはっきりとした映像を届けられる製品です。
網膜走査型レーザアイウェアの仕組みは以下のとおりとなります。
網膜走査型レーザアイウェアは、メガネ型民生用機器、医療用機器、非メガネ型民生用機器を販売しておりましたが、医療機器に関しては2024年度に販売を終了しました。
メガネ型民生用機器は、「RETISSA Display」を2018年7月に販売を開始しました(現在は販売終了)。後継機として「RETISSA DisplayⅡ」を2019年12月に販売を開始しております。2021年8月からはRETISSA DisplayⅡ向けの専用のアクセサリカメラ「RD2CAM」の販売を開始しましたが、2024年11月の中計において生産中止を発表いたしました。ただし、販売は継続しております。
医療用機器は「RETISSA メディカル」を2021年3月に日本国内で販売を開始しております。眼鏡フレームの中央にカメラを内蔵した網膜走査型レーザアイウェアで、カメラで撮影した画像をリアルタイムに装着者の網膜に投影します。
日本においては2018年10月に治験を終了し、2020年1月に国内医療機器製造販売承認を取得いたしました。
ヨーロッパでは2018年8月に治験を開始、2019年10月に終了し、2021年6月にフォローアップを含めて完了いたしました。2024年10月をもって販売は終了いたしました。
2022年度にはレーザ網膜走査の技術を利用した非メガネ型民生用機器が加わりました。
当社の事業構造につきましては、下記のとおりとなっております。
(レーザデバイス事業)
独自技術を駆使した半導体ウエハを作成し、協力会社に当該ウエハを組み込んだ半導体レーザチップの作製及びモジュールの実装を委託し、当社で品質基準への適合性を検査した後、お客様に製品をお届けしております。
(視覚情報デバイス事業)
網膜走査型レーザアイウェアをはじめとする網膜投影製品を製造しております。一般顧客の場合、販売パートナーを通し、法人顧客からは当社が直接及び代理店経由にて受注しております。製造は協力会社に対して、当社が供給した仕様書に基づき、パーツや最終製品の製造及び組立を委託し、当社にて検査を行った後に販売パートナーまたは直接お客様へ製品をお届けしております。
当社の「レーザデバイス事業」及び「視覚情報デバイス事業」の事業系統図は以下のとおりとなります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
本項「3.事業の内容」にて使用しております用語の定義について以下に記します。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、高金利と地政学リスクが継続する中、各国で景気減速の懸念が強まりつつも、インフレは徐々に鎮静化しつつありましたが、年度終盤にはトランプ米国大統領による各国への関税政策に懸念が高まり、依然として残る各地の地政学リスクへの警戒感とともに、先行き不透明な状況が続いております。わが国においては、個人消費や賃金の持ち直しに支えられつつも、それらを上回る物価上昇がみられており、今後も外部環境の不確実性や物価動向への懸念などは継続するものと思われます。
このような状況の中、当社では2024年6月に新経営体制に移行し、「人の可能性を照らせ。」のコーポレートスローガンのもと、新波長の小型可視レーザやオールインワン小型可視レーザ「Lantana」、半導体検査用超高速DFBレーザ及びアイトラッキング駆動システムを含む次世代アイウェアの開発、既存レーザ製品の拡販やレーザ網膜投影機器の販路開拓を進めてまいりました。
また、2024年11月14日に中期経営計画を発表し、「攻め」の土台となるベースライン計画と、その土台に基づく積極的な「攻め」となる成長可能性追求の両立に向けた道筋について示すとともに、2027年3月期での黒字化を明確な目標とし、事業領域の再編成、共同事業化を含めた他社との提携の検討など計画達成のための取り組みを開始いたしました。
当社製品の販売状況としては、レーザデバイス事業では売上高は前事業年度から増加しました。製品別ではDFBレーザ、小型可視レーザ、高出力レーザが前事業年度から増収となりましたが、量子ドットレーザが前事業年度から減収となりました。視覚情報デバイス事業では売上高は前事業年度から減少しました。
この結果、当事業年度の売上高は1,308,870千円(前事業年度比4.9%増)、視覚情報デバイス事業の販売方針変更による販路等構築途上のために依然として販売費及び一般管理費が売上総利益を上回り、営業損失は445,689千円(前事業年度は営業損失604,014千円)、経常損失は443,547千円(前事業年度は経常損失600,972千円)、当期純損失は445,768千円(前事業年度は当期純損失642,627千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、従来「レーザアイウェア事業」としていた報告セグメントの名称を「視覚情報デバイス事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
a.レーザデバイス事業
当事業年度におきましては、売上高は、量子ドットレーザが開発用途向けの販売減少等により9.4%前事業年度から減少しましたが、DFBレーザが加工用途やセンサ用途向けの販売増加等により33.6%、小型可視レーザがバイオセンサ用途向けの販売増加等により27.5%、高出力レーザがセンサ用途向けの販売増加等により3.5%、それぞれ前事業年度から増加したことにより、全体として前事業年度から19.9%増加しました。量子ドットレーザは前事業年度における期ずれの影響を受けたために開発用途向けの売上が減少しておりますが、量産向けは顧客へは希望納期に沿った出荷を行いました。
この結果、当事業年度の売上高は1,120,719千円(前事業年度比19.9%増)、セグメント利益は141,249千円(前事業年度比241.6%増)となりました。
b.視覚情報デバイス
当事業年度におきましては、売上高は、次世代網膜投影型アイウェア(スマートグラス)に向けた各種要素技術の開発受託が、アイトラッキング駆動システムの開発を中心とした受注拡大により44.0%前事業年度から増加しましたが、デジタルカメラ用網膜投影ビューファインダ「RETISSA NEOVIEWER」等の網膜投影製品ビジネスが83.9%前事業年度から減少し、全体として前事業年度から39.9%減少しました。
この結果、当事業年度の売上高は188,151千円(前事業年度比39.9%減)、セグメント損失は311,751千円(前事業年度はセグメント損失375,604千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は前事業年度末から640,484千円減少し、5,505,868千円となりました。流動資産は4,554,880千円となり、前事業年度末から1,207,137千円減少しております。これは主にレーザデバイス事業の拠点移転準備や運転資金の支出により現金及び預金が1,082,105千円、売掛金の回収により売掛金が16,485千円、消費税の還付等により未収入金が67,259千円、出荷及び評価減により商品及び製品が16,181千円減少したこと等によるものであります。固定資産は950,987千円となり、前事業年度末から566,652千円増加しております。これは主に小型可視レーザ製造設備稼働による建設仮勘定からの振替により機械及び装置が62,150千円、レーザデバイス事業の拠点移転準備により長期貸付金が378,617千円、長期前払費用が220,059千円、差入保証金が37,200千円増加した一方、レーザデバイス事業拠点移転決定に伴う償却期間短縮による減価償却費増により建物附属設備が57,781千円、設備稼働に伴う本勘定への振替により建設仮勘定が70,837千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は前事業年度末から191,958千円減少し、286,602千円となりました。流動負債は256,096千円となり、前事業年度末から188,461千円減少しております。これは主に設備代金決済等により未払金が183,221千円減少したこと等によるものであります。固定負債は30,506千円となり、前事業年度末から3,497千円減少しております。これは主に業績連動報酬引当金が取締役2名の評価期間の途中での退任により1,621千円、レーザデバイス事業拠点移転決定に伴う償却期間短縮により繰延税金負債が1,578千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末から448,525千円減少し、5,219,265千円となりました。これは主に利益剰余金が純損失の計上により445,768千円減少したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,754,424千円(前事業年度末比1,082,105千円の減少)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果減少した資金は506,823千円(前事業年度は443,446千円の減少)となりました。主な資金増加要因は減価償却費98,792千円、貸倒引当金の増加26,620千円、売上債権の減少16,485千円、棚卸資産の減少27,403千円、その他の流動資産の減少42,881千円であり、主な資金減少要因は税引前当期純損失443,547千円、長期前払費用の増加220,059千円、仕入債務の減少12,894千円、その他の流動負債の減少33,719千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果減少した資金は568,605千円(前事業年度は138,133千円の減少)となりました。主な資金減少要因は有形固定資産の取得による支出167,320千円、長期貸付けによる支出375,331千円、敷金及び保証金の差入による支出37,200千円であり、主な資金増加要因は短期貸付金の回収による収入12,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果減少した資金は9,512千円(前事業年度は1,835,702千円の増加)となりました。主な資金減少要因は長期借入金の返済による支出8,651千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a) 生産実績
(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の棚卸資産の評価損が含まれております。
(b) 仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
(c) 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
(d) 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前事業年度におけるBeckman Coulter, Inc.及びFabrinet Co., Ltd.に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
a.売上高
当事業年度における売上高は1,308,870千円(前事業年度比61,385千円の増加)となりました。これは主に、DFBレーザ、小型可視レーザ、高出力レーザが前事業年度から増収となり、量子ドットレーザ及び視覚情報デバイス事業における前事業年度比減収を上回ったことによるものであります。
b.売上原価、売上総損失
当事業年度における売上原価は865,014千円(前事業年度比63,389千円の減少)となりました。これは主に前事業年度の棚卸資産の評価損が多額なものであったことから、それが減少したことによるものであります。この結果、売上総利益は443,855千円(前事業年度比124,774千円の増加)、売上総利益率は33.9%(前事業年度は25.6%)となりました。利益率の増加は主に棚卸資産の評価損の減少によるものであります。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
当事業年度における販売費及び一般管理費は889,545千円(前事業年度比33,550千円の減少)となりました。これは主に、試作材料費の時期ずれや役員減少による役員報酬及び株式報酬費用の減少等によるものであります。この結果、営業損失は445,689千円(前事業年度は営業損失604,014千円)となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損失
当事業年度において受取利息、為替差益等により営業外収益が10,657千円(前事業年度比22,286千円の減少)、資金調達費用等により、営業外費用が8,514千円(前事業年度比21,387千円の減少)発生しております。この結果、経常損失は443,547千円(前事業年度は経常損失600,972千円)となりました。
e.特別利益、特別損失、当期純損失
当事業年度において特別利益、特別損失は発生しておりません(前事業年度は特別損失37,709千円)。この結果、当期純損失は445,768千円(前事業年度は当期純損失642,627千円)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、材料仕入、外注費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは半導体レーザウエハ結晶成長装置、小型可視レーザ製造装置、測定装置等の機械及び装置等であります。
運転資金、投資資金ともに自己資金から確保することを基本方針としております。当事業年度末の現金及び現金同等物は3,754,424千円であり、現状の事業運営に必要な運転資金、投資資金は十分であると考えておりますが、500,000千円の金融機関のコミットメントライン枠を有しているほか、必要に応じて銀行借入を中心とした調達手段を検討してまいります。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高総利益率であり、当事業年度の売上高総利益率は33.9%(前事業年度は25.6%)となりました。これは主に前事業年度においてはレーザアイウェア事業(現視覚情報デバイス事業)の棚卸資産の評価損が多額なものであったことから、それが減少したことと、レーザデバイス事業における価格見直し等のためであります。2026年3月期については売上高総利益率の目標を39.8%としております。
レーザデバイス事業の指標としましては認定顧客数の20%増加としており、当事業年度末の認定顧客数は82社(前事業年度末は77社)で前事業年度末から6%増加となりました。これは高出力レーザ、DFBレーザおよび小型可視レーザにおいて新規認定顧客が増加したためであります。今後も量子ドットレーザを含め、認定顧客を増やしていく方針ではありますが、各アプリケーションにおいて主要なお客様に認定されていることから、今後はお客様内での認定製品の数を増やすことにも重点をおき、認定製品数を指標といたします。
視覚情報デバイス事業の指標としましてはこれまで累計販売10万台・年間生産5万台と定めておりましたが、2024年11月14日公表の中期経営計画で発表した通り、事業領域の再構築を図っているところであり、新たな指標は未定となっておりますが、当面は光学ユニット新規受注数を客観的指標といたします。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。