2023年8月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの当連結会計年度の概況を報告しておりますが、当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。当社グループの経営成績、財務状況及び当社株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、将来に亘るリスク全てを網羅したものではありません。

 

(1)市場動向の変動

 当社グループの主要販売先は半導体関連企業であるため、半導体市場の影響を大きく受けております。当該市場は中長期的には技術革新が進むことで持続的な成長が見込まれる反面、短期的には需給バランスの調整等で市場規模が大きく変動し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、このような市場変動に対応するため、顧客の投資動向や受注状況を定期的に把握・検証するとともに、柔軟な生産体制を整備し、急激な需要変動に対応できる体制づくりを行っております。

 

(2)競合

 当社が主に取り扱うプラズマ用高周波電源及びマッチングユニット事業におきましては、複数の競合他社があります。当社では製品の高性能化及び修理・メンテナンス業務の充実等により競合他社との差別化を図っております。

 しかしながら、当社が想定する以上の画期的な技術革新による新製品が競合他社により販売された場合、もしくは修理・メンテナンス業務の充実等を競合他社が拡充した場合等には、競合状況が激化し受注競争を通じた販売価格の下落等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外展開

 半導体・液晶業界におきましては、「北米市場」、「欧州市場」、「アジア市場」が主要3市場であり、当社の今後の業績進展には、国内のみならず、海外での事業展開が不可欠と考えております。

 当社グループは、当該市場における販売・サービスに対応する営業体制を整えております。

 これらの海外展開に伴い、現地における販売・サービスに携わる人材確保の困難又は人材流出等による事業展開が滞る事態の発生、または管理・事務上の問題が発生した場合には、製品をタイムリーに市場に供給できなくなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)研究開発

 当社グループは、積極的な研究開発投資を継続して行うことにより、新製品を市場に投入し続けてまいりました。

 しかしながら、研究開発の遅延等により、新製品の市場投入に遅れが生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品品質

 当社グループは、主たる拠点において品質管理及び品質保証のための国際規格(ISO9001)で認定された品質システムを構築し、設計段階から品質の作り込みを行い、高い製品品質、サービスの提供を行っております。

 しかしながら、全ての製品、サービスについて不良欠陥が発生しない保証はなく、顧客において当社グループの製品・サービスにおける品質に起因する事故、市場回収、生産停止等が発生した場合、顧客の損失に対する賠償責任を問われる可能性があります。大きな市場クレーム、リコール等が発生した場合には、多額の回収コストや賠償費用の発生又は販売の減少等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、品質管理技術等を活用し、設計審査、内部品質監査、購入先監査等を通じて、製品・サービスの信頼性、安全性を確保するとともに、品質保証体制の継続的改善等を図っております。

 

(6)原材料の調達

 当社グループは、原材料を外部取引先から購入し、これらを用いて製品を製造していることから、原材料を十分に在庫として確保するとともに、外部取引先から安定供給を受けるために注力しております。

 しかしながら、外部取引先における需要急増又は災害等に伴う供給不足、供給遅延又は停止等、当社グループでは制御できない様々な要因もあり、これらにより原材料を十分に確保できない場合には、当社グループの生産計画に影響が生じることから製品の安定供給ができなくなることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)為替変動

 当社グループは、国内外で製品を製造し、世界各国の顧客に向けて輸出しております。外貨建取引も多く存在しているため、急激な為替変動が生じた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)知的財産権

 当社グループは、研究開発活動に係る特許やその他知的財産権を確保することは、事業遂行上、重要なことと考えており、これまで知的財産権に関して他社の知的財産権を侵害したとして、損害賠償や使用差止の請求を受けたことはありません。

 しかしながら、将来において第三者の特許権等が成立し登録された場合、または当社グループが認識していない特許等が成立している場合等、当該第三者から損害賠償又は使用差止等の請求や当該特許等に関する対価の支払い等が発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材の確保

 当社グループは、グローバルな事業環境の中で成長を続けるために、人材の確保は重要であります。事業の成長に必要な人材を確保し続けることができない場合、競争力の低下を招くこととなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法令、規制等

 当社グループは、グローバルに事業を展開するため、各国・各地域において、輸出入、競争法、贈収賄防止、環境、移転価格税制等、各種法規制の適用を受けております。これらの法規制に抵触した場合、当社グループの社会的信用の低下、課徴金や損害賠償訴訟への対応が生じ、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これらの法規制は年々厳格化する傾向にあり、将来において予期せぬ法規制の改正等が行われることにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)情報セキュリティ

 当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。これらの情報が意図せず流出した場合、顧客の喪失や社会的信用の低下、損害賠償等が発生する可能性があります。

 また、盗難・紛失等による第三者の不正流用、サイバー攻撃、その他不測の事態によって重要データの破壊や改ざん、情報漏洩や流出、システム停止等が発生する可能性があります。これらの要因により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)自然災害等

 当社グループは、自然災害等の発生に対し、事業活動への影響を最小限にする体制及び対策を講じております。

 しかしながら、想定を超える災害等により、当社グループの事業拠点又は取引先等に甚大な被害が発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症などの新たな感染症が世界的に蔓延した場合、当社グループが行う事業活動に大きな制約がかかる可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして認識しております。安定的な経営基盤の確保と株主資本利益率の向上に配慮しつつ、配当につきましては、継続的な安定配当を基本方針としております。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 内部留保資金につきましては、今後の財務体質の強化及び市場ニーズに応じた製品開発等に積極的に投資し、業容の拡大に努める所存であります。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年2月末日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年4月14日

68

8

取締役会決議

2023年11月28日

102

12

定時株主総会決議