2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 11,237 100.0 1,668 100.0 14.8

3【事業の内容】

 当社は、臨床検査用分析装置及び医療機器の研究開発、製造、販売、輸出及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる業務とし、さらにこれら装置の保守サービス等の事業活動を展開しております。

 販売系統としましては、当社が直接国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合と、販売業者を経由し国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合があります。なお、子会社・関連会社はありません。

当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため品目別に事業の内容を記載いたします。当社の製品は3つに分類でき、その内容は下記のとおりであります。

 

(1)採血管準備装置・システム

 採血管準備装置および関連システムとは、採血・採尿検査に関する受付業務から、採血整理券と患者ラベルを貼付した尿カップの発行を行い、かつ採血管準備作業を自動でおこなう一連のシステムであります。採血管準備装置には、採血管準備装置とその周辺機器である採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、自動検体仕分け装置、全自動尿分析・分取装置、一般検査前処理装置、RFID検体情報統括管理システム(Radio Frequency Identification)があります。

 採血管準備装置および関連システムは、採血患者の待ち時間短縮、採血業務に従事する臨床検査技師、看護師の採血業務支援ならびに、検体の取り違え防止を目的としたシステムであり、採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、患者誘導外待ちディスプレイといった各種周辺機器を付加することで、それぞれの医療施設にあった採血管準備のトータルシステムを提供することが可能であります。なお、RFID検体情報統括管理システムは、ICタグの個別情報を無線通信によって読み書きするRFID技術を応用し、採血管や尿検体の患者認証から検体搬送までを効率的に管理するシステムです。

 

(2)検体検査装置

 検体検査装置とは、医療施設において血液等の検体を測定し、値を数値化することにより、患者の傷病を評価するための検査装置であります。当社で販売している検体検査装置は、血液中の酸素分圧や炭酸ガス分圧及び、pH等を測定する血液ガス分析装置・ハンディ型血液ガス分析装置、電解質を分析する専用の電解質分析装置、赤血球の凝縮による血球の沈降度を測定する赤血球沈降速度測定機、DNAの酸化的損傷ストレスマーカーである尿中8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OHdG)を測定する尿中酸化ストレスマーカー測定システム、ヘルスケア製品等であります。

 

(3)消耗品等

 消耗品としては、採血管準備装置や検体検査装置で使用するラベル、日常校正イオン電極用常用標準血清、センサーカード、ガストロール、キャリブレーション用パック、ハルンカップ等でありますが、その他に採血管準備装置及び検体検査装置の保守も含めております。

 

 当社事業の系統図は次のとおりであります。

 

 採血管準備装置、検体検査装置等の研究開発・設計は社内でおこない、製造工程を社外協力会社へ委託しております。組立委託先から製品を受入検査基準に従い受入した後、社内での最終調整を経て、出荷検査基準を満たした製品を本社より出荷しております。このような体制を構築することにより、研究開発や販売等に経営資源を集中することが可能となっております。

 

 消耗品等については受注見込量を本社にて調合・調整・包装あるいは製造をおこなっております。これら消耗品の品質検査は製造工程と出荷前の2段階でおこない、製品の品質確保を図っております。万一出荷後の不具合が見つかった場合には、同一製造ロットを全て回収し交換をおこなう体制を整えております。

 

 ヘルスケア製品につきましては、研究開発および生産を社内でおこなっております。個人の方々の健康のセルフモニタリングに役立つ製品を、社内研究開発部門で開発し、本社にて製造工程で品質検査をおこないながら、受注見込量の生産をおこなっております。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績

当事業年度における我が国経済は、企業収益の改善や賃上げの進展、雇用環境の向上等を背景に、個人消費の持ち直しが見られるなど、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりや、資源・エネルギー価格や原材料価格の高騰など、企業活動や個人消費に影響を及ぼす要因も多く、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

医療業界では、医療財政のひっ迫が続く中、診療報酬の伸び悩みや物価・人件費の上昇が重なり、各医療機関の経営環境は厳しさを増しております。経常赤字となる医療機関も増加傾向にある中で、タスク・シフトや業務効率化を推進し、限られた人員と資源の中で医療の質を維持・向上させることが喫緊の課題となっております。

このような経営環境のもと、当社は採血管準備装置のフラッグシップモデルであるBC・ROBO-9000RFIDの販売を開始し、この機種を中核として、検査業務の効率化を実現するソリューションの提案を推進してまいりました。検体検査装置に関しては、ハンディ型、デスクトップ型を取り揃えて拡販を続けてまいりました。消耗品等については、原材料費の高騰による影響を受けながらも、引き続き安定供給に努めてまいりました。また、医療機関向けにとどまらず、一般ユーザーの方にもご利用いただけるセルフモニタリング製品の開発・販売にも取り組んでまいりました。

この結果、国内・海外市場ともに採血管準備装置・システムの売上が順調に伸長し、当事業年度の売上高は11,236,606千円(前期比13.4%増加)となりました。なお、総売上高に対する海外売上高の占める割合は、前期比1ポイント減少し12.8%となりました。

利益面に関しては、売上高の増加に伴い、売上総利益が5,242,729千円(前期比6.4%増加)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費が前期を下回ったことなどにより、3,574,408千円(前期比1.5%減少)となり、営業利益は1,668,321千円(前期比28.3%増加)、経常利益は1,717,693千円(前期比31.8%増加)、当期純利益については、採血管準備装置の一部モデルについて、販売戦略の観点から製造を終了し、関連する費用を特別損失として計上した結果、1,070,987千円(前期比6.6%増加)となりました。

 

 

<採血管準備装置・システム>

当事業年度における採血管準備装置・システムの売上高は4,892,088千円(前期比34.5%増加)となりました。国内市場では、予定されていた大規模施設向けの機器・システムの売上案件が順調に推移し、売上高は4,446,008千円(前期比37.3%増加)となりました。海外市場における売上高は、コンパクトタイプの機種がアジア市場で売上を伸ばしたことにより、446,079千円(前期比11.8%増加)となりました。

 

<検体検査装置>

当事業年度における検体検査装置の売上高は527,891千円(前期比15.1%減少)となりました。国内市場においては、血液ガス分析装置の競合環境が厳しさを増す中で、売上高は295,627千円(前期比24.7%減少)となりました。海外市場の売上高は、アジアや中南米市場での売上が前期を上回った結果、232,264千円(前期比1.4%増加)となりました。

 

<消耗品等>

当事業年度における消耗品等の売上高は5,816,626千円(前期比3.0%増加)となりました。堅調な売上が続き、国内市場の売上高は5,061,389千円(前期比3.0%増加)、海外市場での売上高は755,237千円(前期比2.9%増加)となりました。

 

②キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、8,976,227千円(前事業年度末比85,160千円減少)となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、営業活動により得られた資金は1,100,442千円(前期比122,907千円増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,525,167千円であった一方、売上債権の増加額が478,200千円であったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、投資活動により支出した資金は39,757千円(前期比7,414千円増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が34,223千円であったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動により支出した資金は1,145,845千円(前期比675,681千円増加)となりました。これは配当金の支払額471,069千円、自己株式の取得による支出674,776千円があったことによるものであります。

 

③生産実績

 当事業年度の生産実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。

単一セグメント内品目別

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前期比増減率(%)

採血管準備装置・システム(千円)

3,935,245

△7.8

検体検査装置(千円)

783,486

7.8

消耗品等(千円)

5,844,952

2.4

合計(千円)

10,563,684

△1.3

 

④受注実績

 見込生産をおこなっておりますので、該当事項はありません。

 

⑤販売実績

 当事業年度の販売実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。

単一セグメント内品目別

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前期比増減率(%)

採血管準備装置・システム(千円)

4,892,088

34.5

検体検査装置(千円)

527,891

△15.1

消耗品等(千円)

5,816,626

3.0

合計(千円)

11,236,606

13.4

 

⑥財政状態

(資産の部)

当事業年度末の総資産の残高は17,966,466千円となり、前事業年度末比27,847千円増加しました。これは主に、電子記録債権が356,355千円増加、仕掛品が216,958千円増加した一方、商品及び製品が545,442千円減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

当事業年度末の負債の残高は3,556,007千円となり、前事業年度末比6,451千円増加しました。これは主に、未払法人税等が300,336千円増加した一方、前受金が278,209千円減少したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当事業年度末の純資産の残高は14,410,459千円となり、前事業年度末比21,396千円増加しました。これは、配当金の支払が471,123千円、自己株式の取得等568,068千円、当期純利益が1,070,987千円であったことによるものであります。なお、自己資本比率は80.2%となり、前事業年度末比での変動はありませんでした。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において判断したものであります。

 

①経営成績等

当事業年度の経営成績は、売上高11,236,606千円(前期比13.4%増加)、営業利益1,668,321千円(前期比28.3%増加)、経常利益1,717,693千円(前期比31.8%増加)、当期純利益1,070,987千円(前期比6.6%増加)となりました。

売上高に関しては、採血管準備装置・システム関連では、国内・海外市場ともに売上が順調に伸長し、前期比34.5%の増加となりました。検体検査装置関連では、特に国内市場において血液ガス分析装置の競合環境が厳しさを増す中で、前期比15.1%の減少となりました。消耗品等では、国内外ともに安定的な需要が続き、前期比3.0%の増加となりました。

売上総利益及び営業利益につきましては、売上高の増加に伴い、売上総利益は5,242,729千円(前期比6.4%増加)となり、販売費及び一般管理費は3,574,408千円(前期比1.5%減少)となった結果、営業利益は1,668,321千円(前期比28.3%増加)となりました。

 

②財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度における我が国経済は、企業収益の改善や賃上げの進展、雇用環境の向上等を背景に、個人消費の持ち直しが見られるなど、全体として緩やかな回復基調で推移した一方で、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりや、資源・エネルギー価格や原材料価格の高騰など、企業活動や個人消費に影響を及ぼす要因も多く、景気の先行きは不透明な状況が続きました。医療業界においても、医療財政のひっ迫が続く中、診療報酬の伸び悩みや物価・人件費の上昇が重なり、各医療機関の経営環境は厳しさを増しております。このような環境の中で当社は引き続き、医療機器メーカーとして医療現場に価値を提供し続けるための製品開発、販売、製造活動に取り組んで参りました。

 

また当社は、2023年度(2024年3月期)からの中期経営計画に取り組んでまいりました。本中期経営計画は、①財務戦略・投資計画・資本政策 ②人材戦略 ③営業戦略 ④生産技術戦略 ⑤研究開発戦略 の各戦略を着実に実行することにより、持続的成長を図り「2030長期ビジョン」へとつなげていくことを目指し、3ヶ年累計で売上高308億円、営業利益45億円を計数目標と設定いたしました。

当事業年度は本中期経営計画の最終年度にあたり、3ヶ年の実績で計画の数値目標を達成いたしました。

 

経営指標

2023中期経営計画

(3ヶ年累計)

実績

(3ヶ年累計)

計画比

売上高

308.0億円

314.2億円

102.0%

営業利益

45.0億円

48.0億円

106.6%

累計営業利益率(3ヶ年)

14.6%

15.3%

計画差 +0.7pt

 

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローにつきましては、(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローに記載のとおりであります。なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

自己資本比率(%)

79.26

80.21

80.21

時価ベースの自己資本比率(%)

70.19

67.78

86.79

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

(注)1. 各指標の算式は以下の算式を使用しております。

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4. 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

当社の主な資金需要は、研究開発型企業として発展し続けるための研究開発資金や、生産活動に必要な運転資金、生産設備や研究設備を増設するための設備投資資金等であり、これらは主に自己資金によって賄っております。

 

④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。