事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
プリンティングソリューションズ事業 | 980,148 | 71.8 | 124,847 | 82.9 | 12.7 |
ビジュアルコミュニケーション事業 | 203,782 | 14.9 | 29,021 | 19.3 | 14.2 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 | 181,463 | 13.3 | -3,221 | -2.1 | -1.8 |
事業内容
3【事業の内容】
当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業およびマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業などに係る各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業としております。
エプソンでは、事業部制による世界連結マネジメントのもと、開発活動については先行研究開発や製品開発を主に当社(本社研究開発部門および事業部研究開発部門)で行い、生産活動および販売活動については国内外の製造・販売関係会社を中心に展開しております。
各事業の内容と事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
なお、エプソンの報告セグメントは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」に基づき、「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つとしております。各報告セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
当セグメントは、オフィス・ホームプリンティング事業、商業・産業プリンティング事業から構成されており、独自のマイクロピエゾ技術のほか、ドライファイバーテクノロジーなどの強みを生かし、各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<オフィス・ホームプリンティング事業>
当事業では、オフィス・ホーム向けのインクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品などを取り扱っております。
<商業・産業プリンティング事業>
当事業では、商業・産業向けのインクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品、デジタル印刷ソフトウエアソリューションなどを取り扱っております。
なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
事業領域 |
主要製品等 |
主要な関係会社 |
|
製造会社 |
販売会社 |
||
オフィス・ホームプリンティング事業 |
オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品 等 |
東北エプソン㈱ 秋田エプソン㈱ Epson Portland Inc. Epson do Brasil Industria e Comercio Ltda. Epson Telford Ltd. Epson Como Printing Epson Engineering Tianjin Epson Co., Ltd. PT. Epson Batam PT. Indonesia Epson Industry Epson Precision |
エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson do Brasil Industria e Comercio Ltda. Epson Europe B.V. Epson (U.K.) Ltd. Epson Deutschland GmbH Epson France S.A.S. Epson Italia S.p.A. Epson Como Printing Epson Iberica, S.A.U. Epson Middle East FZCO Epson (China) Co., Ltd. Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology PT. Epson Indonesia Epson (Thailand) Co., Ltd. Epson Philippines Corporation Epson Australia Pty. Ltd. Epson India Pvt. Ltd. |
商業・産業プリンティング事業 |
商業・産業用インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品、デジタル印刷ソフトウエアソリューション 等 |
||
Fiery, LLC(※) |
(※)2024年12月、Fiery, LLCの全持分を取得し完全子会社化いたしました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
当セグメントは、独自のマイクロディスプレイ技術やプロジェクション技術などの強みを生かし、ビジネス・教育・ホーム・イベント向けなどの液晶プロジェクターのほか、スマートグラスなどの開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
なお、当事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
事業領域 |
主要製品等 |
主要な関係会社 |
|
製造会社 |
販売会社 |
||
ビジュアルコミュニケーション事業 |
液晶プロジェクター、スマートグラス 等 |
Epson Engineering Epson Precision |
エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson do Brasil Industria e Comercio Ltda. Epson Europe B.V. Epson (U.K.) Ltd. Epson Deutschland GmbH Epson France S.A.S. Epson Italia S.p.A. Epson Iberica, S.A.U. Epson Middle East FZCO Epson (China) Co., Ltd. Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology PT. Epson Indonesia Epson (Thailand) Co., Ltd. Epson Philippines Corporation Epson Australia Pty. Ltd. Epson India Pvt. Ltd. |
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
当セグメントは、マニュファクチャリングソリューションズ事業、ウエアラブル機器事業、マイクロデバイス事業他、PC事業から構成されており、以下の各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<マニュファクチャリングソリューションズ事業>
当事業では、高度な精密メカトロニクス技術のほか、高精度のセンシング技術やソフトウエア技術などの強みを生かし、生産性を革新する産業用ロボットなどの開発、製造、販売などを行っております。
<ウエアラブル機器事業>
当事業では、超微細・超精密加工技術や高密度実装技術のほか、高精度のセンシング技術などの強みを生かし、ウオッチ、ウオッチムーブメントなどの開発、製造、販売などを行っております。
<マイクロデバイス事業他>
当事業では、小型化・高精度化や低消費電力を特長とする各種デバイスを取り扱うほか、グループ内各事業のニーズに対応したデバイスの開発および製造を行っております。また、金属粉末事業や表面処理加工事業を展開しております。
[水晶デバイス]
民生機器・車載・産業機器向けなどに水晶振動子、水晶発振器、水晶センサーなどを提供しております。
[半導体]
民生機器・車載向けなどにCMOS LSIなどを提供しております。
[その他]
電子部品などの原材料として使用されるさまざまな高機能金属粉末の開発、製造、販売などを行っております。また、幅広い産業分野向けに高付加価値の表面処理加工を提供しております。
<PC事業>
当事業では、国内市場において子会社を通じてPCなどの販売を行っております。
なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
事業領域 |
主要製品等 |
主要な関係会社 |
|
製造会社 |
販売会社 |
||
マニュファクチャリングソリューションズ事業 |
産業用ロボット 等 |
Epson Engineering |
エプソン販売㈱ Epson America, Inc. Epson Deutschland GmbH Epson Italia S.p.A. Epson (China) Co., Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology |
ウエアラブル機器事業 |
ウオッチ、ウオッチムーブメント 等 |
秋田エプソン㈱ Epson Precision (Thailand) Epson Precision (Johor) |
エプソン販売㈱ Epson Europe B.V. Epson (China) Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. |
マイクロデバイス事業 他 |
[水晶デバイス] 水晶振動子、水晶発振器、水晶センサー 等 |
宮崎エプソン㈱ Epson Precision (Thailand) Epson Precision Malaysia |
Epson America, Inc. Epson Europe Electronics GmbH Epson Singapore Pte. Ltd. Epson Korea Co., Ltd. Epson Hong Kong Ltd. Epson Taiwan Technology |
[半導体] CMOS LSI 等 |
東北エプソン㈱ Singapore Epson Industrial |
||
[その他] 金属粉末、表面処理加工 |
エプソンアトミックス㈱ Singapore Epson Industrial Pte. Ltd. |
||
PC事業 |
PC 等 |
― |
エプソン販売㈱ |
エプソンダイレクト㈱ |
以上の事項を事業系統図によって示すと、おおむね次のとおりです。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
(単位:億円)
|
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減金額 |
増減率 |
主な増減理由 |
売上収益 |
13,139 |
13,629 |
489 |
3.7% |
[売上収益] プリンティングソリューションズ事業セグメント+614 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△136 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント+15 [事業利益] プリンティングソリューションズ事業セグメント+287 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△25 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント△16 |
売上原価 |
△8,573 |
△8,699 |
△125 |
- |
|
売上総利益 |
4,566 |
4,930 |
363 |
8.0% |
|
販売費及び 一般管理費 |
△3,919 |
△4,034 |
△114 |
- |
|
事業利益(※) |
647 |
895 |
248 |
38.4% |
|
その他の営業収益・ その他の営業費用 |
△71 |
△144 |
△72 |
- |
為替差損の増加等 |
営業利益 |
575 |
751 |
175 |
30.5% |
|
金融収益・金融費用 |
125 |
32 |
△92 |
- |
為替差益の減少等 |
税引前利益 |
700 |
783 |
83 |
11.8% |
|
法人所得税費用 |
△174 |
△232 |
△57 |
- |
税引前利益の増加等 |
当期利益 |
526 |
551 |
25 |
4.9% |
|
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
526 |
551 |
25 |
4.9% |
|
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は増収となりました。インクジェットプリンター本体の売上は、販売数量の増加や為替のプラス影響により、増加となりました。これは、大容量インクタンクモデルの販売数量が需要の堅調だった新興国を中心に増加したこと、オフィス共有IJPも西欧および南米を中心に大幅な販売増となったことなどによります。インクジェットプリンター消耗品の売上は、為替のプラス影響があり、増加となりました。インクカートリッジは売上減となりましたが、それを上回る大容量インクタンクモデルのインクボトルおよびオフィス共有IJPのインク売上の増加となりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は増収となりました。商業・産業IJP完成品の売上は、本体販売数量の伸長は停滞しましたが、消耗品は堅調な販売が継続しており、為替のプラス影響もあり、若干の増加となりました。小型プリンターの売上は、主に欧州における販売が堅調であったことに加え、為替のプラス影響により、増加となりました。また、プリントヘッド外販ビジネスの売上は、中国印刷機メーカーの旺盛な需要があり、大幅な増加となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、増収となったことに加え、為替のプラス影響があり、在庫削減による利益マイナス影響が大きかった前期に対して大幅な増益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は9,801億円(前期比6.7%増)、セグメント利益は1,248億円(同29.9%増)となりました。
なお、本決算におけるFiery, LLCの子会社化による連結決算への影響は、12月度から3月度の影響額を第4四半期において計上し、商業・産業プリンティング事業に含めております。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は、為替のプラス影響はあったものの、中国市場の悪化に加え、欧米および中東・アフリカ地域の教育市場において販売減となった影響が大きく、減収となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、減収によるマイナス影響が大きく、為替のプラス影響があったものの、減益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は2,037億円(前期比6.3%減)、セグメント利益は290億円(同8.1%減)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、中国や欧米での投資需要停滞から低調な販売が継続し、減収となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、国内におけるインバウンド需要に伴い販売が増加したことなどにより、増収となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は、減収となりました。水晶デバイスの売上は、市場での在庫調整影響により市況悪化が顕著だった前期と比較すると、民生機器向けを中心に市場が回復基調にあることに加え、為替のプラス影響があり、増加となりました。半導体の売上は、主に第1四半期に受注残解消による売上増があった前期に対し、産業向けを中心とした顧客需要の停滞が継続していることにより、減少となりました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、マイクロデバイス事業を中心とした減収の影響が大きく、大幅な減益となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は1,814億円(前期比0.9%増)、セグメント損失は32億円(前期はセグメント損失15億円)となりました。
なお、上記の他、マニュファクチャリングソリューションズ事業において、中国を含めた主要販売地域における市場回復の遅れ等により収益性の低下が継続していることから、減損損失7億円を計上しております。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△610億円(前期の調整額は△614億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に当期利益551億円や減価償却費及び償却費の計上といった増加要因により、1,380億円の収入(前期は1,655億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、Fiery, LLCの株式取得に伴う支払が大きく、1,507億円の支出(前期は589億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の起債による収入、配当金支払や自己株式の取得などによる支出があり、451億円の支出(前期は653億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響を合わせて、前連結会計年度末から614億円減少し、2,670億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
エプソンの生産実績は、販売実績と近似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
プリンティングソリューションズ事業(百万円) |
980,078 |
106.7 |
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円) |
203,782 |
93.7 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業(百万円) |
172,210 |
100.8 |
報告セグメント計(百万円) |
1,356,070 |
103.8 |
その他(百万円) |
6,873 |
96.8 |
合計(百万円) |
1,362,944 |
103.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、配当金支払や自己株式取得の株主還元などにより現金及び現金同等物は減少となった一方、Fiery, LLCの子会社化に伴うバランスシート取り込みにより、のれん及び無形資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に対して433億円増加し、1兆4,564億円となりました。
負債合計は、主にFiery, LLCの子会社化に伴う資金調達に際して社債を起債し、社債、借入金及びリース負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に対して496億円増加し、6,515億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、主に親会社の所有者に帰属する当期利益551億円の計上があった一方、自己株式の取得や配当金の支払いといった株主還元を行ったことなどにより、前連結会計年度末に対して62億円減少し、8,047億円となりました。
運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末と比較して1,243億円減少し、4,367億円となりました。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は700億円であり、所要資金につきましては、内部資金によりまかなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、リースによる設備投資を含めております。
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、社債の発行などにより前連結会計年度と比較して199億円増加し、2,247億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して614億円減少し、2,670億円となり、手元流動性は十分に確保しております。
また、有事に備えた財務基盤強化の一環として、2020年5月に主要行との間で、環境評価融資商品のコミットメントライン契約を締結し、2023年5月に契約を更新しておりますが、当連結会計年度末における当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、社会課題の解決のために、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を基盤として、自らの常識やビジョンを超えて果敢に挑戦し、イノベーションを起こすことに取り組んでいます。そして、全社員が価値観を共有のうえ総合力を発揮しつつ、自律的に行動するように努めています。これにより、画期的なお客様価値を継続的かつタイムリーに創造・提供し、より良い社会の構築に「なくてはならない会社」として中心的な役割を果たすとともに、持続的成長および中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
エプソンは、将来にわたって追求する「ありたい姿」として設定した「持続可能でこころ豊かな社会の実現」に向け、2021年3月に長期ビジョンを見直し、「Epson 25 Renewed」を策定しました。また、エプソンとして重視している環境問題への対応では、「環境ビジョン2050」を改定し、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※)消費ゼロ」の達成を目指すこととしました。
※ 原油、金属などの枯渇性資源
なお、当該長期ビジョンの実現に向けて設定した財務目標の進捗状況は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。
セグメント情報
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
エプソンの報告セグメントは、エプソンの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績の評価をするために定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に決定されております。
エプソンは、製品の種類、性質、販売市場等から総合的に区分されたセグメントから構成される「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つを報告セグメントとしております。
なお、報告セグメントに属する主要な製品等は次のとおりであります。
報告セグメント |
主要な製品等 |
プリンティングソリューションズ事業 |
オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、商業・産業用インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品、デジタル印刷ソフトウエアソリューション 等 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
液晶プロジェクター、スマートグラス 等 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
産業用ロボット、ウオッチ、ウオッチムーブメント、水晶デバイス、半導体、金属粉末、表面処理加工、PC 等 |
(2)セグメント収益および業績
エプソンの報告セグメントによる収益および業績は、以下のとおりであります。セグメント間の取引はおおむね市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注2) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
918,630 |
217,462 |
170,803 |
1,306,895 |
7,102 |
1,313,998 |
セグメント間収益 |
26 |
0 |
9,111 |
9,138 |
△9,138 |
- |
収益合計 |
918,656 |
217,462 |
179,914 |
1,316,034 |
△2,035 |
1,313,998 |
セグメント損益 (事業利益)(注1) |
96,109 |
31,592 |
△1,579 |
126,122 |
△61,400 |
64,721 |
その他の営業収益及び その他の営業費用 |
|
|
|
|
|
△7,188 |
営業利益 |
|
|
|
|
|
57,533 |
金融収益及び金融費用 |
|
|
|
|
|
12,537 |
持分法による投資損益 (△は損失) |
|
|
|
|
|
23 |
税引前利益 |
|
|
|
|
|
70,094 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注3) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
減価償却費及び償却費 |
△41,855 |
△9,456 |
△10,378 |
△61,690 |
△6,991 |
△68,681 |
減損損失(非金融資産) |
△159 |
△63 |
(注4)△1,067 |
△1,290 |
△49 |
△1,339 |
報告セグメント資産 |
628,868 |
147,622 |
172,479 |
948,970 |
464,124 |
1,413,094 |
資本的支出 |
44,109 |
6,023 |
12,355 |
62,488 |
7,545 |
70,033 |
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△61,400百万円には、セグメント間取引消去497百万円および全社費
用・その他△61,898百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」464,124百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△6,523百万円のほか、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
(注4)マニュファクチャリングソリューションズ事業において、中国における景気低迷やローカルメーカーの台頭等の市場環境の変化に加え、成長に向けた人的投資の継続により、収益性の改善に時間を要する見込みであることから、減損損失△606百万円を計上しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注2) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
980,078 |
203,782 |
172,210 |
1,356,070 |
6,873 |
1,362,944 |
セグメント間収益 |
70 |
0 |
9,253 |
9,323 |
△9,323 |
- |
収益合計 |
980,148 |
203,782 |
181,463 |
1,365,394 |
△2,450 |
1,362,944 |
セグメント損益 (事業利益)(注1) |
124,847 |
29,021 |
△3,221 |
150,646 |
△61,057 |
89,589 |
その他の営業収益及び その他の営業費用 |
|
|
|
|
|
△14,481 |
営業利益 |
|
|
|
|
|
75,108 |
金融収益及び金融費用 |
|
|
|
|
|
3,280 |
持分法による投資損益 (△は損失) |
|
|
|
|
|
7 |
税引前利益 |
|
|
|
|
|
78,395 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注3) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
減価償却費及び償却費 |
△45,160 |
△9,293 |
△10,859 |
△65,313 |
△6,708 |
△72,021 |
減損損失(非金融資産) |
△92 |
△29 |
(注4)△792 |
△913 |
△343 |
△1,256 |
報告セグメント資産 |
753,144 |
153,773 |
179,415 |
1,086,333 |
370,128 |
1,456,461 |
資本的支出 |
46,429 |
9,066 |
12,598 |
68,094 |
7,726 |
75,821 |
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△61,057百万円には、セグメント間取引消去487百万円および全社費
用・その他△61,545百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」370,128百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△5,962百万円のほか、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
(注4)マニュファクチャリングソリューションズ事業において、中国を含めた主要販売地域における市場回復の遅れ等により収益性の低下が継続していることから、減損損失△777百万円を計上しております。
(3)地域別に関する情報
各連結会計年度の非流動資産および外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
非流動資産 |
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
日本 |
214,342 |
224,835 |
米国 |
26,000 |
120,200 |
フィリピン |
47,844 |
46,899 |
インドネシア |
33,637 |
33,306 |
中華人民共和国 |
30,619 |
28,468 |
その他 |
54,887 |
55,051 |
合計 |
407,331 |
508,762 |
(注)非流動資産は資産の所在地によっており、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでおりません。
(単位:百万円)
外部顧客からの売上収益 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
日本 |
223,396 |
225,920 |
米国 |
287,541 |
288,339 |
中華人民共和国 |
167,545 |
182,176 |
その他 |
635,514 |
666,507 |
合計 |
1,313,998 |
1,362,944 |
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国に分類しております。
(4)主要な顧客に関する情報
エプソンの収益全体の10%を超える単一の外部顧客との取引はありません。