事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
グローバルデータインテリジェンス事業 | 1,195 | 11.0 | 165 | 15.3 | 13.8 |
エンターテインメント関連事業 | 5,863 | 54.0 | 658 | 61.0 | 11.2 |
新規IT関連事業 | 3,801 | 35.0 | 256 | 23.7 | 6.7 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(サン電子株式会社)、子会社6社、関連会社13社により構成されており、「グローバルデータインテリジェンス事業」、「エンターテインメント関連事業」、「新規IT関連事業」、「ウェルネス事業」の開発・製造・販売を主たる業務内容として事業活動を展開しております。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
当社グループのうち主要な事業を行っているのは、当社、連結子会社6社、持分法適用関連会社13社であり、当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業における位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
[事業の系統図]
以上に述べた事業区分と企業集団の概要を系統図によって示しますと、次のとおりであります。
(注) 1 ※ 連結子会社
2 〇 関連会社で持分法適用会社
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より新設したウェルネス事業につきましては、重要性が乏しいため記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績
<経営成績>
全体の売上高は、2025年3月期からの新中期経営計画に沿った既存事業戦略の強化が実を結んだこと等により、108億37百万円(前年同期比7.9%増)となりました。当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましては、売上高の伸びがあったものの、原材料高騰の影響等を受けて28億35百万円(前年同期比4.3%減)となり、売上総利益率は26.2%(同3.3pt減)となりました。
営業利益は1百万円(前年同期は営業利益3億12百万円)となりました。これは主に、売上総利益の減少並びに販売費及び一般管理費が増加したこと等によるものです。
<各セグメントの概況>
a. グローバルデータインテリジェンス事業
グローバルデータインテリジェンス事業につきましては、サブスクリプションビジネスでの受注金額増加等により、前年同期比で増収増益となりました。
b. エンターテインメント関連事業
遊技機関連事業につきましては、遊技機部品等の出荷数量が減少したことにより前年同期比で減収減益となりました。
c. 新規IT関連事業
M2M事業につきましては、販売が好調であったことにより前年同期比で増収増益となりました。
<財政状態>
(資産)
総資産は531億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億89百万円の増加となりました。
流動資産は167億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億16百万円の減少となりました。
主な減少要因としては、金銭の信託64億円及び原材料5億29百万円の減少であります。一方、主な増加要因としては、現金及び預金4億16百万円の増加であります。
固定資産は363億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ130億5百万円の増加となりました。
主な増加要因としては、関係会社株式222億42百万円の増加であります。一方、主な減少要因としては投資有価証券98億88百万円の減少であります。
(負債)
負債は55億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億59百万円の減少となりました。
流動負債は52億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億35百万円の増加となりました。主な増加要因としては、短期借入金11億96百万円及び契約負債2億43百万円の増加であります。一方、主な減少要因としては支払手形及び買掛金11億8百万円の減少であります。
固定負債は2億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億95百万円の減少となりました。主な減少要因としては、繰延税金負債43億64百万円の減少であります。
(純資産)
純資産は476億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億48百万円の増加となりました。主な増加要因としては、利益剰余金152億23百万円及び為替換算調整勘定43億円の増加であります。一方、主な減少要因としては、その他有価証券評価差額金92億6百万円の減少であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、19億86百万円(前期末残高15億19百万円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、前年同期は25億9百万円の収入に対して、16億68百万円の支出となりました。主な資金の増加要因としては、税金等調整前当期純利益179億47百万円及び棚卸資産の減少額7億77百万円であります。一方、主な減少要因としては、持分法変動損益175億60百万円及び法人税等の支払額22億57百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、前年同期は35億62百万円の支出に対し、29億52百万円の収入となりました。主な資金の増加要因としては、金銭の信託の解約による収入365億円であります。一方、主な減少要因としては、金銭の信託の取得による支出301億円及び投資有価証券の取得による支出31億9百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、前年同期は3億85百万円の支出に対して、8億29百万円の支出となりました。主な資金の増加要因としては、短期借入金の増加11億95百万円であります。一方、主な減少要因としては、配当金の支払額20億2百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、エンターテインメント関連事業の一部において生産を行っております。当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注状況
当社グループは、エンターテインメント関連事業の一部において受注生産を行っております。当連結会計年度における受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積り及び予測を必要とします。経営者は、これらの見積りや予測について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。
なお、自然災害の増加、半導体不足の影響や主要顧客の情勢等、先行きを予想することは極めて困難でありますが、入手可能な外部の情報等を踏まえ、当連結会計年度末時点で合理的であると思われる様々な要因を勘案した上で、会計上の見積りを行っております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 5.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<外部環境について>
グローバルデータインテリジェンス事業が属するデジタルインテリジェンス市場につきましては、Cellebrite DI Ltd.(以下、「Cellebrite社」という。)のCase-to-Closureプラットフォームが市場で反響を呼んでおり、新しいInsEYEtsデジタルフォレンジックソフトウェアの支持が高まっていることが窺えます。また、「InsEYEts」等の最新鋭のデジタルインテリジェンスツールは今や必要不可欠なソリューションとなっており、日本国内においても「InsEYEts」の導入が法的執行機関を中心に広がりを見せております。
エンターテインメント関連事業のうち、パチンコ・パチスロ市場につきましては、2022年11月からスマート遊技機が導入され始め、稼働が好調なタイトルがでてきたことも影響し、スマートパチスロを中心に新台の需要が高まってきております。一方、世界的な半導体不足による供給難は回復の傾向が見えてきましたが、継続している原価高騰、パチンコホールの減少等、将来的な不透明感が依然として存在しております。
ゲームコンテンツ市場につきましては、コロナ禍においては、在宅で楽しめるエンターテインメントとしての地位を確立しましたが、他のレジャーの消費も回復した現在は、先進諸国ではやや縮小の傾向が見られます。また、技術の進歩によりゲーム開発はパソコン一台、一人からできる時代となり、各プラットフォームでリリースされるゲームの数も拡大傾向にあるため、競争が激化している状況にあります。
新規IT関連事業のうち、IoT市場につきましては、人手不足解消や生産性向上として遠隔地からアクセスする監視/制御システムの需要は増加しており、当社の強みである長時間安定稼働運用を可能とする産業用ネットワーク機器「Rooster」の導入が広がりを見せております。また各通信キャリアが2026年3月までに3G回線を順次停波するため、3GからLTE(4G)へのマイグレーションが順調に進んでおります。半導体全体の供給については回復しつつあるものの、部材高騰は続いており、当社製品の供給や利益に影響が出る可能性もあり、現時点では不透明な状況にあります。
上記のように、市場環境が不透明な主力事業も存在する中、当社グループの更なる業績向上を図るため、IoT・AR・AI等の最新技術を活用していく社会的な流れを汲み、新たな主力製品・サービスの構築に取り組んでまいります。
<競争優位性>
グローバルデータインテリジェンス事業につきましては、デジタル証拠量の爆発的な増加に加え、テクノロジーに精通した犯罪者(組織)に対峙する法的執行機関に対して、捜査リソースの生産性を向上させるための最新鋭なデジタルインテリジェンスツールと共に、トレーニング及びサービスを長年に渡り提供しております。2024年1月にリリースいたしました次世代ソリューション「InsEYEts」は、「Premium」の高度な抽出と次世代の「UFED」を組み合わせると同時に、「Physical Analyzer(リーダー含む)」・「Cloud」・「Commander」の機能を包括するオールイン型のデジタルフォレンジックソリューションとなり、捜査機関の業務時間を大幅に短縮することに貢献いたします。日本市場においては2024年4月から本格納入を開始いたしました。また、2024年8月にはブロックチェーンインテリジェンス大手の米国TRM Labs社と日本国内における戦略的販売パートナーシップ契約を締結し、米国・中南米・欧州・アジア太平洋地域における法的執行機関・規制当局・税務当局・暗号資産取引所等において数多くの導入実績をもつ同社製品の国内販売を積極的に進めてまいります。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、業界及び顧客に特化することで、強力な信頼関係の構築及び特定分野における表現力・技術力を蓄積し、高い商品力を有したコンテンツ開発や高品質の制御基板開発を実現することで、競争優位性を高めております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、知名度の高い「上海」ブランドを使ったコンシューマー機向けゲーム、モバイルゲームを社内で開発から運営まで完結し、コスト効率の良い収益を長期にわたり維持することが可能となっております。また、当社が多くのIPを保有する「レトロゲーム」ジャンルは、欧米市場を中心に人気が再来しており、その有効活用により更なる収益の拡大が見込める状況にあります。
新規IT関連事業につきましては、各通信キャリア・SIer等パートナーと強力な信頼関係を構築しつつ、長年培ってきた技術をベースに3G回線からLTE(4G)回線へのマイグレーションに関連した特許を取得し、技術的競争優位性を維持しつつ、5GやエッジAIをキーワードに製品開発を進め、更なる競争力強化を図っております。産業用ネットワーク機器「Rooster」はデュアルSIM対応で、それぞれ異なる通信キャリア回線により冗長化することが可能となりました。これにより通信キャリア網が、障害発生時には自動検知し主回線から副回線に自動切換、回線の通信断を防ぎ、遠隔監視・制御・データ収集を止めることなく運用することができるようになり、販売が好調に推移しております。
IoT分野における導入から運用フェーズへの移行に際して、遠隔地に多数設置されたIoTデバイスの運用管理の負荷が増大し、それをいかに軽減するかが課題になっております。この課題に対処するために、「SunDMS」は死活監視や「Rooster」の一元管理を可能とし、遠隔でセキュアに運用管理を実現いたします。これにより、オンサイト保守にかかる人員や稼働調整・移動時間等のコストを削減し、運用の負荷を大幅に削減することが可能となっております。さらに「SunDMS-Insight」の展開を進めております。これにより「おくだけセンサー」やPLC(Programmable Logic Controller)等、あらゆるデバイスやネットワークデータを収集・制御・可視化することが可能となります。
また、将来的にはBI/AIによる集計・分析・検知を行い、IoT分野における遠隔運用管理の効率性やセキュリティを向上させ競争優位性を確保してまいります。
<経営施策>
当社グループは、既存事業戦略を見直し、将来への成長基盤構築を目指して、2025年3月期を初年度とする3カ年の新中期経営計画を策定いたしました。新中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の定量目標として、売上高192億円・営業利益21億円を目標に掲げております。
また、新中期経営計画以降では、持続的な成長と企業価値の増大を目指して売上高500億円・営業利益率15%を中長期的な経営目標としております。
それらを実現するために、①既存事業の稼ぐ力の改善②新たな成長事業の創出③新事業を支える経営基盤の構築を個別戦略テーマとして掲げ、事業部別には以下のように事業展開をしてまいります。
グローバルデータインテリジェンス事業につきましては、グローバルな人の安心・安全への貢献を目指し、その実現に必要な製品・ソリューション・サービスを提供することとし、安定的な収益機会の獲得としてストックビジネスの増加を目指しアップセル・クロスセルによる販売活動の強化と解約率の減少を進めてまいります。
また、新たな成長ドライバーの創出として、デジタルフォレンジックに拘らない新デジタルツール・ソリューションを提供するため、イスラエルをはじめとするこれまでのネットワークを活かした高付加価値製品の探索を進めてまいります。
エンターテインメント事業につきましては、既存事業の稼ぐ力の改善として遊技機ビジネスにおける開発タイトル数の増加及びゲームビジネスにおける新規IP開発や海外へのマーケティングを施策として進めてまいります。
新規IT関連事業につきましては、従来のハードウェア中心のビジネスからIoT、映像ソリューション・Rooster及びネットワークデータの収集・制御・可視化・分析といったソリューションビジネスの展開への移行を模索し、更にデバイスデータをネットワーク上でAIを使って高度なデータ処理を行うといったインテリジェンス分野への転換を進めてまいります。
新規IT関連事業の海外展開に関しては、2023年1月に株式を取得した連結子会社のEKTechグループを通して、マレーシア国内の優良な一般事業会社に対して、携帯電話技術を用いた安全な企業向け無線通信システムを提供する他、ワイヤレスルータにつながる周辺デバイスとの接続を支援する事業、これらネットワークシステムの24時間監視サービス、そのほか、監視カメラやファイアウォール等のセキュリティ商材を取り扱うシステム・インテグレーション事業等を展開しております。
また、当社は、更なる収益力向上を目指し2022年10月にマーケティング部と技術開発部を統合した研究開発部門を設立し、当面の開発テーマをAI・情報セキュリティ・ヘルスケアとしております。研究開発に際しては、技術シーズを持つ大学との共同研究を行い、差別化した製品開発を目指してまいります。
<商品・サービスの概況>
グローバルデータインテリジェンス事業につきましては、従来からの日本国内向けCellebrite社製品であるデジタルインテリジェンスに加え、脅威インテリジェンスやアクティブサイバーディフェンス関連商材及び関連サービス・サポ―トの提供を進めております。新規取扱商品として通常目の届かないダークweb上の情報を検索できる「Cybersixgill」及びマルチチェーンに対応した唯一の暗号資産追跡調査ツールである「TRM Labs」の拡販を目指しており、業界向けの展示会に出展する等、積極的に取り組んでおります。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、パチンコ・パチスロの企画から設計・映像制作・プログラムまでのトータルコンテンツ開発と、制御基板の設計から製造までを一貫して受託しております。また、コンテンツ開発では、スマートフォン向けのパチンコ・パチスロの実機シミュレーションアプリを展開しており、2025年3月6日に「Pとある魔術の禁書目録2 Light PREMIUM 2000 ver.」をリリースするなど、実機の市場での稼働貢献・コンテンツの知名度向上を図っております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、レトロゲームIPを活用した企画を複数進めており、「いっき団結」Nintendo Switch版を2024年4月18日にリリースしたほか、最大16人でプレイ可能なNintendo Switch用ソフト「いっき団結」のパッケージ版を9月19日に発売いたしました。また、10月31日には「Clock Tower Rewind」を日本及びアジア圏にてダウンロード版・パッケージ版を同時発売し、11月7日には完全新作となるSteam(PC)向け「Ark of Charon」の正式リリースを開始いたしました。加えて、日本及びアジア圏にて「Gimmick!2」のダウンロード版・パッケージ版を12月19日に同時発売いたしました。
新規IT関連事業につきましては、複数の大手飲料オペレーターが管理コスト削減や商品補充等のオペレーションの効率化を図るため、飲料自販機向け戦略製品「A330」・「A900」が採用され既に50万台以上が導入されました。Rooster等のルータ製品においては、回線冗長化及びデバイスマネジメントサービス「SunDMS」との連携で他社との差別化を打ち出し、売上高も堅調に推移しております。更なる事業拡大に向け、AI画像解析搭載可能なエッジコンピュータとして2023年9月に販売を開始した「LBX8110」に加え、Roosterブランドから初の5Gに対応したルータ「DRX5510」を2025年3月31日より販売開始いたしました。センサーデバイス「おくだけセンサー」については、食品衛生管理(HACCP)での温度管理や加速度(振動)センサーによる予知保全として、本格導入フェーズとなりました。また、2024年9月には映像セキュリティにモバイルネットワークをプラスすることで、回線工事やネットワークセキュリティの手間から解放され、手軽に遠隔監視を実現する「Roosterカメラソリューション」をリリースいたしました。
新設セグメントとなるウェルネス事業では、スリープテックを使い睡眠の質改善分野でリードするMyWaves Technologies Limitedの製品の国内発売に向けて準備を進めてまいります。
<損益計算書(連結)について>
全体の売上高は、2025年3月期からの新中期経営計画に沿った既存事業戦略の強化が実を結んだこと等により、108億37百万円(前年同期比7.9%増)となりました。当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましては、売上高の伸びがあったものの、原材料高騰の影響等を受けて28億35百万円(前年同期比4.3%減)となり、売上総利益率は26.2%(同3.3pt減)となりました。
<販売費及び一般管理費について>
連結の販売費及び一般管理費は、28億33百万円(前年同期比6.9%増)となりました。これは主に、今後の営業基盤の強化やコーポレート機能強化のための経費の増加等によるものです。
<営業利益について>
連結の営業利益は1百万円(前年同期は営業利益3億12百万円)となりました。これは主に、売上総利益の減少並びに販売費及び一般管理費が増加したこと等によるものです。
<経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益について>
連結の経常利益は7億9百万円(前年同期は経常損失41億14百万円)となりました。これは、当社の持分法適用関連会社であるCellebrite社について、前年同期にデリバティブ評価損等を取り込み、持分法による投資損失44億98百万円を計上したことの反転影響等があったこと、及び当期に持分法による投資利益5億4百万円を計上したこと等によるものです。また、親会社株主に帰属する当期純利益は172億28百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失37億77百万円)となりました。これはCellebrite社における負債性金融商品の条件達成等により、Cellebrite社の純資産が増加したため、持分変動利益175億60百万円を特別利益として計上したこと等によるものです。
<キャッシュ・フローについて>
キャッシュ・フローの成長性につきましては、特にフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)を重視しております。当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、法人税等の支払いや投資による支出が発生した一方で、金銭の信託の一部解約による収入があり、12億84百万円の増加となりました。今後も安全性を高められるようにビジネスモデル等も活かしながら、フリー・キャッシュ・フローの増大に取り組んでまいります。
<資本の財源及び資金の流動性についての分析>
a. 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、販売及び一般管理活動、研究開発活動のための人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。当社は特に大きく設備投資を必要とするビジネスモデルではありませんが、一方で技術変化の早い事業分野に属しており最新技術の研究開発や複数年度にまたがる受託開発、ソフトウエアの更新等のための研究開発活動に係る資金需要が生じております。
b. 財務政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、短期借入金により調達することとしております。また内部資金の一部には、複数年度にわたってソフトウエアを更新するための研究開発活動のために事前に受け取る前受収益が含まれております。流動資産から流動負債を控除した運転資本につきましては、当連結会計年度の末日も含め、以前から流動資産が上回っております。
また、半導体不足に伴う在庫確保等で必要な手元資金残高を平常時より増やすことや資金調達時期を前倒す等により調達リスクの低減を図っていきます。それに加え今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。
当社グループの経営陣は、事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営計画及び経営戦略を立案するように努めております。
当社グループの情報通信事業を取り巻く環境は、技術進化の著しい分野であり、市場の変化や多様化が大きく、予断を許さない状況ではありますが、高付加価値製品やソリューションをいち早く投入し、従来のフロー型ビジネスに加え、ストック型ビジネスの展開を加速していきます。更なる成長を目指し、グローバルな事業展開を図るとともに、情報通信市場へ経営資源を集中し、高い収益力を確保する企業体質の確立を図っていきます。
当社グループのエンターテインメント関連事業を取り巻く環境は、市場環境の低迷、顧客ニーズの変化が大きく、製品の優劣も大きいため、先行きは不透明な状況が続くと予想されますが、エンターテインメント性を追求した製品創りと、ノウハウを持つ通信ネットワーク技術を活かした新たな事業展開も推進していきます。
また、新市場の開拓及び新規事業の育成にも注力し、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの提携を積極的に行う等、将来の成長に向けたチャレンジを継続します。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、エンターテインメント関連事業及び新規IT関連事業に関しては江南事業所、グローバルデータインテリジェンス事業に関してはCellebrite社に製品・サービス別の事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは、事業本部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「グローバルデータインテリジェンス事業」、「エンターテインメント関連事業」、「新規IT関連事業」及び当連結会計年度から開始した「ウェルネス事業」の4つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「グローバルデータインテリジェンス事業」は、犯罪捜査機関等向け(デジタル・インテリジェンス事業)に販売するモバイルデータトランスファー機器及び関連サービスを開発・製造・販売しております。
「エンターテインメント関連事業」は、主に遊技機メーカーに販売する制御基板等の遊技機部品を開発・製造・販売しております。
「新規IT関連事業」は、主にM2M通信機器及びIoTソリューションの開発・製造・販売及びB2B向け業務支援システムを開発・販売しております。
「ウェルネス事業」は、デジタルヘルス分野において、主に睡眠の質を改善する商品・サービスを開発・販売をしております。
(3) 報告セグメントの変更等に関する情報
当連結会計年度より、デジタルヘルス分野への新規参入に伴い、報告セグメントに「ウェルネス事業」の区分を新設しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
(注)1 調整額の主な内容は次のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額△851,858千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△851,858千円が含まれております。全社費用は、主にセグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2) セグメント資産の調整額36,463,122千円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない親会社の余資運用資金(現金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。
(3) その他の項目の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであり、減価償却費の額、有形固定資産及び無形固定資産の増加額であります。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:千円)
(注)1 調整額の主な内容は次のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額△1,076,781千円には、セグメント間取引消去351千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,077,133千円が含まれております。全社費用は、主にセグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2) セグメント資産の調整額21,408,363千円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない親会社の余資運用資金(現金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。
(3) その他の項目の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであり、減価償却費の額、減損損失の額及び有形固定資産及び無形固定資産の増加額であります。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失であります。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。