人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数5,636名(単体) 40,123名(連結)
-
平均年齢45.3歳(単体)
-
平均勤続年数21.1年(単体)
-
平均年収7,532,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
(2025年3月31日現在) |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
スマートライフ&エナジー |
7,990 |
スマートオフィス |
13,397 |
ユニバーサルネットワーク |
5,400 |
ディスプレイデバイス |
7,983 |
エレクトロニックデバイス |
3,946 |
全社(共通) |
1,407 |
合計 |
40,123 |
(注)1 従業員数は就業人員数であります。
2 「全社(共通)」は、当社の本社管理部門及び子会社のセグメントに直接配分できない管理部門等の従業員であります。
3 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
(2025年3月31日現在) |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
5,636 |
45.3 |
21.1 |
7,532 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
スマートライフ&エナジー |
1,179 |
スマートオフィス |
1,543 |
ユニバーサルネットワーク |
1,392 |
ディスプレイデバイス |
315 |
エレクトロニックデバイス |
15 |
全社(共通) |
1,192 |
合計 |
5,636 |
(注)1 従業員数は就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 「全社(共通)」は、本社管理部門等の従業員であります。
4 当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社には、シャープ労働組合等が組織されており、シャープ労働組合は、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に所属しております。
なお、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性 労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1、3 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
||
4.4 |
103.0 |
79.9 |
78.9 |
74.3 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。(小数第2位以下切り捨て)
3 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合で示したものであります。
② 連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める 女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率 (%) (注)2、3 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1、4 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
シャープエネルギー ソリューション㈱ |
0.7 |
100.0 |
68.3 |
70.8 |
72.7 |
シャープマーケティング ジャパン㈱ |
3.8 |
50.0 |
67.4 |
74.9 |
76.9 |
シャープディスプレイ マニュファクチャリング㈱ |
2.9 |
- |
59.7 |
60.2 |
69.4 |
シャープサポート アンドサービス㈱ |
2.8 |
62.5 |
85.6 |
88.8 |
79.4 |
シャープワンストップ サービス㈱ |
2.1 |
83.3 |
53.1 |
80.2 |
77.3 |
Dynabook㈱ |
5.8 |
72.7 |
78.3 |
75.4 |
91.5 |
シャープ セミコンダクター イノベーション㈱ |
0.0 |
100.0 |
76.1 |
74.8 |
68.7 |
シャープ福山レーザー㈱ |
0.0 |
75.0 |
62.6 |
64.0 |
44.7 |
シャープディスプレイ テクノロジー㈱ |
0.7 |
107.1 |
73.1 |
72.3 |
71.0 |
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。(小数第2位以下切り捨て)
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表を行っていないため記載を省略している場合「-」としています。
4 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合で示したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは、当社経営理念の一節にある「広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」、「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」などの言葉が示す創業の精神に基づき、社会の期待や要請に応え、社会と当社の相互の持続的発展を目指すことをサステナビリティに関する基本的な考え方としています。中長期的な企業価値向上の観点から、気候変動や人的資本、人権の尊重をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる諸課題への対応に積極的に取り組んでいます。気候変動への対応については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、TCFDのフレームワークに沿って、気候変動に関する情報開示の拡充を図っています。
① ガバナンス
ESGに関わる諸課題への対応を実行施策レベルに落とし込み、PDCAサイクルでマネジメントしていくため、代表取締役社長を委員長とし、経営幹部、環境・人事・調達などの本社機能部門、事業本部・子会社などで構成する、サステナビリティ委員会において、方針やビジョンの徹底、施策についての審議・推進、社会的課題に関する最新動向の共有などを実施しています。また、2024年度からはサステナビリティの主要なテーマに関する「サステナビリティ分科会」を設置し、取り組みを加速しています。
委員会における経営層によるモニタリング・レビューを通じて、SDGs/ESG分野の取り組みを継続して強化し、当社のESGレーティング・格付の向上を図りながら、持続的成長を支える強固な経営基盤を構築し、サステナブルな社会の実現への貢献を目指しています。
サステナビリティ・マネジメント推進体制図(2025年6月現在)
② 戦略
サステナビリティへの取り組みが事業の機会創出とリスク低減につながる重要な経営課題であるとの認識に立ち、2018年度からは「事業や技術のイノベーションを通じた社会課題の解決」と「サステナブルな事業活動による社会・環境に対する負荷軽減」を両輪として、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」達成に向けた貢献を目指すことをサステナブル経営の基本戦略として取り組んでいます。
また、気候変動や資源枯渇など、地球規模の環境問題がさらに深刻さを増す中、当社は、1992年に定めた環境基本理念「誠意と創意をもって『人と地球にやさしい企業』に徹する」のもと、2019年に長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」を策定しています。「気候変動」「資源循環」「安全・安心」の3つの分野で2050年の長期目標を設定し、持続可能な地球環境の実現を目指して取り組んでいます。
2022年度からは、カーボンニュートラルへの貢献を重要テーマに位置づけ、関連する取り組みを加速しています。また、気候関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ)を参照したシナリオ分析を実施しています。
■当社の事業における気候変動に関するリスク・機会と対応策
シナリオ |
要因 |
変化 |
当社への影響 |
リスク・機会 |
影響度 |
影響が 顕在化する 時期※ |
当社の対応策 |
1.5℃ |
カーボン プライシングの導入 |
原材料調達コストの増加 |
当社の仕入製品に対して炭素税が導入されることで、仕入価格に転嫁 される。 |
リスク |
大 |
短期 |
・低GHG (Green House Gas)排出原料の探求 ・環境負荷低減に努める仕入先の開拓 ・購買量の適正量化(在庫抑制の更なる徹底) |
直接操業コストの増加 |
当社のGHG排出量に応じて炭素税が導入され、支払コストが増加する。 |
リスク |
大 |
短期 |
・省エネの推進によるGHG排出量の低減 ・インターナルカーボンプライシングの導入による低炭素排出設備投資の推進 |
||
サプライ チェーン上の脱炭素・環境配慮要請の 高まり |
ユーザーの環境配慮ニーズを満たさないことによる 競争力の低下 |
環境配慮についてユーザーの期待に応えられない場合、売上高減少のリスクが発生する。 |
リスク |
中 |
短期 |
・ユーザーとの継続的なコミュニケーションによるマーケットニーズの把握 ・省エネに関する研究開発の継続実施 |
|
環境配慮資材への切替コストの増加 |
GHG排出量が少ない電炉材や再生プラスチック、バイオマスプラスチックなどへの切り替えを進めていくに当たり、 コストが増加する。 |
リスク |
中 |
中期 |
・低コストである環境配慮資材の調達先の発掘 ・環境配慮資材活用の外部開示による消費者の価格弾力性の堅持 |
||
再エネへの切り替えによるエネルギー調達コストの 増加 |
自家発電やPPA(Power Purchase Agreement)、再エネメニューへの切替、環境価値証書の購入を進めることでコストが増加する。 |
リスク |
小 |
中期 |
・省エネの推進によるGHG排出量の低減 ・低コストとなるPPAや再エネを推進するためのパートナーの探求 |
||
再生可能 エネルギー 市場の拡大 |
再エネ発電事業者・利用企業からの太陽光発電関連製品・システムに対する需要の拡大 |
当社の製品・システム提供を拡大することで、収益拡大の可能性が高まる。 |
機会 |
中 |
短期 |
・マーケット需要に応じた太陽光発電関連製品・システム開発の継続 |
|
ZEH (Zero Energy House)需要の 拡大 |
住宅向けの太陽光発電定額サービスやHEMS(Home Energy Management System) の提供を強化し、収益拡大の可能性が高まる。 |
機会 |
中 |
短期 |
・マーケット需要を捉えたエネルギーソリューション(システム/サービス)の提供 |
||
環境貢献 ビジネスの 拡大 |
サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルの拡大 |
脱炭素の取り組みが社会的に高まる中で、廃棄物を出さないサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルを確立することで、顧客支持の拡大につながる。 |
機会 |
小 |
中期 |
・自己循環型マテリアルリサイクル技術などの活用による廃プラスチックの再資源化の推進 ・太陽電池リサイクルの情報収集の継続による新規事業機会の積極創出 |
|
4℃ |
気象災害の 激甚化 |
サプライチェーンの寸断 |
気象災害が激甚化することで、当社の仕入先、拠点が被災し、サプライチェーンが影響を受け、当社の販売機会喪失が懸念される。 |
リスク |
中 |
長期 |
・製品の複数購買、複数地域購買の推進 ・主要取引先の事業継続計画 (BCP)策定状況の調査と対策の強化 ・自社拠点におけるBCPの更なるレベルアップ |
※ 短期:3年以内、中期:2030年頃、長期:2050年頃に顕在化し始めると想定。
③ リスク管理
当社は、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けています。リスク管理の基本的な考え方として「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、リスク管理体制構築のもと、経営が特に大きいリスク項目を「特定リスク」として選定・管理しています。ESG関連リスクを含む全ての特定リスクについては、全社を横断的に管理する機能部門と、自らの事業領域における管理を担当する事業本部が連携し、リスクの最小化・適正化や未然防止の取り組みを行っています。
さらに、当社及びグローバルサプライチェーンにおける、社会や環境に与える負荷を低減していくために特に重要と考える取り組みテーマを毎年度特定し、関連管理策を設定の上、経営層によるモニタリング・レビューを行っています。
④ 指標及び目標
当社は、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に向けて、再生可能エネルギーの導入や設備の省エネなどの取り組みを推進しています。また、製品・サービスの省エネのさらなる強化やお取引先様との協働などにより、間接的な温室効果ガス排出量の削減を進めています。さらに、当社はパリ協定に準拠した科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標として、「SBTイニシアティブ※1(Science Based Targets Initiative)」の認定を取得しています。
■SBTの進捗状況(1.5℃目標)
指標 |
目標 |
2024年度実績※2 |
基準年比 |
事業活動に伴う温室効果ガス 排出量(スコープ1+2) |
2030年度までに2021年度比で42.5%削減 |
832 千t-CO2 |
39%削減 |
間接的な温室効果ガス排出量 (スコープ3) |
2030年度までに2021年度比で25.0%削減 |
21,923 千t-CO2 |
32%削減 |
※1 国連グローバル・コンパクト(UNGC)、CDP、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)による気候変動に関するイニシアティブ。企業に対し、パリ協定に準拠した科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定することを推進。
※2 2025年6月現在の算定値であります。なお、温室効果ガス排出量の信頼性向上を目的として、現在、第三者検証機関による検証を実施中です。
(2) 人的資本
① 人材戦略
(中期経営計画から抜粋)
当社グループは経営理念において、人材に対する考え方を「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」と明示しています。この理念を実現するため、中期経営計画(2025年度~2027年度)において、持続的な事業拡大を支える成長基盤として、“人”への投資を拡大することを掲げています。
具体的には、AI/デジタル人材やグローバル人材などの「成長を支える人材の育成・獲得」に注力し、また全社員を対象とした研修を拡充し、組織力の向上を図ります。さらに、働き方や職場環境、福利厚生など、「多様な人材が活躍できる環境づくり」に取り組み、従業員エンゲージメントの向上に努めます。
これらの取り組みを通じて、社員の能力開発と挑戦を強力に後押しし、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことで、持続可能な収益構造の確立を図り、社会に貢献する企業を目指してまいります。
② 人材育成及び社内環境整備に関する方針
Ⅰ. 成長を支える人材の育成・獲得
当社グループが事業を推進し持続的に成長していくためには、技術及びマネジメント分野において優秀な人材を確保することが必要であると考えています。この考え方のもと、新たな人材獲得のために新卒採用を推進しています。また新規ビジネスを狙えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。
また、企業としての総合力を高めるための取り組みの一環として、各種の人材育成プログラムを準備し従業員に提供しています。従業員一人ひとりの能力の「質の向上」や「幅の拡大」を狙いとした育成プログラムにより、若手社員から次世代リーダーの育成等の取り組みを行っています。
a. AI/デジタル人材の拡充
事業の競争力を強化するため、AI/デジタル人材の育成と獲得を急務と位置付け、これらの人材の拡充に力を入れています。当社及び国内連結子会社では技術者のリスキリングプログラムを導入し、強化すべき技術分野を特定して、対象となる技術者への講義やeラーニング学習を実施します。また、社員の
AIスキル・知見の底上げを図るため、生成AIの基礎知識習得から始め、eラーニングなどにより段階的なレベルアップを推進します。さらに、高度専門人材の獲得に向けて、競争力のある柔軟な処遇設計を進めています。
b. グローバル人材の強化
海外事業強化に向けてグローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。そのため、当社及び主要な国内連結子会社では、適性ある人材の選定・研修と計画的なローテーション・OJT(海外出向・出張経験)を組み合わせた育成プログラムを通じて、当社グループの海外事業拡大に貢献できる人材の育成を目指しています。また、社員が海外勤務経験に挑戦しやすい環境づくりや、海外事業経験豊富な人材の積極的な採用も併せて推進しています。
c. 組織力の向上
(ア)研修制度の拡充
・次世代経営幹部人材の育成強化(選抜型研修)
当社は次世代経営幹部人材の育成強化を目的とした「選抜型研修」を実施しています。当社の将来の飛躍的成長フェーズを牽引する次期経営幹部の人材像を策定の上、体系的に育成するプロセスの構築を目指しています。
・階層別研修の拡充(ミドルマネジメント及び若手人材)
当社及び国内連結子会社は、特にミドルマネジメント及び若手人材に焦点を当てて「階層別研修」の拡充を行っています。各階層での研修の実施によりキャリア自律を促し、社員の主体的な成長を支援することでマネジメント層と若手人材の強化を図ることを目指しています。
・自己啓発
当社及び国内連結子会社は「強い個を育てる」という考え方のもと、ビジネスを行う上での基本的な知識や専門性を学ぶための環境づくりに取り組んでいます。「個々人がいつでも、どこでも、主体的に学ぶ」ことを通じて、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。これらについては、従業員が自宅のパソコンや自身のスマートフォンを使って、いつでもどこでも簡単に学習ができるeラーニング環境を整えており、自己啓発による従業員の能力向上を積極的にサポートしています。
(イ)人事制度
・等級制度
当社及び主要な国内連結子会社では、仕事の内容や役割、責任の大きさに応じて等級・処遇を決定する「役割等級制度」を導入しています。役割や成果に応じてスピーディに昇級できる制度設計とし、優秀な若手人材を早期に責任のあるポジションに登用しています。
・人事評価制度
当社及び主要な国内連結子会社では、会社業績と個人評価に連動した賞与/昇給制度により、成果を上げた従業員に報いる仕組みとしています。公正な評価を実現するために、期初・期中・期末の節目ごとに上司との評価面談を実施し、目標の進捗や貢献度・成果などについて互いに確認しています。評価結果は、半期ごとに評価理由とともに本人へフィードバックすることで、次への成長につなげています。
Ⅱ. 多様な人材が活躍する環境づくり
当社グループは「多様な人材が活躍する環境づくり」を目指し、従業員の挑戦や個性を引き出す風土の醸成に努めています。従業員の多様性や能力を活かせる環境を整え、すべての人材が最大限に力を発揮できる組織を目指しています。
また、安心で健康な職場づくりを重視し、従業員の健康増進の強化、福利厚生の充実を推進しています。
これらの環境整備により、当社グループは従業員のエンゲージメントを高め、企業の成長と競争優位性を確保していきます。
a. 報酬制度・賞与
当社及び主要な国内連結子会社は、会社の業績向上や持続的成長に必要な優秀人材の獲得・確保に向けて、働く社員の給与水準や新卒採用者の初任給については、労働市場での競争力を考慮のうえ適宜見直しを行っています。
b. DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の推進
当社グループは、多様な個性や能力を尊重し、それぞれが生み出す価値を結集することにより、当社ならではの革新技術の創出や新たなサービスの提案を通じて、持続的な成長の実現を目指しており、2024年度に制定した「DE&I方針」に基づき、従業員一人ひとりの個性や能力が発揮できる職場環境の整備を進め、多様な人材が最大限に力を発揮できる組織づくりに取り組んでいます。
■DE&I推進の取り組み事例
女性の活躍促進 |
当社は一人でも多くの女性従業員がリーダー的ポジションから事業・組織運営に参画できるよう、公正な機会の提供と必要な支援に取り組んでいます。2030年3月末までに「管理職に占める女性比率を7.5%以上」と目標を定め、2025年3月末時点の女性管理職比率は、4.4%となっています。 |
障がい者の活躍促進 |
障がいのある従業員の成長機会の提供と必要な支援に取り組むとともに、障がいのある従業員の働きやすい環境づくりを進めています。当社、特例子会社※1及びグループ適用会社※2における障がい者雇用率は2.56%(2024年6月1日時点)となっています。 |
高年齢者の活躍促進 |
当社及び主要な国内連結子会社は、60歳以降も従業員が長年培ったスキルやノウハウを活かして働き続けられるよう、公正な機会の提供と必要な支援に取り組んでいます。 |
外国人社員 |
当社は国籍に関係なく能力や適性に応じた採用、登用を行っていることから、数値目標は設定しておりません。当社では2025年4月現在、約170名が在籍し、様々な部門・職種で活躍しております。 |
LGBTQ+ |
当社及び主要な国内連結子会社は、同性パートナーへの配偶者に準じた制度適用や、LGBTQ+への理解を深める取り組みとして従業員向けeラーニングを行っています。 |
※1 障がい者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をして設立した子会社
※2 障がい者雇用率の算定に当たって、公共職業安定所長より認定を受けた特例子会社以外のシャープグループの子会社
c. ワーク・ライフ・バランスの取り組み
当社及び主要な国内連結子会社は、従業員のワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭生活の調和)を実現できるよう、育児・介護・治療と仕事との両立を支援する制度の拡充や制度利用の促進を行っています。育児支援については、ガイドブックの配付や個別の制度周知などを行っており、多くの従業員が育児のための休職や休暇等の制度を利用しています。また、全従業員が効率的でメリハリのあるワーク・スタイルを確立するため「ノー残業デー」の設定や年次有給休暇の計画的取得推進などの施策を行っています。在宅勤務制度については、2023年度からは生産性の維持・向上が可能であることを前提に適用事由の要件を撤廃するとともに、1週間当たりの利用可能日数を拡大しました。併せて、フレックスタイム制においてフレキシブルタイムを拡大することで、これまでより場所と時間について柔軟に働ける環境を整備しました。
d. 健康経営の強化
従業員の健康は会社のパフォーマンスに直結することから、当社及び国内連結子会社は従業員の健康を重視し、健康経営を推進することで生産性や業績の向上を目指しています。
具体的には、健康診断やメンタルヘルス対策を通じて、従業員の疾患の予防や生活習慣の改善に取り組み、生活習慣に関する5つの項目(食事、睡眠、運動、喫煙、飲酒)の目標を設定し、従業員の健康増進を積極的に推進しています。当社はこれらの取り組みを通じて2027年度までに健康経営優良法人「ホワイト500」の取得を目指します。
e. 福利厚生の充実
当社及び主要な国内連結子会社は、従業員が安心して働ける環境を整えるため福利厚生の充実に努めています。具体的には、独身寮や転勤者用社宅などの住宅支援、人間ドックなどの健診費用補助、従業員とその家族が割安に加入できるグループ保険、財形貯蓄や従業員持株会による資産形成支援などを整えています。今後は、より従業員ニーズやライフスタイルの多様化に対応した福利厚生の拡充を図り、従業員間の公平性を保ちながら満足度を高め、定着率の改善につなげていきます。
f. 従業員エンゲージメントの向上
当社は、会社のビジョンや経営者の考えを“トップメッセージ”として定期的にグループ会社の従業員に発信し、企業理念や価値観の共有を図っています。さらに、従業員の意見をアンケートやサーベイを通じて収集し、インナーブランディングを高める取り組みを推進することで従業員エンゲージメントの向上につなげています。また、人事制度や報酬制度などの情報を開示し、従業員の納得感を高めるようにしています。さらにマネジメント層の教育を強化し、複雑化するコミュニケーションに対応するための役割を高め、情報共有や権限委譲を推進し、従業員が自発的に取り組むことができる環境を整え、従業員のオーナーシップ(当事者意識・主体性)を促進しています。加えて、評価・給与体系などの制度やIT環境などインフラの充実を図り、従業員がストレスなく安心して仕事に取り組める、心理的安全性の高い職場づくりを進めています。
当社及び国内連結子会社では、従業員満足度調査に代えて、2024年度よりエンゲージメントサーベイを年2回実施しており、サーベイ結果を踏まえて従業員の期待や満足度合を把握し改善に繋げることで、更なるエンゲージメント向上を目指しています。
③ 指標及び目標・実績
当社の人的資本に関する指標及び目標・実績は以下の通りです。
なお、人的資本の取り組みは当社グループに属する全ての会社が一律に推進しているものではないため、次の 指標及び目標・実績は、特に記載が無い限り提出会社について記載しています。
方針 |
指標 |
2024年度 実績 |
目標 |
Ⅰ-a |
AI・デジタル技術者数※1 |
1,600人 |
2027年度までに3,200人とする |
Ⅱ-b |
管理職の女性比率※2 |
4.4% |
2030年度末までに7.5%以上とする |
Ⅱ-c |
男性社員の育児休業取得率※3 |
103.0% |
80%以上を維持 |
Ⅱ-f |
エンゲージメントスコア※4※5 |
B |
(2027年度)A (3ランクアップ) |
※1 デジタル関連技術の延べ保有者数(当社及び国内の連結子会社、非連結子会社、関連会社の技術者を対象に調査)
※2 女性活躍推進法の規定に基づく管理職に占める女性労働者の割合
※3 育児・介護休業法の公表基準に沿って算出した育児休業等及び育児目的休暇の取得割合
※4 リンクアンドモチベーション社が提供する「モチベーションクラウド エンゲージメント」を活用
会社・上司・職場に関する従業員の期待度と満足度を集計する独自の調査方法によって、組織のエンゲージメント状態を
可視化。Bは全国平均水準、Aは上位20%程度の水準
※5 当社及び国内連結子会社が対象