2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

音響機器事業 情報機器事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社10社により構成されており、音響機器、情報機器の開発及び製造販売を主たる事業として行っております。

 

 当社及び主要な関係会社の事業内容は以下のとおりであり、事業の区分は(セグメント情報等)に記載されている事業区分と同一であります。

(2025年3月31日)

区分

主要製品

主要な会社

音響機器事業

アナログレコードプレーヤー

SACDプレーヤー

ハイレゾリューションオーディオ再生機器

マルチトラックレコーダー

USBオーディオインターフェースメモリーレコーダー/プレーヤー

当社

ティアック アメリカ,INC.

ティアック ヨーロッパ GmbH

ティアック UK LTD.

ティアック マニュファクチャリング ソリューションズ㈱

ティアック オーディオ(チャイナ)CO., LTD.

東莞ティアック エレクトロニクス CO., LTD.

ティアック セールス アンド トレーディング(深セン)CO., LTD.

(会社総数9社)

情報機器事業

トランスデューサー

データレコーダー

医用画像記録再生機器

機内エンターテインメント機器

当社

ティアック アメリカ,INC.

ティアック ヨーロッパ GmbH

ティアック マニュファクチャリング ソリューションズ㈱

ティアック システム ソリューションズ㈱

ティアック オーディオ(チャイナ)CO., LTD.

東莞ティアック エレクトロニクス CO., LTD.

ティアック セールス アンド トレーディング(深セン)CO., LTD.

(会社総数10社)

その他

EMS事業

産業用光ドライブ

ティアック マニュファクチャリング ソリューションズ㈱

ティアック アメリカ,INC.

ティアック ヨーロッパ GmbH

(会社総数5社)

 

 以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

① 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっています。また、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響も我が国の景気を下押しするリスクとなっています。

 このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうちプレミアムオーディオ機器事業では、ESOTERICブランドにおいて、高音質、高付加価値な製品展開を推し進め、ブランド価値を高めることで、海外市場を伸ばし堅実な成長路線を引き続き目指してまいりました。TEACブランドにおいては、引き続き中高級機のReferenceシリーズの更なる強化により、収益とブランドイメージの向上に努めてまいりました。輸入ブランドにおいては、ブランドの持つ個性を訴求することで、ブランドの定着を強化してまいりました。音楽制作・業務用オーディオ機器事業(TASCAMブランド)では、業務用デジタルミキサーを軸としながら、周辺機器のラインナップ拡充も行っており、従来の録音再生機器とともに、更に柔軟で質の高いトータルシステムソリューションの提供を強みとしたBtoB事業の拡大に努めてまいりました。また、BtoC事業においては、製品ポートフォリオの選択と集中を進め、付加価値を明確に中高価格帯へ転換し、採算性の向上と市場シェアの拡大を目指してまいりました。情報機器事業では、当社のコアコンピテンスである「高度な記録と再生技術」をベースに計測、半導体、医療、移動体の各分野において独自技術や先端技術を組込んだ製品開発を行い、ニッチトップポジションの獲得を進めてまいりました。また、積極的な訪問営業により、ターゲット顧客に当社製品に対する投資メリットの理解を促す形で拡販を図るとともに、ユーザーから直接ヒアリングした意見やニーズを新製品の開発に取り込んでまいりました。

 当連結会計年度におきましては、TASCAMブランドBtoC事業のうちエントリー向けの低調ならびに情報機器事業の半導体製造装置向けの回復遅れにより、原価率の上昇及びその他事業の縮小に伴う減益の挽回が不十分となり、営業利益は前期と比較して減少しました。一方、為替相場の変動に伴い為替差損を計上しましたが前期と比較して損失が減少した事から、親会社の所有者に帰属する当期利益は増加しました。

 この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は15,668百万円(前期比0.0%減)、営業利益は340百万円(前期比23.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益81百万円(前期親会社の所有者に帰属する当期損失53百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

1) 音響機器事業

 音響機器事業の売上収益は11,044百万円(前期比1.0%増)となり、セグメント営業利益は1,219百万円(前期比2.2%減)となりました。

 プレミアムオーディオ機器(ESOTERICおよびTEACブランド)は、ESOTERICブランドにおいて、SACDプレーヤー、ネットワークプレーヤー、フォノアンプが好調に推移しました。TEACブランドにおいては、USB DAC、ターンテーブルカテゴリーが堅調に推移しました。輸入ブランドにおいては、Tannoyブランド、Klipschブランドのスピーカーが好調に推移しました。北米販売の成長もあり、プレミアムオーディオ機器全体では、前期比で増収となりました。

 音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において、年間を通じて音響設備工事需要が安定して推移したことにより主力録音再生機と各種周辺機器の販売が好調に推移しました。業務用ミキサーは、海外では前年に販売を開始したことによる反動減があり低調に推移しましたが、次世代IP伝送規格に準拠した放送局案件への導入が進んでおります。BtoC事業においては、クリエイター向け新製品効果により下期において好調な推移となりましたが、米国市場において上期に販売網の再編成を行った結果、市中在庫調整による出荷減が発生し低調に推移しました。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体では前期比で減収となりました。

 

2) 情報機器事業

 情報機器事業の売上収益は3,989百万円(前期比1.4%増)となり、セグメント営業利益は209百万円(前期比57.0%増)となりました。

 計測機器は、データレコーダーにおいて、防衛関連向けの大口案件の出荷に加え、第4四半期に上市された新製品の貢献もあり、販売が好調に推移しましたが、センサーおよびデジタル指示計においては、PCやスマートフォン用の半導体需要が緩やかな回復に留まり、当社製品のコア市場である、これらの半導体の製造装置向け販売が低調な推移となったことから、カテゴリー全体では前期比で減収となりました。医用画像記録再生機器は、国内の消化器内視鏡向けレコーダーの出荷が堅調に推移し、フラッグシップモデルの手術画像記録用4Kレコーダーも国内と北米における販売が大きく伸長したことから、前期比で増収となりました。機内エンターテインメント機器は、国内の船舶業界向けの取引が拡大し、機内サーバーも海外パートナー向け販売が開始されましたが、海外エアラインによる大口導入が来期に先送りとなった影響で、前期比で減収となりました。ソリューションビジネスは、医用向けサーバーの出荷が年間を通じて好調に推移し、前期比で増収となりました。

② 生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

2,619

△14.5

情報機器事業

1,488

4.9

その他

408

41.7

合計

4,515

△5.3

(注) 金額は製造原価によっております。

 

2) 受注実績

 当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。

 

3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

11,044

1.0

情報機器事業

3,989

1.4

その他

635

△21.6

合計

15,668

△0.0

 

③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

1) 財政状態の分析

資産合計

 当連結会計年度末における資産合計は10,815百万円と前連結会計年度末と比較して1,056百万円減少しました。主な増減は、現金及び現金同等物の増加325百万円、営業債権及びその他の債権の減少408百万円、棚卸資産の減少554百万円、有形固定資産の減少358百万円であります。

 

負債合計

 当連結会計年度末における負債合計は、7,257百万円と前連結会計年度末と比較して1,039百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の減少480百万円、社債及び借入金の減少227百万円、リース負債の減少309百万円であります。

 

資本合計

 当連結会計年度末における資本合計は、3,558百万円と前連結会計年度末と比較して16百万円減少しました。主な増減は、為替の円安に伴う在外営業活動体の換算差額の減少によるその他の資本の構成要素の減少46百万円、退職給付の再測定から発生した利益剰余金の減少22百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益81百万円の計上であります。

 

2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して325百万円増加し、1,552百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、1,178百万円のプラス(前期116百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費494百万円、金融収益及び金融費用215百万円、営業債権及びその他の債権の減少269百万円、棚卸資産の減少509百万円、マイナス要因として、営業債務及びその他の債務の減少486百万円、長期未払金の減少210百万円であります。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、115百万円のマイナス(前期106百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、有形固定資産及び無形資産の売却による収入2百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出117百万円であります。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、706百万円のマイナス(前期69百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の純増減額815百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出1,022百万円、リース負債の返済による支出375百万円であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定を過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の金額と異なる場合があります。

 なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用 及び 3.重要性がある会計方針」に記載しております。

② 経営成績の分析

 各事業における経営成績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。

 

1)売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、15,668百万円と前連結会計年度よりも4百万円減少しております。その他の事業の売上収益の減少が大きく影響しました。

 

2)営業利益

 営業利益は、340百万円と前連結会計年度よりも105百万円減少しております。

 

(a) 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、6,413百万円と前連結会計年度と比較して169百万円減少しております。

 

(b) その他の損益

 当連結会計年度のその他の損益は、44百万円の損失と前連結会計年度と比較して63百万円減少しております。これは、主に減損損失54百万円によるものであります。

 

3)当期利益

 当期利益は、81百万円と前連結会計年度よりも134百万円増加しております。

 

(a) 金融収益

 金融収益は、6百万円と前連結会計年度よりも2百万円減少しております。

 

(b) 金融費用

 金融費用は、287百万円と前連結会計年度よりも161百万円減少しております。

 

(c) 法人所得税費用

 法人所得税費用は、22百万円のマイナス(利益方向)と前連結会計年度よりも80百万円減少しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2024年3月15日においてシンジケートローンによるコミットメントライン(上限2,500百万円、2025年3月31日期日 ※延長後の満期日2026年3月31日)及びタームローン(1,300百万円、2028年3月31日期日)を締結しております。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とフリーキャッシュ・フローとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指しております。

 当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指すことで、営業利益、フリーキャッシュ・フローの改善を目指していきます。

セグメント情報

5.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営執行会議が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、本社にマーケット別の事業部を置き、各事業部は取り扱うマーケットについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 従って、当社は事業部を基礎としたマーケット別セグメントから構成されており、「音響機器事業」、「情報機器事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

報告セグメント

事業の内容

音響機器事業

ハイエンドオーディオ機器(ESOTERICブランド)、プレミアムオーディオ機器(TEACブランド)、

音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)の製造販売

情報機器事業

機内エンターテインメント機器、医用画像記録再生機器、計測機器の製造販売、他

 当社グループの最高経営責任者は各事業単位の内部管理報告を毎月レビューしています。

 

(2) 報告セグメントに関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社

合計

 

音響機器事業

情報機器事業

合計

外部顧客への売上収益

10,930

3,933

14,863

809

15,672

営業利益(△損失)

1,247

133

1,380

47

△982

445

金融収益

8

金融費用

△448

税引前当期利益

5

法人所得税費用

△58

当期利益(△損失)

△53

セグメント資産

5,528

2,253

7,781

385

3,705

11,871

減価償却費及び償却費

167

57

224

15

247

486

減損損失

資本的支出

270

96

367

23

49

439

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

全社

合計

 

音響機器事業

情報機器事業

合計

外部顧客への売上収益

11,044

3,989

15,034

635

15,668

営業利益(△損失)

1,219

209

1,428

21

△1,109

340

金融収益

6

金融費用

△287

税引前当期利益

59

法人所得税費用

22

当期利益(△損失)

81

セグメント資産

4,738

1,943

6,681

350

3,784

10,815

減価償却費及び償却費

178

65

244

13

238

494

減損損失

54

54

54

資本的支出

105

58

163

10

16

189

(注)1 その他事業には生産子会社によるEMS事業および海外販売子会社による光ディスクドライブ販売事業が含まれておりますが、報告セグメントの定量的な基準値を満たしておりません。

(注)2 セグメント損益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものであり、セグメント損益には、人事、法務、経理、財務、IR、経営企画、ファシリティ関連費用といった全社共通費用は含まれておりません。

 

(3)製品別情報

 報告セグメントに関する情報に同様の記載を開示しているため、記載を省略しております。

 

(4)地域別情報

 所在地別の売上収益及び非流動資産(金融資産、繰延税金資産、退職給付に係る資産を除く)は以下のとおりです。なお、売上収益は顧客の所在地によっております。非流動資産は資産の所在地によっております。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

米大陸(注)

欧州

アジア

その他

合計

売上収益

7,691

3,148

3,192

1,334

307

15,672

非流動資産

1,966

12

62

306

2,346

(注) 米大陸のうち、米国における当連結会計年度末の売上収益は2,993百万円であります。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

米大陸(注)

欧州

アジア

その他

合計

売上収益

7,631

3,312

3,163

1,344

219

15,668

非流動資産

1,696

15

48

226

1,985

(注) 米大陸のうち、米国における当連結会計年度末の売上収益は3,107百万円であります。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上収益の10%以上を占める重要な単一顧客はありません。