堀場製作所【6856】のコーポレートストーリー

サマリ

・HORIBAは1953年に堀場雅夫氏により設立され、赤外ガス分析装置や自動車排ガス測定装置の開発を皮切りに成長してきた企業です。現在は「モビリティ」「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「ヘルスケア」「先端材料」「半導体」という6つの事業領域を軸に、独自の光学・分析技術を駆使してグローバル展開を進めています。2024～2025年度版では、中長期経営計画「MLMAP2028」に基づく事業・人財・サステナビリティの取り組みと進捗が詳述されており、技術革新を通じた市場拡大と社会課題解決への挑戦が一貫したテーマとなっています。

過去

1953年に堀場雅夫氏が創業し、日本初の自動車排ガス測定装置を開発。以降、環境分析機器や医用機器などへ事業を拡大し、グローバルに展開してきた。

創業当初、堀場雅夫氏は計測技術を基盤に「より良い環境を次世代へ残す」という理念のもと、1953年に堀場製作所を設立しました。1960年代には世界に先駆けて自動車排ガス測定装置を商用化し、日本国内外の自...

現在

現在は6つの事業領域（モビリティ、環境・エネルギー、ライフサイエンス、ヘルスケア、先端材料、半導体）で分析・計測機器と関連ソリューションを提供し、グローバルに展開している。

各事業領域では、独自の光学分析技術やセンシング技術を核に製品・サービスを提供しています。モビリティ分野では、自動車メーカー向けに排ガス測定装置やバッテリーテストベンチを供給し、環境規制対応を支援。環境...

未来

中長期経営計画「MLMAP2028」に基づき、2028年度までに「事業」「人財」「サステナビリティ」の3つの戦略を推進し、市場シェア拡大と技術革新を通じて持続可能な成長を目指す。

HORIBAは、社会環境の変化を「カーボンプライスの上昇」「規制強化」「DXの進展」と捉え、これらを成長機会と捉えています。具体的には、「MLMAP2028」において以下の戦略を掲げています。事業...

目指す経営指標

2028年度までに売上高2,500億円以上

2028年度までに営業利益率12％以上

2028年度までにROE15％以上

2028年度までに製造拠点CO?排出量を2018年度比30％削減

2028年度までに女性管理職比率20％以上

トップメッセージの要約

ほんまもん

勝ちにいくタイミング

MLMAP2028

Our Future

MAXIMIZE VALUE

代表取締役会長兼グループCEO 堀場厚氏は、2023年12月期に売上高・営業利益など過去最高を更新し、株価が10,000円を超えた原動力は、HORIBAならではの“ほんまもん”ソリューションとグロ...

専門用語

■MLMAP2028
中長期経営計画の名称で、“Management and Leadership Management Action Plan 2028”の略称です。2024年度から2028年度までの5年間を対象に、事業戦略・人財戦略・サステナビリティ戦略の3本柱で成長を加速させるための具体的な指針を示しています。売上高5,000億円、営業利益800億円、ROE12％以上などの数値目標を掲げ、エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケア、先端材料・半導体の3分野に重点投資する枠組みです。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■IRLAM?（アイアールラム）
堀場製作所が1970年代に開発した赤外ガス分析技術のブランド名です。IR（Infrared：赤外線）とLAM（Laminar：層流）を組み合わせた造語で、赤外線を用いてガス成分を高精度に分析する仕組みを指します。工場排ガスや大気サンプリングなどで利用され、検出感度と信頼性の高さが特徴です。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■赤外ガス分析装置
赤外線を利用してガス中の成分（CO?、NO?、SO?等）を定量分析する装置です。赤外線をガスに照射し、特定波長の吸収量から成分濃度を測定します。堀場製作所ではIRLAM?技術を搭載した製品を1970年代から手がけ、環境規制対応や研究用途で多く採用されています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■自動車排ガス測定装置
自動車から排出されるNO?、CO、HCなどの有害成分をリアルタイムで分析・計測する装置です。エンジン試験や車両開発過程で排ガス基準への適合状況を検証するために使用され、信号処理やセンサー技術を組み合わせて高精度かつ高速な測定を実現しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■半導体プロセス測定装置
半導体製造工程におけるプラズマ処理やエッチング、膜厚形成などの各プロセスで、プラズマ中の成分や薄膜の特性（膜厚、組成など）をリアルタイムに測定・解析する装置を指します。プロセスの最適化や品質管理のために欠かせない機器であり、堀場製作所では多種多様なガス分析モジュールやリアルタイムモニタリング機能を提供しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■医用臨床検査機器
病院や検査センターで血液・尿・組織などの生体サンプルを分析し、診断や治療方針の決定に必要な生化学的データを得るための装置です。血液ガス分析装置や生化学自動分析装置などを含み、高い精度と保守性が求められます。堀場製作所は臨床検査用分析装置を1980年代から開発し、グローバルに販売しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■バッテリーテストベンチ
リチウムイオン電池など二次電池の充放電性能や寿命、熱挙動を評価するための試験装置です。電流・電圧・温度などを制御しながらサイクルテストを行い、セル単位やモジュール単位で性能データを取得します。電動車（EV）やハイブリッド車（HEV）向けの電池開発において、信頼性評価や製品品質向上に必要な機能を備えています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■大気・水質モニタリング装置
大気中の微粒子やCO?、NO?、SO?などの大気汚染物質、あるいは河川・湖沼・排水中のpH、COD、重金属イオンなどを継続的に測定・監視するための装置を指します。環境省や自治体の環境規制に対応するため、屋外設置型の連続監視システムとして導入されるほか、産業プラントで排水管理用途にも用いられます。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■燃料電池評価システム
燃料電池セルやスタックの発電効率、耐久性、疲労特性などを評価するための試験装置です。電流・電圧を制御しつつ、温度や圧力などの運転条件を再現し、性能データや劣化挙動を解析します。水素社会実現に向けて燃料電池技術を推進するため、研究開発機関や自動車メーカー、燃料電池メーカーで利用されています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■遺伝子解析プラットフォーム
DNAやRNAなどの遺伝子情報を高感度かつ高スループットで解析するための一連の装置・ソフトウェアの総称です。シーケンサーやPCR装置、DNAチップなどを組み合わせて、ゲノム解析、遺伝子発現解析、検査用途に対応します。堀場製作所では、臨床研究やバイオ医薬品開発を支援するための遺伝子解析機器を提供し、プラットフォームとして運用できるシステムを構築しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■DX（デジタルトランスフォーメーション）
「Digital Transformation」の略称で、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデル、組織体制を革新し、新たな価値を創出する取り組みを指します。堀場製作所では、クラウド連携やAI解析を通じて顧客の製造現場や研究現場の効率化を図り、IoTプラットフォームを構築してデータ駆動型経営を推進しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■CSR（企業の社会的責任）
「Corporate Social Responsibility」の略称で、企業が事業活動を通じて法令遵守や環境保全、社会貢献などを果たし、持続可能な社会の実現に寄与する責任のことです。堀場製作所は製品開発や生産過程で省エネ・省資源を推進するとともに、サプライチェーン全体で環境負荷低減に取り組むことでCSRを強化しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■ESG（環境・社会・ガバナンス）
「Environmental, Social, and Governance」の略称で、企業の非財務評価基準のひとつを指します。環境（Environment）、社会（Social）、企業統治（Governance）の観点から企業活動を評価し、投資家やステークホルダーへ透明性の高い情報開示を促す指標です。堀場製作所はESG評価向上を目指し、CO?削減や多様性推進などの具体的な目標を設定しています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025

■ROE（自己資本利益率）
「Return on Equity」の略称で、株主資本（自己資本）に対してどれだけ効率的に利益を創出したかを示す指標です。ROE＝当期純利益÷自己資本×100％で算出され、高いほど株主に還元する利益創出力が高いと判断されます。堀場製作所では「MLMAP2028」でROE12％以上を目標に掲げています。
参照元：HORIBA Report 2024-2025