事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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受託製品 | 8,109 | 64.5 | 1,444 | 51.0 | 17.8 |
自社製品 | 4,472 | 35.5 | 1,388 | 49.0 | 31.0 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、自社製品及び受託製品からなる産業用電子機器の製造・販売を行っております。自社製品におきましては組込みモジュール、画像処理モジュール、計測通信機器の製造・販売並びに受託製品におきましては半導体製造装置関連、産業用制御機器、計測機器の製造・販売を主な内容とし、更に各事業に関連する製品開発等を展開しております。
当社の事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(自社製品)
自社製品は、独自に開発、製造を行っており、得意先へ販売しております。
(受託製品)
受託製品は、開発、製造販売を行っており、主要な得意先である㈱ニコン、東京エレクトロン㈱及びその他の得意先に販売しております。
以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資が持ち直し、景気は一部に足踏みがみられるものの緩やかに回復しております。一方で世界経済では、地政学的なリスクの増大、金融引締めや物価上昇などが景気の下押しリスクとなり、先行きが不透明な状況となっております。
当社に関連深い半導体製造装置市場は、設備投資需要については、足元では底打ちから回復の兆しも見られますが、部材等の在庫調整は続いており、発注までの需給ギャップの解消には、なお時間を要する状況となっております。
このような経営環境のもと、当社では、引続き中長期での需要の増加に備えた必要な先行投資を行いつつ、お客様の装置の付加価値向上に資する製品の提供に努めてまいりました。一部で在庫調整が生じ次期にずれ込んだことから、当事業年度の売上高は減少いたしました。
この結果、当事業年度における売上高は12,580百万円(前期比12.6%減)、営業利益は2,095百万円(前期比12.6%減)、経常利益は2,274百万円(前期比8.9%減)、政策保有株式の見直しによる資産効率の向上を図るため、前事業年度と同様に投資有価証券の一部を売却したことによる、投資有価証券売却益の計上により、当期純利益は5,256百万円(前期比23.1%増)となりました。
当社は、事業内容を2つの報告セグメントに分けております。当事業年度におけるセグメント別の状況は次のとおりであります。
① 受託製品
当該セグメントは、半導体製造装置関連、産業用制御機器および計測機器の開発・製造・販売を行っております。部材入手難の解消が進み、受注残の製品が完成、納品されましたが、一部で在庫調整が生じ、次期にずれ込んだことにより、全般的な産業用装置における設備投資は、想定を下回り推移いたしました。
この結果、売上高は8,108百万円(前期比18.7%減)、主に、セグメント利益(営業利益)は1,444百万円(前期比2.1%減)となりました。
当該セグメントの品目別売上の状況は次のとおりであります。
イ)半導体製造装置関連
当該品目は、半導体製造装置の制御部を提供しております。部材の供給難の解消が進み、受注残の製品の完成、納入が進みましたが、高額部材の価格転嫁分が減少したこと、一部で在庫調整が生じ、次期にずれ込んだことから、出荷全体として想定を下回り推移いたしました。
この結果、売上高は6,631百万円(前期比25.7%減)となりました。
ロ)産業用制御機器
当該品目は、各種の産業用装置、社会インフラ関連の制御部の開発・製造を行いカスタマイズ製品として提供しております。受注残の消化が進んだことにより、検査装置関連の増加もあり堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は1,026百万円(前期比41.1%増)となりました。
ハ)計測機器
当該品目は、各種計測機器のコントローラ、通信機器の制御部の開発・製造を行いカスタマイズ製品として提供しております。一部顧客の増加もあり、ほぼ想定どおりで推移いたしました。
この結果、売上高は450百万円(前期比42.8%増)となりました。
② 自社製品
当該セグメントは、組込みモジュール、画像処理モジュールおよび計測通信機器の開発・製造・販売と、自社製品関連商品の販売を行っております。部材入手難の解消が進み、受注残の製品が完成、納入されたことにより、堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は4,471百万円(前期比1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は、主に、研究開発費の継続投資により1,387百万円(前期比11.6%減)となりました。
当該セグメントの品目別売上の状況は次のとおりであります。
イ)組込みモジュール
当該品目は、半導体製造装置、医療機器関連、FA全般、電力・通信関連向けに提供しております。医療機器関連および電力関連を中心に想定を上回り推移いたしました。
この結果、売上高は644百万円(前期比23.5%増)となりました。
ロ)画像処理モジュール
当該品目は、FA全般、各種検査装置、液晶関連機器に提供しております。一部製品において入手難であった部材の入手が進み、受注残の一部が解消されたことで、全体として想定どおりで推移いたしました。
この結果、売上高は1,872百万円(前期比4.1%減)となりました。
ハ)計測通信機器
当該品目は、超高速シリアル通信モジュール「GiGA CHANNEL」シリーズを提供しております。「GiGA CHANNEL」シリーズ関連の検査装置向けの受注は、全体として想定どおりで推移いたしました。
この結果、売上高は1,820百万円(前期比2.3%減)となりました。
ニ)自社製品関連商品
当該品目は、自社製品の販売促進とシステム販売による高付加価値化を図るため、ソフトウェアおよび付属の周辺機器を提供しております。自社製品関連商品は、概ね堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は134百万円(前期比62.8%増)となりました。
当社を取り巻く環境はあるものの、経営方針に基づき、経営資源を投入し、自社製品技術をベースにした提案型製品の増強等により受託製品の販売の増加を継続するとともに、自社製品においては、更なるシリーズ化を継続し、受託製品の複合化も含めての製品の差別化を行い、受託製品および自社製品の両輪にて、強固な経営基盤および事業基盤を確立いたします。
(2)財政状態の状況
① 資産
当事業年度末における資産は27,503百万円(前事業年度末比447百万円の減少)となりました。
流動資産につきましては、増加要因として、現金及び預金が45百万円、商品及び製品が353百万円、原材料及び貯蔵品が846百万円とそれぞれ増加しております。
なお、棚卸資産の増加のうち、原材料及び貯蔵品は、顧客に対する供給責任を果たすため原材料を購入し確保しておりますが、当社に関連深い半導体製造装置市場の設備投資需要の影響により、発注までの需給ギャップが生じており在庫が増加しております。
減少要因として、営業債権の減少となり、売掛金が119百万円、契約資産が40百万円、電子記録債権が36百万円とそれぞれ減少しております。
この結果、1,060百万円増加し18,843百万円となりました。
固定資産につきましては、主に、生産拠点である厚木事業所の増築工事が、2023年9月に完了し、工事完了に伴い生産ラインの再構築を行い、設備導入を行ったことによる増加(472百万円)となります。
また、建設仮勘定は、主に、新たに開発拠点を山梨県韮崎市にR&Dセンターとして設置するため建設を行っており、445百万円増加しております。
減少要因として、投資その他の資産が投資有価証券の時価変動の影響等により2.433百万円減少しております。
この結果、1,507百万円減少し8,660百万円となりました。
② 負債
当事業年度末における負債は4,723百万円(前事業年度末比2,352百万円の減少)となりました。
流動負債につきましては、主に、支払手形が688百万円、買掛金が466百万円、未払法人税等が286百万円、未払消費税等が127百万円とそれぞれ減少しております。
この結果、1,544百万円減少し3,474百万円となりました。
固定負債につきましては、繰延税金負債が808百万円減少し1,249百万円となりました。
③ 純資産
当事業年度末における純資産は22,780百万円(前事業年度末比1,905百万円の増加)となりました。
増加要因として、その他資本剰余金が12百万円、利益剰余金が3,717百万円それぞれ増加しております。
減少要因として、主に、その他有価証券評価差額金が1,825百万円減少しております。
また、当社が目標とする経営指標の自己資本比率(80%以上)は、82.8%(前事業年度末比8.1%の増加)となり、自己資本当期純利益率(9%以上)は、24.08%(前事業年度21.74%)となりました。
なお、自己資本当期純利益率が目標の9%以上を大きく上回っておりますが、これは、投資有価証券売却に伴う影響を受けております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、6,738百万円(前事業年度末比45百万円の増加)となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計した、フリー・キャッシュ・フローは、当事業年度は 1,582百万円の増加(前事業年度は3,761百万円の増加)であります。
営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローの主な内容は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,354百万円の減少(前事業年度は454百万円の増加)となりました。
主に、投資有価証券売却益の計上、棚卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払等の減少要因が、税引前当期純利益および減価償却費の計上、売上債権の減少といった増加要因を上回ったことによる減少となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,937百万円の増加(前事業年度は3,306百万円の増加)となりました。
これは、投資有価証券の売却による収入といった増加要因が、固定資産の取得等の減少要因を上回った事による増加となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,537百万円の減少(前事業年度は565百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払による減少となります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は製造原価にて表示しております。
2 自社製品セグメントにおいては、記載した詳細品目に付属する周辺機器の提供として、自社製品関連商品の販売を行っておりますが、当該仕入実績は、② 商品仕入実績として別途記載しております。
② 商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格にて表示しております。
③ 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格にて表示しております。
2 自社製品セグメントにおいては、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売額に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当項目に記載されている将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載したとおりですが、その他の事項としては以下のとおりであります。
① 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前事業年度10,167百万円に対し、当事業年度は1,678百万円減少し、8,489百万円となりました。
当事業年度における、売上高に対する売上原価の比率は、前事業年度70.7%に対して当事業年度は67.5%と3.2%減少となりました。これは、前事業年度は、高額部材の価格転嫁を行っておりましたが、部材入手難の解消が進み、受託製品と自社製品の売上に占める構成比率は、前事業年度は、それぞれ受託製品売上は69.3%、自社製品売上は30.7%、当事業年度はそれぞれ受託製品売上は64.5%、自社製品売上は35.5%と、自社製品売上割合が増加したことが要因となります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度1,826百万円に対し、当事業年度は168百万円増加し、1,995百万円となりました。
これは、主に、新たな技術リソース獲得のための積極的な研究開発活動による、研究開発費の増加によるものとなります。また、当事業年度は、厚木事業所の増築工事(事務棟)に伴う備品等の購入も増加要因となっております。
当社が、目標とする経営指標の1つに、売上高経常利益率を23.0%以上と掲げております。実績としては、18.1%となっております。
② 営業外損益
営業外収益は、前事業年度98百万円に対し、当事業年度は80百万円増加し、178百万円となりました。主な要因としては、助成金収入の計上および受取配当金の受入による増加となります。
③ 特別損益
特別利益は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載したとおり、投資有価証券売却益5,154百万円を計上しております。
特別損失は、固定資産除却損の計上となります。
④ 法人税等
税効果会計適用後の法人税等は、前事業年度1,719百万円に対し、453百万円増加し、2,172百万円となりました。これは主に税引前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税の増加によるものとなります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保による自己資本を中心として財源を確保しております。
短期運転資金は自己資金を基本といたします。
なお、当社の資金の流動性につきましては、投資有価証券売却に伴う収入、棚卸資産の増加といった要因があり当事業年度の流動比率は542.4%と前事業年度の流動比率354.3%から増加しております。
② 資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の仕入、外注費の支払および製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、品質および生産並びに製造技術効率の向上のための設備投資であります。なお、当事業年度においては、新製品開発のため、研究開発に特化した拠点の建設投資を行っております。
③ 財務政策
当社の主たる市場である半導体業界は、特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。このような方針のもとに、現在、運転資金だけでなく設備投資資金における需要についても、内部資金にて対応しております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額および報告期間における収益・費用の報告金額に対して、影響を与える見積り、判断および仮定を行う必要があります。見積りおよび判断は、過去の実績や状況等に応じ合理的であると考えられる方法に基づいて行われております。当社の重要な会計方針のうち、見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のものであります。
① 棚卸資産
当社は、棚卸資産については、滞留期間に応じて収益性の低下に基づく簿価切り下げ額の測定を行っており、将来、正味売却可能価額がさらに低下した場合または陳腐化資産が増加した場合、追加の評価減が必要となる場合があります。
なお、棚卸資産の評価に関しては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 繰延税金資産
当社は、繰延税金資産については、将来の一定期間における課税所得の発生やタックス・プランニングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得見積りに依存しているため、その見積りの前提となる仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産の取り崩しが必要となり、当該期間における税金費用が増加する可能性があります。また、追加的に繰延税金資産の回収可能性があると判断された場合には、当該期間において税金費用が減少することになります。
③ 非上場株式の評価
非上場株式の評価については、投資時点の事業計画の達成可能性および財務体質並びに回復可能性等を総合的に勘案した結果、減損損失を計上した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ その他
開発業務における収益認識に関しては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。