2026年6月期有価証券報告書より
  • 社員数
    534名(単体) 1,335名(連結)
  • 平均年齢
    40.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    8.7年(単体)
  • 平均年収
    18,811,567円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    11.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 ①人材戦略

 当社は、1960年の創業以来、光応用技術と検査・測定技術をコアに、お客さまの課題に真摯に寄り添い続けることで、唯一無二の半導体検査装置メーカーとしての確固たる地位を築いてきました。「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」という経営理念のもと、従業員一人ひとりの自由な発想から生み出される斬新なアイデアと、それをカタチにする組織力・チーム力によって、社会課題を解決し、新たな時代を創造することを目指しています。

 当社グループは、お客さまの技術課題をいち早く把握し、最適な製品及びサービスを迅速に提供するとともに、納入後も継続的かつ真摯にサポートすることで、お客さまとの長期的な信頼関係の構築を目指しています。その実現に向け、フラットで柔軟な組織を活かして意思決定、製品開発及び顧客対応のスピードを高める「スピード決定・開発・対応戦略」、高い技術力と付加価値で差別化できる市場に注力し、世界的なリーダー企業との緊密な情報共有及び信頼関係を事業機会の拡大につなげる「グローバルニッチトップ戦略」、生産を外部に委託し、エンジニアを研究開発及びお客さま対応に集中させる「ファブライト戦略」を推進しています。

 当社を取り巻く半導体市場は、AI技術の開発というフェーズから、AIが基盤となり、それを活用、発展させていく社会に進化していく中で、かつてない成長フェーズを迎えています。半導体需要は生成AIやIoT、データセンターなど、様々な用途で拡大を続けています。

 一方で、世界情勢に目を向けると、「VUCA時代」という言葉に象徴されるように、先行きが見通せない不確実かつ複雑な時代に突入しています。地政学的リスクの高まりに伴うサプライチェーンの複雑性も、企業経営にとって大きなリスクとなる可能性があります。

 しかし、当社はこのような不確実性を孕んだ社会環境を決して悲観していません。むしろ挑戦や圧倒的な成長の大きなチャンスと捉え、投資を加速させていきます。

 当社グループがイノベーションを起こし続けて、持続的な成長を実現するために最も重要な要素と考えているのが、「人的資本」すなわち「人」です。

 人的資本を中期経営計画達成のための最重要戦略資本と位置づけ、経営戦略と一体となった人材戦略を遂行していきます。

 この方針に基づき、当社グループは以下5点を重点施策として取り組んでいくことで、中期経営計画で掲げている技術力・製品開発力の確保・向上、あらゆるステークホルダー(従業員、お客さま、サプライヤー等)との関係強化を実現しています。

 

a)人材採用

 「人」不足が開発進捗の遅れに繋がらないように、人材採用は積極的かつタイムリーに行っています。

 新卒採用においては、経営幹部候補人材の獲得を主眼に、大学との関係性や連携を強化し、企業セミナーや会社見学、インターンシップ等の機会を数多く設定し学生との接点を増やしています。丁寧な情報提供を行うことで双方のマッチング精度を高め、入社後の高い定着率や活躍、成長に繋がっています。

 中途採用においては通年で実施しており、ダイレクトリクルーティングやリファラル・アルムナイ採用といった新しい手法も活用することで、多様化した人材の採用に繋がっています。

b)人材育成

 全ての新入社員に対して教育担当のOJTリーダーをつけて、約1年間丁寧に指導することで、新入社員の早期の立ち上がりをサポートしています。

 また、コミュニケーションや交渉術といったビジネススキル研修や、様々なテーマの階層別研修(管理職、中堅、若手、新入社員等)、各種高度専門技術研修を実施することで、従業員の能力開発を行っています。

 また、「開発会議」や「デザインレビュー」という部門横断的な新技術発表・検討会を日常的に開催しています。様々な知見のヨコ展開をしたり、時には技術者本人が発表者になったりすることで、自らの研究成果やアイデアを更にブラッシュアップさせて、自身の学びや成長に繋げる機会となっています。

 特にデザインレビューは、テーマも形式も自由な議論の場です。誰でも開催することができ、かつテーマに興味がある人は部署を越えて誰でも参加することができます。そのようなオープンな場だからこそ、様々な人的・知的交流が行われ、新しい発想が生まれやすい雰囲気が醸成されます。上層部からの指示で動くのではなく、各人が自分の頭で考える習慣を身に着けて、主体的に動き出せるようになることが、当社の競争力の源泉となっています。

 将来の幹部・リーダー候補養成のためには、候補者を早期に製品開発リーダーにアサインすることで、人材の抜擢登用も積極的に行っています。

c)海外現地法人との人材交流(出向および出向受け入れ)

 海外現地法人の顧客サポート力強化および海外現法スタッフの技術力向上のために、本社と海外現地法人間で人材交流を行っています。当社から海外現地法人に出向する技術系社員は、製品・装置のスペシャリストとして海外現法スタッフに技術教育をし、顧客サポートも共に行います。また、海外現地法人から本社への出向者は当社にて開発の現場に立ち会うことで装置への理解を深め、その知識を顧客サポートにおいて生かしています。

 d)自律的なキャリア形成支援

 当社は従業員一人ひとりが自律的に自身のキャリアを選択し、いきいきと楽しく働くことを期待しています。当社を取り巻く事業環境が目まぐるしく変化する中で、個々の従業員の変化対応力(レジリエンス)がより重要となっています。それらを支える制度として「異動希望申請」制度があり、これまでに多数の社員の異動が実現しています。

 e)幸福度の向上

 当社の最大の競争優位性は「人材」です。当社で働く全ての人が幸福を感じながら働ける環境こそが、持続的なイノベーションを生み出す原動力になると考えています。外部の学術機関の協力のもと、定期的に「幸福度調査」を実施しています。調査によって従業員の内発的動機や創造性を可視化することができ、特定の因子が低下した場合には、当該部門の部門長と人事部門、経営陣が連携して改善策を検討・実施するなど、コミュニケーションの活性化やマネジメントの改善に繋げていきます。

 幸福度は企業の業績とも高い相関があることが統計的に示されています。当社は幸福度調査を通じて科学的かつ実践的に経営基盤の強化に努めていきます。

 

  なお、当社グループの人的資本に関する指標及び目標は、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)指標及び目標」に記載しています。

 

②従業員給与等の額および内容の決定に関する方針

 当社は人的資本を最も重要な経営資源の一つと位置づけています。全ての人事施策は、従業員がモチベーション高く会社目標および個人目標の達成に全力で、かつ安心して取り組めるようになるものであるべきと考えています。その根幹を支えるのが報酬制度です。

 当社報酬制度は、「会社業績へのコミットメント」、「個人のパフォーマンス」、「従業員の市場価値」及び「従業員の心理的安全性」を高度に最適化させています。そして優秀な人材を確保するために、国内外のマーケット報酬データ等をベンチマークしたうえで、戦略的な報酬水準とすることを基本方針としています。

 給与額等の決定に関しては、従業員の構成が多様化していることを鑑みて、年齢や性別、勤続年数、新卒・中途入社といった属人的な要素によらず、個々の従業員の役割や責任の大きさ、人事評価の結果等に基づいて公平・公正に決定します。

主な給与・報酬の構成は、以下のとおりです。

 a)基本給

 b)賞与(年2回)

 c)手当(従業員持株会奨励金、妊娠・出産祝金等)

 

それぞれの構成要素の基本方針は、以下のとおりです。

 a)基本給

 職務、役割、経験、能力、および優秀な人材確保のための処遇競争力維持をふまえて、基本給の水準を設定しています。賃上げについては、事業年度ごとの個人の人事評価の結果によって基本給の改定額が決まる仕組みとなっており、「定期昇給」や「ベースアップ」という概念はありません。

 なお、日本国内の物価動向や更なる人的資本への投資、採用競争力の維持・強化の観点から、2024年から2026年にかけて職位ごとの基本給の給与レンジを引き上げ、評価に応じた改定額も2024年から3年連続で増額しています。新卒採用の初任給についても、上記の考え方から2025年に引き上げました。

 b)賞与

 従業員の会社業績へのコミットメントを高めるために、業績連動型の賞与を採用しています。具体的には当該事業年度の営業利益額が賞与原資に反映され、個人の人事評価の結果に基づいて支給額が決定されます。

 業績に連動した賞与制度によって、従業員のチャレンジと成長が促され、自律的なキャリア形成の実現にも繋がっています。基本給と賞与それぞれの制度の組み合わせが、従業員の成長と生活の安定の高度なバランスを確保しており、高収益を達成することで日本トップクラスの報酬水準の実現を図っています。

 c)手当

 従業員の多様なライフスタイルやライフステージを支援するために、様々な手当を充実させています。

 (従業員持株会奨励金)

 従業員の長期的な資産形成を支援するとともに、当社株式の保有を通じて当社の株価および企業価値向上に対する意欲を高めることを目的として、給与控除により当社の普通株式を毎月一定額買い付けすることができる従業員持株会制度を導入しています。社員は任意で加入することができ、従業員の拠出金に対して会社から一定割合で奨励金が上乗せされます。

 (妊娠・出産祝金)

 少子化という社会課題の解決の一助となるべく、当社は従業員の妊娠・出産を支援しています。具体的には妊娠祝金として10万円、第一子、第二子の出産に50万円、第三子以降の出産に100万円をお祝い金として支給しています。

 

 当社は、これらの基本方針および基本方針に基づく各種報酬は、社員一人ひとりの人材価値を高め、価値の創造を通じて経営戦略の実現を支える重要な人的資本投資と位置づけています。今後も収益拡大や社会環境の変化をふまえながら、魅力ある報酬制度の実現に努めてまいります。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

2026年6月30日現在

従業員数(人)

1,335

(注)1.従業員数は就業人数であります。

2.当社グループの事業は、検査・測定装置の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

3.当連結会計年度の従業員の増加の主な理由は、研究開発、装置立上げ及びサービス体制を強化するための採用によるものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

2026年6月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

534

40.1

8.7

18,811,567

11.9

(注)1.従業員数は就業人員であります。従業員数には、出向者は含まれておりません。

2.平均年間給与は、賞与及び時間外手当等の基準外賃金を含んでおります。

3.当社の事業は、検査・測定装置の設計、製造、販売を行う単一のセグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

4.当事業年度の従業員の増加の主な理由は、研究開発、装置立上げ及びサービス体制を強化するための採用によるものであります。

 

③労働組合の状況

 労働組合はありません。

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1、2

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)1、3

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1、2、4

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者(注)5

3.2

59.3

70.7

76.3

37.3

(注)1.対象期間は2026年6月期(2025年7月から2026年6月まで)です。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4.男女の年齢構成の違い及び女性の管理職比率が主な差異要因です。制度上の格差はありません。

5.パート・有期雇用者は、定年後の有期嘱託社員及び有期契約社員(管理職を含む)、有期パートタイム労働者を含んでおります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりです。

 なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 

 当社グループは、創業以来の経営理念「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」の具現化を追求し、サプライヤーの皆さま並びにお客さまと協働しながら、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで、中長期的な企業価値向上を実現し、サステナブルな社会の実現に寄与するよう努めてまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループはサステナビリティに関する重要事項について、企画部門が所管するサステナビリティに関する推進チームにおいてとりまとめられたサステナビリティに関する活動方針や取り組みの検討・推進状況について、取締役会が適宜報告を受け、監督しています。報告を受けた取締役会はステークホルダーからの要請や外部評価機関からの評価、同業他社との取り組み状況の比較等を基に対応方針を判断し、推進チームに対応と適宜進捗報告を指示しています。

 

 

(2)戦略

 事業を通じて社会課題を解決するという視点から、下表の通り「経済・社会価値を生み出す製品開発力」「顧客ニーズを迅速に実現する対応力」「持続可能なサプライチェーン」「人材を活かす組織体制・風土」「持続可能性に配慮したガバナンス体制」をマテリアリティ(重要課題)として特定し、その実現に向けた活動を推進しています。

経済・社会価値を生み出す製品開発力

当社が生み出す価値の源泉は、当社のもつ製品開発力にあると言っても過言ではありません。常に新しい事業の開発を目指すこと、そのためにイノベーションを生み出す開発・製造体制を構築・維持・向上することは、当社にとっての最重要課題と言えます。そして、「事業を通じて社会課題の解決に貢献する」という視点から、環境に配慮した製品の実現も極めて重要であると認識しています。

顧客ニーズを迅速に実現する対応力

当社が製品開発を通じて社会貢献するためには、市場のニーズに応えた製品をタイムリーに提供する対応力を有することが重要です。そのためには、既存ビジネスにおいて顧客ニーズに応え続けること、そして新たな顧客ニーズをいち早く把握する努力が不可欠です。また、当社顧客の大半が海外顧客であることから、安心して製品を使用していただくため、グローバルサポート体制を構築・維持・増強することが重要です。

持続可能なサプライチェーン

当社は自社の経営資源を研究開発に集中投下し、製品製造については外部の協力会社に委託するファブライト戦略を採用しております。その実現のためには、当社が求める高度な技術を有する協力会社さま、サプライヤーさまとのパートナーシップが不可欠です。また、当社製品の製造のために持続可能な形で原材料を調達するとともに、サプライチェーンにおける人権や環境問題への取り組み状況を把握し、必要であれば改善することも重要であると認識しています。

人材を活かす組織体制・風土

当社の製品開発力を実現するには、研究開発に携わる人材の育成と確保が極めて重要なことは言うまでもありません。また、お客さまに素早くソリューションを提供するには、迅速な決断と実行を可能にするフラットで柔軟な組織風土を醸成し、維持することも同様に重要です。そして、当社の成長を支える従業員の健康と安全は当社にとっての最重要課題の一つです。当社はグローバルにオペレーションを展開しており、それぞれの地域のビジネスに精通したローカル人材を登用しております。従業員の多様性や人権への配慮も欠かすことができない課題と認識しています。

持続可能性に配慮したガバナンス体制

地球温暖化などの環境問題の解決に寄与するため、当社製品の製造過程で消費するエネルギーの管理体制を構築していきます。当社が直面する可能性のあるESGリスクを抽出し、モニタリングと開示に努めます。当社の成長と社会の発展を持続的に実現するため、リスクマネジメントとコンプライアンスを軸としたガバナンス体制を維持し、常に向上に努めることが重要であると認識しています。

 

① 環境

 環境については、以下の中長期ビジョンの実現を目指し、さまざまな環境保全活動を推進しています。

・ 半導体、FPD等の性能向上と低消費電力化、歩留り改善に役立つ革新的な検査・計測装置の開発を行い、世界中で使用されている電子機器や産業機器の省エネルギー化に貢献する

・ SiCやGaNを使った次世代パワー半導体の実用化及び電気自動車の普及に不可欠なリチウムイオン電池などの二次電池の性能と安全性の向上に貢献する

・ 生成AI、IoT、5G/6G、データセンターなど半導体の用途が広がり、当社製品の市場は中長期的に大きく成長することが期待されます。一方、これに比例して当社の生産・営業活動による温室効果ガス排出量が増加しないよう、排出量を売上原単位で管理して低減させる

・ 製造を委託している協力会社さま及びサプライヤーさまとのパートナーシップにより、サプライチェーンを通して持続可能な社会づくりに貢献する

 

 中長期ビジョンの実現に向けた取組みの一つとして、当社では以下の環境配慮型製品の開発方針のもと製品開発を推進しています。

・ 半導体の微細化と製造工程での歩留り向上に貢献する最先端の検査・計測装置を開発し続けることにより、消費電力の削減並びに環境負荷の低減に貢献することを基本方針とします

・ 製品の開発、設計、製造、販売にあたっては、省エネルギー化、省資源化に配慮し、廃棄物削減とリサイクルを推進します

 

 また、気候変動が及ぼすリスクと機会について、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づき脱炭素社会の実現を目指す1.5℃シナリオと気候変動対策がされず物理的リスクが顕在化する4℃シナリオを想定し、気候変動関連のリスク及び機会の検討・分析を行い、さまざまな対応策を講じるとともに継続的な情報開示に努めてまいります。

 

 

1.5℃シナリオ

重要なリスクと機会

分類

項目

当社グループへの影響

リスク

移行リスク

政策・

法規制リスク

GHG排出価格の上昇

炭素税の導入による燃料使用に係るコストが増加する。

排出量の報告義務の強化

Scope3の報告が義務化された場合、調査にかかる人件費や委託費などのコストが増加する。

技術リスク

新技術への投資失敗

新製品投入に失敗すれば、競合に市場シェアを奪われ、大きな損失となる。

市場リスク

顧客行動の変化

省エネ性能の追求など顧客嗜好の新しい変化に当社が応えられない場合、インパクトは極めて大きい。

原材料コストの上昇

原材料コストの上昇が収益を圧迫する。

機会

製品とサービス

サービス開発

低排出商品及びサービスの開発/事業領域拡張

最先端半導体用EUVマスク検査装置、エネルギー効率を向上させるSiCウェハ検査装置など新製品の開発が進むことで、収益が増加する。

イノベーション

研究開発とイノベーションによる新製品/サービスの開発

新たな顧客ニーズを発掘し、それに合致した新製品を開発することにより収益が増加する。

消費者動向

消費者嗜好の変化

 

社会変化と対応策の検討

 財務影響として、最先端半導体やパワー半導体関連装置の市場拡大による機会獲得が見込める一方、GHG排出コストの増加や原材料コスト・エネルギーコストの増加が想定されます。これらへの対応策としては、GHG排出量削減のための空調設備の切り替えや再生可能エネルギー由来の電力への切り替え、原材料コスト削減のための製品の小型化・簡略化を進めることが考えられます。また、新製品開発による付加価値の向上と市場シェアの拡大を実現することが考えられます。これらの対応策を講ずることにより、移行リスクによる事業への影響を緩和し、新たな機会を獲得することが期待されます。

 

4℃シナリオ

重要なリスクと機会

分類

項目

当社グループへの影響

リスク

移行リスク

技術リスク

新技術への投資失敗

新製品投入に失敗すれば、競合に市場シェアを奪われ、大きな損失となる。

市場リスク

原材料コストの上昇

原材料コストの上昇が収益を圧迫する。

物理的リスク

急性的

台風や洪水などの極端な気象事象の過酷さの増加

輸送の困難、サプライチェーンの断絶により事業が停止し、利益の減少が発生する。

適切に労働力を確保できない場合、製品供給やサービスの低下につながる。

慢性的

降水パターンの変化と気象パターンの極端な変動

クリーンルームなどの空調コストが増加する。

機会

製品とサービス

サービス開発

低排出商品およびサービスの開発/事業領域拡張

最先端半導体用EUVマスク検査装置、エネルギー効率を向上させるSiCウェハ検査装置など新製品の開発が進むことで、収益が増加する。

イノベーション

研究開発とイノベーションによる新製品/サービスの開発

新たな顧客ニーズを発掘し、それに合致した新製品を開発することにより収益が増加する。

消費者動向

消費者嗜好の変化

 

社会変化と対応策の検討

 財務影響として、移行リスクの面では原材料コスト・エネルギーコストの増加が生じるほか、物理的リスクの面では自然災害による設備への被害増加による改修コストの増加や事業の停止による売上高の減少が想定されます。これらへの対応策としては、原材料コスト削減のための製品の小型化・簡略化、輸送コスト削減のためのモーダルシフトの推進が考えられます。また、事業の継続性を強化し、物理的リスクに備える観点から、製造拠点の分散化や本社機能を補完する開発製造拠点の新設、洪水対策の強化が考えられます。加えて、新製品開発による市場シェアの拡大が考えられます。これらの対応策を講ずることで移行リスク及び物理的リスクによる事業への影響を緩和し、新たな機会を獲得することが期待されます。今後、環境変化を継続的にモニタリングしながら、定量分析の拡充や見直しを適宜進めることで、気候変動に対するレジリエンスを高めるとともに、環境変化に対応した価値創造を実現してまいります。

 

 環境に関する取組みの詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

 

② 人的資本

 当社グループは、多様な人材の育成及び社内環境整備に関する方針を掲げています。

 

(多様な働き方・多様な人材の活躍の支援に関する基本的な考え方)

 グローバルに事業を展開する当社グループでは、様々な国や地域で多様な人材が活躍しています。「人材」が企業における最大の経営資源、成長の源泉であるという考えのもと、多様な人材が働きがいと働きやすさを両立し、それぞれの能力と専門性を最大限に発揮できる環境づくりに努めています。

 

 また、当社グループでは、持続的な成長を実現するために、求める人材像を以下のとおり定義しています。

・ 世界初に挑戦する気がいのある人

・ 目的の達成に向けて、主体的に行動できる人

・ 多様な価値観を認め、他者と協働できる人

 

 2025年6月期から2030年6月期の6カ年を対象として策定した、中期経営計画においても「さらなる成長へ向けた研究開発の推進と体制づくり」の施策の一つとして「人材採用の強化と職場環境の整備」に取り組んでいます。

 

a. 人材育成

 当社の製品開発力の維持・向上には、研究開発に携わる人材の確保と育成が極めて重要です。

 当社は、「スピード開発」を促進する複数の技術領域に精通した人材を確保・育成するため、以下の取組みを通じてさまざまな実践的な教育の場を提供しています。

取組例

概要

開発会議

開発案件の経過や結果、新しい技術情報、その他技術本部内で共有すべき事項について発表する場

Design Review

新機能や新技術の開発検討の際に、様々な部署のエンジニアが議論に参加してアイデアを交換することで、多角的な視点を有する人材を育成し、製品開発力を高める場

 

b. 多様性の確保

 当社グループはグローバルにオペレーションを展開し、それぞれの地域のビジネスに精通したローカル人材を登用しています。

 また、社内に異なる経験・技能を有する人材が存在することが、多様な課題や社会変化に柔軟に対応するために必須であると認識しており、当社では下記のように多様な人材の採用・活用を積極的に推進しています。

・ 女性社員の採用・登用

・ グローバル人材の採用・登用

・ シニア人材の積極活用

・ 新規採用における新卒・中途のバランス

 また、それぞれの専門性を活かせるキャリアパスを用意し、多様な人材が活躍できる場を提供しています。

 以下は人材確保のための当社の取組例です。

・ 「学術機関の機械・電気系の学生サークルへの継続的な支援」「展示会へのブース出展」「学生・新社会人向けイベントへの協力」「業界団体や学会への協賛」を行い、有望な人材と積極的に接触し、人材パイプライン構築に努めています

・ 人材が能力を発揮し、仕事にやりがいを感じるには適切なワークライフバランスが不可欠です。具体的には、フレックスタイム制度、在宅勤務制度を導入するとともに、有給休暇取得率の向上、残業時間の抑制に努めています。また、出産・育児・介護休職後の職場復帰がしやすいよう配慮しています

・ 従業員満足度やエンゲージメントの上位概念である幸福度の調査を2023年8月より定期的に実施しています。調査結果を踏まえ、幸福度向上につながるさまざまな施策に取り組んでいます

 

 人的資本に関する取組みの詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

 

(注)女性社員に関する指標・目標を除いた、グローバル人材の採用・登用、シニア人材の積極活用、新規採用における新卒・中途のバランス、有給休暇取得や幸福度調査などに関連する指標及び目標については、現在その有用性等を検証中であり、確定次第、開示する方針です。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、企画部門が所管するサステナビリティに関する推進チームにおいて、関連部門及びグループ会社にかかるサステナビリティ上のリスクと機会を識別の上、影響度、発生可能性等を考慮して優先順位づけ及び評価を実施しています。これを踏まえて設定した指標・目標を経営会議に報告することを通じて、リスクと機会を管理しています。経営会議の議長である社長執行役員は、この内容を経営戦略及び財務計画等に反映の上で審議・決定し、その後、決定された経営戦略及び財務計画等は取締役会に報告され、取締役会の監督を受けています。

 また、グループリスクマネジメント及びコンプライアンス管理の計画的かつ組織的な実施及び監督を目的とした、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員を委員長とし、社長執行役員を含む全執行役員および常勤監査役をメンバーとしています。同委員会は少なくとも年2回の頻度で定期招集され、全社的リスクマネジメントを実施しています。サステナビリティに関するリスクと機会は、上記の通り、サステナビリティに関する推進チームにおいて識別・評価し、このうち、重要性の高いリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会で承認を経て、取締役会に報告されます。

 リスク・コンプライアンス委員会はリスクの低減に向けた対応策の実施を各関連部門(サステナビリティに関するリスクへの対応策はサステナビリティに関する推進チームが担当)に指示しています。リスク・コンプライアンス委員会は期末に対応策の進捗状況について確認し、結果を取締役会に報告します。

 

(4)指標及び目標

① 環境

 当社グループを対象として温室効果ガス排出量Scope 1、2を、当社を対象として温室効果ガス排出量Scope 3を、算定・開示しています。また、当社グループでは、2024年6月期に、温室効果ガス排出量の削減目標を設定しました。併せて、特に半導体デバイスの消費電力削減とリチウムイオン電池の開発への貢献度が高い製品群(EUVマスク関連装置 / パワー半導体関連装置 / リチウムイオン電池関連装置)を「グリーン製品(Green products)」と位置付け、当該分野の持続的な成長を見込み、中期的な研究開発投資の目標値を設定しています。

 

(注)温室効果ガス排出量Scope 3については、現在、提出会社のみを対象として算定・開示を行っておりますが、当社グループを対象とした算定・開示を検討しております。また、2026年6月期の実績値は提出日現在算定中です。なお、2025年6月期における提出会社の温室効果ガス排出量Scope 3は340,015t-CO2です。


・環境に関する主な指標

テーマ

指標

目標

2026年6月期

実績

中期環境目標

温室効果ガス排出量

2030年までにScope 1+2の温室効果ガス排出量を42%削減(2024年6月期比)

53.6%削減

(2024年6月期比)

長期環境目標

温室効果ガス排出量

2050年までにScope 1+2ネットゼロの達成

3,762t-CO2

グリーン製品への投資

グリーン製品への研究開発投資額

グリーン製品に関わる分野で、2024年6月期から2028年6月期の5年間で合計500億円以上の投資

2024年6月期からの累計

339億円

 

② 人的資本

・人的資本に関する主な指標

提出会社

テーマ

指標

2026年6月期

実績

2027年6月期

目標

人材育成

(注)1

開発会議

提案件数(件)

10

25

Design Review

実施回数(回)

494

500

多様性の確保

(注)2, 3

新規採用者に占める女性の割合(%)

14.7

20.0

(注)4

管理職に占める女性社員の割合(%)

3.2

5.0

(注)1.対象となる人材が属する開発機能は、提出会社が有しているため、提出会社を対象としております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいているため、提出会社を対象として算出しております。

3.管理職は、マネージャー以上が該当します。

4.当社の「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」における計画期間(2022年4月1日~2027年3月31日)にあわせて目標年度を設定しております。