2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

当社グループの事業そのほかに関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の損害の低減に努めていきます。

なお、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断した記載となっており、現時点では予測できない又は、重要と見なされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

 

リスク項目

リスク内容

対応策

市場・技術の急速な変化

市場の急速な変化、技術の進化への適切な対応が当社の製品・サービスの付加価値となっており、十分な対応が取れないことや、成長分野への積極的投資等の回収計画未達により、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

多様化するニーズや技術革新に対応するために、研究開発部門で技術動向による新たな固有技術の探求、営業部門で市場・顧客ニーズの把握を行い、それに基づき各事業で1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等の「(3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題」に記載の施策に取り組んでいます。

また、設備投資については、計画段階での審査に加え、定期的に回収状況を確認しています。

競争の激化

それぞれの事業の関連する分野において、他業種からの新規参入も含めて価格競争が激化する可能性があり、想定を超える価格競争が発生した場合には、売上高、市場シェア、利益等に影響を及ぼす可能性があります。

各事業分野において、徹底した原価低減によりコスト競争力を高めるとともに、独自技術や品質・信頼性で競合他社と差別化を図り、シェア拡大を図っています。

さらに、市場の動向や競争の状況によって事業ポートフォリオの見直しを行なっています。

コスト競争力

グループ外調達により原材料、部品、サービスの供給を受けており、部品・材料・原油等の予想を超える価格の高騰が生じた場合の他に、歩留や生産性の低迷により、コスト競争力で他社に遅れを取る可能性があります。また、棚卸資産が陳腐化した場合には損失が発生し、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。

製品設計や材料のVA/VE、コスト競争力のある部品・材料の調達の他に、自動化および最適地生産も含めコスト削減を図っています。また、棚卸資産の停滞や過剰の発生を極力抑え、評価損等を軽減させる取り組みも行なっています。

金融市場の

変化

取引先および取引地域が世界各地に渡っており、外貨建てで取引され、製品、サービス等のコストおよび価格が、為替変動による影響を受けます。また、金融変動、インフレ、デフレ等が予想を超えた場合、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

米ドル建てを主としており、一部は為替予約を実施し、定期的な外貨建て資産の見直しによる売却等で、リスクを軽減させる措置を講じています。

 

 

リスク項目

リスク内容

対応策

知的財産権

独自に開発した技術などが、グローバルな競合の中で、第三者より知的財産権に基づく権利の主張を受ける可能性が常に存在します。また、営業秘密の予期せぬ流出により、競争力が低下することもあり、その場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

製品の差別化と競争力強化のために、独自に開発した技術を特許権などとして権利化するとともに、ノウハウなどの営業秘密については、企業秘密管理規定により管理しており、それらを活用した市場競争力のある新製品の開発に注力しています。

ITセキュリティ

サイバー攻撃や外部からの不正侵入などにより、顧客情報や機密情報の漏洩、データ紛失・改ざんなどが発生した場合、生産活動の停滞および停止に陥り、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。

ネットワークへの侵入防止・外部のセキュリティオペレーションによる監視、並びにソフトウエアのアップデート適用管理を行なっています。障害発生時の連絡体制は、関係会社も含めて構築し運用しています。また、情報セキュリティ基本方針を発信して従業員の意識の啓蒙・啓発および牽制を図るとともに、ITセキュリティ教育および訓練を定期的に実施しています。

コンプライアンス

グローバルな事業活動の中で、第三者から訴訟その他の法的行為を受ける可能性があります。当社が当事者となる可能性のある訴訟および法的手続の結果を予測することは困難であり、訴訟や調査への対応に多大なコストが発生した場合、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、コンプライアンス上の問題が発生した場合、社会的信頼とブランド価値が毀損される可能性があります。

リスクが現実の問題として発現する可能性や、発生した場合の経営や事業への影響度合いなどを想定して、重大なコンプライアンス違反リスクを特定しています。これらのリスクを低減するために、法令教育、点検、啓蒙活動など遵法体制の整備を行なっています。

また、第三者からの訴訟その他の法的行為を受けたときに備え、外部弁護士と連携して対応できるようにしています。

自然災害

 

巨大地震や火災、風水害、火山噴火等の自然災害が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた全てのリスクを回避することは困難であり、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化も踏まえ、事業運営および業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

大地震等の大災害発生時における対応策をあらかじめ策定・準備し、日頃より各種災害対策訓練を実施しています。大災害が発生した場合には社長を本部長とする災害対策本部を設置し、人的・物的被害を最小限に抑え、事業を中断することのないようにBCP(事業継続計画)を準備しています。

感染症

新たな感染症が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた、全てのリスクを回避することは困難であり、事業運営および業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

新たな感染症が発生した場合、緊急対策本部を立上げ、政府から発信される情報に基づく感染症などへの対応を行います。

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の一つと認識し、継続的かつ安定的に実施することを基本方針としています。

また、2024年5月に公表した中期経営計画に基づいて配当性向30%以上の株主還元を見据え、ROE8%、PBR1倍以上を長期目標とし、安定的な資本収益性の実現に向けた早期改善を目指しています。

当期の配当金は、業績等を総合的に勘案した結果、期末配当金として1株当たり10円を2025年6月27日開催の第82期定時株主総会で決議し、実施する予定です。

また、次期の配当金につきましては、1株当たり10円を予定しています。

 

当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めています。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年6月27日

424

10

定時株主総会決議(予定)