2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)大株主との関係について

① 三菱電機株式会社は発行済株式総数に対し21.1%の当社株式を保有しております。この持株比率は、近年殆ど変化はありません。

 なお、三菱電機株式会社が占める当社グループの取引依存度は例年15%程度(当連結会計年度は子会社の三菱電機モビリティ株式会社と合わせて15.4%)で、電機メーカーを中心とする他の大手取引先企業グループの依存度に比べ突出したものではなく、取引条件も市場価格を基に、個別に価格交渉の上、一般的取引条件と同様に決定しております。当社は取引先が一企業グループに偏る営業リスクを避けるため、多くの企業、企業グループの取引構成となるよう努力をしております。

② 2016年10月3日、当社が株式会社村田製作所に対して第三者割当による自己株式処分を行ったことにより、株式会社村田製作所は発行済株式総数の13.5%を保有しております。

 株式会社村田製作所とは以前より両社の独自性を確保しつつ経営資源の結集を図り、共同でのマーケティング、商品開発、販売及び株式会社村田製作所が保有するセラミックコンデンサ技術と当社グループが保有するフィルムコンデンサ技術を融合させた新素材の共同開発を推進してまいりました。第三者割当による自己株式処分の目的は、両社の信頼関係の強化と新素材を使用した新商品開発を加速させるためのものであります。

(2)顧客の生産活動の動向による影響について

 当社グループの顧客の大部分はメーカーであり、当社グループの業績は顧客の設備投資や生産計画によって、大きな影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極めるとともに顧客情報の収集及び蓄積により、顧客満足度を向上させる商品をタイムリーに提供する事に努めております。

(3)商品の品質と責任による影響について

 当社グループは品質管理体制を整え、多種商品を製造しておりますが、商品に欠陥などの問題が生じる場合があります。このような場合、欠陥に起因し顧客が被った損害の賠償責任が発生する可能性があるとともに、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)為替相場の変動及び関税による影響について

 当社グループの取引には直接及び間接的に各国への輸出入取引が含まれており、国内外の経済情勢の変化に起因する為替相場の変動や、各国の経済政策等に伴い、関税率の新設・改定が行われた場合においては、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループは、海外事業を拡大すべく、米国(ネブラスカ州)、中国(上海)、タイ(バンコク)で製品の現地生産及び販売などの海外展開を行っております。今後の海外市場への事業進出には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱、等のリスクが内在しています。従って、これらの事象が起きれば、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります。

(6)災害、パンデミック、停電等による影響について

 当社グループでは、災害、感染症によるパンデミック、停電等の予期せぬリスクを最小限にするため、災害を想定した建屋保全、部材・製品保管及び発生時の対応体制、リモートワーク等による人材の安全確保等、危機管理ルールを作り運用しております。しかし、これら想定を上回る災害、パンデミック、停電等の影響により生産活動に支障が生じる可能性があります。

(7)サプライチェーンについて

 当社グループの取引先で自然災害や特殊災害等により被害が生じた場合や、その他の影響により原材料の確保や生産体制の継続が困難となった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクを最小限にするために、取引先との関係強化や定期監査の実施に加えて、継続的に新規取引先の発掘を行っております。

(8)原材料、エネルギー価格の高騰について

 当社グループの主要製品に使用する原材料や、製造に必要となる電気等のエネルギー価格の高騰によって、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクを最小化するため、指月統合マネジメントシステム「∫IΣS」に基づいた生産性の改善や、原価低減活動を行うとともに、それでも吸収しきれない調達コストの上昇分については販売価格を適正化することで対応しています。

(9)環境規制について

 当社グループの事業活動に対しては様々な環境規制が適用されており、今後規制が厳しくなることで、代替材料の採用や、代替工法の開発を余儀なくされるため、当社グループの事業継続や業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10)情報セキュリティについて

 当社グループでは、事業活動上必要な情報の適切な収集と正確な記録、適正な利用・管理を徹底しておりますが、顧客情報、営業情報や技術情報といった企業機密が、サーバー攻撃や、コンピューターウイルス感染の他に、従業員の過失または故意によって社外へ漏洩した場合、事業活動と業績ならびに財務状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対し、情報セキュリティシステムの対策強化と維持管理を進めております。また、人的対応としては、コンプライアンス憲章に則り、情報の適正な利用・管理と保全を徹底してまいります。

(11)知的財産について

 当社グループは、知的財産権を厳格に保全するとともに、他社権利の尊重に努めております。発明やノウハウ等の知的財産は重要な経営資源であり、法令に基づき適切に取得・活用・保護を行っておりますが、他社の特許による当社製品販売と事業への制約や、当社権利が不当に侵害された場合、または、第三者の知的財産権を侵害する事象が発生した場合、もしくは、当社が保有するノウハウ等が第三者へ不当に流出した場合は、事業活動と財務状況に重大な影響を受ける可能性があります。

(12)価格競争リスクについて

 当社グループでは、現在、xEV用コンデンサ、産業用コンデンサと電力・環境省エネを重点事業として運営しています。これらの事業において、付加価値の高い競争力のある製品開発を強化しておりますが、国内外の競合他社との間に生じる価格競争により、当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対し当社グループでは、開発・製造・販売が一体となって指月統合マネジメントシステム「∫IΣS」の考えに基づいたモノづくりと改善を重ね、顧客ニーズにこたえる製品提供を進めてまいります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社の利益の配分は、連結業績をベースに、株主様への安定的かつ適切な利益還元、将来の事業展開や競争力強化のための研究開発投資や設備投資、継続的な経営基盤の強化に必要な内部留保の確保のこれら3つのバランスを考慮して決定することを資本政策の基本的な方針としております。

 また、当社は、“会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行う”旨、定款に定めており、中間期と期末期において年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 上記の基本方針に基づき当期末配当は、1株当たり11円といたします。

 これにより、通期では既に実施いたしました中間配当3円と合わせて、14円の配当となります。

 

また、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

 配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年11月6日

75,766

3.0

取締役会決議

2025年5月15日

277,809

11.0

取締役会決議