リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) インターネット関連市場について
当社はキャリアプラットフォーム事業を主力事業としておりますが、当社が管理運営する「外資就活ドットコム」、「Liiga」はインターネットを通じて顧客である採用企業等または会員等にサービスを提供しております。このため、当社事業の発展のためには、さらなるインターネット関連市場の拡大が必要であると考えております。とりわけインターネットにアクセスするための端末は、スマートフォンの普及及びIoTの進展により多様化の様相を見せております。
当社がこのようなインターネット関連市場の事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、または、新たな法的規制等によりインターネット関連市場の成長が鈍化した場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 四半期ごとの業績変動について
当社のキャリアプラットフォーム事業は、新卒学生の就職活動が本格化する時期や採用企業のインターンの募集の時期において登録会員・採用企業のトラフィックが増大し、また当社の収益もこの時期に大きく増加する傾向にあります。そのため、当社の売上高の成長は、年間を通じて平準化されずに、四半期決算の業績が著しく変動する可能性があります。
なお、2024年1月期における売上高及び営業損益は以下のとおりであります。
(単位:千円)
|
第1四半期会計期間 (自 2023年2月1日 至 2023年4月30日) |
第2四半期会計期間 (自 2023年5月1日 至 2023年7月31日) |
第3四半期会計期間 (自 2023年8月1日 至 2023年10月31日) |
第4四半期会計期間 (自 2023年11月1日 至 2024年1月31日) |
事業年度 (自 2023年2月1日 至 2024年1月31日) |
売上高 |
286,112 |
631,048 |
434,503 |
490,378 |
1,842,042 |
営業利益又は営業損失(△) |
△50,174 |
267,377 |
71,524 |
118,208 |
406,936 |
(3) 経営成績の変動について
当社の事業領域である人材ビジネス市場は、市場規模が緩やかな拡大を続けていながらも、競合環境、価格動向、景気変動とそれに伴う雇用情勢の変化やビジネスモデルの規制等の影響を受ける可能性があり、将来が不透明な部分が数多く存在します。
このような環境下において、当社は事業規模の拡大とサービスの多様化を図るため、これまでの当社の事業展開により培ったノウハウを活かして収益性の高い事業の創出に積極的に取り組んでおりますが、当社の想定以上に成果が上がらない場合や予測困難なコスト等の発生に伴い当社の事業計画を達成できない場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 当社サービスの業績の達成確度に関する不確実性について
① 他社との競合について
当社は「外資就活ドットコム」及び「Liiga」の管理運営を通じたキャリアプラットフォーム事業を主たる事業領域としておりますが、当事業領域においては大手企業を始めとして多くの事業者が事業の展開をしております。当社は、ハイクラス人材の利用を想定したプラットフォームの構築、採用企業の厳選等に取り組み、これら多くの事業者が提供するサービスとの差別化を図っております。
しかしながら、当社と同様のサービスを展開する事業者との競合激化や、競合事業者が提供するサービスに対し十分な差別化が図れなかった場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定のサービスへの依存について
当社のキャリプラットフォーム事業は、現在、特定のサービス「外資就活ドットコム」に大きく依存した事業となっております。当社は今後も「外資就活ドットコム」のコンテンツの価値向上に努めるとともに、「Liiga」などの他サービス・派生サービスを積極的に展開し、競合企業のサービスとの差別化を図ってまいりますが、上記①に記載のとおり、競合企業との競争激化等が、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新規サービスについて
上記①のとおり、当社は「外資就活ドットコム」及び「Liiga」の管理運営を通じたキャリアプラットフォーム事業を主たる事業領域としておりますが、さらなる事業の拡大を目指し、継続的に新規サービスの開発に取り組んでおります。しかしながら、新規事業においては、追加的に開発費用や広告宣伝費等の先行投資が必要とされ、その結果当社の利益率の低下を招く可能性があります。また、新規事業には不透明な点が多く、先行投資額が想定を上回る場合があります。さらに、想定した収益が得られない場合、新規事業からの撤退という経営判断をする可能性もあります。このような場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 少子高齢化について
日本国内では少子高齢化が進んでおり、当社が提供するサービスを登録会員として利用すると想定される学生・若手社会人を始めとする若年層の数は緩やかに減少しております。
当社が提供するサービスは、学生や若手社会人のうち、キャリア形成に対する意欲が高い層をターゲットとしており、当該層については今後も一定程度の規模を維持していくものと想定されますが、ターゲット層が減少基調に陥った場合は、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 広告宣伝の効果について
当社事業にとって、事業の中核である「外資就活ドットコム」、「Liiga」の登録会員(新卒学生、若手社会人等)の増加は非常に重要な要素であり、インターネット等を通じたプロモーション活動により広告宣伝活動を積極的に実施し登録会員数の増加を図っております。
広告宣伝活動に関しては、当社が想定する登録会員の属性に可能な限りアプローチできるよう最適な施策を実施しておりますが、登録会員数の増加が、必ずしも当社の想定どおりに進捗しない可能性があります。この場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ のれんの減損について
当社は、2024年4月1日に株式会社ログリオの全株式を取得いたしました。当該株式取得に伴い、現時点においては具体的な金額が確定しておりませんが、のれんが発生する見込みであります。当社は、当該のれんについて将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、同社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上する必要性が生じるため、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却していく方針であります。
(5) 社歴が浅いことについて
当社は2010年2月に設立されており、社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過去の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは、今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(6) 特定人物への依存について
当社の創業者であり代表取締役社長である音成洋介は、当社創業以来当社の事業に深く関与しており、当社の経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図っており、同氏に過度に依存しない経営管理体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難になった場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 組織が少人数編成であることについて
本書提出日現在、当社は業務執行上必要最低限での人数の組織編成となっております。今後の事業拡大を見据え、優秀な人材の確保及び育成を行うとともに業務執行体制の充実を図っておりますが、これらの施策が適時適切に遂行されなかった場合、または、役職員等の予期せぬ退職があった場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 優秀な人材の確保及び育成について
当社の事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着は経営上の重要な課題であります。当社は、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また入社社員に対する研修の実施を通じ、当社の将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修やレクリエーション等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。
しかしながら、必要な人材の採用が想定どおり進捗しない場合、採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 技術革新等について
当社が事業を展開している人材ビジネス市場においては、インターネットを始めとする様々な技術革新の恩恵を受けその方法論やサービスの提供方法等が大きく変わりつつあります。そのため、人材ビジネス市場におけるプレイヤーはその変化に柔軟に対応していく必要があります。当社においても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するのみならず、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や、会員・採用企業のニーズの変化に迅速に対応できるようつとめております。
しかしながら、当社が技術革新や会員・採用企業のニーズの変化に適時に対応できない場合、また、技術革新等の変化への対応のために設備投資や人件費等多くの費用の支出を要する場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 当社サービスのシステムの安定性について
当社のキャリアプラットフォーム事業は、プラットフォームである「外資就活ドットコム」及び「Liiga」の管理運営を通じたサービスの提供が主たる収益の源泉となっており、上記プラットフォームのシステムの安定的な稼働が、当社の業務遂行上必要不可欠な要素となっております。そのため、当社はシステムの運営に不可欠な設備投資を実施するだけではなく、サーバー設備やネットワーク状況を常時監視し、障害の兆候が見られた場合には適時に対応が取られる体制を整備し、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。
しかしながら、当社が予期しない上記プラットフォームへのアクセスの急増、コンピューターウイルスや人的な破壊行為、システム担当者の過誤、自然災害等の発生等によるサービスの中断ないしは停止により、当社が社会的信用を喪失した場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、広告掲載等の売上計上にあたっての役務提供事実について社内システム(入稿管理システム)にて管理しており、これらの障害が発生したことにより、自動化された業務処理が実施されない場合には、正確に売上を計上できない等、当社の業績を適正に表示しない可能性があります。
(12) 不正アクセスについて
近年、特定の企業や団体を狙ったサイバー攻撃(情報システムへの不正アクセス)が頻発しております。当社は、これら不正アクセスによる被害を未然に防止するため、当社役職員が使用するパソコンのウイルス対策や情報システムのセキュリティ対策を実施しておりますが、万が一、不正アクセスにより被害を受けた場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 訴訟等について
当社は、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性があります。このような事態が生じた場合、当社の社会的信用が毀損するほか、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 知的財産権について
当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、適切な専門家と連携を図ること等により調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全把握は困難であり、当社の認識外において他社の知的財産権を侵害する可能性を完全に否定することはできません。この場合、使用差止請求や損害賠償請求等により、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 個人情報保護について
当社では個人情報取扱事業者として多数のユーザー、取引先、従業員等の個人情報を保有しております。
当社では、法令や各種ガイドラインに基づいて、「個人情報保護規程」を定めて適切な管理を図るとともに、役職員への教育、システムのセキュリティ強化、個人情報取扱状況の内部監査等を実施し、個人情報管理の強化に努めております。また、当社の管理体制の十分性を継続的に担保するものとして、プライバシーマークの取得や情報漏洩保険への加入等を行っております。しかしながら、万が一個人情報の漏洩が発生した場合には、当社に対する損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 法的規制について
当社は、当社が事業を展開するキャリアプラットフォーム事業において、人材紹介サービスを行っております。人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を必要とします。当社は、2022年11月1日から2027年10月31日の間での許可を受けており、適宜更新を行う方針であります。したがいまして、当該事業の運営に関して、現在は事業の継続に支障をきたす事象は発生しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等が判明した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあります。それらが当社の事業運営に大きな支障をきたす結果、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元については重要な経営課題の一つとして認識しております。しかしながら、当社は現在成長段階にあり、より一層の内部留保の充実を図り、収益基盤の安定化・多様化や新規の投資にこれを充当することによりさらなる事業拡大を図ることが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
将来的には、その時点における経営成績及び財政状態を勘案しつつ株主に対し利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(18) 自然災害や感染症の発生について
当社ではリモートワーク制度を導入しているため、仮に自然災害が発生した場合や感染症の感染拡大局面においても、事業を継続できる体制を整備しております。
しかしながら、大規模な自然災害の発生や、重大な感染症の拡大に伴う外部環境の変化または企業の採用マインドの変化により、また、当社の役職員等が罹災または重大な感染症への感染等の事象が発生し、事業活動に支障が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元については重要な経営課題の一つとして認識しております。しかしながら、当社は現在成長段階にあり、より一層の内部留保の充実を図り、収益基盤の安定化・多様化や新規の投資にこれを充当することによりさらなる事業拡大を図ることが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
以上の点により、当社は創業以来配当は実施しておらず、また今後においても当面の間は内部留保の充実を図っていく方針であります。なお、内部留保資金につきましては、当社事業のさらなる成長のため、システムの拡大・改善や優秀な人材の確保等、有効活用していく所存であります。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案のうえ、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点においては、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
なお、剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本方針として考えており、配当の決定機関は株主総会であります。また、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。