事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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著作権管理事業 | 1,524 | 7.5 | 692 | 27.0 | 45.4 |
DD事業 | 9,688 | 47.7 | 962 | 37.5 | 9.9 |
音楽配信事業 | 7,585 | 37.4 | 1,337 | 52.1 | 17.6 |
その他 | 1,497 | 7.4 | -425 | -16.6 | -28.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社4社(株式会社エムシージェイピー、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス)により構成されており、音楽を中心としたエンタテインメント領域において著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業及びその他(ビジネスサポート事業)に取り組んでおります。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
著作権管理事業
著作権とは、思想や感情を創作的に表現した著作物の利用を独占的にコントロールできる権利であります。音楽分野では、「詞」「曲」が著作物となります。
当社は、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っております。(登録番号01005)
音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に鑑みて、下図のとおり音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っております。
(1)演奏権等
コンサート・ライブ等での演奏、(5)店舗内BGM・映画館等、(6)社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利。利用形態ごとに細分化し2つの利用形態に分けて管理しています。
(2)録音権等
CDや(7)映画、(8)DVD、(9)ゲーム、(10)広告等に作品を複製することを許諾する権利。
利用形態ごとに細分化し4つの利用形態に分けて管理しています。
(3)出版権等
楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利。
(4)貸与権
CDレンタル等において作品の複製物を貸与することを許諾する権利。
(11)放送・有線放送
テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利。
(12)インタラクティブ配信
インターネット等のコンピューターネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利。
スマートフォンやパソコン向け音楽サービスなどが主な利用となります。
(13)業務用通信カラオケ
カラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利。
上記のうち、当社では「(1)演奏権等」「(2)録音権等」「(3)出版権等」「(4)貸与権」の4つの支分権と、「(5)上映・BGM等」「(7)映画への録音」「(8)ビデオグラム等への録音」「(9)ゲームへの録音」「(10)広告目的で行う複製」「(11)放送・有線放送」「(12)インタラクティブ配信」「(13)業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行っています。
※「(1)演奏権等」のうちカラオケ演奏を含む(6)区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第管理業務を開始する予定ですが、現時点ではその具体的な開始時期は未定です。
著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有していますが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的となっています。
また、利用者からの視点でみても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは、多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行いさえすれば、円滑に作品を利用できる環境が整っています。当社は、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めた上で、著作権者からの委任に基づいて、利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしております。
なお、音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じます。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社エムシージェイピー
著作権管理のビジネスフロー
また 、子会社の株式会社エムシージェイピー(以下、「MCJP」)が行っている音楽出版社向け業務代行サービスにおいては、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することによって、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の皆さまの業務負担の軽減と効率化を図っており、当社のグループ会社として培われたノウハウにより、最適な著作権管理方法のご提案とサポートを行っております。
MCJPの音楽出版社向け業務代行サービスのビジネスフロー
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。著作物(作品)を録音・編集した音源マスターを音楽業界では原盤と呼んでいますが、権利者からこの原盤のライセンスを受け、販売先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業です。2003年より国内でいち早く事業を開始しました。音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しております。
当社が著作権を管理する作品が含まれる原盤をより多くのユーザーに販売することで、原盤の使用料が多く発生するのはもちろんのこと、同時に著作権使用料も発生しますので、自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し販売を促進することによって、著作権使用料の増大にも寄与しております。
<特徴>
・あらゆる配信種別(ストリーミング、ハイレゾ配信など)に向けて、スピーディーに対応しています。
・売上の最大化に向けて不可欠な「海外配信」においても、効率的なネットワークを構築しています。
・独自の原盤管理システムの稼働により、安全な配信運用及び確実かつ詳細な分配と明細データの提供を実現しています。
・放送二次使用料等も権利者へ分配いたします。
・YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービス(※)も提供しております。
(※)YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービスについて
従来のYouTubeオフィシャルページにおける動画収益の一部を受領するビジネスモデルに加え、権利者が保有するオリジナル動画や音楽原盤をNexToneを通じてYouTubeシステムに登録する事により、それらのコンテンツを使用して作成・投稿された「UGC」(ユーザー投稿動画)からも収益の分配を受ける事が可能です。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社レコチョク、株式会社エッグス
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)のビジネスフロー
音楽配信事業
インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
音楽配信のビジネスフロー
その他(ビジネスサポート事業)
・キャスティング事業
利用者・権利者の様々なニーズに対応し権利処理を含めたトータルサポートを行っております。
具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催等を手がけております。
レコード会社やメディア企業、配信プラットフォームなど、様々な企業と共同で新たなエンタテインメントサービスの開発に積極的にチャレンジするなど、多岐にわたってエンタテインメントビジネスをサポートしております。
(当事業を行う主な会社)当社
キャスティング事業のビジネスフロー
(※)非映画デジタルコンテンツ(Other Digital Stuff)の支援
・システム開発・保守運用事業
当社グループの業務ノウハウやコンテンツ配信ビジネスの知見を活かした、音楽・映像などエンタテインメント業界のコンテンツビジネスに関するコンテンツ並びに印税契約管理、及び許諾・配信管理、印税計算や関係権利者への分配などのバックエンド業務に特化したシステム開発などを行っております。日々の膨大かつ複雑な著作権利用に係るデータや情報のシステム管理能力、手数料徴収及び権利者への分配金支払いの膨大な実務能力が必要であるため、新たなシステムの開発が常に求められております。
具体的には、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っております。
株式会社レコチョクにおいては、高度なIT技術と豊富なIT人材を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにシステムサービス提供やDX(デジタルトランスフォーメーション)運用等の業務支援を行っております。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス
・ソリューション事業
株式会社レコチョクにおけるレコード会社とのリレーションや高度なIT技術を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにEコマースなどの直販ビジネス支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
・エージェント事業
株式会社エッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs」の運営及びCDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社エッグス
当社グループの事業の系統図
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比93%(2024年1月~12月)と音楽ビデオが低調だったことにより減少した一方、有料音楽配信売上金額は前年同期比106%(2024年1月~12月)と、堅調に推移しております。音楽配信売上の内訳をみると、ダウンロードは縮小傾向にあるもののサブスクリプション型や広告収入型の音楽配信サービス等のストリーミング配信市場が引き続き拡大しております。
このような状況の中、当社グループは中期業績計画の達成に向け、著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業、音楽配信事業を中心に、以下のような取組を行ってまいりました。
・公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配
・著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応
・海外徴収の精度向上
・演奏権の取扱高増加
・DX推進による業務効率化
・経営効率化のための子会社における不採算サービスの解消を含む事業構成見直し
・各事業間シナジーを活かした複合的な提案による管理楽曲数及び取扱原盤数の増加
・楽曲・コンテンツの更なる利用促進
・権利者へのきめ細やかなサービスの提供
これらの取組を通じ、事業基盤となる管理楽曲や取扱原盤を着実に積み上げ、さらに、新規事業の立ち上げにも取り組んでまいりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、既存事業が安定的に推移したことに加え、前期において第3四半期から連結していたレコチョクグループの損益計算書を、今期は通期で連結したことにより、売上高が大幅に増加いたしました。利益面では、レコチョクグループにおける成長分野や新規事業への先行投資を継続しつつも、既存事業の増収に伴い増益となりました。
以上の結果、売上高は19,412百万円(前年同期比144.5%)、営業利益は1,005百万円(前年同期比154.9%)、経常利益は1,028百万円(前年同期比157.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は692百万円(前年同期比130.3%)と増収増益となりました。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権管理事業
楽曲の著作権に関わる2つの事業、当社の基幹事業である音楽著作権管理事業と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を「著作権管理事業」として設定しております。著作権者からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と音楽著作権使用料の徴収・分配を行うほか、音楽出版社に向けた業務代行サービス等を提供しております。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2023年10月~2024年12月となります。
(利用時期と計上時期のイメージ)
(注)表中の「利用区分」は主要な区分のみを記載しております。
当該期間のインタラクティブ配信にかかる使用料徴収額はストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの拡大により前年同期比117.5%となりました。録音権にかかる使用料徴収額は、アイドル系楽曲の音楽ソフト等における利用が好調に推移し前年同期比129.6%となり、放送・有線放送にかかる使用料徴収額は当社管理楽曲の番組利用や管理楽曲数の順調な増加等により大幅増となり前年同期比124.6%となりました。また、海外地域における使用料徴収の精度向上と効率化に向け、米国の著作権管理事業者との徴収代行契約の締結に加え、全世界のYouTube動画視聴における使用料の直接徴収を開始いたしました。
徴収額全体では前年同期比122.5%となり、当社発足以来9期連続の増加となりました。
当連結会計年度末における当社管理楽曲数及び期中の新規管理楽曲数は以下のとおりです。
以上の結果、売上高は1,524百万円(前年同期比123.3%)、セグメント利益は692百万円(前年同期比132.2%)となり、増収増益となりました。
また、委託権利者や管理楽曲が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2025年4月から当社が新たに著作権管理を受託する9,871楽曲(うち、新規移管による純増5,738楽曲、委託範囲拡大4,133楽曲)の移管も実施いたしました。移管楽曲の中には著名アーティストの楽曲も数多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
当社、レコチョク及び株式会社エッグス(以下、「エッグス」)で行う、国内外の音楽配信プラットフォームに向けた、原盤(音源・映像)供給サービスを「DD事業」として設定しております。
当連結会計年度におけるDD事業は、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、当社の強みであるアニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤が日本及び海外で多く使用されたこと等により、売上高は前年同期比128.1%と大幅増収となりました。一方で、レコチョクにおけるDD業務のサービス開始の遅延により、システム開発等の投資が継続して発生いたしました。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数は以下のとおりです。なお、前期よりレコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
以上の結果、売上高は9,688百万円(前年同期比128.1%)、セグメント利益はレコチョクにおけるシステム開発等の先行投資を吸収し962百万円(前年同期比122.5%)となり、増収増益となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」として設定しております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けの映像・BGM配信サービス等を行っております。
当連結会計年度における音楽配信事業は、個人向け主力サービスである「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月より改定したことが奏功し、安定的に推移いたしました。また、店舗向け映像・BGM配信サービスの契約店舗数拡大や結婚式場向けBGM配信サービスの導入式場数拡大等にも取り組みました。
以上の結果、売上高は7,585百万円(前年同期比190.7%)、セグメント利益は1,337百万円(前年同期比236.6%)となり、前期においてはレコチョクグループの損益計算書を第3四半期から連結していたため、当期との連結期間の相違による影響により、前年同期比で大幅な増収増益となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、キャスティング事業、当社子会社である株式会社NexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。
当連結会計年度では、キャスティング事業において、人気グループのコンサートや人気ミュージカルのライブビューイング等を実施いたしました。
また、レコチョクのソリューション事業において、音楽業界向けのシステム受託開発等への投資を行いました。
一方で、ソリューション事業における既存サービスの拡大やエッグスのエージェント事業における新規サービス開始が計画より遅延いたしました。
以上の結果、売上高は1,497百万円(前年同期比114.5%)と増収となりましたが、サービス遅延の影響により、セグメント損失は425百万円(前年同期は80百万円の損失)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,596百万円増加し、14,831百万円となりました。これは主に、著作権管理事業、DD事業、音楽配信事業が堅調に推移したことに伴う現金及び預金の増加1,582百万円のほか、音楽配信事業が堅調に推移したことによる売掛金の増加144百万円、レコチョクにおける移転補償金に係る未収入金が221百万円増加した一方で、レコチョクにおけるソフトウェアの減損及び保有する投資有価証券の売却等による固定資産の減少332百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円増加し、9,116百万円となりました。これは主に、著作権管理事業が堅調に推移したことに伴い、著作権者への分配に係る未払金の増加556百万円に加え、DD事業及び音楽配信事業が堅調に推移したことによる買掛金の増加462百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて560百万円増加し、5,715百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加692百万円のほか、非支配株主持分の減少146百万円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益692百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して1,582百万円増加し、9,629百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,152百万円(前連結会計年度は1,375百万円)となりました。これは主に、業績が好調に推移したことにより税金等調整前当期純利益が895百万円と増加したこと及び減価償却費647百万円、減損損失247百万円の計上のほか、著作権管理事業及び音楽配信事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加532百万円、買掛金の増加462百万円等により資金が積み上がった一方で、レコチョクにおける本社移転に伴う移転補償金に係る未収入金の増加221百万円や法人税等の支払額が269百万円あったことで資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△569百万円(前連結会計年度は695百万円)となりました。前連結会計年度は、株式会社レコチョクを新規連結したことに伴う同社の現預金の取り込みによる増加があった一方で、当連結会計年度においては、レコチョクにおいて投資有価証券の売却に伴う収入110百万円のほか、各事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出739百万円に加えて、レコチョクの本社移転に伴う旧本社ビルの敷金返金による収入203百万円及び新本社ビルにおける有形固定資産の取得による支出98百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、発生しておりません(前連結会計年度は△65百万円)。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、主に音楽を中心としたエンタテインメント領域において、音楽著作権の管理と利用促進を推進する事業や権利者・クリエイターをサポートする事業を通じ、適正な徴収・分配・支援を行うエージェントであり、取り扱うサービスごとに、事業戦略を立案し事業活動を展開しております。
「著作権管理事業」では、作詞家/作曲家や音楽出版社等の著作権者から管理委託を受け、音楽著作物の利用許諾、使用料徴収、及び著作権者への使用料分配等を行っております。
「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」では、音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。
「音楽配信事業」では、インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部売上高及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
「(企業結合等関係)企業結合に係る暫定的な会計処理の確定」に記載の見直しに伴い、前連結会計年度のセグメント情報については、当該見直し反映後のものを記載しております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業等を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額△1,145百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,124百万円及びセグメント間取引消去△20百万円が含まれております。
3.セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の調整額8,865百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
5.セグメント負債については、事業セグメントに負債を配分していないため記載しておりません。
6.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額164百万円は、主にオフィス移転に伴う費用であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業等を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額△1,561百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,541百万円及びセグメント間取引消去△20百万円が含まれております。
3.セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の調整額10,593百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
5.セグメント負債については、事業セグメントに負債を配分していないため記載しておりません。
6.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額252百万円は、主にオフィス移転に伴う費用であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」の金額はエージェント事業に係るものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」の金額はソリューション事業に係るものです。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。