事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ハルメク事業 | 26,750 | 77.9 | 1,302 | 103.1 | 4.9 |
ことせ事業 | 7,567 | 22.1 | -39 | -3.1 | -0.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社6社から構成されております。
当社グループのお客様は主に50代以上の女性です。この年代の女性たちは、以下のようなニーズを有していると考えておりますが、世の中にはこれらのニーズを満たすサービスが少ないという問題意識が当社グループの事業の背景となっています。
・ より元気にアクティブになりたいのに、周りからは介護や認知症など暗い提案が多く、自分に向けた話とは思えない
・ 新しいことを知りたい、挑戦したいという気持ちはあるが機会がない
・ 自分のことを年寄りだと思っておらず、もっと若々しくいたいのに、世の中のシニア向けのサービスや商品は年寄り向けばかり
・ おしゃれもしたい、素敵になりたいけど勇気が出ない、やり方が分からない
・ 将来、子供に迷惑をかけたくないという思いが強いが、具体策がわからない
・ いつか夫に先立たれ一人になる可能性があることを分かっているが、孤独を回避する手立てがわからない
当社グループは、そんな女性の皆さまが、人生の後半を元気に前向きに楽しく暮らせるようお手伝いすることこそが使命であると考え、雑誌「ハルメク」の出版をはじめ、商品の開発や販売、旅行や講座といったサービスの提供など、さまざまな事業を行うシニア向けプラットフォームビジネスを展開しています。これにより、上記のニーズと世の中で提供されるサービスとのギャップの解消に寄与しています。
現代社会には情報や商品、サービスがあふれています。インターネットの発達でこれがさらに加速した結果、自分の暮らしに本当に役立ち、信頼できるものを見つけることはどんどん難しくなっています。そのような中、当社グループは、お客さまにとって真に必要な情報とは何か、優れた商品・サービスとは何かを常に考え、選りすぐり、あるいは自ら創りだして提供します。健康、美容から、おしゃれ、住まい、学び、レジャーまで、暮らしを取り巻くあらゆる分野において、「本当に価値あるもの」をしっかりとお届けしていくことが私たちの信条です。
グループ組織図
(会社ごとの主な機能・役割・事業内容)
(1) ハルメク事業
ハルメク事業は、販売部数全雑誌No.1(注1)である雑誌「ハルメク」の出版によりお客様を獲得し、雑誌に共感してくださったお客様に対して、雑誌の特集と連動するなどしたオリジナル商品等(オリジナル商品比率:8割)を、雑誌と同封してお送りするカタログによる通信販売で提案・販売することや、雑誌の特集と連動するなどしたイベント部門が講座や旅行などを提供することにより、お客様の満足度を高めると共に、収益を獲得している事業となります。
雑誌「ハルメク」は書店では購入できない自宅へ配送される定期購読のみで販売している雑誌です。シニア女性の不安や不満、期待に応える幅広い記事を提供し、コンテンツの内容も、特集、ファッション、健康、レシピ、手づくり、インタビュー、連載等シニア女性の生活全体に応える内容となっており、購読者数は46万人(注1)と高い支持を受けております。
「HALMEK up(旧:ハルメク365)」は、2018年8月に開始した「ハルメクWEB」を起源とするシニア女性を対象としたコンテンツ&ソリューションプラットフォームです。2025年3月における月間のページビュー数(PV(注2))は495万回、Monthly Active Users(MAU(注3))は223万ユーザーという実績です。さらに、LINE NEWS AWARDS 2024 LINEメディア賞 女性部門 大賞(注4)を3年連続で獲得するなど、シニア女性向けWEBサイトとしてトップクラスのアクセス数と評価を獲得し、高い支持を集めています。2024年12月にサイトの大幅なリニューアルを実施し、50代向けのWEBコンテンツとして、コンテンツ企画・開発、サイト構造改革、UI/UX改善、SNS等を活用した手法開発等を行っております。
(注) 1.出所:一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」(2024年下期(7-12月)実績)
2.PVは「Page View」の略語であります。WEBサイト内の特定のページが開かれた回数を表し、WEBサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つです。
3.MAUは「Monthly Active User」の略語であります。WEBサイトやネットサービス、スマートフォンアプリなどで、ある一ヶ月の間に一回でも利用や活動のあった利用者の数の合計を指します。
4.「LINEアカウントメディア」を通した各メディアの記事に対して、ユーザーの反応などをLINE NEWS独自の算出方法でスコア化。1年を通して特に高い支持を得たメディアを表彰するものです。
他誌購読部数
出所:一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」(2017年~2024年上期(1-6月)・下期(7-12月)の販売部数)
月間PV及びMAUの推移
通信販売においては、お客様の声を聞いたうえでお客様の悩みや期待に応える商品を開発し、中高価格帯で提供しております。商品の例としては以下のようなものがあります。
また、社会課題の解決のために以下のようなサービスも取り扱っています。
このほか、情報コンテンツや商品と関連した体験やつながりを提供するコミュニティも多数設けております。そこで取り扱う内容は、散歩、料理、食巡り、スマホ講座、旅行、メイク、ファッション、学び、コンサート、歌唱、芸術、体操、押花等多岐に渡っており、2025年3月期においては、オフライン及びオンラインを合わせると約200本のイベントを開催し、延べ参加人数は約2.0万人にのぼります。
ハルメク事業の強みは、「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の3つの事業が連動し相乗効果を生んでいることにあります。特に、「情報コンテンツ」を中核にすることで商品及びサービスの利用率が高まり、お客様の当社グループに対するロイヤリティが向上するという好循環が生まれるビジネスモデルとなっており、通信販売のみを行う事業者とは一線を画すことを可能にしています。
情報コンテンツ:雑誌「ハルメク」及び「HALMEK up」にてシニア女性に役立つ情報を提供
物販:シニア女性の生の声をもとにオリジナル商品を開発し、自社ECサイト、カタログ通販及び店舗を通じて販売
コミュニティ:オフライン・オンラインによるイベント・講座・旅行を通じてシニア女性に「繋がり」の場を提供
3つの事業が連動している例としては、情報コンテンツをリアルやオンラインで体験する場を設けたり、情報コンテンツのメッセージに沿った商品を開発し、更に商品を体験する場を設けたりする例もあります。商品の開発にあたっては当社内に限らず、社外の企業と連携することもあります。
これら3つの事業を有することにより、主に雑誌「ハルメク」を起点にした集客から始まり、ユーザーの育成ないし顧客単価の上昇、そしてファン化までのサイクルが形成されております。集客の観点では、「情報コンテンツ」による新規顧客の獲得が14万人(雑誌「ハルメク」の新規読者数:2025年3月期実績)あり、次いで「物販」による新規顧客の獲得が14万人(新聞単品外販(※)等の新規顧客獲得数:2025年3月期実績)と貢献しています。育成の観点では、「物販」が再購入という形で最も貢献しており、次いで「情報コンテンツ」が継続率という形で寄与し、一部「コミュニティ」が担っております。ファン化の観点では、高い顧客満足度を誇る「情報コンテンツ」及び「コミュニティ」が貢献しております。
このように、3つの事業の相乗効果により継続的な利用をするユーザーの確保が可能となり、利用金額ないし利用回数が多いファンユーザーが多くの売上収益を生み出すことが可能な構図となっております。
(※) 新聞単品外販とは、新聞広告により、㈱ハルメクの通信販売商品を単品ごとに雑誌「ハルメク」の読者以外の方へ販売する事業です。
「情報コンテンツ」、「ハルメク物販」及び「コミュニティ」等の既存事業の他、以下の事業を先行投資事業と位置づけ、展開しております。
これらを含めた事業の流れを事業系統図にて示すと以下のとおりであります。
[ハルメク事業 事業系統図]
(2) ことせ事業(旧:全国通販事業)
ことせ事業は、新聞広告などで集客したお客様へ通販カタログ「ことせ」を送付し、通信販売で商品等を提案・販売し、収益を獲得している事業となります。こちらもハルメク事業同様にシニア女性をターゲットとしておりますが、販売している商品が低価格であることからハルメク事業の顧客属性とは異なっており、棲み分けがなされております。商品の例としては以下のようなものがあります。
ことせ事業においては、ハルメク事業のような雑誌による集客はありませんが、お客様ごとに定めた担当者(お得意様コンシェルジュ)が電話で親身にお客様に寄り添いながら商品を提案し、販売するという、通信販売でありながらも外商営業的な要素も取り入れた独自のスタイルで事業を運営しており、1970年の創業以来、多くのお客様にご支持頂いてきております。
これらの事業の流れを事業系統図で示すと以下のとおりであります。
[ことせ事業 事業系統図]
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用や所得環境において改善が見られる反面、円安やエネルギー価格高騰などに起因する物価上昇が継続していることから、個人消費は緩やかな改善に留まっております。また、インバウンド需要は活性化しておりますが、不安定な海外情勢の長期化や中国経済の減速、米国の関税政策などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、雑誌「ハルメク」が国内全雑誌における販売部数でNo.1(※)を維持し、読者数は2024年10月から2025年3月までの半年平均で46万人(前年同期:45万人)となっております。(※出所:一般社団法人日本ABC協会「発行者レポート」(2024年上期実績))
物販におきましても、健康志向に対応した健康サポートインナーやリカバリーウェア、夏場には猛暑に対応した涼感インナー、冬場には裏起毛の暖かインナーなど多くの商品がご好評をいただいたほか、8月に南海トラフ地震に関する特別な注意の呼びかけが行われたことなどから、防災用品の販売が大きく増加し、年末にはおせち料理の販売が過去最高を更新するなど、売上が着実に伸長いたしました。
今期の重要施策のうち、「顧客数を安定的に増やしファン化する」ことを目的とした、新聞広告及び新店舗展開による新規顧客の獲得は順調に進捗しております。なお、当連結会計年度にオープンした新店舗は、藤崎仙台店(4月開設、宮城)、日比谷シャンテ店(5月開設、東京)、熊本鶴屋店(9月開設、熊本)、東武船橋店(9月開設、千葉)、東武池袋店(10月開設、東京)、松坂屋上野店(10月開設、東京)及び小倉井筒屋店(3月開設、福岡)の7店舗となります。また、TV広告等を活用したクロスマーケティングによる新規顧客の獲得手法の確立についても、鋭意取り組みを進めております。
もう一つの当期の重要施策である広告効率の改善も順調に進捗しております。特に売上に対するカタログ費用の割合を示す媒体費率については、2024年5月に公表した業績予想をやや上回るペースで改善が進みました。
このほか、前年度において基幹システムのバージョンアップを実施しましたが、バージョンアップ後のシステムが想定よりも安定的に稼働していることから、基幹システムの安定性の抜本改善を目指して、並行して進めていた次期基幹システムの開発は、完全に中止することを決議いたしました。これにより、10億円程度の追加投資を回避できる一方で、既に開発済みであった投資額を除却することとなり、当連結会計年度において226百万円の除却損(※)が発生しております。(※IFRSにおいては「その他の費用」に計上され、営業利益に影響します。)
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、33,930百万円(前年同期比2,514百万円増、8.0%増)、営業利益は、1,068百万円(前年同期比210百万円増、24.5%増)、税引前利益は、1,020百万円(前年同期比338百万円増、49.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、623百万円(前年同期比147百万円増、31.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
中間連結会計期間より、従来「全国通販事業」としていた報告セグメントの名称を「ことせ事業」に変更しております。この変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
なお、セグメント別の売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
<ハルメク事業>
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りにより、雑誌「ハルメク」において想定どおりに読者数を確保したこと、2024年1月に雑誌「ハルメク」の購読料を値上げしたこと、新聞広告や店舗において新規顧客を順調に獲得したこと、及び機能面で優れた商品をライフスタイルとともに提案したことなどにより、情報コンテンツ及び物販において、売上を大きく伸ばすことができました。また、販売費及び一般管理費については、2023年秋以降に悪化していた広告効率の改善に取り組んでおり、2024年5月に公表した業績予想を上回るペースで改善が進みました。
以上の結果、売上収益は26,750百万円(前年同期比2,720百万円増、11.3%増)、セグメント利益は1,302百万円(前年同期比185百万円増、16.6%増)となりました。
<ことせ事業>
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたこと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、新規顧客獲得が順調に進みましたが、完売による売り逃しが多数発生してしまったことなどから、セグメント利益は大きく減少しております。
以上の結果、売上収益は7,567百万円(前年同期比154百万円減、2.0%減)、セグメント損失は39百万円(前年同期比70百万円減)となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ778百万円増加し20,893百万円となりました。
流動資産は1,362百万円増加し、7,591百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の増加1,456百万円、棚卸資産の増加181百万円、営業債権の減少204百万円であります。
非流動資産は584百万円減少し、13,301百万円となりました。主な要因は、無形資産の減少593百万円、使用権資産の減少149百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ138百万円増加し12,697百万円となりました。
流動負債は135百万円増加し、8,919百万円となりました。主な要因は、契約負債の増加226百万円、その他の流動負債の増加198百万円、未払法人所得税の増加186百万円、営業債務及びその他の債務の減少496百万円であります。
非流動負債は2百万円増加し、3,777百万円となりました。主な要因は、繰延税金負債の増加110百万円、リース負債の減少157百万円であります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ639百万円増加し8,195百万円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益623百万円の計上によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,456百万円増加し、2,394百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,395百万円(前年同期は152百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、減価償却費及び償却費1,108百万円(前年同期は915百万円)、税引前利益1,020百万円(前年同期比338百万円増)、営業債権の減少額322百万円(前年同期は340百万円の増加)、有形固定資産及び無形資産除却損238百万円(前年同期は580百万円)であり、主な減少要因は、営業債務及びその他の債務の減少額438百万円(前年同期は80百万円の減少)、法人所得税の支払額253百万円(前年同期は937百万円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は344百万円(前年同期は414百万円の使用)となりました。主な内訳は、無形資産の取得による支出185百万円(前年同期は278百万円)、有形固定資産の取得による支出153百万円(前年同期は104百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は593百万円(前年同期は3,836百万円の使用)となりました。支出の内訳は、リース負債の返済による支出585百万円(前年同期は457百万円)であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.総販売金額に対する割合が10%以上を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上収益)
売上収益は33,930百万円(前連結会計年度比8.0%増)となりました。これは主に定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が2024年10月から2025年3月までの半年平均で46万人と前年同期を上回ったこと、更に通信販売も新聞広告や自社ECサイトを通じて顧客数を増やしたことによるものです。
(売上原価・売上総利益)
売上収益の増加により、売上原価は14,835百万円(前連結会計年度比8.6%増)となり、売上総利益は19,095百万円(前連結会計年度比7.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
従業員給付費用が520百万円増加したこと、広告宣伝費が295百万円増加したことなどから、販売費及び一般管理費は17,813百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。その他の収益は75百万円(前連結会計年度比106.4%増)、その他の費用は288百万円(前連結会計年度比52.4%減)となり、営業利益は1,068百万円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。
(金融収益・金融費用・税引前利益)
金融収益は1百万円(前連結会計年度比5,259.3%増)、金融費用は49百万円(前連結会計年度比72.1%減)となりました。
以上の結果、税引前利益は1,020百万円(前連結会計年度比49.7%増)となりました。
(法人所得税費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は396百万円(前連結会計年度比93.1%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は623百万円(前連結会計年度比31.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
なお、セグメントごとの売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
[ハルメク事業]
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りにより、雑誌「ハルメク」において想定どおりに読者数を確保したこと、2024年1月に雑誌「ハルメク」の購読料を値上げしたこと、新聞広告や店舗において新規顧客を順調に獲得したこと、及び機能面で優れた商品をライフスタイルとともに提案したことなどにより、情報コンテンツ及び物販において、売上を大きく伸ばすことができました。また、販売費及び一般管理費については、2023年秋以降に悪化していた広告効率の改善に取り組んでおり、2024年5月に公表した業績予想を上回るペースで改善が進みました。
以上の結果、売上収益は26,750百万円(前年同期比2,720百万円増、11.3%増)、セグメント利益は1,302百万円(前年同期比185百万円増、16.6%増)となりました。
[ことせ事業]
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたこと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、新規顧客獲得が順調に進みましたが、完売による売り逃しが多数発生してしまったことなどから、セグメント利益は大きく減少しております。
以上の結果、売上収益は7,567百万円(前年同期比154百万円減、2.0%減)、セグメント損失は39百万円(前年同期比70百万円減)となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品仕入代金、用紙等仕入代金、人件費等であります。資金の流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段の方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、読者数と顧客数を経営指標として重視しております。読者数を重視する理由は、雑誌「ハルメク」の読者は、ハルメクの世界観に共感して頂いている非常にロイヤリティが高いお客様であり、「物販」「コミュニティ」といった他事業とのクロスセル率が高い、もしくは、今後、そういったお客様になって頂ける可能性が高い、非常に重要なお客様であるためであります。顧客数を重視する理由は、当社の経営理念は「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」ですが、顧客数は「実際に当社が応援できている50代からの女性の人数」を表していると考えているからです。
各指標の実績等は以下のとおりであります。
読者数は、顧客のインサイトに基づくコンテンツの絶え間ない磨き上げ及びマーケティング手法の開拓、PRの強化により堅調に推移していると認識しております。
顧客数についても、ことせ事業の2021年3月期からの構造改革によって回復傾向、ハルメク事業は読者数及び新聞単品外販の伸長により、堅調に推移していると認識しております。
セグメント情報
6.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは「ハルメク事業」及び「ことせ事業」の2つの事業を事業セグメント及び報告セグメントとしております。当社グループでは、これらの報告セグメントに属するサービスの全て又はその一部を行う単位で株式会社として組織化しており、各セグメントに属する組織の財務情報を集計することによって、各報告セグメントを評価しております。
中間連結会計期間より、従来「全国通販事業」としていた報告セグメントの名称を「ことせ事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、前連結会計年度のセグメント情報についても変更後の名称で記載しております。
各報告セグメントに属するサービスは下記のとおりであります。
(2) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失の金額の算定方法
報告セグメントの売上収益、利益又は損失の金額の算定方法について、連結財務諸表との主な調整の内容は以下のとおりです。なお、セグメント情報は、社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
また、セグメント間収益は、市場価格を勘案し、価格交渉の上決定した取引価格に基づいております。
① 代理人取引の相殺消去
当社グループは、広告事業の一部として、法人顧客へ、広告取扱業者への取次を含めたコンサルティングサービスを提供しております。履行義務に代理人として関与する行為が含まれている場合には、その取扱金額は収益より控除されますが、セグメント収益の算定上、総額で記載しております。
② 収益認識時点の修正
当社グループは、通信販売事業を行っております。IFRSでは履行義務を充足した時点、すなわち、顧客に商品を引渡した時点で収益として認識されますが、セグメント収益の算定上、商品の出荷時点で収益として認識しております。
③ のれんの償却
IFRSでは、認識したのれんについて償却を行わず、年に一度又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを行うことを要求しておりますが、セグメント利益の算定にあたっては連結子会社が会社法上認識しているのれんについて、20年で償却した費用を計上しております。
④ 無形資産の償却
当社は企業結合により、無形資産として顧客関連資産等を認識しております。当該無形資産について見積耐用年数に従って償却が行われますが、セグメント利益の算定にあたっては償却費を計上しておりません。
⑤ 非金融資産の減損による影響
当社は企業結合の際に、ことせ事業セグメントの使用権資産及び無形資産について減損を行っており、IFRSでは当該減損した使用権資産及び無形資産に関連する減価償却費及び償却費が計上されておりません。セグメント利益の算定においては、これらの資産にかかる賃借費用及び償却費を計上しております。
⑥ その他調整額
その他には、上記以外の調整項目が含まれております。
(3) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
連結のセグメント利益は、連結損益計算書上の売上総利益から販売費及び一般管理費を除いた金額であります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
連結のセグメント利益は、連結損益計算書上の売上総利益から販売費及び一般管理費を除いた金額であります。
(4) 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
① 売上収益 (単位:百万円)
② セグメント利益から税引前利益への調整表 (単位:百万円)
(5) 製品及びサービスに関する情報
「(3) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失の金額に関する情報」の中で同様の開示をしているため、記載を省略しております。
(6) 地域に関する情報及びセグメントごとの資産の金額に関する情報
当社グループにおける売上収益は全て本邦のものであり、また、当社グループの非流動資産は全て本邦にあることから、地域ごとの情報は省略しております。
(7) 主要な顧客に関する情報
単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%を超えるものはありません。