事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 4,186 | 100.0 | 986 | 100.0 | 23.6 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の事業は、金融商品取引業を中核とする投資・金融サービス業を主な内容とし、顧客に対して資金調達、資産運用の両面で幅広いサービスを提供しております。
また、当社の事業は、投資・金融サービス業という単一セグメントであります。
主たる業務は次のとおりであります。
(1) 有価証券の売買、市場デリバティブ取引又は外国市場デリバティブ取引(以下「有価証券の売買等」という。)
(2) 有価証券の売買等の媒介、取次ぎ又は代理
(3) 取引所金融商品市場(外国金融商品市場を含む。)における有価証券の売買等の委託の媒介、取次ぎ又は代理
(4) 有価証券の引受け
(5) 有価証券の募集又は私募
(6) 有価証券の売出し
(7) 有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取扱い
(8) 投資一任契約の媒介
上記のほか、金融商品取引業に付随する業務、保険販売等を営んでおります。
主な事業の系統図は次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、当社の事業は投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、セグメントごとの分析については記載を省略しております。
(1) 財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ22億32百万円減少し、197億10百万円となりました。
募集等払込金が3億26百万円増加し、現金・預金が19億99百万円、預託金が5億62百万円、信用取引資産が1億27百万円それぞれ減少したこと等により流動資産は23億4百万円減少し、148億32百万円となりました。投資その他の資産が1億60百万円増加し、有形固定資産が99百万円減少したこと等により固定資産は72百万円増加し、48億78百万円となりました。
② 負債
信用取引負債が7億28百万円、受入保証金が6億5百万円、預り金が4億72百万円、未払法人税等が2億9百万円、未払金が1億94百万円、役員退職慰労引当金が71百万円、繰延税金負債が29百万円それぞれ減少したこと等により負債合計は23億87百万円減少し、76億17百万円となりました。
③ 純資産
利益剰余金が2億74百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1億19百万円減少したことにより純資産は1億55百万円増加し、120億92百万円となりました。
当社は、金融機関等からの借入れは、信用取引にかかる借入れ及び一時的な資金繰りに必要な借入れを除いて行わない方針であります。信用取引でのお客様への金銭等の貸付は、証券金融会社から借り入れるほか、自己資金を充てています。固定資産の取得についても自己資金で賄っております。当事業年度は大型の設備投資はなく、有形固定資産が99百万円の減少(前事業年度は、1億30百万円の減少)となりました。一方、投資有価証券の取得等により投資その他の資産が1億60百万円の増加(前事業年度は、6億87百万円の増加)となり、その結果、固定資産は72百万円の増加(前事業年度は、5億57百万円の増加)となっております。
また、利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金の減少により純資産は120億92百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
当事業年度における我が国経済は、物価の継続的な上昇が個人消費に及ぼす影響や米国の通商政策をはじめとする政策変更等、景気を下押しするリスクがある一方、国内の雇用や所得環境が改善し、景気は緩やかに回復しました。
国内の株式市場において、40,646円で始まった4月の日経平均株価は、中東情勢の緊迫化を受けて下落しその後も上値の重い展開が続きましたが、外国為替市場で1ドル=161円90銭台の安値を付けたこと等から日経平均株価は大幅に上昇し、7月11日に史上最高値となる42,426円を付けました。しかし、日本銀行が金融政策決定会合で政策金利の引上げを決定する中、年内の追加利上げの可能性を否定しなかったことから円高・ドル安が進行し、それを受けて日経平均株価は連日で急落しました。8月5日には過去最大の下げ幅を記録し、31,156円の安値を付けました。反発後は39,000円を付ける場面も見られたものの勢いは続かず、35,000円台まで値を下げました。その後、自民党総裁選への期待から日経平均株価は節目となる40,000円目前まで上昇しましたが、当初の市場予想とは異なり石破茂氏が自民党総裁に就任し、経済政策に対する警戒感が強まったことから下落に転じました。しかし下値は限定的で、10月に入ると、堅調な米雇用統計を受けてリスクオン姿勢が強まり、日経平均株価は3カ月ぶりに40,000円を一時回復しました。その後、国内では衆議院選挙での与党の過半数割れや、国外では第二次トランプ政権の誕生といった大きなイベントが続きましたが、日経平均株価は38,000円割れから40,000円前後のレンジで上下を繰り返す展開が続きました。しかし、2月下旬以降はトランプ米大統領による関税引上げへの警戒感から日経平均株価は下値を切下げる動きが続き、3月11日には6カ月ぶりに36,000円を割りこみ、その後も軟調な展開が続きました。トランプ政権の政策による影響で米国をはじめとする世界経済が減速するとの懸念が強まると、3月31日には前週末比で1,500円以上値下がりし、35,617円で当事業年度を終えました。
このような状況の中、当社は地域密着型の対面営業を行う証券会社として、株式営業や債券販売、投資信託販売を中心に営業を展開しました。株式営業においては、「情報シャトル特急便」、「Imamura Report」等当社作成の情報誌や専門調査機関の作成するレポートを活用した投資情報の提供のほか、資産形成に関するセミナーの開催等、お客様のニーズにお応えする提案・サポート等を積極的に行いました。また、12月には株式会社リスキルのIPOに引受証券会社として参加しました。債券販売においては、米ドル建て社債の販売に注力したほか、福井県債や北陸電力社債、石川県債も取り扱いました。投資信託販売においては、新たに取扱いを開始した「ニッセイ・円建てグローバル社債/バランスファンド2024-09」等の販売が好調となりました。また、投資助言・代理業として4月よりゴールベースアプローチ型ラップサービス「未来設計」の取扱いを開始し、お客様一人ひとりに寄り添った長期的なライフプランの実現をサポートするべく販売に注力しました。
当社は、システムの開発から運用まで全てを自社で行う「システムの独立」を経営理念の一つとしておりますが、当事業年度においても、システムの開発を行い、お客様ご自身が保有資産をオンラインで照会いただけるお客様向けポータルサイト「iPortal」を新たなサービスとして開始しました。これにより、お客様はいつでも、どこでも、ご自身で保有資産をご確認いただけるようになりました。当社社員におきましても、お客様からの保有資産照会に関するお問合せが減少することで、より多くの時間をお客様へのフォローアップに費やすことができ、また、今後は更なるサービスの充実が図れるようになります。さらに、本年1月より、取引報告書をお客様のiPortalにてご確認いただける電子交付サービスの提供を開始し、お取引内容をその日のうちにご確認いただけるようになりました。当社におきましても、取引報告書の郵便が減少することで紙資源やコストの削減が見込まれます。また、業務の効率化を図るとともに、よりきめ細かいサポートを目指し、各営業員のパソコンやタブレット端末で利用できる新たな営業活動支援システムの運用を開始しました。その他、昨年11月からの東京証券取引所の取引時間延長につきましても、自社でシステムを開発し、対応しております。
また、2023年5月に設立した地方証券会社連携コンソーシアムにおける取組みが、令和6年度「地方創生に資する金融機関等の『特徴的な取組事例』」に選定され、本年3月に内閣府特命担当大臣(地方創生担当)より表彰いただきました。地方から数多くの新規上場企業が輩出されることを目指し、地域密着型の地方証券会社として本取組みにも注力してまいります。
その結果、当事業年度の営業収益は41億86百万円(前年同期比13.1%減)、純営業収益は41億70百万円(同13.0%減)、経常利益は10億18百万円(同32.3%減)、当期純利益は7億60百万円(同24.7%減)となりました。
当事業年度における主な収益及び費用の状況は次のとおりであります。
① 受入手数料
当事業年度の受入手数料の合計は36億85百万円(前年同期比17.0%減)となりました。その内訳は次のとおりであります。
イ 委託手数料
株券に係る委託手数料は26億92百万円(同8.6%減)となり、受益証券を含めた委託手数料の合計は27億33百万円(同7.8%減)となりました。
ロ 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は2百万円(同99.5%減)となりました。
ハ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は5億29百万円(同21.6%減)となりました。
ニ その他の受入手数料
その他の受入手数料は4億19百万円(同20.9%増)となりました。
② トレーディング損益
トレーディング損益は4億41百万円(前年同期比33.7%増)となりました。
③ 金融収支
金融収益が59百万円(前年同期比31.2%増)、金融費用が15百万円(同23.0%減)となった結果、差し引き金融収支は43百万円(同74.7%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は31億84百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等54百万円(前年同期比38.4%増)、営業外費用は、為替差損等22百万円(同91.1%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益88百万円(前年同期の計上はなし)、特別損失は、投資有価証券売却損等13百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
当事業年度の受入手数料の合計は36億85百万円(前年同期比17.0%減)で、その商品別内訳は、株券26億98百万円(同8.5%減)、債券1百万円(同99.7%減)、受益証券9億9百万円(同7.0%減)、その他75百万円(同27.1%増)であります。当事業年度は、第1四半期累計期間まで仕組債の販売を行っていた前事業年度に比べ債券部門の受入手数料が大幅に減少しました。また、仕組債の償還金により投資信託の販売が大幅に増加した前事業年度に比べ受益証券部門の受入手数料も減少しました。その結果、当社が経営指標として新たに定める「受益証券による経費カバー率」は27.7%(前事業年度は28.9%)となりました。目標とする2029年3月期までに36%超の達成を目指し、引き続き、株式市況に左右されにくい収益基盤の確立を図ってまいります。なお、米ドル建て社債等の販売に注力した結果、当事業年度のトレーディング損益は前事業年度に比べ増加し4億41百万円(同33.7%増)となりました。
また、当社は経営戦略の一つとして「新たなお客様の獲得」を掲げ、その指標として5年間で15,000口座の新たなお客様の獲得を目指し、単年度においては3,000口座以上の獲得を目標としております。当事業年度は、3,926口座(前事業年度は4,440口座)となり目標を30.9%上回りました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ19億99百万円減少し、61億96百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億84百万円の資金減少(前事業年度は、20億25百万円の資金増加)となりました。これは、税引前当期純利益10億92百万円、減価償却費1億39百万円を計上したことに加え、顧客分別金信託の減少5億70百万円、信用取引資産の減少1億27百万円等により資金が増加する一方、信用取引負債の減少7億28百万円、受入保証金の減少6億5百万円、預り金の減少4億72百万円、募集等払込金の増加3億26百万円、未払金の減少1億91百万円、役員退職慰労引当金の減少71百万円、法人税等の支払額5億23百万円等により資金が減少した結果であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出3億45百万円、投資有価証券の売却による収入94百万円等により3億5百万円の資金減少(前事業年度は、3億6百万円の資金減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額により4億85百万円の資金減少(前事業年度は、3億98百万円の資金減少)となりました。
当事業年度において、当社の主要顧客である個人投資家の取引は低調となり減収減益となりました。その結果、税引前当期純利益を計上したことに加え、顧客分別金信託の減少等により資金が増加した一方で、信用取引負債の減少、受入保証金の減少、預り金の減少等により資金が減少したことから、営業活動によるキャッシュ・フローは11億84百万円の資金減少(前事業年度は20億25百万円の資金増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、自己資金での投資有価証券の取得による支出が前事業年度に比べ増加したものの、前事業年度にはなかった投資有価証券の売却による収入があったこと等により、資金減少額は3億5百万円となり、前事業年度と比較し僅かに縮小しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の期末配当金を1株当たり70円と倍増したことに加え、当事業年度より中間配当金を実施したため、資金減少額は4億85百万円となり、前事業年度と比較し拡大しました。
これらの結果、当事業年度末の資金は期首に比べ減少し61億96百万円となり、依然として高水準を維持しております。また、当社では資金を手許現金や要求払預金等とし、十分な流動性を確保しております。
なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社の業績は経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けることから、将来に対する予測が困難であります。そのような状況のもと、当社は、今後の事業展開の資金需要及び一時的な業績不振に陥った場合にも柔軟な営業戦略の推進を維持できるよう備えるとともに、株主の皆様への継続的かつ安定的な利益還元を目指してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を必要とします。経営者は、過去の実績やそれぞれの状況等を勘案し合理的と考えられる仮定を用いて見積りを行っておりますが、見積り及び仮定については特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。