リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループでは、組織目標の達成を阻害する要因、あるいは事業の継続に影響を与えうる要因をリスクとして識別し、分析、評価、対応を行うPDCAサイクルを回すため、各種委員会を立上げております。機密情報及び情報セキュリティに関するリスクには情報セキュリティ委員会、不正リスクには企業倫理委員会、内部統制やガバナンスには内部統制委員会など、各種委員会によりリスクアセスメントを行い、リスクの低減や回避などの適切な措置を図っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要な得意先に関するリスク
当社グループにおきましては、自動車等車両部品が連結売上高の大半を占め、なかでもトヨタ自動車株式会社向けの依存度が高く、同社の生産動向・購買政策などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 資材調達に関するリスク
生産に必要な資材の調達につきましては、品質・コストの維持・改善を図りつつ安定調達の確保に努めておりますが、需給の状況などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業展開に関するリスク
海外生産拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など各国における諸事情の変化や、金利・為替などの市場動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、同地域向けの事業も展開しておりませんので、現時点で当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性は低いと考えております。
(4) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは製品の品質の確保・向上に努めておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスクに対して当社グループでは、各部署の役割と責任を明確にした品質保証規則に基づき、業務を実行することで品質保証を実践しております。リスクレベルに応じて工程での保証度と製品確認の保証レベルを上げて、安心な製品をお届けするように努めております。
(5) 電動化に関するリスク
自動車業界は100年に一度の変革期を迎え、既存のエンジン搭載車から電気自動車への切替など、電動化への動きが急速に進んでおります。その対応の遅れは、当社グループにとって既存・新規ビジネスの機会を逸することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境のなか、当社グループとしては、BEV及び電動車向け関連部品の研究開発、解析能力を活用したゾーン開発によるボデー系部品の付加価値向上、複雑・大型化へ対応したボデー系部品・外販設備事業の拡大、投資・工数ミニマムで標準化された排気系部品の成熟市場(エンジン搭載車)でのシェア向上、「排気収集・浄化」の技術を活かした新規事業への取り組みを推進してまいります。
(6) 金利・為替変動に関するリスク
当社グループは、業容の拡大に伴い借入調達を行っておりますが、金利変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外売上高は全体の売上高の約半分を占めており、円換算後の価値が変動するなど為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、変動金利から固定金利へのスワップや為替予約の締結等を通じて、金利・為替変動リスクを低減しております。
(7) コンプライアンスに関するリスク
当社グループにおけるコンプライアンスとは、「法令遵守はもとより、社会の構成員たる企業人として求められる価値観・倫理観をもって誠実に行動すること。それを通じて公正かつ適切な経営を実現し、市民社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくこと。環境問題を重視し、自らが行動を起こし、環境の保全に努めること。」と定めております。当社グループは、企業の社会的責任と公共的使命を自覚し、高い倫理観を持って企業活動を行い、社会的責任を果たし、また、国内外の文化・習慣を尊重し、環境保全に努め、地域とともに成長し、地域に喜ばれる企業であるよう様々な活動を展開しております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、機密情報の保護・管理のため、フタバセキュリティガイドラインを策定し、従業員への機密管理意識の徹底を図っています。また、年々高度化しているサイバー攻撃に備え、サイバー保険を付保しております。しかしながら、情報セキュリティ上のリスクを完全には回避できない可能性があり、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材確保に関するリスク
少子高齢化や人口減少が進行していく環境下において、人材を十分に確保できない場合や人材獲得競争の激化によりコストが大幅に増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境のなか、当社グループは「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン宣言」を行い、より一層の制度の整備・拡充や従業員の意識改革に積極的に取り組み、多様な属性を持つ従業員がやりがいや成長実感を持ちながら、活き活きと活躍できる環境を整えております。また、近年では、より一層現地に根差した経営を推進するために、現地人材の計画的な育成に積極的に取り組んでおります。
(10) 自然災害、感染症等に関するリスク
当社グループでは、発生が予想されている南海トラフ巨大地震を最も大きなリスクと捉え、人命第一を最優先に、人的・物的被害を最小限に止め、事業活動の早期再開をはかることを目的とした事業継続計画(BCP) を策定しています。その中で、緊急地震速報や安否確認システムの導入、避難経路の安全確保や建屋の耐震補強、設備の転倒・落下防止対策など、防災・減災の取り組みとともに、定期的な教育訓練を行っています。また、感染症対策につきましても、在宅勤務制度等の基準策定や施設・備品の整備を行い、BCP発動時には災害対策本部を設置し、各生産拠点の情報をとりまとめるとともに、事業への影響を最小限に抑えられるよう対応しています。
しかしながら、大地震や大型台風、洪水等の自然災害、感染症の拡大等により、サプライチェーン、製品供給に大きな支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは生産活動に使用する固定資産を多額に保有しておりますが、これら固定資産は事業採算の悪化などにより、投下資本の回収リスクを負っており、合理的な基準に基づく固定資産の減損処理を行っております。将来、事業採算悪化によりさらなる減損処理を行うことがあり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 税効果の変動に関するリスク
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積りに変動があることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 退職給付債務に関するリスク
当社グループでは、退職給付制度を採用しておりますが、退職給付費用及び債務は数理計算上の前提条件、期待収益率により算出されており、実際の結果との相違、前提条件の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様の利益向上を経営の重要課題のひとつとし、利益配分につきましては、安定的な配当の維持を基本に、経営成績・配当性向などを総合的に勘案し、株主の皆様のご期待に沿うよう努めてまいります。内部留保につきましては、将来にわたる株主の皆様の利益を確保するため、経営基盤をより一層強化・充実するための投資などに充当し、今後の事業展開に役立ててまいります。
当事業年度の株主配当金については、当期業績に鑑みて、1株につき35円(うち中間配当15円)とさせていただきました。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、取締役会であります。なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定めているほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。