2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    12,082名(単体) 55,176名(連結)
  • 平均年齢
    42.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.1年(単体)
  • 平均年収
    8,347,789円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年12月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

ランドモビリティ

39,990

(11,215)

マリン

6,671

(163)

アウトドアランドビークル

2,111

(137)

ロボティクス

2,718

(108)

金融サービス

946

(63)

 報告セグメント計

52,436

(11,686)

その他

2,740

(242)

合計

55,176

(11,928)

 

 (注) 1 従業員数は就業人員数(執行役員、当社及び連結子会社から連結の範囲外への出向者を除く。)で

       す。臨時従業員数(雇用契約が1年未満の直接契約社員)は、当連結会計年度の平均雇用人員数を

             ( )内に外数で記載しています。

     2 当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「ランドモビリティ」「マリン」「ロボティクス」

       「金融サービス」から「ランドモビリティ」「マリン」「アウトドアランドビークル」「ロボティク

       ス」「金融サービス」に変更しました。

 

(2) 提出会社の状況

2025年12月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

12,082

42.7

18.1

8,347,789

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ランドモビリティ

8,077

マリン

2,204

アウトドアランドビークル

477

ロボティクス

1,249

金融サービス

 報告セグメント計

12,007

その他

75

合計

12,082

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(執行役員、臨時従業員及び当社からの出向者を除く。)です。
    2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。

  3 前連結会計年度末から従業員数が1,153名増加していますが、これは主に、2025年1月1日付でヤマ

    ハモーターエレクトロニクス株式会社を吸収合併したこと、及び2025年1月1日付でヤマハモーター

       パワープロダクツ株式会社のゴルフカー事業を移管したことによるものです。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

3.7

80.2

73.5

73.5

100.0

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年(2015年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

  2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年(1991年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年(1991年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

 ② 国内連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)
(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者
 (注3)

ヤマハ発動機ビズパートナー㈱

25.3

66.7

71.1

66.3

309.8

ヤマハモーターソリューション㈱

16.2

100.0

93.1

90.7

122.6

ヤマハモーターパワープロダクツ㈱

0.0

88.2

73.9

75.8

(注4)

ヤマハモーターエンジニアリング㈱

0.0

83.3

77.5

77.5

(注4)

ヤマハモーター精密部品製造㈱

0.0

50.0

100.2

99.8

84.3

ヤマハモーターハイドロリックシステム㈱

10.3

75.0

82.1

82.7

72.7

ヤマハ発動機販売㈱

3.6

33.3

65.7

68.7

90.1

ヤマハ熊本プロダクツ㈱ (注5)

0.0

100.0

77.0

75.6

86.6

ヤマハ天草製造㈱ (注5)

0.0

16.7

90.7

101.6

84.6

㈱ワイズギア

6.7

100.0

64.8

65.3

44.6

浜北工業㈱

12.5

(注4)

76.2

74.6

56.6

ヤマハモーターMIRAI㈱

33.3

(注4)

102.2

110.2

95.4

ヤマハマリーナ㈱

7.1

100.0

62.9

70.6

48.7

ヤマハロボティクス㈱

4.5

50.0

80.2

84.8

30.6

ヤマハマリン北海道製造㈱

0.0

(注4)

79.3

83.6

27.4

㈱菅生

7.1

(注4)

70.9

82.9

56.4

西日本スカイテック㈱

0.0

(注4)

87.1

81.3

(注4)

アピックヤマダ・プレシジョン㈱

0.0

(注4)

82.9

82.9

(注4)

 

(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年(2015年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

  2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年(1991年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年(1991年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

  3 パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、無期雇用者以外の多様な雇用形態を含むとともにその構成も会社ごとに異なるため、数値が分散する傾向があります。

  4 対象者となる従業員なし。

  5 ヤマハ熊本プロダクツ㈱及びヤマハ天草製造㈱については、2026年1月1日付で合併を行い、商号をヤマハマリン㈱に変更しています。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ヤマハ発動機グループのサステナビリティ

ヤマハ発動機では創業以来、「社訓」に“企業活動を通じた国家社会への貢献”を謳い、この精神に基づいた従業員一人ひとりの行動を通して社会に貢献することを掲げています。そして、「感動創造企業:世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ことを企業目的として、「モノ創り」を通じて多様な価値の創造に努めてきました。また、経営理念では「顧客の期待を超える価値の創造」、「仕事をする自分に誇りが持てる企業風土の実現」、「社会的責任のグローバルな遂行」というお客さま・従業員・社会に対する経営の基本姿勢を示しています。

こうした理念の下、ヤマハ発動機グループではステークホルダーへの主な社会的責任をサステナビリティ基本方針としてまとめ、企業理念に基づく事業活動を通じて社会の持続可能な発展に貢献することが私たちに期待されているサステナビリティと考え、取組を行っています。

 

ヤマハ発動機グループサステナビリティ基本方針

ヤマハ発動機グループは、「感動創造企業」を企業目的に、社会や地球環境との調和を図りながら、製品やサービスを通じて世界の人々に喜びや驚き、高揚感、そして豊かさや幸福感を提供し続けていくことを目指しています。これを実現するために私たちは、人と人とのつながりから生まれる共感を新しい価値を生む原動力とし、適正な企業統治の下、社会から信頼される企業として、革新的で多様な製品やサービスを通じ、ヤマハらしい形で社会の課題解決と持続的発展に貢献していきます。

取引先においても、この方針を支持し、それに基づいて行動することを要請します。

 

・私たちは、国際ルール・法令を遵守するとともに腐敗防止に取り組み、公正・誠実に業務を遂行します。

・私たちは、人権を尊重し、差別をせず、いかなる形であれ児童労働・強制労働は行いません。

・私たちは、ステークホルダーとの関係を大切にし、適時かつ適正な情報開示を行います。

 

お客さま

誰もが安全・安心に使用できる高品質の製品やサービスを提供し、正しい使い方の教育・普及と使用環境づくりに努めます。

従業員

従業員の健康・安全を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努め、多様性を重視し、人材活躍推進に積極的に取り組みます。また、結社の自由、及び団体交渉の権利を尊重します。

取引先

国籍や規模にかかわらず広く門戸を開き、長期的視野で相互繁栄の実現に取り組みます。

地球環境

地球温暖化防止に向けた技術開発を進め、環境負荷の最小化に努めます。また、生物多様性の保全とその持続可能な利用に取り組みます。

地域社会

各国・地域の文化・慣習を尊重し、地域社会との調和に努めます。

株主・投資家

相互対話に基づき、長期安定的な成長を通じた企業価値向上を目指します。

 

 

 

① ガバナンス

社長執行役員が委員長を務め役付執行役員が委員となる「経営会議」の中で、サステナビリティを巡る課題及びリスク・コンプライアンスに係る課題への対応を協議・決定しています。

さらに経営会議での審議を前提に、専門的視点から審議・検討を行うため、その下部委員会として任命された執行役員が委員長を務め、委員長が指定する執行役員及び本部長が委員となる「サステナビリティ委員会」、及びCRCO(チーフリスク・コンプライアンスオフィサー)が委員長を務め、CRCOが指定する役付執行役員が委員となる「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」を設置しています。また「サステナビリティ委員会」の下部に、環境領域の推進権限を付与された委員長を置き委員長が指定する事業・部門の推進責任者を委員とする「環境委員会」、「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」の下部に、CRCOが委員長を務め、CRCOが指定する主要地域のRCO(リスク・コンプライアンスオフィサー)が委員となる「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」を設置しています。

「サステナビリティ委員会」と「環境委員会」ではサステナビリティについての方針やビジョン、中・長期環境計画、投資やモニタリングを、「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」と「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」ではリスク・コンプライアンス経営についての方針や中・長期の計画、リスク評価・対策・モニタリングなどを専門的視点で審議・検討しています。

また、当社の取締役会・監査役会が備えるべきスキルとしてサステナビリティを設定し、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)のそれぞれの選定理由と定義を公開しています。

 

ESGに関するスキルの選定理由及び定義

E

環境/カーボンニュートラル

2050年のカーボンニュートラルを目指しており、この取り組みを加速するためには、環境分野に関する知識・経験を持つ役員が必要である。

S

DE&I/人財開発

グローバルな事業環境と変化の早い市場ニーズに対応するためには、多様な人財の確保、ならびに各人のスキル強化が不可欠であり、DE&Iの推進や人財開発に関する知識・経験を持つ役員が必要である。

G

法務/リスクマネジメント

グローバルに事業を営む当社にとって、ガバナンス強化は重要である。国内外の法制度・各種規制の知識・経験を持ち、リスクを適切に評価し、予防・対策をリードできる役員が必要である。

 

 

② 戦略

当社は社会の持続的な発展と地球環境との調和、中長期的な企業価値向上を目指して、2019年に重要な社会課題(マテリアリティ)を特定し、定期的な点検・見直しを行いながら取組を推進してきました。

2024年には、長期ビジョンの実現に向けあらためて当社の歴史や企業目的を振り返り、「モビリティの楽しさ」「豊かな人生」「地球との共生」の3つの新しい価値を創出して持続的な成長と企業価値向上の実現を目指すとした価値創造ストーリーに再定義し、2025年からの中期経営計画に組み込みました。この新しい価値を創出するための課題となる「イノベーション」「カーボンニュートラル」「安全・安心」をマテリアリティに特定し、活動を推進・進捗していきます。

 

 

③ リスク管理

チーフ・リスク・コンプライアンス・オフィサー(CRCO)を任命し、「リスクマネジメント規程」に基づき、CRCOが委員長となり指名する執行役員を委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」において、グループ全体のリスク状況をモニタリングすると同時に、重点的に取り組む「グループ重要リスク」の選定、対策活動のチェックなどを行い、グループ全体のリスク低減を図っています。

また、その下部委員会として、CRCOが指名する主要各地域を統括するリスク・コンプライアンス・オフィサーを委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、本社各リスク主管部門長等による「リスク・コンプライアンス推進会議」を設置し、リスクマネジメントについての方針や計画、モニタリングと対策などを専門視点で審議しています。そしてこれらの審議の結果は、CRCOから取締役会に適宜報告されており、実効性を担保した体制を整備しています。

なお各個別リスクの主管部門は、「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」の審議の結果に基づき、主管リスクについて対応方針、規程等を定めるとともに、本社各部門及びグループ会社に対して対応方針等に基づく対策活動の推進、活動モニタリングなどを行い、その実効性を担保するため、統合監査部門はリスク主管部門に対して監査を実施しています。

 

④ 指標及び目標

イノベーション

お客さまを価値創造に巻き込む取り組み

目指す姿(2030)

中期目標(2025-2027)

デジタルの推進でヤマハ発動機の二輪車を購入し続けたいと考えるお客さまとの強固なつながりを醸成

① お客さまとのつながりの醸成を目指したプログラムの展開

 ロイヤルティプログラムの展開国数:2カ国(2025-26年)、1カ国(2027年)累計5カ国(2022-2027年)

② 販売店におけるお客さま情報基盤の整備

 ヤマハID数(2020年からの累計):850万人(2025年)、1,060万人(2026年)、1,280万人(2027年)

③ お客さまへプラスαの価値提供

 車両つながるアプリ「Y-Connect」ダウンロード回数(2020年からの累計):600万回(2025年)、700万回(2026年)、840万回(2027年)

 サーキット走行アプリ 「Y-TRAC Rev」ダウンロード回数(2025年からの累計):8,000回(2025年)、18,000回(2026年)、28,000回(2027年)

「統合ボートビジネスへの進化」*による顧客体験価値の拡大

* 従来の推進機や艇体、周辺機器ビジネスを発展させ、ボート全体を統合して制御することを目指す当社の取組

① ボートの周辺機器製品やサービスを拡大

② マリンエコシステム全体に事業サービス範囲を拡大

 パーツとサービス売上高の年平均成長率:12%

モビリティを購入できない人でも、生活水準の向上と安定した収入の獲得が可能なサービスを提供して、雇用機会を創出

① 新規のサービス提供地域を拡大

 現在の4カ国(インド・ナイジェリア・ウガンダ・タンザニア)から展開地域を拡大

② 既存のサービス提供地域での稼働台数を拡大

 サービス提供による雇用創出数を拡大:約4万人(2025年)

自動運転EVによる屋外自動搬送サービスの普及を促進し、製造・物流業の人手不足の改善や安全で快適な労働環境を実現

① 新規導入顧客の拡大と既存顧客による導入施設数・稼働台数を向上

② 海外展開に向けたPoC*の実施

* Proof of Concept(概念実証)

 

 

 

カーボンニュートラル

事業拠点から排出されるCO2の削減(Scope 1、2)

目指す姿(2030)

中期目標(2025-2027)

生産活動から排出されるCO2排出量を2010年比で80%削減

(2035年カーボンニュートラルを達成)

① 生産活動からの売上当たりCO2排出量を2010年比で74%削減

再生可能エネルギーの利用を拡大

(2035年電力に占める再生可能エネルギー割合を30%以上)

 電力に占める再生可能エネルギーの割合:15%以上

 

 

製品使用から排出されるCO2の削減(Scope 3 Cat.11)

目指す姿(2030)

中期目標(2025-2027)

環境負荷の低い基幹製品の開発・販売の推進

電動化

電動二輪車の開発と販売:
 コミューター領域、 FUN領域での
 ラインナップ強化

① 電動二輪車の開発と販売:新たなプラットフォームモデルを複数投入

マリン推進機の電動化:
 先進国の船外機全モデルの5%を
 置き換え

① Torqeedo社製電動船外機の販売を拡大
 先進国の船外機販売台数に占める割合:4%

省エネルギー化

二輪車の内燃機関燃費の改善
 新エンジンの開発:4モデル

① 内燃機関燃費改善の開発と新規導入
 新エンジンの開発:3モデル(2025-27年)

船外機の軽量化によるエネルギー効率の向上

① 従来モデルより軽量な次世代大型船外機のラインナップを市場導入

電動アシスト自転車の電費改善:
 2019年比8%

① 国内での軽量化車両の立ち上げ(2028年~順次)
 軽量化車両:2モデル(2028年末)
 電費改善:2019年比3%(2028年末)
② e-Kit*の48V化によるドライブユニット効率の向上(2026年~順次置換)
 置換率:75%(2028年末)
 電費改善:2019年比4%(2028年末)
 * 当社製電動アシストシステム

CO2排出が少ない燃料への対応

フレックス燃料(E85)に対応した二輪車を開発:2モデル

① フレックス燃料対応モデル開発の推進

カーボンニュートラル燃料(水素、FCV、バイオ燃料、合成燃料)に対応したマリン製品技術の蓄積

① 先行開発と実現可能性検証の継続

アルコール燃料(E27)に対応した無人ヘリコプターの販売:
 台数比率45%以上

 2026年にアルコール燃料対応機の立ち上げと販売

 

 

 

安全・安心

当社の製品による死亡事故ゼロに向けた活動推進

目指す姿(2030)

中期目標(2025-2027)

技術

先進運転支援システムを搭載した二輪車を市場投入

① エアバッグ搭載車開発準備推進

② 先進運転支援システム開発継続

更なる先進技術を織り込んだ電動アシスト自転車を市場投入

① コネクテッドによる市場情報収集の強化と開発への織り込み

② 新チャイルドシートを市場導入(2027年末)

③ e-Kitと連動したEPS*・ABSを市場導入(2027年末)
 * Electric Power Steering

無人ヘリコプターによる事故を低減
(事故率3%以内、重大事故発生ゼロを継続)

① 障害物検知機能の向上
 稼働機体に対する障害物探知使用率:50%

技量

二輪車運転者による事故低減のための適切な教育を展開

① Yamaha Riding Academy(YRA)とマイクロラーニングの展開
 受講者数:32カ国/6,600回/36万人
 ※前中期目標から8千人増(2025-27年)

電動アシスト自転車操縦者への安全運転に対する理解促進活動を実施
(2024年実績の2倍:2024年9回実施)

① 販売会社と連携した啓発活動の継続
 交通安全啓発イベントの実施:10回以上(2025年)、10回以上(2026年)、15回以上(2027年)

ボート操船中の事故ゼロに向けた製品やサービスの市場導入

① ボート搭乗員の落水検知システムの市場導入と普及

無人ヘリコプターの操作による事故を低減
(事故率3%以内達成、重大事故発生ゼロを継続)

① 安全操作に対するお客さまへの啓発実施と現場確認
 安全研修の実施:稼働オペレーターの80%以上
 現場巡視の実施:3回(2025年)、4回(2026年)、5回(2027年)

つながる

二輪車の点検や整備の適切なタイミングをお知らせする機能を展開

① 車両つながるアプリ「Y-Connect」ダウンロード回数(2020年からの累計):600万回(2025年)、700万回(2026年)、840万回(2027年)

② サービスリマインダー機能の展開

電動アシスト自転車の安全安心走行のための情報や車両の異常をお知らせする機能を展開

① e-Kitの標準品販売へのアプリケーション展開率:100%

安心を支えるコネクテッド機能を備えた船外機を普及

① コネクテッド機能を備えた船外機を大型から中小型までに拡大

② コネクテッド機能を備えた船外機の提供地域(国)を拡大

 

 

モビリティ技術の活用で高齢者や過疎地での交通弱者が利用できる交通インフラを提供

目指す姿(2030)

中期目標(2025-2027)

高齢者の生活の質の改善のためのグリーンスローモビリティのソリューションを確立し健康寿命を延ばすことに貢献

① グリーンスローモビリティの進化を通じて全ての人が活用できる安全でやさしい移動を提供することで生活の質の向上を実現
 実証実験自治体数:3件

② 社会的インパクトの計測手法の確立と明示

 

 

 

(2) ヤマハ発動機グループの気候変動への対応

当社は気候変動対策に関する国際的な枠組みであるパリ協定の趣旨に賛同し、サステナビリティ基本方針において、地球温暖化防止に向けた技術開発の推進、事業活動における環境負荷の最小化、ならびに生物多様性の保全及びその持続可能な利用への取り組みを掲げています。これらの方針に基づき「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」を策定し、2035年にScope1及びScope2カーボンニュートラル、2050年にScope3を含むサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目標としています。また、気候変動が事業活動に与える影響等の情報開示の充実を図るため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示を行っています。

 

① ガバナンス

環境分野を重要な経営課題の一つと位置づけ、「環境委員会」を設置しています。環境委員会は年4回開催し、環境関連課題に係る基本方針や重要事項の審議・検討、環境計画2050達成に向けた進捗レビューを実施し、サステナビリティ委員会に報告・上程します。

また、環境委員会直下に環境推進会議を設置しています。同会議は各部門の責任者が参加し部門横断的な視点から環境計画2050達成に向けた対応策等について協議を実施しています。

 


 

 

 

② 戦略

当社では、気候変動に関する将来のリスク及び機会を評価するにあたり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書を参照しています。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、不確実性に対応するため、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑える目標に相当するSSP1-1.9及びSSP1-2.6シナリオに加え、国際協調が進まず気候変動への対応が限定的となるSSP3シナリオを選択しています。これらのシナリオに基づき、気候変動に関するリスク及び機会を特定し、対応する戦略を策定しています。

 

(主な事業リスクと機会)

シナリオ

SSP1(持続可能な発展の下で、1.5℃以下に抑える気候政策を導入するシナリオ)

SSP3(地域対立的な発展の下で気候政策を導入しない中~高位参照シナリオ)

戦略

移行
リスク

政策・法規制

各国・各地域の排ガス規制やCO2排出量規制対応の開発コスト増加

各国地域の一番厳しい規制に準拠したモデル開発とグローバル展開

政策・法規制

炭素税の導入による操業コスト増加

1.5℃シナリオに沿ったScope1、2のCO2排出削減量目標を設定

技術

電動化への取り組みが各メーカーで加速され始めると、レアアースの需要が高まり、原料の調達が困難になるリスク

同業他社との協業にてバッテリーの相互利用を見据えたバッテリー規格共通化やインフラ整備のコンソーシアムを発足し電動モデルの普及促進にむけた活動を推進

市場

化石燃料使用の乗り物の市内走行禁止によるICE系二輪車販売減少のリスク

化石燃料に代わる次世代動力源を用いたモビリティ製品(電動二輪車、電動アシスト自転車、低速電動ランドカーなど)の開発強化とCASEを見据えた社会インフラとの統合に向けたパートナーとの協業を推進

評判

投資家などステークホルダーから情報開示が不十分と評価されるリスク

個人投資家向け会社説明会や、機関投資家との積極的対話

物理的
リスク

急性

極端な気象現象が、操業に影響を及ぼすリスク

自社及びサプライヤーのリスク調査と対応体制の構築

慢性

長期的な極端気候が、操業及び販売に影響を及ぼすリスク

気温上昇や洪水を想定した商材の耐熱・防水対策

 

 

 

シナリオ

SSP1(持続可能な発展の下で、1.5℃以下に抑える気候政策を導入するシナリオ)

SSP3(地域対立的な発展の下で気候政策を導入しない中~高位参照シナリオ)

戦略

機会

資源効率性

生産工程におけるエネルギー効率の改善

理論値生産活動をグローバルに展開

エネルギー源

製造拠点における再生可能エネルギーの活用

太陽光発電のグローバル導入拡大
CO2フリー電源の導入拡大

製品/サービス

低炭素商品の開発拡大
BEV商材の拡充と拡販

電動アシスト自転車、電動二輪車、ゴルフカー、電動車椅子、産業用無人ヘリコプターなど、さまざまな製品群の電動モデルの販売拡大

市場

各国・地域のグリーン戦略や政府補助金などによる当社製品群の需要拡大

世界的な電動化製品の需要増加に備え、電動化製品の開発、ラインナップの拡充

評判

環境分野に特化した新規市場・地域へのアクセス

環境・資源分野に特化した自社ファンド設立

レジリエンス

各国・地域のエネルギー政策や多様なエネルギー源に対応した製品・サービスによる収益増加

CN燃料(水素・バイオ・合成液体燃料など)など、多様なエネルギー源への対応技術開発

 

 

③ リスク管理

ヤマハ発動機では、「事業戦略」と「事業継続」の2つの側面から気候変動リスクの特定と評価を行っています。

 

a.リスクの特定

各事業・機能部門は、短期・中期・長期の気候関連リスクを「低炭素経済への移行に関するリスク」と「気候変動による物理的変化に関するリスク」に分けてそれぞれの側面が事業に与える財務影響を考慮し、また気候変動緩和策・適応策を経営改革の機会として事業に与える財務影響を考慮し、事業中期計画の中でリスクと機会を特定します。

 

b.リスクの評価

環境活動を管掌する執行役員を委員長とする「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する事業戦略としての具体的取組を評価します。

 

c.気候変動リスクの「管理」プロセス

「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する具体的取組の進捗を管理し、「サステナビリティ委員会」及び「取締役会」で結果を報告します。また、事業に重要な影響を及ぼす案件については審議し、取締役会で報告または上程を行います。

 

④ 指標及び目標

2050年目標

サプライチェーン全体でカーボンニュートラル

2035年目標

Scope 1、2:カーボンニュートラル達成

Scope 3 Cat.11のCO2排出原単位:27%削減(2024年度比)

2030年目標

Scope 1、2:80%削減(2010年度比)

Scope 3 Cat.11のCO2排出原単位:13%削減(2024年度比)

 

 

2024年度の温室効果ガス(GHG)排出実績

Scope 1、2(t)

374,555

Scope 1

Scope 2

133,689

240,866

Scope 3(t)

Cat 1~15

Cat 11

56,451,485

53,456,678

 

 

Scope 1、 2排出実績推移

 

2010年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

(基準年)

排出量(t)

662,261

442,533

500,903

465,326

402,658

374,555

排出原単位(t/売上収益:億円)

51.2

30.1

27.6

20.7

16.7

14.5

削減率(2010年度比)

▲41.2%

▲46.1%

▲59.6%

▲67.4%

▲71.6%

 

 

対象範囲

 :ヤマハ発動機及び連結子会社138社を含む全146社の主要施設

 :敷地外移動体に利用される燃料は除く

 :構内サプライヤーのエネルギー使用量は除く

 :アセチレンは除く

 

Scope 3排出実績推移 Cat 11-製品の使用段階(2024年以降) ※1

 

2024年

(基準年)

排出量(t)

53,456,678

排出原単位(t/販売台数)

9.00

削減率(2024年度比)

 

 

算定対象:ヤマハ発動機グループで販売する主要製品
(二輪車、船外機、電動アシスト自転車、ゴルフカー、サーフェスマウンターなど)

算定の概要:対象期間におけるアジア、欧州、北米、日本、その他の各地域の販売台数に、製品ごとに想定される
生涯活動量(※2)及び排出原単位(※3)を乗じて算出したガソリン及び電力消費量に伴うCO2排出量

 

※1 Scope 3 Cat.11で多くのCO2排出量を占める二輪車、船外機の計算方法の見直しを実施

※2 製品の生涯活動量(年間走行距離や生涯使用年数などの条件)をIEAなどの国際団体が開示する条件に見直し

※3 製品の燃費などのデータを基に、環境省やIEA World Energy Outlook 2024 Free Datasetに基づく燃焼排出係数から算出

 

なお、ヤマハ発動機グループの環境への取組についてこちらのサイトもご参照ください。

https://global.yamaha-motor.com/jp/sustainability/environment/

 

 

(3) ヤマハ発動機グループの人的資本

グローバルな事業展開の中、進化・変化していく市場ニーズに機敏に対応できる組織体制づくりに加え、個人と会社が高い志を共有し、事業の発展及び個人の成長の実現に向けて協力し合うことで、感動を創造し続けることができると私たちは考えます

多様な人財がワクワク、自ら感動しつつ、失敗を恐れず高い目標へチャレンジできる会社を目指し、2025年から始まった中期経営計画における人事のミッションステートメントを ”Challenge & Growth ~多様な社員にチャレンジの機会を!ヤマハ発動機らしいチャレンジで個人と会社の成長を!” と設定しました。社員の主体的な活動に焦点を当てて次の感動創造につなげる取組である ”NEXT KANDO ACTIONS” と連携しながら、社員の挑戦と成長を後押ししていきます。

また、従業員の就業環境の改善や心理的安全性の確保、ハラスメント防止に関しても全社を挙げて取り組んでおり、具体的な目標数値を定めてエンゲージメントの向上を目指しています。

 

① ガバナンス

人的資本経営のさらなるガバナンス強化と戦略の最適化を実行するために、2024年に人的資本経営委員会を設置しました。役付執行役員、海外拠点長を参加者とし、グローバル規模での人的資本に関する主要課題である人財投資戦略、エンゲージメントの向上、ダイバーシティの促進等の議論を積極的に行っています。また、ヤマハ発動機グループの経営幹部候補の人財育成計画、配置及び育成状況についての審議を行うことを目的に、タレントマネジメント委員会を設立しました。これらを通じ、従業員のキャリアに対する自主性並びに将来のキャリアパスの透明性を向上させていきます。

 

② 戦略

多様性を認めた一人ひとりが働きやすい環境づくり

当社は、社員エンゲージメントを重要な指標と位置づけ、2025年からの中期経営計画においてエンゲージメントポジティブスコア80%以上をグローバル共通の目標として設定しました。引き続き、エンゲージメントの向上を目指し、全社を挙げて取り組んでいきます。2022年からYamaha Motor Global Awardを導入し、2023年には、社員も投票に参加することができる「社員投票最優秀賞」を設置、そして2024年には、縁の下の力持ちとして事業継続やサステナビリティに欠くことのできない貢献をしている「影の貢献者賞」を新設しました。2025年度は国内・海外事業部門とグループ会社から挙がった35エントリーからヤマハ発動機らしさを体現する6つの優れたプロジェクトを表彰しています。このような、成功を祝う活動を通じて社員エンゲージメントの向上を図り、Yamaha Day(当社の創立記念日にあたる7月1日とヤマハ株式会社の設立記念日にあたる10月12日をYamaha Dayと定め、本社及び国内外グループ各社にて自律的なイベントを開催)をはじめとする社内イベントとも連動しながら授賞式を行っていきます。

また、エンゲージメントを高める取組として、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンと人財育成に力を入れていきます。

ヤマハ発動機グループの企業理念である「感動創造企業」を実現するためには、さまざまなバックグラウンドで活躍する人々がお互いを認め合い、成長していくことでその価値を最大限発揮することが重要です。また、持続的な成長を実現しお客さまの期待を超える新しい価値を生み出し続けるためにも、多様な視点や価値観を持った人財の育成、活躍が不可欠であると考えています。

 

多様な人財が集まり、互いの異なる視点や価値観を尊重しながら、新たな気づきや発見を価値創造につなげていける組織風土を醸成するために、2023年9月に「ヤマハ発動機グループ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定し、職場内及び子会社への周知を行っています。当方針の中で「ダイバーシティを通じて感動を創造する」ことをステートメントの中心に置き、「RESPECT.」(リスペクト ピリオド)を行動原則としています。「RESPECT.」とは、ヤマハ発動機グループの全員が、同僚、お客さま、サプライヤー、その他のステークホルダーに対して、他者の意見や権利を価値あるものとして認識し、接する責任を持つことを意味します。その上で「重点領域とヤマハ発動機グループの姿勢」を定め、全ての役職員が年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、国籍、人種、宗教・信条、価値観、経験などに関わらず自分の個性(強み・経験・考え方)を最大限に発揮できる職場を目指しています。

「性別」に関わる取組として、女性活躍推進の観点から、女性の管理職比率について目標を設定し取り組んでおり、ヤマハ発動機グループ全体では、女性管理職比率を2023年の11.1%から2027年に13%とする目標を設定しました。この目標の達成に向けて継続して取組を進めていきます。

さらに、重点領域の一つである「LGBTQ+」については、同性パートナー等の取扱いに関する規定を新設しました。就業規則や福利厚生制度において、パートナーシップ宣誓等を行った同性パートナーは、法律上の婚姻関係にある配偶者とみなすとともに、同性パートナーの子も、従業員との養子縁組の有無に関わらず子とみなすとしました。今後も、性自認や性的指向に関わらず、社員一人ひとりが安心して受け入れられ、自分らしく働くことができるような職場環境の整備を進めていきます。

 

人財育成方針

ヤマハ発動機グループでは求める人財像を以下のように定めています。

 

1. 自己価値向上に努力する自立・自律型の人財

2. チームワークを大切にした行動ができる人財

3. ヤマハブランドの価値を高められる人財

 

事業の発展と感動創造企業の実現のため、事業戦略と連動して上記のような人財を効果的に採用・育成・評価・処遇・配置するための人事戦略を実施していきます

 

グローバル人財の活用

人財のグローバル化については、性別・年齢・国籍及び原籍等を問わず優秀な人財の早期発掘、キャリアプランの検討、育成、登用を進めています。具体的には、以前から進めてきたグローバルコアポジションの後継者管理に加え、グローバルでの次世代経営人財の発掘と育成強化、人財の可視化を目的としたグローバル人財データベースの拡充に着手しました。

また、2020年からグローバル人事異動を促すGAP(Global Assignment Policy 旧:Yamaha Assignment Policy)を導入し、優秀な人財の国際間異動を推進しています。これまでに27件の実績があり、今後もさらなる拡大を図っていきます。

 

 

人財育成

階層に応じた研修をはじめ、ハイポテンシャル人財に対する選抜研修、機能面での専門スキルを磨く研修、世界で活躍できる人財を目指す海外トレーニー制度、チーム力を高めて組織としてのパフォーマンスを高めるコーチング研修やダイバーシティ研修などを整備しています。また、自ら学ぶ風土の定着に向けて、自己啓発への支援を拡充し、学びの選択肢を増やすとともにオンデマンド型教育を整備しています。

人財育成に関しては、成長を望めば誰しもが機会を与えられる仕組みの構築を目指し、Yamaha Motor Learning System(YLS)オンライン・オンデマンド型の学習プラットフォームの導入と、自己啓発講座の推進を進めてきました。YLSの利用者数は約2万人に達し、自己啓発講座は社員の多様な学びのニーズに対して豊富な選択肢を提供できるようカフェテリアプラン(※)の適用範囲を外部の自己啓発講座・セミナー・オンライン語学講座・オンライン学習サービス・自己啓発用テキスト・書籍購入にまで拡大しました。また、グローバルな経営人財を育成するための選抜研修プログラムを2015年から実施し、これまで延べ179人が参加しています。

 

※ それぞれのライフスタイルに合わせて、会社が設定した福利厚生メニューの中から好きなメニューを選び、補助を受けることができる「選択型福利厚生制度」

 

当社のモノづくり現場では、「人が主役のモノづくり」を軸に、人財の獲得・育成・配置・定着の仕組みを強化しています。

事業を継続・発展させるためには、製造業を魅力的な仕事として認知してもらい、これからの世代からも選ばれる現場づくりが欠かせません。そのため、女性活躍推進、社内DX留学による製造DX人財育成、監督職・匠・保全人財の育成を総合的に進め、「生産職中心の工場経営を実現するキャリアパス」を構築しています。社員がキャリアを明確に描き、志向に応じて成長できる支援制度の整備にも取り組んでいます。特に監督職、DX人財については、育成講座やDX推進部門への社内留学制度を通じ、選抜・段階的育成・評価を組み合わせた育成プログラムを、社内リソースを投入して実運用しています。

さらに、当社のモノづくりの基本理念「ヤマハ発動機モノづくりWay」教育動画をグループ会社やお取引先に展開することで、理念共有と人財育成を進め、製品価値向上につなげています。

 

健康かつ安心して働ける安全な環境づくり

当社グループでは、従業員の健康・安全を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努めています。ヤマハ発動機グループ労働安全衛生基本方針、「安全・健康 最優先」の考えの下、従業員全員参加で安全と健康の確保に取り組むとともに、快適な職場環境の形成を促進しながら、業務遂行の円滑化を図り生産性の向上にもつなげています。

ヤマハ発動機においては、従来から推進してきた労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を再構築し、2023年に国際規格であるISO45001を導入、認証を取得しています。マネジメントシステム運用の中軸である、職場におけるリスクアセスメント(危険性や有害性を特定・評価)の実施、その結果に基づく計画的な労働安全衛生リスクの除去・低減に取り組み、労働災害の未然防止を図っています。また、全従業員の安全意識向上のため、法規制上の教育・講習はもちろん、リスクアセスメントや実践的な危険予知トレーニング等、各種教育・研修の充実にも取り組んでいます。

なお、2023年5月、当社浜北工場(浜松市浜名区)にてエンジン部品加工作業に従事していた社員1名が死亡する労働災害事故が発生しました。このような重大な労働災害を二度と発生させないため、労働安全衛生マネジメントシステムの運営強化に加え、設備機械の安全対策、「安全の日」設定による安全意識の高揚など、再発防止に取り組み続けます。

ヤマハ発動機グループ全体の労働安全衛生水準の向上に向けては、労働災害発生リスクが相対的に高いと考えられる製造拠点を中心に、ISO45001を基軸とした労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、継続的な改善に取り組んでいます。2025年にはヤマハ発動機とグループ会社の認証を一つの枠組みで運用するISO45001統一認証(グローバル認証)をスタートさせました。今後も製造拠点における労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、統一認証の枠組みを拡大することで、グループ全体の労働安全衛生水準のさらなる向上及びガバナンス強化を図っていきます。

 

一方、健康に関しても、会社の発展に欠かせない重要な経営課題ととらえ、会社・社員が一体となって健康の保持・増進に取り組んでいます。

具体的には、ヤマハ発動機では健康診断受診率100%の達成、メタボリックシンドローム(該当者+予備群)・喫煙率・メンタル不調による休職者の低減を重点課題とし、各種施策を推進しています。メタボリックシンドローム低減に向けては、若年層を含むリスクを抱えた社員に対する看護職・管理栄養士による継続的な保健指導の実施、専門医の治療に早期につなぐための受診勧奨となる「イエローペーパー制度」の運用等を行っています。また、喫煙率低減に関しては従来の禁煙支援に加え、2024年1月よりヤマハ発動機敷地内・就業時間中の全面禁煙化を開始し、国内グループ会社にも順次展開しています。

社員のメンタル不調を未然に防止するため、ストレスチェック実施後には高ストレス者の希望者全員に産業医や看護職等によるフォロー面談を実施するとともに、集団分析結果を職場へフィードバックし職場環境改善につなげる他、セルフケア・ラインケア等のさまざまな教育・研修も実施しています。

フィジカル・メンタル双方の休職者に対しては、復職前に社内リワークプログラムを実施し、復職後も所属長・人事部門・産業医が連携して約1年ほどフォローすることで再発防止に努めています。

また、人事部門と健康推進部門が連携し、適正な労働時間管理の徹底を図りながら、過重労働対策とワークライフバランスの確保に取り組んでいます。女性特有の健康課題に対応するための専用相談窓口やセミナー等の整備など、さまざまな取組をきめ細かく展開しています。

これらの活動を通じ、ヤマハ発動機は健康経営を戦略的に取り組む法人を認定する「健康経営優良法人認定制度」において健康経営優良法人2026(大規模法人部門)・ホワイト500に認定されています。

 

コンプライアンスの遵守

ヤマハ発動機グループでは、グループ全体のコンプライアンス遵守の体制を構築する目的で、チーフ・リスク・コンプライアンス・オフィサー(CRCO)を2025年1月に任命し、CRCOが委員長となり指名する執行役員を委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会」において、コンプライアンス遵守のための計画を審議し、その実行状況やコンプライアンス遵守の風土についてモニタリングを行います。また、その下部委員会として、CRCOが指名する主要各地域を統括するリスク・コンプライアンス・オフィサーを委員とする「グローバルリスク・コンプライアンス推進委員会」を設置するとともに、本社各リスク主管部門長等による「リスク・コンプライアンス推進会議」を設置し、コンプライアンスについての方針や計画、モニタリングと対策などを専門的視点で審議することとしています。そしてこの結果は、グローバルリスク・コンプライアンス経営委員会での審議事項としてCRCOよりESGリスクとともに取締役会に適宜報告するものとされており、実効性を担保した体制を整備しています。具体的な活動は「コンプライアンス管理規程」に従って展開し、CRCOとコンプライアンス統括部門がグループ全体の活動を管理します。

また、コンプライアンス風土を測定する手段の一つとして、グループ会社共通のコンプライアンス意識調査を毎年実施し、「倫理行動規範」の理解度や規範の実践度合い、レポーティングラインやホットラインの利用度、教育の有効性などコンプライアンス施策の有効性を確認しています。また、調査の結果や社会の潮流も踏まえ、「倫理行動規範ガイドブック」の毎年の更新と「倫理行動規範」の定期的な見直しを行っています。

この倫理行動規範では、日々の活動の中で遵守すべき行動基準をコンプライアンスの視点から表していますが、中でも人権は重要なものと位置付けており、職場で人権を侵害し得る、職場でのセクシュアルハラスメントや、職場における地位や人間関係などの優位性を背景にした相手の人格・尊厳の侵害など、あらゆる種類のハラスメントを一切禁止しています。そのために主にマネジメント層に対して「人権・ハラスメント」研修を毎年開催しています。もしハラスメントの報告を受けた際には当事者から詳細なヒアリングを行い事実確認した上で、懲戒を含めた適正な対応を行うとともに、再発防止に向けた取組を進めています。

関連法令、社内規則または倫理行動規範等に違反する行為に気付いた場合の通報先として「コンプライアンス・ホットライン」及び「グローバルホットライン」を設置し、国内外のグループ会社からの内部通報を受け付けるとともに、必要な調査・是正を実施しています。加えて、仕入先からの通報を対象にした「フェアビジネスホットライン」、社外ステークホルダー向けの「人権ホットライン」を設置し、課題の是正・救済に取り組んでいます。

 

 

ヤマハ発動機が受け付けたホットラインの件数

2023年

2024年

2025年

203件

247件

264件

 

 

③ リスク管理

ヤマハ発動機グループでは、必要なリスクを網羅したリスク管理台帳を作成しており、リスク管理台帳を適切に管理・運用することにより、リスク低減を図っています。この中に「ダイバーシティへの対応不足」という項目を織り込み、「多様性のある人財を確保できず、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応が遅れる」ことをリスクととらえ、対応できなかった場合には「性別や人種、年齢、学歴などの多様性を欠き、企業活力が低下する」「企業価値の訴求不足によって有能な人財の確保が困難になる」ことをダメージとして想定しています。

 

④ 指標及び目標

エンゲージメントスコア

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

61%

63%

65%

ヤマハ発動機 単体
 +子会社

(注)

79%

82%

 

82%

 

 

(注)各社エンゲージメントスコアの合計を会社数で除して算出。2024年までは本社単体+海外主要子会社12社のみが集計対象だったが、2025年は対象会社を従業員500名以上の会社へ拡大(34社)

 

目的: 調査を通じて会社全体や各組織のエンゲージメントを可視化し、エンゲージメントに特に影響度が高い要素と各組織の強み・課題点を特定することで社員が働きがいのある職場環境を社員全員で作り上げることを目指す

内容: 社員のエンゲージメント並びにそれらに影響を与える「心理的安全性」「キャリア」「将来性」「成長と能力開発」「会社戦略」「リーダーシップ」「協働」「コミュニケーション」「インクルージョン」等に関する設問

指標: 5段階評価における肯定的回答の割合

目標: 今中期経営計画(2025年-2027年)においてグローバルで80%以上

 

産休・育休取得状況

集計対象

データ区分

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

女性取得率

94%

113%

113%

女性復職率

93%

100%

94%

男性取得率

65%

69%

80%

男性取得者数

193人

230人

272人

国内グループ

女性取得率

125%

141%

88%

女性復職率

100%

88%

100%

男性取得率

49%

59%

75%

男性取得者数

42人

48人

58人

 

(注)取得率については、過年度に出産した従業員または配偶者が出産した従業員が翌年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

 

 

女性従業員比率

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

12.7%

13.0%

14.0%

国内グループ会社

22.2%

22.4%

22.6%

北米

30.5%

30.8%

30.2%

欧州

22.4%

21.0%

22.7%

アジア

24.1%

23.7%

24.1%

その他

24.9%

26.4%

29.9%

全体

22.4%

22.0%

22.5%

 

 

女性管理職比率

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

3.7%

3.8%

3.7%

国内グループ会社

5.5%

6.5%

8.0%

北米

19.5%

20.3%

22.8%

欧州

16.4%

20.5%

16.4%

アジア

14.3%

16.0%

17.1%

その他

17.7%

19.0%

22.9%

全体

11.1%

12.1%

12.9%

 

 

コアポジション現地化率 (注)

2023年

2024年

2025年

55.6%

57.5%

56.4%

 

(注)海外子会社のコアポジション(本社部長級)に占める現地人財の比率

 

選抜研修の参加者数

選抜研修

2023年

2024年

2025年

Global Executive Program (注)

-

18人

-

Yamaha Business School Global (注)

24人

-

24人

Regional Development Program

71人

-

47人

Yamaha Business School Junior

25人

25人

25人

 

(注)Global Executive Program、Yamaha Business School Globalは隔年で実施

 

自己啓発講座受講数(延べ人数)

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

4,219人

3,250人

8,762人

国内グループ会社

820人

773人

1,567人

 

 

従業員一人当たり研修時間 (注1)

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

14.8時間

18.0時間

23.5時間

国内グループ会社(注3)

9.7時間

10.4時間

14.1時間

 

 

 

従業員一人当たり研修費用 (注2)

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

39,000円

52,000円

198,000円

国内グループ会社(注3)

23,000円

24,000円

81,000円

 

(注)1 コンプライアンス教育・安全衛生等法令に関する研修や新入社員研修を除く。また、2024年から自己啓発講座の機会提供の拡大(会社が対象講座を指定する方法から、個人が自由に選択する方法へ変更)を実施したことに伴い、自己啓発講座受講時間数の把握が困難となったため、自己啓発分を除いた時間数を遡及して計算

   2 2025年から人件費を研修費用に追加。また研修費用の集計対象を拡大

   3 国内グループ会社で提出のあった拠点のみが対象

 

労働災害 発生件数(休業災害以上)

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

11件

12件

12件

国内外グループ会社(注)

172件

126件

151件

 

 

労働災害 休業度数率(100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数)

集計対象

2023年

2024年

2025年

ヤマハ発動機 単体

0.39人

0.42人

0.39人

国内外グループ会社(注)

1.58人

1.00人

1.22人

 

(注)2023年の対象範囲は連結子会社130社中127社。2024年の対象範囲は連結子会社138社中136社。2025年の対象範囲は連結子会社139社

 

なお、ヤマハ発動機グループの人的資本経営についてこちらのサイトもご参照ください。

https://global.yamaha-motor.com/jp/sustainability/social/human_capital/