人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数10,366名(単体) 53,701名(連結)
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平均年齢43.5歳(単体)
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平均勤続年数19.6年(単体)
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平均年収8,122,273円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2023年12月31日現在)
(注) 従業員数は就業人員数(当社及び連結子会社から連結の範囲外への出向者を除く。)です。臨時従業員数(雇用契約が1年未満の直接契約社員)は、当連結会計年度の平均雇用人員数を( )内に外数で記載しています。
(2) 提出会社の状況
(2023年12月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社からの出向者を除く。)です。
2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年(2015年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年(1991年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年(1991年)労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
② 国内連結子会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年(2015年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年(1991年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年(1991年)労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3 パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、無期雇用者以外の多様な雇用形態を含むとともにその構成も会社ごとに異なるため、数値が分散する傾向があります。
4 対象者となる従業員なし。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) ヤマハ発動機グループのサステナビリティ
ヤマハ発動機では創業以来、「社訓」に“企業活動を通じた国家社会への貢献”を謳い、この精神に基づいた従業員一人ひとりの行動を通して社会に貢献することを掲げています。そして、「感動創造企業:世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ことを企業目的として、「モノ創り」を通じて多様な価値の創造に努めてきました。また、経営理念では「顧客の期待を超える価値の創造」、「仕事をする自分に誇りが持てる企業風土の実現」、「社会的責任のグローバルな遂行」というお客さま・従業員・社会に対する経営の基本姿勢を示しています。
こうした理念の下、ヤマハ発動機グループではステークホルダーへの主な社会的責任をサステナビリティ基本方針としてまとめ、企業理念に基づく事業活動を通じて社会の持続可能な発展に貢献することが私たちに期待されているサステナビリティと考え、取組を行っています。
① ガバナンス
サステナビリティ推進体制として、社長執行役員が委員長を務め、役付執行役員が委員となる「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティを巡る課題及びリスク・コンプライアンスに係る課題への対応を協議・決定しています。
そして、その下部委員会として環境担当執行役員が委員長を務める「環境委員会」を設置し、環境についての方針やビジョン、中・長期環境計画、投資やモニタリングを専門的視点で審議・検討しています。
環境以外のサステナビリティ課題については「サステナビリティ委員会」の下部組織として「サステナビリティ推進会議」を設置するとともに課題ごとに「リスク・コンプライアンス部会」「サステナビリティ部会」「グローバル・コンパクト部会」を組織し、それぞれの関連部門が部会メンバーとなって各課題への対応を行っています。
当社が取り組むべき重要な社会課題(マテリアリティ)につきましては、進捗確認をサステナビリティ委員会や取締役会を通して年1回以上実施しています。また、ESG経営の指標となるマテリアリティKPIの実績は担当役員の個人業績報酬の非財務評価の一部に、総合的な進捗(外部評価機関によるESG評価を含む)は代表取締役社長を含む役員の全社業績報酬の一部になっています。
② 戦略
企業価値の持続的な成長とともに社会・地球環境の持続的な発展を目指すという自覚の下、ヤマハ発動機グループは、SDGs(2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標)などから抽出した社会課題のうち当社が展開する幅広い分野での事業活動を通して解決することができる重要な社会課題を特定して取組を推進しています。
2022年にはそれまでの4つの課題の見直しを行い、「環境・資源」「交通・産業」「人材活躍推進」の3つの課題に再構成しています。また、取組テーマも社内外の環境変化に伴って見直しを行い、重点化して絞り込みました。さらに2023年は、目標をより具体的に表現し、人権に関わるKPIを新たに設定するなど、全体を通して見直しを行っています。
③ リスク管理
「リスクマネジメント規程」に基づき、社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」、及び下部組織としてリスクマネジメント統括部門とリスクの主管部門で構成される「サステナビリティ推進会議」の「リスク・コンプライアンス部会」でグループ全体のリスク状況をモニタリングすると同時に、重点的に取り組む「グループ重要リスク」の選定、対策活動のチェックなどを行い、グループ全体のリスク低減を図っています。
リスクの主管部門は、主管リスクについて対応方針、規程等を定めるとともに、本社各部門及びグループ会社に対して対応方針等に基づく対策活動の推進、活動モニタリングなどを行います。その実効性を担保するため、統合監査部門はリスク主管部門に対して監査を実施しています。
④ 指標及び目標
(2) ヤマハ発動機グループの気候変動への対応
健全な地球をフィールドに豊かな自然と触れ合う多様な商品群を提供するヤマハ発動機において、気候変動が地球環境に与える影響は、企業目的である「感動創造企業:世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」の実現において大きなリスクとなっています。ヤマハ発動機では「サステナビリティ基本方針」の「地球環境」において「地球温暖化防止に向けた技術開発を進め、環境負荷の最小化に努めます。また、生物多様性の保全とその持続可能な利用に取り組みます。」を掲げています。気候変動対策の国際的な合意であるパリ協定では「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べ1.5℃に抑える努力を追求すること」を目指しており、「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」では、「ヤマハ発動機グループは、2050年カーボンニュートラルを目指します。」を掲げ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同した情報開示を積極的に実施しています。
① ガバナンス
環境分野を重要な経営課題の一つと位置づけ、環境活動を管掌する執行役員を委員長とする「環境委員会」を設置しています。環境委員会は年6回開催し、環境に係る方針(TCFD対応方針など)やビジョンの審議、ヤマハ発動機グループの環境長期計画(環境計画2050)の策定、各事業部の目標に対する進捗等を毎年レビューし、少なくとも年2回は取締役会へ報告します。また、原材料の調達から生産・使用段階・廃棄に至るサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指すにあたり、環境委員会直下に環境推進会議を設置し、各事業部・調達部門・生産部門・技術部門などの推進責任者による会議を隔週で開催し、部門全体の活動状況や目標の進捗状況を情報共有・議論しカーボンニュートラルに向けた活動を全体で推進しています。
② 戦略
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第6次評価報告書では、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)で産業革命前からの気温上昇を「1.5℃に抑える努力を追求する」と合意されたことで、世界平均地上気温の変化シナリオにおいて新たに1.5℃目標に相当するSSP(※)1-1.9が設定されました。この報告書では、2100年までの世界の平均気温の変化を評価した5つのシナリオ全てで2040年までに1.5℃に達する可能性が高いと予測しており、世界の国・企業は気候変動への取組のさらなる強化が必要となってきています。ヤマハ発動機グループでは、2050年カーボンニュートラルを目指す戦略を立案するにあたり、不確実性(リスク)要因に対応するために、IPCC第6次評価報告書の情報を参照にしてSSP1-1.9及びSSP1-2.6とSSP3の2つのシナリオを選択しました。
※SSP:共通社会経済経路(Shared Socio-economic Pathways)のことで、地球温暖化と社会経済の多様な発展の可能性を「緩和と適応」の困難度で5つのシナリオに分類している
シナリオ分析の詳細 https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/csr/environmental-field/plan-2050/#sec-03-01
③ リスク管理
ヤマハ発動機では、「事業戦略」と「事業継続」の2つの側面から気候変動リスクの特定と評価を行っています。
a.リスクの特定
各事業・機能部門は、短期・中期・長期の気候関連リスクを「低炭素経済への移行に関するリスク」と「気候変動による物理的変化に関するリスク」に分けてそれぞれの側面が事業に与える財務影響を考慮し、また気候変動緩和策・適応策を経営改革の機会として事業に与える財務影響を考慮し、事業中期計画の中でリスクと機会を特定します。
b.リスクの評価
環境活動を管掌する執行役員を委員長とする「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する事業戦略としての具体的取組を評価します。
c.気候変動リスクの「管理」プロセス
「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する事業戦略としての具体的取組のゴールや目標について毎年進捗を管理し、「サステナビリティ委員会」及び取締役会で結果を報告します。環境委員会は、進捗管理を実施するとともに事業に重要な影響を及ぼす案件については審議し、少なくとも年2回は取締役会で報告または決議を行います。
④ 指標及び目標
2050年目標
サプライチェーン全体でカーボンニュートラル
2035年目標
Scope 1、2:カーボンニュートラル達成
Scope 3:24%削減(2019年度比)※主に製品の使用段階
2030年目標
Scope 1、2:80%削減(2010年度比)
Scope 3:7%削減(2019年度比)※主に製品の使用段階
(3) ヤマハ発動機グループの人的資本
グローバルな事業展開の中、進化・変化していく市場ニーズに機敏に対応できる組織体制づくりに加え、個人と会社が高い志を共有し、事業の発展及び個人の成長の実現に向けて協力し合うことで、感動を創造し続けることができると考えています。
「企業活動の原点は人」という基本認識の下、社員同士が協調し、互いの異なる視点や価値観を取り入れることは不可欠であり、各人のスキルを高め、多くの技術領域におけるスペシャリストを確保し、培った知見を先進国・新興国問わず活用していく。こういった取組の延長線上に、長期ビジョン「ART for Human Possibilities~人はもっと幸せになれる~」の実現があると当社は考えています。
また、従業員の就業環境の改善や心理的安全性の確保、ハラスメント防止に関しても全社を挙げて取り組んでおり、具体的な目標数値を定めてエンゲージメントの向上を目指しています。
① ガバナンス
当社では、これまでGEC (Global Executive Committee)、人材開発委員会、GET-HR (Global Execution Transformation – Human Resources)を運営する中で積極的に人財戦略に関する議論を行ってきましたが、2024年より人的資本経営のさらなるガバナンス強化と戦略の最適化の一環として、社長執行役員を委員長とする人的資本経営委員会を設置し、役付執行役員、海外拠点長を参加者とする会議体においてグローバル規模での人的資本への投資戦略、エンゲージメントの向上、ダイバーシティの促進に関する議論を積極的に行っていきます。また、ヤマハ発動機グループの経営幹部候補の人財育成計画、配置及び育成状況についての審議を行うことを目的に、タレントマネジメント委員会を設立しました。これらを通じ、従業員のキャリアに対する自主性並びに将来のキャリアパスの透明性を向上させていきます。
② 戦略
多様性を認めた一人ひとりが働きやすい環境づくり
当社は、社員エンゲージメントを重要な指標とし、新中期経営計画においてグローバル共通のエンゲージメント指標の導入を進めています。2022年からはYamaha Motor Global Awardを導入し、翌23年には、社員も投票に参加することができる「社員投票最優秀賞」を新設しました。23年度は国内・海外事業部門とグループ会社から挙がった30エントリーからヤマハらしさを体現する5つの優れたプロジェクトを表彰しています。このような成功を祝う活動を通じて社員エンゲージメントの向上を図り、Yamaha Day(当社の創立記念日にあたる7月1日とヤマハ株式会社の設立記念日にあたる10月12日をYamaha Dayと定め、本社及び国内外グループ各社にて自律的なイベントを開催)と合わせて授賞式を行っていきます。また、エンゲージメントを高める取組として、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンと人財育成に力を入れていきます。
ヤマハ発動機グループの企業理念である「感動創造企業」を実現するためには、さまざまなバックグラウンドで活躍する人々がお互いを認め合い、成長していくことでその価値を最大限発揮することが重要です。また、持続的な成長を実現しお客さまの期待を超える新しい価値を生み出し続けるためにも、多様な視点や価値観を持った人財の育成、活躍が不可欠であると考えています。
多様な人財が集まり、互いの異なる視点や価値観を尊重しながら、新たな気づきや発見を価値創造に繋げていける組織風土を醸成するために、2023年9月に「ヤマハ発動機グループ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定し、職場内及び子会社への周知を行っています。当方針の中で「ダイバーシティを通じて感動を創造する」ことをステートメントの中心に置き、「RESPECT.」(リスペクト ピリオド)を行動原則としています。「RESPECT.」とは、ヤマハ発動機グループの全員が、同僚、お客さま、サプライヤー、その他のステークホルダーに対して、他者の意見や権利を価値あるものとして認識し、接する責任を持つことを意味します。その上で 「重点領域とヤマハ発動機グループの姿勢」を定め、全ての役職員が年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、国籍、人種、宗教・信条、価値観、経験などに関わらず自分の個性(強み・経験・考え方)を最大限に発揮できる職場を目指しています。
また、女性活躍推進の観点から、女性の管理職比率について目標を設定して取り組み、ヤマハ発動機の女性管理職の人数を新中期経営計画において2024年末に56人とする目標を設定しました。その目標に向けて2023年末時点で58人に達しました。また、ヤマハ発動機グループ全体では、女性管理職の比率を2021年の10.8%から2024年に13%とする目標を設定しました。この目標へ向けて継続して取組を進めていきます。
また、妊娠中の女性社員を対象に「長いキャリアを見据えてどのように育児休職を位置づけるか」などをワークショップ形式で考える両立支援セミナー、自分の傾向を知って自分を動かす能力を磨くパーソナルブランディング研修、女性のためのリーダーシップ研修、女性部下のマネジメント研修、不妊治療休暇などの制度を導入しています。さらに、女性・男性など性別を問わず多様化する仕事への価値観に対応するための管理職向けセミナーなども開催しています。
本社におけるキャリア採用者(中途採用者)の管理職登用比率は、新卒採用者の同比率と同程度となっています。採用形態等の属性によらない人物・能力本位での管理職登用を今後も継続していきます。
人財育成方針
ヤマハ発動機グループでは、進化・変化していく市場ニーズに機敏に対応できる組織体制づくりに加え、個人と会社が高い志を共有し、事業の発展及び個人の成長の実現に向けて協力し合うことで、感動を創造し続けることを「人事の目指す姿」として設定しています。具体的な項目として以下の3つを掲げ、多様性が尊重される職場づくりを進めています。
1. 性別・年齢・国籍・人種・価値観等にとらわれず、一人ひとりがそれぞれのチャレンジへ果敢に挑める施策を構築し、挑戦する風土を醸成すること
2. 個人が自らの手で、生涯にわたり啓発する意欲を持つ役職員に対し、適宜その機会と支援を提供すること
3. 「発、悦、信、魅、結」の共有価値を基本とし、「ヤマハらしさ」を開発・育成することで人財における他社との差別化を図ること
そして、目指す姿に向けて次のような人財とともに働きたいと考えています。
1. 自己価値向上に努力する自立・自律型の人財
2. チームワークを大切にした行動ができる人財
3. ヤマハブランドの価値を高められる人財
上記のような職場づくりを実現するためヤマハ発動機グループでは人材マネジメントグループ業務指針を定め、さまざまな取組を行っています。
グローバル人財の活用
人財のグローバル化については、性別・年齢・国籍及び原籍等を問わず優秀な人財の経営幹部への登用を進めています。特に、海外子会社の経営幹部層については、現地人財の積極的な登用を進め、2024年末にその55%を現地化することを目指します。
また、2020年からグローバル人事異動を促すYAP(Yamaha Assignment Policy)を導入し、国境をまたぐ優秀な人財の活躍を推進しており、経営幹部層のみならずラインマネジャー及び専門性の高いスペシャリストの海外拠点から本社への異動、もしくは海外拠点同士間の異動を9件積み重ねており、さらなる拡大を図っています。
人財育成
階層に応じた研修をはじめ、ハイポテンシャル人財に対する選抜研修、機能面での専門スキルを磨く研修、世界で活躍できる人財を目指す海外トレーニー制度、チーム力を高めて組織としてのパフォーマンスを高めるコーチング研修やダイバーシティ研修などを整備しています。また、自ら学ぶ風土の定着に向けて、自己啓発への支援を拡充し、学びの選択肢を増やすとともにオンデマンド型教育を整備しています。事業運営の安定性向上のための取組として、当社で規定する重要ポジションへの後継者育成計画の導入を行い、適財適所による計画的な人員配置にも取り組んでいます。
人財育成に関しては、成長を望めば誰しもが機会を与えられる仕組みの構築を目指し、Yamaha Motor Learning System (YLS)オンライン・オンデマンド型の学習プラットフォームの導入と、自己啓発講座の推進を進めてきました。YLSの利用者数は1万9千人に達し、自己啓発講座の受講者数は延べ5,039人となりました。また、グローバルな経営人財を育成するための選抜研修プログラムを2015年から実施し、これまで延べ137人が参加しています。
健康かつ安心して働ける安全な環境づくり
当社グループでは、従業員の健康・安全を企業成長の基盤と考え、労働環境の向上に努めています。「安全・健康最優先」の考え方の下、従業員全員参加で安全と健康の確保に取り組むとともに、快適な職場環境の形成を促進しながら、業務遂行の円滑化を図り生産性の向上にもつなげています。
ヤマハ発動機においては、2023年より従来から推進してきた労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を再構築し、国際規格であるISO45001を導入、認証機関による審査を受審し認証を取得しました。マネジメントシステム運用の中軸である、職場におけるリスクアセスメント(危険性や有害性を特定・評価)の実施、その結果に基づく計画的な労働安全衛生リスクの除去・低減に取り組み、労働災害の未然防止を図っています。また、全従業員の安全意識向上のため、法規制上の教育・講習はもちろん、リスクアセスメントや実践的な危険予知トレーニング等、各種教育・研修の充実にも取り組んでいます。
なお、2023年5月、当社浜北工場(浜松市浜北区、現浜松市浜名区)にてエンジン部品加工作業に従事していた社員1名が死亡する労働災害事故が発生しました。このような重大な労働災害を二度と発生させないため、設備機械の安全総点検と対策、リスクアセスメント徹底によるリスク除去・低減、「安全の日」設定による安全意識の高揚など、再発防止の取組を進めています。
ヤマハ発動機グループ全体の労働安全衛生水準の向上に向けては、今後はISO45001を基軸とした労働安全衛生マネジメントシステムの整備を進めるとともに、継続的な改善に取り組んでいきます。
健康に関しては、2020年にヤマハ発動機健康宣言を制定し、社員の健康を会社の発展に欠かせない重要な経営課題ととらえ、会社・社員が一体となって健康の保持・増進に取り組んでいます。
具体的には、ヤマハ発動機では健康診断受診率100%・メタボリックシンドローム(該当者+予備群)の低減・喫煙率の低減を三大課題とし、さまざまな取組を進めています。メタボリックシンドローム低減に関しては、若年層を含めリスクを抱えた社員への看護職・管理栄養士による継続的な保健指導、専門医の治療に早期に繋ぐための受診勧奨となるイエローペーパー制度の運用等を行っています。また、喫煙率低減に向けては従来から行ってきた禁煙支援に加え、2024年1月よりヤマハ発動機敷地内・就業時間中の全面禁煙化を開始、今後国内グループ会社にも展開していきます。
社員のメンタル不調を未然に防止するため、ストレスチェック実施後には高ストレス者の希望者全員に産業医や看護職等によるフォロー面談を実施、集団分析結果を職場へフィードバックすることで職場環境改善につなげている他、セルフケア・ラインケア等のさまざまな教育・研修を実施しています。
フィジカル・メンタル共に休職者の復帰時には、復職前に社内リワークプログラムを実施、復帰後も所属長・人事部門・産業医が連携し1年ほど本人をフォローすることで、再発防止に努めています。
また、社内環境整備の一環として、人事部門と健康推進部門が連携して適正な労働時間管理を推進し、過重労働対策とワークライフバランスの確保を行っている他、女性社員特有の健康問題に対応するための専用相談窓口やセミナー等の整備など、さまざまな取組をきめ細かく展開しています。
これらの活動を通じ、ヤマハ発動機は健康経営を戦略的に取り組む法人を認定する「健康経営優良法人認定制度」において健康経営優良法人2024(大規模法人部門)・ホワイト500に認定されています。
コンプライアンスの遵守
また、「倫理行動規範」の中で「人権の尊重」を掲げ、職場でのセクシュアルハラスメントだけでなく、職場における地位や人間関係など職場内の優位性を背景に相手の人格、尊厳の侵害など、あらゆる種類のハラスメントを一切禁止しています。そのために主にマネジメント層に対して「人権・ハラスメント」研修を毎年開催しています。もしハラスメントの報告を受けた際には当事者から詳細なヒアリングを行い事実確認をした上で、懲戒を含めた適正な対応を行うとともに、再発防止に向けた取組を進めています。
ヤマハ発動機グループでは、グループ全体のコンプライアンス遵守の体制を構築する目的で、社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」において、コンプライアンス遵守のための計画を審議し、その実行状況やコンプライアンス遵守の風土についてモニタリングを行っています。そしてこの結果は、サステナビリティ委員会での審議事項としてESGリスクとともに取締役会に適宜報告されており、実効性を担保した体制を整備しています。具体的な活動は「コンプライアンス管理規程」に従って展開し、コンプライアンス統括部門がグループ全体の活動を管理します。
コンプライアンス風土を測定する手段の一つとして、グループ会社共通のコンプライアンス意識調査を毎年実施し、「倫理行動規範」の理解度や規範の実践度合い、レポーティングラインやホットラインの利用度、教育の有効性などコンプライアンス施策の有効性を確認しています。また、調査の結果や社会の潮流も踏まえ、「倫理行動規範ガイドブック」の毎年の更新と「倫理行動規範」の定期的な見直しを行っています。
③ リスク管理
ヤマハ発動機グループでは、必要なリスクを網羅したリスク管理台帳を作成しており、リスク管理台帳を適切に管理・運用することにより、リスク低減を図っています。この中に「ダイバーシティへの対応不足」という項目を織り込み、「多様性のある人財を確保できず、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応が遅れる」ことをリスクととらえ、対応できなかった場合には「性別や人種、年齢、学歴などの多様性を欠き、企業活力が低下する」「企業価値の訴求不足によって有能な人財の確保が困難になる」ことをダメージとして想定しています。
④ 指標及び目標
エンゲージメントスコア
目的: 調査を通じて会社全体や各組織のエンゲージメントを可視化し、エンゲージメントに特に影響度が高い要素と各組織の強み・課題点を特定することで社員が働きがいのある職場環境を社員全員で作り上げることを目指す
内容: 社員のエンゲージメント並びにそれらに影響を与える「心理的安全性」「キャリア」「将来性」「成長と能力開発」「会社戦略」「リーダーシップ」「協働」「コミュニケーション」「インクルージョン」等に関する設問
指標: 5段階評価における肯定的回答の割合
目標: ヤマハ発動機:2024年に70%
産休・育休取得状況
(注)取得率については、過年度に出産した従業員又は配偶者が出産した従業員が翌年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
女性従業員比率
コアポジション現地化率 (注)
(注)海外子会社のコアポジション(本社部長級)に占める現地人財の比率
選抜研修の参加者数
(注)1 Global Executive Program、Yamaha Business School Globalは隔年で実施
2 2021年-2022年はコロナ禍のため実施なし
自己啓発講座受講数(延べ人数)
従業員一人当たり研修時間 (注1)
従業員一人当たり研修費用 (注2)
(注)1 コンプライアンス教育・安全衛生等法令に関する研修や新入社員研修を除く
2 社内の人件費、施設運営費等は除く
3 国内グループ会社で提出のあった拠点のみが対象
労働災害 発生件数(休業災害以上)
労働災害 休業度数率(100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数)
(注)2021年、2022年の対象範囲は生産機能を持つ連結子会社と関連会社の合計30社。2023年の対象範囲は生産機能以外も含む連結子会社と関連会社の合計117社