人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,027名(単体) 7,799名(連結)
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平均年齢44.0歳(単体)
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平均勤続年数19.3年(単体)
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平均年収7,384,107円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2025年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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二輪事業 |
4,606 |
(3,983) |
四輪事業 |
3,031 |
(297) |
非モビリティ事業 |
162 |
(49) |
報告セグメント計 |
7,799 |
(4,329) |
合計 |
7,799 |
(4,329) |
(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年令(才) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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1,027 |
(267) |
44.0 |
19.3 |
7,384,107 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
二輪事業 |
393 |
(131) |
四輪事業 |
472 |
(87) |
非モビリティ事業 |
162 |
(49) |
報告セグメント計 |
1,027 |
(267) |
合計 |
1,027 |
(267) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
提出会社および一部の連結子会社で労働組合が結成されておりますが、労使関係については特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
1.9 |
68.4 |
77.0 |
79.3 |
68.2 |
|
(注)1.(1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(2) 当社における管理職に占める女性の割合が低い背景には、これまで男性比率が高い技術系学生を中心に採用してきた経緯があり、その結果として女性が当社に応募する動機付けが十分でなかったことが挙げられます。また、人材登用の方向性や業務プロセスにおいて、女性のキャリアパスが十分に構築されてこなかったことも影響しています。2025年3月末時点で、全従業員に占める女性の割合は11.4%、管理職に占める女性の割合は1.9%となっており、2024年3月末時点の管理職に占める女性の割合0.6%からは改善が見られるものの、さらなる向上が課題となっています。こうした背景を踏まえ、当社では、女性の採用促進およびキャリア形成支援に注力しております。具体的には、採用活動において女性学生向けの座談会を開催し、当社での働き方やキャリア形成の可能性を積極的に発信しています。また、女性の中核人材育成を目的とした教育研修の充実、キャリアパスの明確化、外部専門機関との連携による多様性推進施策を導入し、組織全体の人的資本の向上に取り組んでおります。
(3) 男女間の賃金に差異が生じている要因として、管理職に占める女性比率が全体の女性労働者の割合と比較して低いことに加え、育児短時間勤務制度を利用する従業員の多くが女性であることが挙げられます。一方で、当社の給与規定には性差がなく、同等の資格・等級レベルや職務内容においては、人事制度上、男女間の賃金格差が生じることはありません。今後、当社ではライフイベントとキャリアの両立を支援する仕組みを強化し、多様な働き方を選択した場合でも能力と成果に応じた公平な評価が受けられる環境を整備してまいります。その一環として、2025年4月より、マルチシフト制度の取得事由を拡充するとともに、育児短時間勤務の対象年齢を「小学校3年生まで」から「中学卒業まで」へと拡大する試験運用を開始いたしました。さらに、看護休暇の取得を促進するための制度拡充も行い、育児や家庭の事情に柔軟に対応できる環境を整えることで、性別を問わず働きやすい職場の実現を目指してまいります。
2.(1) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
(2) 当社では、2026年までに男性の取得率を40%以上に引き上げる方針を2023年に掲げましたが、2025年3月末時点で68.4%となっており達成しております。今後も、男性従業員も安心して育休を取得できる環境づくりと風土醸成に取り組んでまいります。
② 連結子会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||||||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
(株)九州エフ・シー・シー |
0.0 |
66.7 |
66.7 |
- |
(注)1. |
76.5 |
74.8 |
101.9 |
|
(注)1.(1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(2) 国内子会社においても、当社と同様に、これまで男性比率が高い技術系学生を中心に採用してきた背景があり、女性の応募動機の不足やキャリアパスの構築が十分でなかったことが管理職に占める女性比率の低さの要因となっています。また、男女間の賃金差についても、管理職に占める女性の割合が低いこと、育児短時間勤務制度を利用する従業員の多くが女性であることが影響している点は、当社と共通しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
・ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、取締役会が監督し経営会議が業務執行する体制となっております。サステナビリティ関連のリスクと機会については、中期経営計画策定時に抽出し、それに基づき中期経営計画を作成しております。中期経営計画は年次の事業計画に細分化され落し込まれます。年次の事業計画は戦略・施策・目標を定めたもので大区分は、財務、事業(二輪、四輪、非モビリティ)、ものづくり競争力、基礎研究、ESG、人材・業務となっております。
① 取締役会(監督側)
サステナビリティ関連項目を含む中期経営計画の業務執行は経営会議が主体として行われており、取締役会は当該事項の報告を受けてサステナビリティ関連項目を含む中期経営計画の審議と承認を行っております。また3月の取締役会で次年度の事業計画を承認し、年次の事業計画の実績を四半期毎に年4回審議、監督しております。
② 経営会議(執行側)
経営会議は代表取締役社長が議長を務め、執行役員を含む各担当役員から構成されており、サステナビリティ関連項目を含む中期経営計画及び年次の事業計画の作成を統括する責任と権限を有しております。また経営会議では、年次の事業計画の進捗状況について、四半期毎に年4回と必要がある場合は随時開催してモニタリングしております。
・リスク管理
① リスクおよび機会の抽出
サステナビリティ関連のリスクと機会の抽出は、業界動向、顧客動向、規制動向等の外部環境、経営資源、対応技術等の内部環境の情報をもとに、経営方針を踏まえて中期経営計画立案時に抽出しております。
② リスクおよび機会の分析評価
抽出されたリスクと機会に対する財務的影響を分析・評価し、それに基づいた経営戦略を策定し、施策と目標値を設定しております。
③ リスクおよび機会の管理
当該施策の進捗状況と目標値については、中期経営計画から年次の事業計画に細分化され落し込まれます。サステナビリティ関連項目を含む年次の事業計画において、四半期毎に経営会議でモニタリングされ、取締役会へ報告されることで審議、監督されております。
・戦略と指標目標
外部環境および内部環境においての最大のリスクは、内燃機関車の規制と気候変動問題による市場の価値観の変化に伴う基幹クラッチ事業の構造的売上の減少が挙げられます。さらにそれにまつわる電動化、自動化技術革新への対応遅れによるリスク、また、社会および経済を取り巻く環境におけるリスクが挙げられます。そのような状況の中、機会として捉えているのはカーボンニュートラル化に向けたEV/CASEおよび環境とエネルギー分野への事業化の促進です。そのための技術革新、人材育成への取組み、デジタル活用なども機会として認識しており、第12次中期経営計画に織り込んでおります。さらに計画内容を具現化すべく、2026年度を初年度とする第13次中期経営計画に向けて、マテリアリティの特定およびそれに向けたビジョンの策定、推進をする方針です。
(2)気候変動
気候変動におけるリスク管理の取り組みについて当社グループは、気候変動がもたらすリスクと機会を認識し、持続可能な未来の実現に向けた取り組みを強化しています。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、当社のガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に関する情報開示に取り組んでいます。
・ガバナンス
当社グループにおける気候変動関連の推進体制として、環境管理責任者を委員長とする国内拠点の全社環境保全委員会および海外拠点の海外環境保全委員会を設置しています。これらの委員会は定期的に開催され、気候変動対応を含む環境領域の中長期目標達成に向けた取り組み、リスクと機会の特定、影響の分析、対応策の推進・モニタリングを行っています。また、「環境保全委員会」を通じて付議・報告される気候関連の重要事項については、必要に応じて年次の事業計画を変更し、経営会議へ報告、取締役会で承認する体制をとっております。さらに、各事業所でも環境マネジメント組織を整備し、全社委員会等で決定された方針や取り組みを反映させ、CO2削減に向けた省エネ、省資源、廃棄物削減活動を目標達成に向けて積極的に推進しています。
取締役会は、気候変動に関連するリスクと機会についての報告を受けて、適切な対応がなされているかを監督しています。
・戦略
気候変動が当社グループの事業に及ぼす気候関連のリスクと機会を具体化するため、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の外部シナリオをベンチマークとして参照しました。また、自動車産業に係るシナリオ分析も確認し、当社グループの長期ビジョンVISION2035「社会に求められる価値を生み出し続ける企業へ」における事業環境認識と照合しながら総合的にシナリオを想定し、シナリオと中長期ビジョンとの差異分析により気候関連のリスクと機会を抽出しました。シナリオの定義は、海外・子会社を含めた全事業を分析対象とし、移行リスク及び物理的リスクの2軸に対し、4℃シナリオ(温暖化が進行する世界)及び1.5℃シナリオ(低炭素社会への移行した世界)を想定した2つの分類としました。
気候変動のリスクと機会(主に1.5℃/4℃シナリオに至るリスク)
区分 |
リスク・ 機会の種類 |
主なリスク/機会 |
影響度 |
時間軸 |
主な対応 |
具体的な取組み |
移行 リスク |
政策 法規制 |
炭素税や再生可能エネルギー導入などの政策による事業コスト負担増
サプライヤーの環境配慮型原材料への変更・価格転嫁による事業コスト負担増 |
大 |
短~長期 |
サプライヤーを含めた生産・輸送時の脱炭素化の推進
インターナルカーボンプライシング導入検討 |
・生産、輸送などの効率化 ・脱炭素・低炭素エネルギー利用 ・高効率設備導入促進 ・国内外における再エネ・非化石証書・クレジットなどの選択肢情報の収集、検討 ・サプライヤーを含めた省エネ活動の継続推進 ・省エネ活性化・省エネ設備導入促進に向けたインターナルカーボンプライシング導入検討 |
|
技術 |
技術開発の遅れによる、販売機会の逸失
脱炭素化に向けた設備等の対策コスト負担増 |
大 |
中~長期 |
FCCコア技術を生かし、モビリティ電動化への新たな価値の提供
省エネ設備の導入による脱炭素化の促進
環境配慮設計の促進 |
・二輪EV/CASE事業領域の量産準備開始 ・四輪モータコアSUBモジュール事業領域の量産準備開始 ・次世代モビリティのニーズに応える様々なアルミダイカスト製品の開発 ・生産省人化・効率化によるエネルギー使用量の最小化 ・製品・サービス設計時に軽量化、化学物の使用量低減などの「環境配慮設計」による使用原材料の削減 |
|
市場動向 |
LCA対応の遅延による顧客からの需要低下
化石燃料から再生可能エネルギーへの転換による電源及び電力量の確保 |
中 |
中~長期 |
市場動向・顧客要求からLCA観点でのCO2削減対応強化 |
・サプライチェーン全体でのLCA対応の強化、CO2排出量削減にむけた省エネ展開 ・FCC拠点所在地の地域特性を生かした太陽光発電などクリーンエネルギー・再生可能エネルギーのグローバル導入実施 ・エネルギーソリューションでカーボンニュートラルへ貢献する製品の拡販 |
|
評判 |
気候変動問題への取組みに関する評価や市場の価値観の変化に伴う売上減少 |
中 |
中~長期 |
策定したロードマップの実行及び目標達成状況のモニタリング |
生産活動に伴う省エネ活動、再生可能エネルギー導入、製品を通じたCO2削減、環境貢献 |
区分 |
リスク・ 機会の種類 |
主なリスク/機会 |
影響度 |
時間軸 |
主な対応 |
具体的な取組み |
物理的 リスク |
急性・ 慢性的な 物理リスク |
気候変動や気象災害による事業継続リスク |
大 |
短~長期 |
各リスク想定からの対応計画の立案・対応強化 |
・工場新設時には洪水被害を念頭に置いて立地条件や設備の配置、気候パターンの変化などを考慮 ・リスク評価の結果をもとに、製造拠点ごとのリスクに応じた対策を強化 ・サプライチェーンのBCP強化 |
機会 |
製品 サービス 市場 |
・電動化の推進による関連製品の需要拡大 ・カーボンニュートラル達成に向けたCO2などの大気浄化製品のニーズ増加 ・再生可能エネルギービジネスの拡大 ・低炭素・省エネルギー製品の需要拡大 |
大 |
中~長期 |
当社のコア技術及び他社との協業による、カーボンニュートラルに貢献する新製品の開発 |
・発電効率が高く、バイオ燃料による発電が可能な改質一体型SOFCの開発 ・カーボンナノチューブ活用によりバッテリーの高効率化に貢献(導電助剤等) ・独自の抄造・塗膜・触媒技術(ハニカム構造)を活かした気体(CO2など)吸着などの大気浄化技術及び熱効率の良い焼成用治具の開発 ・高効率で長寿命の水処理膜(UF膜/RO膜)の開発 ・基幹事業で培った接合技術を活かした、異種材接合による車両などの軽量化やサイクルタイム短縮による省エネに貢献する技術の提供 |
※影響度
大:事業が停止、または大幅な縮小・拡大の影響が想定される。
中:事業の一部への影響が想定される。
小:開示対象から除外
※時間軸
短期:1年以内、中期:1年~3年、長期:5年以上
・リスク管理
当社グループは、ISO14001の環境マネジメントシステムを活用して、気候変動リスクの評価と管理を行っています。これにより、物理的リスク(自然災害など)や移行リスク(規制の変化など)を特定し、適切な対策を講じています。
・指標及び目標
当社は、カーボンニュートラルの実現に向けて、事業活動から直接排出される温室効果ガス(GHG)排出量を、2013年度比で2030年度までに50%削減、2050年にはカーボンニュートラル(実質排出量ゼロ)にすることを目指し、省エネ活動や再生可能エネルギー由来の電力への切り替え等の再エネの積極的な利活用を推進しています。
2024年度のGHG排出量は139,040トンとなり、基準年(2013年度比)より増加しましたが、省エネ施策をはじめ、再生可能エネルギーの導入などにより前年度比に対し8%削減することができました。当社は、GHG排出量の削減目標達成に向けたさらなる対応策を継続的に推進してまいります。
2024年度温室効果ガス(GHG)排出量実績
区分 |
2024年度実績 |
Scope1※自社での燃料の使用などによる温室効果ガスの直接排出量 |
42,152t-CO2 |
Scope2※自社で他社から供給された電気などの使用による温室効果ガスの間接排出量 |
96,888t-CO2 |
合計(Scope1+2) |
139,040t-CO2 |
(注)1.当社グループ基準にて算定しています(国内マーケット基準、海外は一部ロケーション基準にて算定)。今後、排出量実績額は、第三者検証受審予定のため数値が変動する可能性があります。
2.当社のScope2排出量には、非化石証書や再生可能エネルギー等による削減効果含がまれています。
2024年度温室効果ガス(GHG)削減量実績
区分 |
2024年度実績 |
省エネルギー活動における削減 |
1,604t-CO2 |
再生可能エネルギーにおける削減 |
23,196t-CO2 |
施策によるCO2総削減量 |
24,800t-CO2 |
(3)人的資本
当社グループは、持続可能な成長を実現するため、人的資本の強化を経営戦略の中核と位置付けています。事業環境の変化が加速する中で、新たな価値を創出し、競争力を高めるには、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の整備が不可欠です。当社は企業理念の行動指針として、「常に自己研鑽に励み、改革・改善を行う」こと、そして「人の和を大切にし、明るい職場をつくる」ことを掲げています。この指針のもと、人権尊重方針、安全衛生方針、人事方針を定め、「健康で災害のない明るい職場」の実現を目指すとともに、人材育成を企業の持続的成長の源と位置付けています。これに基づき、働く人の能力を高め、多様性・人格・個性が尊重される働き方の実現を重要な経営課題としています。このため、当社は第12次中期経営計画において、従業員の「エンゲージメント向上」「多様性の推進」「人材育成・能力開発」の3つを柱とし、組織全体で人的資本の強化に取り組んでいます。従業員が自律的に成長し、挑戦できる環境を提供することで、企業の持続可能な成長を支える人材基盤を構築してまいります。
・戦略
■人材育成方針
当社グループは、事業環境の変革を見据え、持続可能な成長を実現するためにVISION2035を掲げ、「社会に求められる価値を生み出し続ける企業へ」というありたい姿を明確にしました。さらに、第12次中期経営計画では、新たな事業環境に適応し、「第二の創業 新しいFCCへ」という事業方針を掲げ、会社・事業の転換期としての変革を推進しています。このビジョンの実現に向け、「新しいFCC」を自ら創り上げ、イノベーションを生み出す人材育成を重要課題と位置付けています。そのための基盤として、「エンゲージメント向上」「多様性の推進」「人材育成・能力開発」の3つを柱とした施策を推進しています。特に、多様な個性と能力を持つ従業員の主体性を尊重し、挑戦意欲を引き出す文化を醸成することを重視し、自律的なキャリア形成を支援するとともに、組織全体のポテンシャルを最大限に引き出すことを目指しています。そのため、人材ポートフォリオの策定に着手し、求められる人材要件を定義するとともに、現状とのギャップを明らかにし、適切な対策を講じてまいります。
■社内環境整備方針
<従業員エンゲージメント>
組織風土の実態を把握し、従業員の働きがいや満足度を向上させるため、当社グループでは2023年度より全従業員を対象としたエンゲージメント調査を開始しました。調査結果から、「人事評価の納得度向上」「キャリア支援」「経営層との対話機会の増加」が課題として浮き彫りとなりました。これを受け、キャリア支援の強化を目的に、社内各組織の業務理解を促進する「お仕事図鑑」の全社共有や学習支援サービスの導入を進め、従業員のキャリア形成を支援する環境を整備しました。こうした取り組みにより、2024年度の調査では前年よりスコアが改善されています。一方で、依然としてスコアが低い項目もあり、特に「人事評価の納得度」「キャリア支援」「経営層との対話機会の増加」は、依然として優先課題として継続的に対応する必要があると認識しています。今後もエンゲージメント調査のスコア改善に向け、従業員が働きやすく、やりがいを感じられる職場づくりを推進してまいります。
<多様性の推進>
多様な人材が活躍できる環境を整備することが、持続的な成長とイノベーションの創出につながると考えています。その中でも、特に管理職層における女性比率の向上を重要な課題と位置付け、2026年度までに1つ上位の職階へ昇進する女性社員の割合を男性と同等とする目標を掲げています。この目標の達成に向け、女性のキャリア形成支援や意識改革を促す研修の実施、柔軟な働き方の拡充などを通じて、ライフイベントとキャリアの両立を支援する職場環境の整備に注力し、女性が長期的に活躍できる環境づくりを推進しています。また、男性の育児参画を促進するための風土醸成にも取り組み、性別を問わずすべての従業員が活躍できる環境の構築を目指しています。今後も、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、安心して働ける環境を整備することで、持続可能な成長とイノベーションの創出を支えてまいります。
<人材育成・能力開発>
「新しいFCC」の実現に向け、変化する事業環境に適応できる人材を育成するため、体系的な人材教育を実施しています。新入社員研修、昇格時研修、管理職研修など、階層別の教育プログラムを設け、それぞれの成長ステージに応じた学びの機会を提供しています。また、従業員の自律的な学びを支援するため、学び放題サービスの導入を行い、今後はデジタル領域の基礎教育や専門教育の拡充を検討しています。
キャリア形成支援の取り組みとしては、従業員が自身のキャリアを主体的に考え、成長できる環境の提供を目指し、ベテラン層向けのキャリア教育やジョブローテーション制度の充実を進めてきました。さらに、若手層向けのキャリア教育を新たに開始し、支援対象を拡大しています。最近では、「お仕事図鑑」の全社共有を通じ、従業員が社内のさまざまな職種や役割を理解し、キャリアプランを考えるための材料として活用できる環境を整えました。今後も、従業員のキャリア自律を支援し、個々の能力向上やモチベーション向上を図ることで、組織全体の活性化とイノベーションを推進してまいります。
<労働安全衛生>
当社グループでは、「健康で災害のない明るい職場」を目指し、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)に準拠し、国内外の社内体制を構築しています。PDCAサイクルの運用を通じて、充実した安全衛生活動を実施しています。国内外の拠点では、内部監査員による三現主義(現場・現物・現実)に基づいた監査を行い、不安全箇所の改善や不安全行動の是正に取り組むことで、安全で魅力ある職場づくりを推進しています。
<健康経営>
「従業員一人ひとりが明るく、楽しく、元気よく働ける環境の実現」を目指し、健康経営を推進しています。企業の持続的な成長には、従業員が心身ともに健康であり、最大限のパフォーマンスを発揮できる職場環境の整備が不可欠であると考えています。そのため、当社では「従業員のパフォーマンス向上」を健康経営で解決したい経営課題として掲げ、「からだの健康」、「こころの健康」、「働き方改革」の3つを主要な取り組みとしてワークエンゲージメントを高めるための職場環境改善に取り組んでいます。これらの取り組みを通して、当社は3年連続で「健康経営優良法人」に認定されております。今後も、従業員の健康維持・向上に向けた施策を強化し、職場環境の継続的な改善を通じて、ワークエンゲージメントの向上と持続可能な企業成長を支える基盤の構築に努めてまいります。
・指標及び目標
第12次中期経営計画において、人的資本の人材戦略として「エンゲージメント向上」、「多様性の推進」、「人材育成・能力開発」の3つの柱を掲げ、施策を推進しています。これらの施策の実効性を高め、人的資本をさらに強化させるため、「指標と目標」の策定が重要な課題と認識しております。現時点では、社内での議論が十分に進んでおらず、定量的な指標と目標の設定はできていない状況ですが、2026年度からはじまる第13次中期経営計画において、経営計画と人的資本を連動させた指標と目標を設定し推進していく方針です。
イノベーションを生み出すための3つの柱
① エンゲージメント向上
当社では「イノベーションを生み出す基盤づくり」のためには、従業員のエンゲージメント向上を重要な指標と位置づけ、2023年度よりエンゲージメント調査を開始し、その結果を踏まえて目標値の設定、施策の方向性を決定していく予定です。
また、従業員が健康で活力にあふれ、高いパフォーマンスを発揮できる環境を築くため、健康経営優良法人認定制度のフレームワークを活用し本格的な取り組みを開始し、2022年度より3年連続で優良法人に認定されました。
② 多様性の推進
管理職層における女性比率の向上を優先課題の一つとし、2026年度までに1つ上位の職階へ昇進する女性社員の割合を男性と同等にする目標を掲げています。また、ライフイベントとキャリアの両立を支援する制度の拡充や柔軟な働き方の導入を進め、多様な人材が活躍できる環境整備を推進しています。
なお、「第1 企業の概況」「5.従業員の状況」「(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の項目において、女性管理職比率が低い要因や男女賃金格差の背景について記載しており、当社の組織全体の人的資本の向上に向けた考え方をご理解いただけます。
③ 人材育成・能力開発
事業環境の変化を確実に捉え、「新しいFCC」を実現していくために必要な人材を育てあげるため、当社では体系的な人材教育の体制を整えております。2024年度からは付加価値の質の変革を目的に、新たに全社的なDX教育を取り入れております。
また、イノベーションを牽引する人的基盤を構築するため、まずはマネジメント層に求められる役割行動の評価基準を見直していき、従業員が意欲高く能力発揮し、課題にチャレンジできる職場環境の形成を目指します。
今後、2026年度から始まる13次中期経営計画において、人的資本に関する「指標と目標」を正式に設定し、年次の事業計画と人的資本を連動させる形で推進を計画しています。